企業の一言説明

東プレ(Topre Corporation)は、自動車向けプレス部品製造を主力事業とし、定温物流関連(冷凍車)、空調機器、電子機器(REALFORCEキーボード等)も手掛ける独立系の金属製品大手企業です。日産自動車向けが過半を占めるプレス事業と、国内シェア5割を誇る冷凍車事業が二枚看板を成しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅固な財務基盤と高い利益の質: 自己資本比率は60%に迫り、Piotroski F-Scoreは7/9点(優良)と評価されています。さらに、営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回ることから、利益の質は極めて高く、安定した事業運営が期待できます。
  • 割安なバリュエーション: PERは業界平均の約60%、PBRは業界平均を下回り、解散価値を示す1倍を大きく下回る水準にあります。市場平均と比較しても割安感が際立っており、M&Aや事業再編による企業価値向上への期待も持てます。
  • 自動車産業の構造変化と為替リスク: 主力である自動車プレス部品事業は日産向けが過半を占めるため、EV化などの自動車産業の構造変化や特定顧客への依存は潜在的なリスクです。また、海外売上比率が約5割に達するため、為替変動が業績に与える影響は大きく、変動要因として注視が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや停滞
収益性 B 普通
財務健全性 S 優良
バリュエーション S 割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,549.0円
PER 10.56倍 業界平均17.5倍(約60%)
PBR 0.56倍 業界平均0.7倍(約80%)
配当利回り 3.14%
ROE 8.52%

1. 企業概要

東プレは、1935年創業の金属製品メーカーです。連結売上高の約8割を占める自動車向けプレス関連事業を中心に、トラック用冷凍車などの定温物流関連事業、電子機器(キーボード「REALFORCE」など)、空調機器事業を展開しています。主力であるプレス事業では、超高張力鋼板やホットスタンププレス製品といった軽量化・高剛性化に貢献する技術を強みとし、自動車部品の安全性向上と環境負荷低減に寄与しています。定温物流関連事業では国内冷凍車市場で約5割のシェアを確保し、独自の技術と品質で高い参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

東プレは、金属製品業界において主要なプレス部品メーカーの一角を占めています。特に自動車向けプレス部品では日産自動車グループへの供給が約5割を占めるほか、冷凍車市場では国内で高いシェアを誇ります。競合企業に対しては、超高張力鋼板などの先進的なプレス技術や、高い耐久性・省エネ性能を誇る冷凍車製品における独自性が強みです。財務指標を見ると、PERは10.56倍と業界平均17.5倍を大きく下回り、PBRも0.56倍と業界平均0.7倍を下回る水準であり、業界内で見ても割安感のあるバリュエーションとして評価されます。

3. 経営戦略

東プレの中期経営計画に関する具体的な詳細はデータからは明確ではありませんが、最新の中間決算短信からは以下の成長戦略の方向性が読み取れます。プレス関連事業においては、国内の物量減を北米での物量増で補うなど、海外市場での事業拡大を加速しています。定温物流関連事業では、中型・大型冷凍車の販売増を推進し、安定的な収益源として強化する方針です。また、電子機器(REALFORCE)事業では販売台数増を目指す一方、原材料費や販促費の上昇に対応する継続的なコスト管理も重要な経営課題として認識されています。2026年3月30日にはEx-Dividend Date(配当権利落ち日)が予定されており、株主還元への意識も高いことが示唆されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで良好
財務健全性 3/3 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の観点から健全
効率性 1/3 四半期売上成長率はプラスだが、営業利益率とROEは10%未満で改善の余地あり

Piotroski F-Scoreは7/9点と高評価で、東プレの財務は「優良」と判定されます。収益性および財務健全性の項目では満点を獲得しており、基本的な収益獲得能力と安定的な財務体質が確立されていることが示されています。一方、効率性スコアは1/3にとどまっており、営業利益率やROEといった資本効率の面で、一層の改善が望まれる状況です。

【収益性】

  • 営業利益率: 過去12か月の実績で6.27%です。これは提供されたF-Scoreの効率性評価においても10%を下回る点で改善余地があるとされています。金属製品業界は設備投資が多く、利益率が圧迫されがちな傾向があります。
  • ROE(株主資本利益率): 過去12か月の実績で8.52%です。これは「株主のお金でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的な目安である10%には僅かに届かないものの、比較的良好な水準です。
  • ROA(総資産利益率): 過去12か月の実績で4.99%です。これは「会社の全資産を使ってどれだけ稼いだか」を示す指標で、目安とされる5%にほぼ到達しており、資産の効率的な活用が進んでいます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: 実績で59.2%(直近四半期で61.5%)です。これは「総資産のうち返済不要な自己資本が占める割合」を示し、50%以上で非常に安定性が高いと評価されます。強固な財務基盤を築いていると言えます。
  • 流動比率: 直近四半期の実績で1.62倍です。これは「短期的な支払い能力」を示し、1.0倍以上で健全、1.5倍以上で優良と見なされます。短期的な資金繰りに問題がないことを示しています。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(営業CF): 過去12か月で39,420百万円と潤沢です。主力事業から安定した現金を創出していることを示します。
  • フリーキャッシュフロー(FCF): 過去12か月で1,780百万円です。営業CFから設備投資などを差し引いた「企業が自由に使えるお金」であり、プラスであることは評価できますが、大規模な設備投資が継続しているため営業CFと比較して少なめです。中間累計では7,766百万円と比較的健全な水準です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 2.12倍です。これは「純利益がどれだけ実際の現金収入を伴っているか」を示す指標で、1.0倍以上が健全とされます。2.0倍を超える水準は極めて良好で、会計上の利益だけでなく、実際のキャッシュフローも伴っている質の高い利益であることを強く示唆しています。

