企業の一言説明

日本農薬は、農薬事業を主力に、医薬品や動物薬、スマート農業連携アプリなども展開する農薬大手の企業です。ADEKA子会社であり、グローバル市場開拓に注力しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • グローバル展開と自社開発品による成長牽引: 北米、欧州、インドなどの海外市場で農薬販売が好調であり、連結子会社の拡大も寄与し、堅調な増収増益を達成。自社開発品の比率が高く、利益成長を支える基盤があります。
  • 健全な財務体質と良好なキャッシュフロー: Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)と財務品質に優れ、自己資本比率も安定しています。営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、経営の安定性を示しています。
  • ブラジルでの係争と為替変動リスク: ブラジル子会社を巡る大規模な係争案件が継続しており、将来的な財務影響が不確定です。また、海外売上比率が高いため、為替変動が業績に与える影響も注視が必要です。信用倍率が高水準であり、将来的な需給悪化のリスクも考慮すべきでしょう。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 横ばい~微増
収益性 C ベンチマーク未達
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション A 割安感あり

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1025.0円
PER 14.86倍 業界平均20.4倍
PBR 1.00倍 業界平均1.1倍
配当利回り 2.63%
ROE 6.68%

1. 企業概要

日本農薬は1926年設立の農薬大手企業です。農薬事業が売上高の95%を占める主力事業であり、国内水稲向けから北米、欧州、インド、ブラジルなどの海外市場まで、自社開発の殺虫剤、殺菌剤、除草剤を展開しています。その他、シロアリ駆除剤などの農薬以外の化学品、医薬品・動物薬、造園緑化工事、不動産賃貸事業なども手掛けています。自社開発品比率が高いことが特徴で、スマート農業連携アプリにも注力し、高付加価値製品・サービスの提供を通じて競争優位性を確立しています。

2. 業界ポジション

日本農薬は、ADEKAを親会社とする農薬専業メーカーであり、日本の農薬業界における大手の一角を占めています。国内での強固な基盤に加え、海外売上高比率が70%(2025年3月期)と高く、特にブラジル、インドといった新興国での開拓を進めることでグローバル市場での存在感を高めています。競合と比較して、自社開発品の拡充とスマート農業関連技術への投資を強みとしています。バリュエーション面では、PERが14.86倍と業界平均20.4倍を下回り、PBRも1.00倍と業界平均1.1倍を下回っており、相対的に割安感があります。

3. 経営戦略

日本農薬は、中期経営計画「GGS (Growing Global for Sustainability)」に基づき、グローバル事業戦略の深化、環境経営の推進、人的資本への投資を重点テーマとしています。直近では、農研植物病院との資本業務提携を発表し、スマート農業分野での連携強化を図っています。また、2026年3月期第2四半期決算では、通期業績予想および配当予想を上方修正しており、堅調な事業成長が継続していることを示しています。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで良好な収益体質を示しています。
財務健全性 3/3 流動比率が1.5以上、D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化もないため、極めて健全な財務状況です。
効率性 1/3 四半期売上成長率がプラスですが、営業利益率とROEが共にベンチマークを下回っており、資本効率には改善の余地があります。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 5.56%
    • ベンチマークである10%には届いておらず、改善の余地があります。
  • ROE(実績): 6.68%
    • 株主資本を効率的に活用して利益を上げているかを示す指標で、一般的な目安である10%を下回っています。
  • ROA(過去12か月): 5.31%
    • 総資産に対する利益率で、目安とされる5%をわずかに上回っており、資産の活用効率は比較的良好です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 50.8%
    • 事業活動に必要な資金のうち、どれだけ自己資金で賄っているかを示す指標で、50%を超えており非常に高い水準で財務基盤が安定していることを示します。
  • 流動比率(直近四半期): 2.59倍 (259%)
    • 短期的な債務返済能力を示す指標で、200%以上が望ましいとされる中で非常に良好な水準です。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 13,240百万円
    • 本業で現金を創出する力が非常に高く、安定した事業運営を示しています。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 10,690百万円
    • 営業活動で得た現金から投資に必要な支出を差し引いたもので、自由に使える現金が潤沢にあることを示しており、財務的な柔軟性が高いと言えます。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 2.59倍
    • 1.0以上が健全とされる中で、純利益の2倍以上の営業キャッシュフローを稼ぎ出しており、利益が実態を伴った質の高いものであることを示しています。

