企業の一言説明

櫻護謨は、消防・防災用資機材、航空・宇宙・工業用ゴム製品、そして不動産賃貸事業を展開する、高い技術力を持つゴム製品専業メーカーです。特に消防・防災分野で強い存在感を示し、航空・宇宙分野では国際的な認定工場としての地位を確立しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高付加価値製品による技術的優位性: 消防・防災、航空・宇宙といった特殊な分野で求められる高品質なゴム製品を提供し、ボーイング社をはじめとする難易度の高い認定を取得している点は、高い参入障壁と安定した需要基盤を構築しています。
  • 堅固な財務健全性: 自己資本比率58.9%、流動比率245.6%と高い水準を維持しており、財務基盤は非常に安定しています。Piotroski F-Scoreも6/9点と良好な財務品質を示しています。
  • 収益性の季節性とキャッシュフローの変動性: 消防・防災事業の売上が下期に偏る季節性があり、中間期では利益計上が難しい構造があります。また、直近の営業キャッシュフローがマイナスであり、利益の質や資金繰りの面で注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 成長良好
収益性 B 普通水準
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション C やや割高感

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2600.0円
PER 15.48倍 業界平均8.5倍
PBR 0.55倍 業界平均0.6倍
配当利回り 1.92%
ROE 4.78%

1. 企業概要

櫻護謨は1918年創業の老舗ゴム製品メーカーです。主な事業は、消防・防災関連製品(消防ホース、救助資機材など)が売上全体の56%、航空・宇宙・工業用品(航空機部品、各種工業用ホース、シール材など)が40%、残りの4%を不動産賃貸が占めています(2025年3月期)。特に、消防・防災分野では国内有数の実績を持ち、航空・宇宙関連では航空自衛隊やボーイング社の認定工場として、高い品質と技術的独自性を有し、高い参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

櫻護謨は、特殊ゴム製品において長年の経験と技術蓄積を持つ専業メーカーであり、消防・防災分野では国内市場で強固な地位を確立しています。航空・宇宙分野においても、厳格な品質基準をクリアする高い技術力が強みです。競合他社に対する優位性は、これらの高付加価値製品における品質と信頼性、そして国際的な認定を取得している点にあります。業界平均との比較では、PBR0.55倍は業界平均0.6倍を下回っており、純資産に対して割安な水準にあります。一方で、PER15.48倍は業界平均8.5倍を大きく上回っており、利益水準と比較すると割高感が否めません。

3. 経営戦略

櫻護謨は、安定した需要が見込める消防・防災事業を基盤としつつ、航空・宇宙・工業用品事業の成長を戦略の柱としています。特に、国際的な認定を背景に海外企業との連携も進め、国際展開を強化している点が注目されます。最近の重要な適時開示である2026年3月期第2四半期決算短信では、全セグメントでの売上増加、特に航空・宇宙・工業用品事業の好調が報告されており、成長戦略が着実に進んでいることが示唆されます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益とROAは良好ですが、営業キャッシュフローがマイナスです。
財務健全性 3/3 流動比率、負債比率、株式希薄化なしの全てで良好な状況です。
効率性 1/3 四半期売上成長率はプラスですが、営業利益率とROEは基準値を下回っています。

Piotroski F-Scoreは6/9点と良好な水準を示しており、特に財務健全性が優れていることが裏付けられます。一方で、収益性と効率性については改善の余地があることを示唆しています。営業キャッシュフローがマイナスである点や、営業利益率・ROEが目標水準に達していない点が効率性スコアの改善が必要な理由です。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 5.51%
  • ROE(過去12か月): 7.19%
  • ROA(過去12か月): 3.71%

櫻護謨の営業利益率5.51%は、一般的な製造業としては平均的な水準ですが、高収益企業とまでは言えません。ROE7.19%は、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を示す指標であり、一般的な目安とされる10%を下回っています。ROA3.71%も総資産に対する利益率で、一般的な目安とされる5%には届いていません。これらの指標は、同社の収益性がまだ改善の余地があることを示しています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 54.6%
  • 流動比率(直近四半期): 2.46倍 (246%)

自己資本比率54.6%は、企業の安定性を示す非常に良好な水準です。これは、事業運営が自己資金で賄われている割合が高く、外部からの借入依存度が低いことを意味します。流動比率(流動資産÷流動負債)2.46倍は、短期的な支払い能力が極めて高いことを示しており、一般的な目安である1.5倍(150%)を大きく超えています。これにより、突然の資金需要や景気悪化にも耐えうる高い財務健全性を持っていると言えます。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): △64百万円
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): △729.25百万円

直近12か月の営業キャッシュフローは△64百万円とマイナスであり、本業で資金を創出できていない状況です。これは、売上は増加しているものの、棚卸資産の増加や仕入債務の減少、または一時的な運転資本の悪化などが影響している可能性があります。フリーキャッシュフローも△729.25百万円と大幅なマイナスとなっており、事業に必要な投資や負債の返済を営業活動で得られた資金で賄いきれていない状況を示唆しています。これは、設備投資の増加(中間期の実績で有形固定資産取得が大幅増)や運転資金の増加によるところが大きく、資金繰りの状況を継続して監視する必要があります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): -0.10