【四半期進捗】

2026年3月期 第2四半期(中間期)の決算短信によると、通期業績予想(売上高365,000百万円、営業利益22,000百万円、当期純利益12,000百万円)に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 48.7%
  • 営業利益進捗率: 47.6%
  • 親会社株主に帰属する中間純利益進捗率: 60.2%

売上高と営業利益は通期予想に対して概ね計画通りに推移していますが、純利益の進捗率が60%を超えているのは、主に為替評価益の改善など一時的な要因が大きく寄与したためです。直近3四半期の売上高・営業利益の具体的な推移は提供データからは確認できませんが、中間期としては堅調な推移と評価できます。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): 会社予想ベースで10.56倍です。これは「株価が利益の何年分か」を示す指標ですが、業界平均の17.5倍と比較して約60%の水準であり、明確な割安感があります。
  • PBR(株価純資産倍率): 実績ベースで0.56倍です。これは「株価が純資産の何倍か」を示し、1倍を下回る場合は企業の解散価値より株価が低いと判断されることがあります。業界平均0.7倍よりも割安である上に、非常に低い水準にあり、バリュートラップのリスクを考慮しながらも、割安株として注目されます。
  • 目標株価: 業種平均PER基準で6,468円、業種平均PBR基準で3,199円と算出されており、現在の株価2,549円と比較して、これらの指標からは現在の株価が割安である可能性が示唆されます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 37.6 / シグナル値: 43.43 MACDがシグナル値を下回っており、短期的なトレンドはやや下向きだが、大きくは動いていない
RSI 中立 56.6% 買われすぎ(70%以上)でも売られすぎ(30%以下)でもない中立圏にある
5日線乖離率 +1.66% 直近のモメンタムはややプラス
25日線乖離率 +2.96% 短期トレンドからやや上方に乖離
75日線乖離率 +8.54% 中期トレンドから上方に乖離
200日線乖離率 +20.24% 長期的に強い上昇トレンドにあるが、過熱感も示唆される

MACDは中立を示し、RSIは56.6%で買われすぎでも売られすぎでもない状況です。しかし、移動平均線との乖離率が全てプラスであり、特に200日移動平均線に対して20%以上上回っていることは、長期的な上昇が強い一方で、短期的な過熱感や調整の可能性も示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価2,549円は、52週高値2,602円に近く、52週レンジ内での位置は95.3%と高値圏にあります。これは年初来安値1,473円から大きく上昇してきたことを示します。現在株価は、5日、25日、75日、200日といった全ての主要移動平均線を上回っており、特に長期的なトレンドは強い上昇基調にあると言えます。しかし、 MACDがシグナルラインを下回っている点や、200日移動平均線からの大きな乖離は、短期的な調整が入る可能性も視野に入れる必要があります。

【市場比較】

東プレの株価は、直近1ヶ月および3ヶ月では日経平均株価やTOPIXといった主要市場指数を上回るパフォーマンスを見せています。これは、短中期的に投資家からの注目度が高まり、株価が比較的堅調に推移していることを表しています。しかし、6ヶ月および1年といった中長期の視点で見ると、日経平均株価を僅かに下回るパフォーマンスとなっており、市場全体の強い上昇トレンドにはやや追いつけていない状況です。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が8.09倍と高水準です。これは、買い残が多く、将来的にこれらの買いポジションが決済される際に一定の売り圧力となる可能性があるため、注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.64です。ベータ値が1.0を下回るため、市場全体が変動する際に、東プレの株価は市場平均よりも変動が小さい傾向があることを示します。比較的安定した銘柄と言えます。
  • 年間ボラティリティ: 35.94%です。仮に100万円投資した場合、年間で±35.94万円程度の変動が想定されることを意味します。
  • 最大ドローダウン: -41.01%です。過去の株価変動で経験した最大の下落率を示し、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • シャープレシオ: 0.17です。リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標ですが、1.0以上が良好とされる中で、この水準はリスクに対してリターン効率が低いことを示唆しています。