【四半期進捗】

  • 2026年3月期第2四半期(中間期)進捗率:
    • 売上高: 43.7%(通期予想109,300百万円に対し47,710百万円)
    • 営業利益: 50.9%(通期予想9,200百万円に対し4,687百万円)
    • 親会社株主に帰属する中間純利益: 62.4%(通期予想5,400百万円に対し3,372百万円)
  • 直近3四半期の売上高・営業利益の推移(中間期情報より):
    • 中間期で大幅な増収増益を達成しており、特に営業利益は前年同期比で355.3%増と急伸しています。通期予想に対する利益進捗率は非常に順調です。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 14.86倍 (株価が利益の何年分かを示す。業界平均20.4倍)
  • PBR(実績): 1.00倍 (株価が純資産の何倍かを示す。業界平均1.1倍)
    • いずれの指標も業界平均を下回っており、割安感がある状態と判断できます。特にPBRが1.00倍は、市場が企業の純資産をほぼ解散価値と評価していることを示唆し、割安性は高いと言えます。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 1331円
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 1127円

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 6.94 / シグナル値: 10.55 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 50.6% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +1.95% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +1.06% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +7.82% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +12.06% 長期トレンドからの乖離
  • 現在のMACDはシグナルラインを下回っており、短期的なモメンタムはやや弱いものの、RSIが50%台で推移していることから、買われすぎ・売られすぎといった過熱感は現状見られません。

【テクニカル】

  • 現在株価1,025.0円は、52週高値1,054円に近く、52週安値631円からは大きく上昇した高値圏に位置しています。
  • 短期的な5日移動平均線(1,005.40円)、25日移動平均線(1,014.28円)に加え、中期的な75日移動平均線(950.64円)および長期的な200日移動平均線(913.07円)の全てを株価が上回っており、緩やかな上昇トレンドが継続していると見られます。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式+1.08% vs 日経+4.21% → 3.13%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式+15.30% vs 日経+4.85% → 10.45%ポイント上回る
    • 6ヶ月: 株式+15.04% vs 日経+27.01% → 11.97%ポイント下回る
    • 1年: 株式+43.96% vs 日経+34.92% → 9.04%ポイント上回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式+1.08% vs TOPIX+3.20% → 2.11%ポイント下回る
  • 短期(1ヶ月)では日経平均やTOPIXに対してやや劣後していますが、3ヶ月および1年といった中長期では市場平均を上回るパフォーマンスを示しており、相対的に良好な推移をしています。ただし、6ヶ月では市場平均を下回る局面も見られます。

【注意事項】

  • ⚠️ 信用倍率が5.04倍と高水準であり、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.03
    • 市場全体の動きに対する感応度を示す指標で、0.03という低い値は、市場変動に対して株価が非常に安定していることを示しています。
  • 年間ボラティリティ: 31.53%
    • 年間を通して株価がどれだけ変動するかを示す指標で、比較的高い水準です。
  • 最大ドローダウン: -44.13%
    • 過去に記録された最も大きな下落率で、もし100万円投資していた場合、最大で44.13万円程度の損失を経験する可能性があったことを意味します。今後も同様の下落が起こりうることを念頭に置く必要があります。
  • シャープレシオ: -0.46
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、マイナス値はリスクに対して十分なリターンが得られていない期間があったことを示します。

【事業リスク】

  • ブラジルでの係争リスク: ブラジル子会社に関する係争事件が継続しており、将来的に多額の損害賠償を命じられる可能性があり、財務状態や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。現時点では影響額を合理的に見積もることが困難とされていますが、重要な注記として言及されています。
  • 為替変動リスク: 海外売上高比率が高い(70%)ため、為替レートの変動が連結業績に与える影響は大きいです。特に円高に転じた場合、外貨建て売上高や利益が円換算で減少するリスクがあります。直近では為替差益計上もある一方で、デリバティブ評価損も発生しており、影響は多岐にわたります。
  • 気候変動および原材料価格変動リスク: 農薬需要は気象条件(異常気象による害虫発生状況など)に左右されるほか、原材料価格の変動も製造コストに直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況:
    • 信用買残: 159,400株
    • 信用売残: 31,600株
    • 信用倍率: 5.04倍
    • 信用倍率が5倍を超えており、将来的な投げ売りによる株価下落リスク要因となる可能性があります。機関投資家や個人投資家の動向を注視する必要があります。
  • 主要株主構成(上位3社):
    • ADEKA: 49.01%
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 6.21%
    • 自社(自己株口): 3.90%
    • 筆頭株主であるADEKAが発行済株式の約半分を保有しており、安定した大株主構成となっています。日本マスタートラスト信託銀行(信託口)も上位株主に入っており、浮動株比率は比較的低いと予測されます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.63%
  • 1株配当(会社予想): 27.00円(2026年3月期予想)
  • 配当性向:
    • 2025年3月期実績: 73.2%
    • 2026年3月期予想に基づく配当性向: 約39.1%(予想EPS 68.98円に対し、予想年間配当27円で計算。30-50%が一般的な目安とされる中で妥当な水準に改善する見込みです)
  • 配当は中間期で既に増配されており、通期でも増配予想となっています。
  • 自社株買い: データなし(直近のIR資料に記載はありません)。