営業CF/純利益比率は、本業で稼いだ現金が会計上の利益とどれだけ連動しているかを示す指標です。この比率が-0.10となっているのは、会計上の純利益がプラスであるにもかかわらず、営業キャッシュフローがマイナスであることを意味し、利益の質に懸念があることを示唆しています。これは、売掛金の増加や棚卸資産の積み増しなど、運転資金が増加していることが原因である可能性が高いです。

【四半期進捗】

2026年3月期第2四半期(中間期)の決算短信によると、通期予想(売上高13,000百万円、営業利益570百万円、当期純利益325百万円)に対する進捗は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 34.4%(実績4,475百万円)
  • 営業利益進捗率: 実績△3百万円(通期予想570百万円に対し実質マイナス)

中間時点での売上高進捗率は概ね順調ですが、営業利益は季節性により中間期で赤字となっており、通期目標達成には下期での大幅な黒字化が必須です。過去の中間期も利益が計上されにくい傾向がありますが、下期の受注・納入とコストコントロールが重要となります。前年中間期(営業損失△244百万円)と比較すると、今期中間期(営業損失△3百万円)は損失幅が大幅に縮小しており、改善傾向は見られます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 15.48倍 (業界平均8.5倍)
  • PBR(実績): 0.55倍 (業界平均0.6倍)

櫻護謨のPER15.48倍は、同業他社の平均8.5倍と比較すると約1.8倍と割高感があります。これは、現在の利益水準に対して株価が高めに評価されていることを示唆します。一方で、PBR0.55倍は業界平均0.6倍を下回っており、純資産(企業の解散価値)と比較すると割安な水準にあります。PBRが1倍未満であることは、企業の保有する資産価値が株価に十分に反映されていない可能性を示唆します。ただし、低PBR銘柄が必ずしも優良とは限らず、事業の将来性や収益改善の確実性が重要です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 68.39 / シグナル値: 76.58 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 59.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.99% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +4.90% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +10.20% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +22.43% 長期トレンドからの乖離

MACDは現在中立であり、明確なトレンド転換シグナルは見られません。RSI59.4%は買われすぎでも売られすぎでもない中立域に位置しています。各移動平均線からの乖離率は全てプラスであり、株価が短期・中期・長期の移動平均線を上回って推移していることから、上昇トレンドにあると考えられます。

【テクニカル】

現在の株価2,600円は、52週高値2,795円の83.5%の位置にあり、高値圏で推移しています。また、5日、25日、75日、200日移動平均線を全て上回っており、短期から長期にわたる全ての上昇トレンドを示唆しています。特に200日移動平均線からの乖離率が+22.43%と大きく、強い上昇モメンタムが働いていることを示します。

【市場比較】

過去1ヶ月間で日経平均を6.34%ポイント、TOPIXを8.10%ポイント上回るパフォーマンスを記録しており、直近では市場指数対して非常に良好な相対パフォーマンスを示しています。3ヶ月間でも日経平均を4.46%ポイント上回っており、短期的な勢いは強いと言えます。一方で、1年間で見ると日経平均を0.31%ポイント下回っており、超長期的な視点では市場全体とほぼ同等のパフォーマンスです。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.30
  • 年間ボラティリティ: 38.73%
  • シャープレシオ: 0.10
  • 最大ドローダウン: -40.92%

櫻護謨のベータ値0.30は、市場全体の動きに対して株価が比較的穏やかに推移することを示唆しており、市場全体のリスクが変動しても株価の変動幅は小さい傾向にあります。これは、ディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。しかし、年間ボラティリティ38.73%は、一般的に中程度の水準であり、比較的大きな株価変動を伴う可能性を示しています。仮に100万円投資した場合、年間で±38.73万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウン-40.92%は、過去に経験した最大の下落幅を示しており、この程度の株価下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオ0.10は、リスクをとって得られたリターンが少ないことを示しており、リスクに見合う収益効率が低いと判断できます。

