企業の一言説明

オーベクスは、長年にわたり培ったフェルト生産技術を基盤に、筆記具用ペン先等のテクノ製品と医療用具等のメディカル製品を展開するニッチ市場における老舗メーカーです。祖業の帽子・衣料事業から撤退し、現在はテクノ製品が主力で、特にアジア地域への傾注が見られます。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて高い財務健全性と安定性: 自己資本比率68.1%、流動比率4.16倍と非常に高く、Piotroski F-Scoreも8/9点(S評価)を獲得しており、倒産リスクは極めて低い頑健な財務体質を持っています。
  • 割安感のあるバリュエーションとPBR1倍割れ: PER7.11倍は業界平均12.6倍を大きく下回り、PBR0.52倍は解散価値を下回る水準で、株価には割安感があります。
  • 収益性悪化への懸念と流動性の低さ: 直近の中間決算では増収減益となり、原材料費・人件費・電力費等のコスト増が利益を圧迫しています。また、出来高が非常に少なく、信用倍率が歪な水準であるため、市場での売買が成立しにくいリスクがあります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや鈍化
収益性 B 普通
財務健全性 S 優良
バリュエーション S 割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1321.0円
PER 7.11倍 業界平均12.6倍 (割安)
PBR 0.52倍 業界平均0.5倍 (同水準で割安)
配当利回り 2.65%
ROE 8.95%

1. 企業概要

オーベクスは、1892年創業の歴史を持つ精密部品製造企業です。祖業の製帽事業から撤退後、繊維加工技術を応用し、筆記具用ペン先や化粧品用部品を製造する「テクノ製品事業」と、圧力輸液装置やガイドワイヤー等の医療機器・部品を製造する「メディカル製品事業」の二本柱で事業を展開しています。売上構成比はテクノ製品が約7割を占め、中国を中心としたアジア市場での販売が好調です。

2. 業界ポジション

オーベクスは、独自のフェルト生産技術を応用した精密部品製造において、ニッチながらも一定の市場を確立しています。特に筆記具用ペン先では高い技術力を有し、アジア市場に強みを持っています。競合他社は多岐にわたりますが、特定の技術領域では差別化を図っています。バリュエーション面では、PER7.11倍は業界平均PER12.6倍と比べ割安であり、PBR0.52倍は業界平均PBR0.5倍と同水準で、市場からは依然として低評価を受けている状況です。

3. 経営戦略

オーベクスは、今期から第9次中期経営計画「オーベクスビジョン2027」を開始しました。この計画では、「強固な収益基盤の構築」「環境負荷低減への貢献」「優秀な人材育成への継続投資」を重点テーマに掲げています。直近の2026年3月期中間決算では、売上高は前年同期比で増加したものの、原材料費や人件費、電力費の増加により営業利益は大幅に減少しました。会社は通期業績予想を据え置いていますが、下期での利益改善が課題となります。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性ともに非常に良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで満点
財務健全性 3/3 流動比率が高く、D/Eレシオが低く、株式希薄化もないため満点
効率性 2/3 営業利益率が良好で四半期売上成長があるものの、ROEがベンチマーク(10%)に届かず一点減点

オーベクスのPiotroski F-Scoreは8/9点のS評価で、企業の財務状況は極めて優良と判断できます。特に収益性と財務健全性の項目で満点を獲得しており、基本的な稼ぐ力と資金安定性に問題はありません。効率性ではROEがベンチマークの10%を下回ったため一点減点されていますが、全体の財務品質は非常に高い水準にあります。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 12.00%
    • 一般的な目安である10%を上回っており、良好な収益性を示しています。
  • ROE(実績): 8.95%
    • 株主のお金(自己資本)を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安とされる10%には惜しくも届きませんが、安定した水準と言えます。
  • ROA(過去12か月): 4.49%
    • 会社全体の資産を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安の5%にやや届きませんが、一定の収益性は確保しています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 68.1%
    • 総資産に占める自己資本の割合で、高いほど倒産しにくい安定した経営基盤を示します。40%以上が安定とされており、オーベクスの68.1%は非常に高い水準で、財務健全性は極めて良好です。
  • 流動比率(直近四半期): 4.16
    • 短期的な支払能力を示す指標で、200%以上が良好とされます。400%を超える流動比率は、短期的な資金繰りに全く問題がないことを意味し、極めて良好な状態です。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 601百万円
    • 本業で稼ぎ出した現金を示します。安定してプラスであり、事業活動から着実に現金を創出していることがわかります。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 231.88百万円
    • 企業が自由に使えるお金で、営業活動で得た現金から投資に必要な費用を差し引いたものです。プラスであるため、事業の再投資や株主還元に充てる余力があることを示します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 0.95
    • 純利益のうち、どれだけが現金として手元に残っているか(キャッシュで裏付けられているか)を示す指標です。1.0以上が健全とされますが、0.95は比較的良好な水準であり、利益の大部分がキャッシュで裏付けられていると言えます。ただし、直近中間期決算では棚卸資産の増加が営業CFを押し下げる要因となっています。