SWOT分析

強み

  • グローバル市場(特に海外売上比率70%)での広範な事業展開と自社開発品による競争力。
  • Piotroski F-Score「S」評価が示す極めて優良な財務健全性と高水準な営業キャッシュフロー。

弱み

  • ROEがベンチマーク(10%)を下回るなど、資本効率に改善の余地がある点。
  • ブラジルでの係争事件が継続しており、業績に不確実性をもたらす。

機会

  • 新規連結子会社の貢献や、北米・欧州・インド市場での農薬需要のさらなる拡大。
  • スマート農業連携アプリなど、新たな技術を活用した事業領域の開拓。

脅威

  • 為替変動、特定の地域の異常気象、原材料価格の高騰など、外部環境による業績への影響。
  • 信用倍率の高水準が示唆する市場からの売り圧力、および同業他社との競争激化。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務体質の企業を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と良好なキャッシュフローは長期的な安定投資に適しています。
  • グローバル市場での成長性を求める投資家: 海外展開に強みを持ち、特に新興国での成長機会を追求しているため、グローバル市場での事業拡大に期待する投資家に向いています。
  • 配当を重視する投資家: 連続増配傾向にあり、配当性向も適正水準に安定化する見込みであるため、インカムゲインを期待する投資家にとっても魅力的な銘柄です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • ブラジル係争の進捗: 係争の結果次第では多額の臨時損失が発生する可能性があるため、今後の開示情報には細心の注意を払う必要があります。
  • 為替変動の影響: 海外事業の比重が高いため、為替レートの動向が業績に与える影響を定期的に確認し、リスクを考慮に入れるべきです。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外売上高比率と地域別成長率: 特に、期待されるブラジルやインド市場での具体的な進捗と、新規連結子会社の収益貢献度。
  • 営業利益率およびROEの改善状況: 収益性指標がベンチマークに到達し、資本効率が改善されるかどうかが成長性のドライバーとなりえます。目標は営業利益率10%以上、ROE10%以上。
  • ブラジル係争の進捗と財務影響: 係争の行方、およびそれに伴う財務諸表への具体的な影響額について、継続的に情報収集が必要です。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: B (横ばい~微増)
    • 過去12か月の売上高は108,547百万円、直近四半期の売上高成長率(前年比)は3.50%です。2026年3月期の通期売上高予想109,300百万円は2025年3月期比で約9.3%増ですが、過去12か月実績からは横ばい〜微増といった水準であり、高い成長性とは言えません。
  • 収益性: C (ベンチマーク未達)
    • ROE6.68%、営業利益率5.56%であり、それぞれ目安である10%(ROE)および15%(営業利益率)を下回っています。ROAは5.31%と目安の5%をわずかに上回りますが、全体的な収益効率には改善の余地があります。
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    • 自己資本比率50.8%(目安60%以上)、流動比率2.59倍(目安200%以上)、Piotroski F-Scoreも7/9点と高評価(S)であり、極めて高い財務健全性を示しています。
  • バリュエーション: A (割安感あり)
    • PER14.86倍(業界平均20.4倍)およびPBR1.00倍(業界平均1.1倍)ともに業界平均を下回っており、株価には相対的に割安感があると判断できます。目標株価も業界平均ベースで1127円〜1331円であり、現在の株価より高い評価が示唆されています。

企業情報

銘柄コード 4997
企業名 日本農薬
URL http://www.nichino.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,025円
EPS(1株利益) 68.98円
年間配当 2.63円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 5.2% 17.1倍 1,518円 8.4%
標準 4.0% 14.9倍 1,246円 4.2%
悲観 2.4% 12.6倍 981円 -0.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,025円

目標年率 理論株価 判定
15% 627円 △ 63%割高
10% 783円 △ 31%割高
5% 988円 △ 4%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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