【事業リスク】

  • 原材料価格の変動と価格転嫁の圧力: ゴム製品製造には原油価格に連動する原材料が多く、その価格変動はコストに直結します。原材料高騰分を製品価格に適切に転嫁できない場合、利益率が圧迫されるリスクがあります。中間決算短信でも原材料価格の上昇が利益に影響を与えたとされています。
  • 季節性による収益変動と下期偏重: 消防・防災事業は下期に売上が集中する季節性があり、中間期では営業利益が赤字となる傾向があります。これにより、業績の期中での見通しが立てにくく、下期に計画通りの売上・利益を確保できない場合に、通期目標未達となるリスクがあります。
  • 為替変動および国際情勢のリスク: 航空・宇宙事業は国際展開を行っており、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、米国関税政策などの国際的な貿易政策の変更も、航空機産業のサプライチェーンに影響を及ぼし、事業リスクとなる可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残40,500株に対し、信用売残は0株のため、信用倍率は0.00倍となっています。信用売残がないため、将来の売り圧力が限定的である可能性を示唆しますが、同時に信用売りによる株価の下支え材料も少ないことを意味します。
  • 主要株主構成: 上位株主は中村浩士氏(11.91%)、岩﨑哲也氏(11.07%)、梶原祐理子氏(8.25%)など役員・創業家関係者が多く、安定株主が多数を占めています。自社(自己株口)も4.41%を保有しています。機関投資家(りそな銀行、東京海上日動火災保険など)の保有割合は限定的で、経営陣や特定の株主による支配力が比較的高い構造と言えます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.92%
  • 1株配当(会社予想): 50.00円
  • 配当性向(会社予想): 29.8%

櫻護謨の配当利回り1.92%は、市場全体と比較すると中程度の水準です。配当性向29.8%は、利益の約3割を配当に充てる方針であり、比較的健全な水準と言えます。これは、企業が利益を成長投資と株主還元にバランス良く配分していることを示唆します。中間配当は無配ですが、期末に一括で配当する方針です。現在のところ自社株買いの発表はありません。

SWOT分析

強み

  • 消防・防災、航空・宇宙分野における高難度技術と製品開発力、国際的認定。
  • 連結自己資本比率58.9%と高い財務健全性、豊富な流動資産。

弱み

  • 営業キャッシュフローがマイナスであり、利益の質に懸念がある。
  • 営業利益率やROEが業界平均や目標水準を下回り、収益効率に改善余地。

機会

  • 自然災害の増加や防災意識の高まりによる消防・防災資機材の需要拡大。
  • 航空機産業における国際的なサプライチェーンへの参画と高需要。

脅威

  • 原材料価格の高騰や為替変動がコストに与える影響。
  • 特殊な事業構造による季節性リスクと下期偏重の収益計上。

この銘柄が向いている投資家

  • 中長期的な視点で安定した財務基盤を重視する投資家: 高い自己資本比率と流動比率を持つため、企業の安定性を重視する投資家に向いています。
  • 特殊技術を持つニッチトップ企業への投資に関心がある投資家: 消防・防災、航空・宇宙といった特殊市場での高い技術力と参入障壁に魅力を感じる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • キャッシュフローの推移と利益の質: 直近の営業キャッシュフローがマイナスであるため、今後の改善状況を注視する必要があります。利益の質が伴った成長が望まれます。
  • 季節性による業績変動: 消防・防災事業の売上は下期に偏るため、中間期の業績のみで判断せず、通期の見通しを注意深く確認し、下期での利益計上を待つ必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業キャッシュフロー: 運転資本の状況を含め、本業で安定して資金を創出できるようになるか(目標: プラス転換)。
  • 航空・宇宙・工業用品事業のセグメント利益率: 高い成長期待が寄せられるこの事業の収益性が改善し、安定的な利益貢献を続けられるか(目標: セグメント利益率15%以上)。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: A (成長良好)
    直近12か月の売上高は前年同期比で微減ですが、第2四半期(中間期)の売上高は前年同期比+28.3%と大幅な伸びを示し、通期予想も前年(2025年3月期)比+6.7%の増収を見込んでいます。特に、航空・宇宙・工業用品事業の成長が著しく、短期的な成長モメンタムは強いと評価できます。
  • 収益性: B (普通水準)
    過去12か月のROEは7.19%、営業利益率は5.51%であり、一般的に良好とされるROE10%や営業利益率10%には届きませんが、特定の事業セグメント(航空・宇宙・工業用品)では高い利益率を達成しています。中間期では営業利益がほぼゼロでしたが、前年同期と比べて大幅に改善しており、下期の収益性改善に期待が持てる状況です。
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    自己資本比率58.9%、流動比率245.6%と、いずれも非常に高い水準を維持しており、財務基盤は盤石です。Piotroski F-Scoreも6/9点と良好な財務品質を示しており、企業の安定性は極めて高いと評価できます。
  • バリュエーション: C (やや割高感)
    PBR0.55倍は業界平均0.6倍を下回っており、純資産に対しては割安な水準にあります。しかしPER15.48倍は業界平均8.5倍を大幅に上回っており、現在の利益水準と比較すると株価には割高感が否めません。PBRの割安感とPERの割高感のバランスを考慮し、全体としてやや不安が残る水準と判断しました。

企業情報

銘柄コード 5189
企業名 櫻護謨
URL http://www.sakura-rubber.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 自動車・輸送機 – ゴム製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,600円
EPS(1株利益) 167.99円
年間配当 1.92円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 17.9% 16.6倍 6,353円 19.6%
標準 13.8% 14.4倍 4,622円 12.3%
悲観 8.3% 12.3倍 3,065円 3.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,600円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,305円 △ 13%割高
10% 2,879円 ○ 10%割安
5% 3,632円 ○ 28%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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