企業の一言説明

コーナン商事は、ホームセンター事業を主軸に展開する、大阪地盤の小売業界大手企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 割安なバリュエーションと高い株主還元: PER/PBRともに業界平均を大きく下回り、配当利回り3%超と自社株買い実績もあり、割安感と株主還元への意識が高い。
  • M&Aと多角化による成長戦略: 大型店舗展開に加え、専門業態「KOHNAN PRO」、リフォーム事業、キャンピング用品店「CAMP DEPOT」など多角化を進め、M&Aにより商圏拡大と売上成長を追求。
  • 利益率の低下と財務健全性の懸念: 販管費や支払利息の増加により利益率が低下傾向にあり、M&Aに伴う借入増加と在庫増が財務健全性への短期的な懸念材料となっている。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 成長戦略推進
収益性 C やや不安
財務健全性 C やや不安
バリュエーション S 優良

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,870.0円
PER 9.17倍 業界平均21.3倍
PBR 0.64倍 業界平均1.8倍
配当利回り 3.36%
ROE 8.80%

1. 企業概要

コーナン商事 (7516) は、1978年設立の大阪を地盤とするホームセンター大手です。DIY用品や建築資材を扱うホームインプルーブメント、家庭用品を扱うハウスキーピングを主力とし、プロ向け「KOHNAN PRO」、リフォーム事業「KOHNAN REFORM」、キャンプ用品「CAMP DEPOT」など多様な店舗形態を展開しています。関西圏でのドミナント戦略に加え、M&A(企業買収)を通じて関東圏への本格進出も果たしており、小売事業に加えて商業施設の賃貸や建物メンテナンスも手掛けることで収益モデルを多角化しています。商品の仕入れ力や店舗運営ノウハウが強みです。

2. 業界ポジション

国内ホームセンター業界において、コーナン商事は大都市圏を中心に強固なドミナント(集中出店)戦略を展開する大手の一角を占めています。近年はM&Aを積極的に活用し、商圏を西日本から東日本へ拡大しています。競合に対する強みは、幅広い品揃えとプロ向け、リフォームなど専門性の高いニーズへの対応力で、顧客層の拡大を図っている点です。一方で、既存店の成長に加え、M&A後の迅速な統合とその効果創出が課題となります。同社のPER9.17倍、PBR0.64倍は、業界平均PER21.3倍、PBR1.8倍と比較して大幅に割安な水準にあります。

3. 経営戦略

コーナン商事は、2026年2月期からスタートする第4次中期経営計画(最終年度2028年2月期目標:売上高5,600億円、営業利益290億円、純利益165億円)に基づき、成長戦略を推進しています。具体的には、大型店舗の展開、プロ向け業態「KOHNAN PRO」の拡充、およびM&Aによる事業規模の拡大に注力しています。直近では、2025年10月に株式会社ホームセンターみつわを、同年12月には株式会社I'nTホールディングスを子会社化するなど、積極的に事業基盤を強化しています。これらのM&Aや新規出店により、短期的には販管費や金利負担が増加するものの、中長期的には売上拡大と収益貢献が期待されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 2/9 C: やや懸念
収益性 2/3 純利益がプラスであり、有形固定資産に対する収益性もプラス。
財務健全性 0/3 流動比率が目安を下回り、負債資本倍率が高水準。株式希薄化の確認も必要。
効率性 0/3 営業利益率とROEが目安を下回り、直近四半期の売上高成長率もマイナス。

解説:

本スコアは2点と「やや懸念」の評価です。収益性では純利益とROAがプラスを維持しているものの、財務健全性においては流動比率の低下や負債資本倍率(Total Debt/Equity)の高水準が指摘されています。また、効率性では営業利益率、ROEが目安に達しておらず、直近四半期の売上高成長率もマイナスとなるなど、改善が必要な点が複数見られます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 3.36% (決算短信第3Q累計: 4.73%)。これは業界平均と比較して低く、ベンチマーク(5-10%以上)を下回り、利益率の改善が課題です。
  • ROE(過去12か月): 8.01% (実績: 8.80%)。ベンチマークの10%は下回りますが、8%台は維持しており、株主資本の活用効率は一定水準を保っていますが、積極的な改善余地があります。
  • ROA(過去12か月): 2.84%。ベンチマークの5%を下回っており、総資産を効率的に活用できているとは言えません。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 34.6%。目安とされる40%を下回っており、M&Aに伴う借入増加により直近四半期では33.4%に減少しており、財務体質の強化が求められます。
  • 流動比率(直近四半期): 1.39倍(139%)。目安の150-200%を大きく下回っており、短期的な支払い能力に余裕があるとは言えない状況です。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF、FCFの状況: 決算短信に四半期連結キャッシュ・フロー計算書は添付されておらず、詳細なキャッシュフローの状況は不明です。
  • 利益の質(営業CF/純利益比率): キャッシュフロー計算書がないため、算出不可です。営業活動によるキャッシュフローが純利益を上回るのが健全性の目安ですが、確認できません。

【四半期進捗】

2026年2月期第3四半期累計(2025年3月1日~2025年11月30日)の通期予想(修正後)に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高: 391,108百万円 / 516,600百万円 = 75.7%。通常の進捗ペース(3Qで約75%)を上回る良好な進捗です。
  • 営業利益: 18,501百万円 / 21,250百万円 = 87.1%。高い進捗ですが、通期予想が下方修正されていることに留意が必要です。
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 10,907百万円 / 12,000百万円 = 90.9%。こちらも高い進捗を示しています。

直近3四半期(詳細は記載なし)では売上高は増加傾向にあるものの、販管費や支払利息の増加により利益は減益トレンドにあります。特に、商品及び製品在庫が前年同期比で12.9%増加しており、今後の在庫回転や管理が注目されます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 9.17倍。業界平均PER21.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 0.64倍。業界平均PBR1.8倍と比較して非常に割安な水準であり、解散価値(純資産)を下回っています。これは、市場から企業価値が十分に評価されていない「バリュートラップ」の可能性も考慮すべきですが、一方で、株主価値向上策への期待も高まります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -22.7 / シグナル値: -15.45 短期的なトレンドは明確ではないが、MACD値がシグナル値を下回っており、やや下落方向の圧力が示唆される状態。
RSI 中立 47.0% 買われすぎや売られすぎの水準ではないため、株価の方向性を示す明確なシグナルは出ていません。
5日線乖離率 -0.15% 直近の株価は5日移動平均線とほぼ同水準にあり、短期的なモメンタムは落ち着いています。
25日線乖離率 -1.94% 株価は短期トレンドを示す25日移動平均線をやや下回っています。
75日線乖離率 -0.71% 株価は中期トレンドを示す75日移動平均線をわずかに下回っています。
200日線乖離率 -0.33% 株価は長期トレンドを示す200日移動平均線をわずかに下回っており、長期的な上昇トレンドは維持していますが、短期的な調整局面にある可能性を示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価3,870.0円は、52週高値4,250.0円から約9.0%低い水準、52週安値3,275.0円から約18.1%高い水準(52週レンジ内位置: 61.0%)に位置しています。移動平均線を見ると、現在株価は全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を下回っており、短期から中期的な上値の重さが意識される状況です。

【市場比較】

過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、コーナン商事の株価リターンは日経平均やTOPIXのパフォーマンスを大きく下回っています。特に6ヶ月、1年間では市場全体の強い上昇トレンドから、同社株は大きく乖離している状況であり、市場からの評価が相対的に低いことを示しています。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 22.72%。年間で株価が大きく変動する可能性を示唆します。仮に100万円投資した場合、年間で±22.72万円程度の変動が想定されます。
  • シャープレシオ: 0.17。リスクに見合ったリターンが十分に得られていないことを示します(一般的に1.0以上が良好)。
  • 最大ドローダウン: -22.18%。過去の投資期間で経験した最大の下落率であり、今後もこの程度のリスクは想定すべきであると言えます。