【事業リスク】

  • 特定顧客への依存と自動車産業の構造変化: 主力であるプレス関連事業は日産自動車向けが過半を占めており、特定顧客の業績や生産計画、さらにはEVシフトをはじめとする自動車産業全体の構造変化が東プレの業績に直接的な影響を与える可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外売上比率が約48%と高いため、為替レートの変動(特に円高)が海外事業の収益認識や外貨建て債権の評価に影響を与え、連結業績を圧迫するリスクがあります。
  • 原材料価格高騰とコスト増加: 金属製品メーカーである性質上、鋼材などの原材料価格の変動は収益性に直結します。サプライチェーンの混乱や国際的な市況変動による原材料価格の高騰は、コスト増となり利益を圧迫する脅威となります。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が28,300株に対し、信用売残が3,500株と、買い残が売り残を大幅に上回り、信用倍率は8.09倍となっています。この高い信用倍率は、将来的な売り圧力が存在する可能性を示唆しており、市場心理の短期的な過熱感や、株価調整のリスクをはらんでいると言えます。
主要株主は、日本マスタートラスト信託銀行(11.22%)、自社(自己株口)(8.20%)、日本カストディ銀行(7.68%)が上位を占めており、機関投資家や信託銀行が安定株主として名を連ねている一方で、自己株式の保有割合も高く、資本政策における柔軟性を確保していると考えられます。

8. 株主還元

東プレは、2026年3月期の年間配当予想を80.00円としており、現在の株価に基づく配当利回りは3.14%です。これは市場全体と比較しても魅力的な水準と言えます。配当性向は会社予想ベースで30.6%であり、利益の約3割を配当に回す方針は健全な範囲内です。また、当中間期に1,215,000株の自己株式取得を実施しており、これは発行済株式数の約2.2%に相当します。自己株式取得は、一株当たりの価値を高めるとともに、株主への還元意欲を示すものであり、安定した配当と合わせて株主還元に積極的な姿勢が見られます。

SWOT分析

強み

  • 高い財務健全性(自己資本比率60%超、F-Score7点、営業CF/純利益比率2.12倍)
  • 自動車プレス技術(超高張力鋼板等)と定温物流(冷凍車)での高い市場シェア

弱み

  • 営業利益率6.27%・ROE8.52%と、収益性・効率性に改善余地がある
  • 特定の自動車メーカー(日産)への高い依存度

機会

  • 北米を中心とした海外市場でのプレス事業の拡大
  • 定温物流事業における堅調な需要維持と市場拡大の可能性

脅威

  • 為替変動(特に円高)が海外売上や利益を圧迫するリスク
  • 原材料価格の高騰や自動車産業の構造変化(EV化等)

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と配当を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と安定した配当利回りは、企業の安定性を求める投資家にとって魅力的です。
  • 割安なバリュエーションで企業価値向上を期待する投資家: 低PER、低PBRは、今後の企業努力や市場からの評価見直しによる株価上昇を期待する投資家にとって魅力的です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 自動車産業の動向: 主力事業が自動車産業に深く関わっているため、自動車生産台数の変動や業界の構造変化(EV化など)が業績に与える影響は常に注視が必要です。
  • 為替変動のリスク: 海外事業の比率が高いため、為替レートの変動が業績に与える影響を十分に理解しておく必要があります。
  • 信用倍率の高さ: 信用買い残が多い状況は、将来的な売り圧力となり株価の一時的な調整を引き起こす可能性があるため、市場の動向を注意深く観察することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとのセグメント別業績: 特に国内プレス事業の回復状況、北米での成長の持続性、定温物流事業の成長率
  • 為替レートの動向: 外貨建て債権や海外事業の収益に与える影響
  • ROEおよび営業利益率の改善状況: 資本効率および収益性の向上に向けた取り組みと成果

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: C
    過去12か月の売上高成長率は約4.98%であり、提供された指標の「Quarterly Revenue Growth (前年比)」は1.70%と、5%未満の成長にとどまっています。2026年3月期の会社予想では売上高・利益ともに減益となる見込みであり、現状は高い成長率を期待できる状況ではないため、「やや停滞」と評価します。
  • 収益性: B
    過去12か月のROEは8.52%(目安8-10%のBレンジ)、営業利益率は6.27%(目安5-10%のBレンジ)です。一般的な目安とされるROE10%には僅かに届かないものの、企業努力により改善が見られ、財務品質のF-Scoreにおける営業利益率・ROEの項目以外で高い収益性を確保しているため、「普通」と評価します。
  • 財務健全性: S
    自己資本比率は59.2%(直近四半期61.5%)と60%近くに達しており、流動比率も1.62倍と良好です。さらにPiotroski F-Scoreが7点という高得点で、財務健全性スコアも3/3と満点であることから、極めて安定した財務基盤を保持していると判断し、「優良」と評価します。
  • バリュエーション: S
    PERは10.56倍で業界平均17.5倍の約60%の水準にあり、PBRは0.56倍で業界平均0.7倍の約80%かつ解散価値を示す1倍を大幅に下回っています。これらの指標から見て、現在の株価は類似企業や市場全体と比較して非常に割安であるため、「割安」と評価します。

企業情報

銘柄コード 5975
企業名 東プレ
URL http://www.topre.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 金属製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,549円
EPS(1株利益) 241.40円
年間配当 3.14円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 16.1% 12.1倍 6,189円 19.5%
標準 12.4% 10.6倍 4,573円 12.5%
悲観 7.4% 9.0倍 3,102円 4.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,549円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,285円 △ 12%割高
10% 2,854円 ○ 11%割安
5% 3,601円 ○ 29%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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