【事業リスク】

  • 物価上昇とコスト増: 原材料価格、物流費、人件費、光熱費などのコスト上昇が継続しており、売上増を上回る費用増が利益を圧迫する可能性があります。
  • 競争激化と消費マインドの低迷: 他のホームセンターやEC事業者との競争が激化しており、物価高騰による消費者の購買意欲減退が売上や利益に影響を与える可能性があります。
  • M&Aに伴う統合リスクと財務負担: 積極的なM&A戦略は成長の機会をもたらしますが、買収企業の統合プロセスが計画通りに進まない場合や、それに伴う多額の借入金(有利子負債)による金利負担増が経営を圧迫するリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が113,400株、信用売残が44,700株であり、信用倍率は2.54倍です。これは買残が売残よりも多い状況ですが、極端に高くは無く、将来の売り圧力が過度に懸念される水準ではありません。
主要株主は自社株(自己株口)が15.6%と最も多く、次いで日本マスタートラスト信託銀行(信託口)8.81%、港南(株)5.88%、疋田耕造氏5.21%、疋田直太郎氏5.19%と、創業者一族や資産管理会社、機関投資家が上位を占めています。安定株主が多い構造ですが、自社株比率が高い点は株式市場での流動性に影響を与える可能性もあります。

8. 株主還元

コーナン商事は積極的な株主還元姿勢を示しています。

  • 配当利回り(会社予想): 3.36% (単元株数100株、最低購入代金387,000円)。現在の株価水準で高めの利回りを提供しています。
  • 1株配当(会社予想): 130.00円(中間65円、期末65円)。2025年2月期の年間100円から増配予想となっています。
  • 配当性向: 23.94% (Yahoo Japan情報では20.3%、Yahooの計算は純利益12,000百万円に対する総配当額約4,508百万円から約37.6%となるため、どちらかの情報が古いか算出基準が異なる可能性がある。過去5年平均を見ると20.3%が実績に近い)。いずれにしても利益に対する配当の割合は低めであり、成長投資や内部留保とのバランスを取る姿勢がうかがえます。
  • 自社株買い: 第3四半期累計期間中に自己株式516,100株を取得しており、株主還元への意識が高いことを示しています。

SWOT分析

強み

  • ドミナント戦略とM&Aによる事業拡大: 相次ぐM&Aと多様な業態展開(プロ向け、リフォーム、キャンプ用品)により、事業規模と商圏を拡大し、市場シェアを着実に伸ばしている。
  • 割安なバリュエーションと高水準の株主還元: PER/PBRが業界平均を大幅に下回る一方で、高配当利回りや自社株買いを行うなど、株主還元に積極的で、長期的な投資魅力がある。

弱み

  • 利益率の低下傾向: 販管費(人件費、物流費等)および支払利息の増加により、営業利益率やROEが過去と比較して低下傾向にあり、収益性の改善が急務。
  • 財務健全性への懸念: M&Aに伴う借入増加や在庫増により自己資本比率や流動比率が低下しており、財務体質への負担が増している。キャッシュフロー情報が不足している点も透明性の課題。

機会

  • 国内小売業界の再編とM&A機会: 少子高齢化や市場競争の激化により業界再編が進む中で、引き続きM&Aを通じて競争力強化や新規事業領域への進出が可能。
  • オンライン/オフラインの融合による顧客体験向上: ECサイトの強化、店舗受取サービスの拡充、デジタル技術を活用した顧客体験向上により、新たな顧客層獲得や既存顧客のリピート率向上が期待できる。

脅威

  • インフレ圧力と消費者の購買力低下: 原材料高、エネルギーコスト高が続き、消費者の実質賃金が伸び悩むことで、購買意欲が減退し、客単価や来客数に悪影響を及ぼす可能性。
  • 金利上昇リスクと有利子負債の増加: 積極的なM&Aや店舗展開による借入金増加に加え、今後の金利上昇局面においては支払利息負担がさらに増加し、業績を圧迫するリスクがある。

この銘柄が向いている投資家

  • 割安株(バリュー株)投資家: 低PBRや低PERを重視し、株価が企業価値に対して過小評価されていると考える投資家。
  • 配当金狙いの投資家: 3%を超える比較的高い配当利回りを重視し、安定的なインカムゲインを求める投資家。
  • 中長期的な視点を持つ成長投資家: M&Aや事業多角化による将来的な成長に期待し、短期的な業績変動を許容できる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 利益率の回復とコスト管理: M&Aや出店による売上増だけでなく、販管費や物流費、金利コストの上昇をいかに抑制し、利益率を改善できるかが重要です。
  • 財務健全性の動向: 自己資本比率の低下や借入金増加傾向、そして増大する在庫の回転状況を注視し、財務負担が過度にならないか確認する必要があります。
  • 市場全体のパフォーマンスとの比較: 過去1年間は市場平均を下回るパフォーマンスであり、市場全体のトレンドに追随できるか、または独自の成長ドライバーを発揮できるかを見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 第4次中期経営計画における目標達成に向け、単なる売上高ではなく、利益率改善の兆しが見られるか(目標値: 第3四半期累計の3.36%からの改善)。
  • 自己資本比率: M&Aや設備投資が続く中で、財務の安定性を示す自己資本比率が30%台前半で安定を維持または改善できるか(目標値: 35%以上)。
  • 在庫回転日数: 商品及び製品在庫の増加傾向が続く中で、効率的な在庫管理により在庫回転日数を改善し、運転資本負担を軽減できるか。
  • M&A後のシナジー効果: 新規買収企業の業績貢献度や、グループ全体の相乗効果が計画通りに進捗しているか。

成長性: B (成長戦略推進)

根拠: 直近の四半期売上成長率(前年比)は-7.60%とマイナスですが、年間の売上高は着実に増加傾向にあります。2025年2月期は前年比6.1%成長、2026年2月期も会社予想で3.0%の増収を見込んでおり、カテゴリーB(5-10%)またはC(0-5%)に該当します。M&Aや新規出店、業態多角化といった中期経営計画に基づく具体的な成長戦略を推進している点を考慮すると、中長期的な成長への期待からB評価とします。

収益性: C (やや不安)

根拠: 過去12ヶ月のROEは8.01%、営業利益率は3.36%です。ROEはベンチマークの10%を下回り、営業利益率は3-5%の範囲にあります。これは評価基準でCに該当し、全体的に利益率が低く、収益力の改善が必要な状況です。販管費や支払利息の増加が利益を圧迫しており、短期的な改善は困難な可能性があります。

財務健全性: C (やや不安)

根拠: 自己資本比率は34.6%で基準の40%を下回り、流動比率も139%と短期的な支払い能力に課題が見られます。Piotroski F-Scoreも2/9点と低く、「やや懸念」と評価されています。M&Aに伴う借入金増加やそれに伴う金利負担増など、財務レバレッジが高まっている状況であり、財務体質の強化が求められます。

バリュエーション: S (優良)

根拠: PER(9.17倍)は業界平均21.3倍の約43.1%と大幅に低く、PBR(0.64倍)も業界平均1.8倍の約35.5%と、極めて割安な水準にあります。この両指標が業界平均の70%以下であるため、評価基準ではSに該当し、株価は割安と判断されます。


企業情報

銘柄コード 7516
企業名 コーナン商事
URL http://www.hc-kohnan.com/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,870円
EPS(1株利益) 422.01円
年間配当 3.36円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.3% 10.5倍 5,229円 6.3%
標準 2.5% 9.2倍 4,383円 2.6%
悲観 1.5% 7.8倍 3,546円 -1.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,870円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,188円 △ 77%割高
10% 2,733円 △ 42%割高
5% 3,448円 △ 12%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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