【四半期進捗】

  • 通期予想に対する中間期進捗率(2026年3月期中間期):
    • 売上高: 49.3%
    • 営業利益: 46.8%
    • 親会社株主に帰属する中間純利益: 69.6%
  • 直近3四半期の売上高・営業利益の推移:
    • 2026年3月期中間期の売上高は前年同期比+2.2%と堅調に推移していますが、営業利益は前年同期比-28.0%と大幅な減益となっています。これは人件費、原材料費、電力費等のコスト増加が主な要因です。純利益は税効果により進捗率が高く見えますが、これは一時的要因の可能性があり、通期達成のためには下期の営業益改善が重要となります。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 7.11倍
    • 「株価が利益の何年分か」を示す指標で、低いほど割安とされます。業界平均12.6倍と比較して大幅に低く、株価は利益水準から見て割安であると判断されます。
  • PBR(実績): 0.52倍
    • 「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、1倍未満は解散価値を下回る状態を示し、割安とされます。業界平均0.5倍と同水準であり、非常に割安な水準に位置しています。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 2880円
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 1271円

業種平均PER基準では大幅な上振れ余地を示唆していますが、業種平均PBR基準では現在の株価がほぼ適正水準と見られています。PBRが1倍を下回っていることから、資本効率改善や株主還元強化によるPBR是正が期待されます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値:8.22 / シグナル値:11.54 現在は明確なトレンドを示唆していません
RSI 中立 51.4% 売られすぎでも買われすぎでもない均衡状態
5日線乖離率 -1.18% 短期的に株価が5日移動平均線を下回っている
25日線乖離率 -1.17% 短期的に株価が25日移動平均線を下回っている
75日線乖離率 +0.85% 中期的な上昇トレンドからの乖離は小さい
200日線乖離率 +0.33% 長期的な上昇トレンドからの乖離は小さい

MACDとRSIは中立を示しており、現在の株価に明確な方向感はありません。短期移動平均線は下回っていますが、中期・長期移動平均線は上回っているため、短期的にやや軟調ながらも、中長期的なトレンドは安定していると言えます。

【テクニカル】

現在の株価1321.0円は、52週高値1545.0円から見て安値寄り(52週レンジ内位置38.5%)に位置しています。5日と25日移動平均線を下回る一方で、75日と200日移動平均線を上回っており、短期的な下落圧力はあるものの、中長期的な上昇基調は維持している状況です。

【市場比較】

オーベクスの株価リターンは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数を下回るパフォーマンスを示しています。特に6ヶ月、1年といった中長期では市場全体が大きく上昇する中で、オーベクスは大きくアンダーパフォームしており、市場からの注目度が低いことを示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは信用売残がゼロであるため計算上発生するものであり、信用買残44,000株が将来の売り圧力となる可能性には注意が必要です。また、平均出来高が少ないため、流動性リスクも考慮する必要があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5年月次): -0.01
    • 市場全体(ここではS&P 500)の動きに対する個別銘柄の感応度を示す指標です。-0.01という値は、市場との連動性が極めて低い(または逆連動性がわずかにある)ことを示しており、市場全体の動きとは異なる要因で株価が動く傾向にあることを示唆します。ただし、その絶対値が小さいことから、市場の影響をほとんど受けないと解釈することもできます。
  • 年間ボラティリティ: 27.08%
    • 株価の変動の激しさを示す指標です。年間ボラティリティ27.08%は、比較的高い水準であり、株価が大きく変動する可能性があることを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±27万円程度の変動が想定されます。
  • シャープレシオ: -0.54
    • リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスであることは、リスクを取ったにもかかわらず、リターンが期待値を下回っていることを示唆しており、過去の投資効率は良くなかったと言えます。
  • 最大ドローダウン: -36.86%
    • 過去に経験した最も大きな下落率です。この程度の短期間での下落は今後も起こりうることを念頭に置く必要があります。

【事業リスク】

  • コスト上昇圧力: 原材料価格の高騰、電力費の上昇、人件費の増加が続き、収益性を圧迫する可能性があります。中間決算の減益要因に大きく寄与しており、今後の動向が業績に直結します。
  • 為替変動リスク: 海外売上比率が61%と高いため、為替レートの変動が業績に与える影響は大きいです。特に円高に振れた場合、海外での売上減少や利益圧迫につながる可能性があります。
  • グローバル経済の不確実性: 主力のアジア市場(特に中国)経済の減速や国際情勢の不安定化は、テクノ製品事業、メディカル製品事業双方の需要に悪影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント(簡潔に)

信用買残は44,000株に対し、信用売残は0株となっており、信用倍率は計算上0.00倍と非常に歪な状態です。これは株価への潜在的な売り圧力が存在することを意味します。主要株主は、昭和化学工業、(株)麻生、若築建設といった事業会社や資産管理会社が大株主として名を連ねており、安定株主が比較的多い構造です。インサイダー保有比率が63.28%と高いことも特徴です。

8. 株主還元(簡潔に)

会社予想の配当利回りは2.65%であり、現在の低金利環境下ではまずまずの水準と言えます。配当性向は会社予想ベースで15.8%と比較的低い水準にあります。これは利益成長に応じた増配余地があるとも解釈できますが、同時に株主還元に対して保守的な姿勢であるとも言えます。現在、自社株買いに関するデータは提供されていません。

SWOT分析(各2項目以内で簡潔に)

強み

  • Piotroski F-Score 8/9点に裏付けられた極めて強固な財務体質
  • ニッチ領域における独自の精密加工技術とアジア市場での実績

弱み

  • コスト上昇による収益性の持続的な圧迫
  • 市場における流動性の低さと株価のアンダーパフォーマンス

機会

  • 中期経営計画に基づく収益基盤強化と事業構造改革の推進
  • 医療・ヘルスケア分野での製品展開拡大と高付加価値化

脅威

  • 原材料価格、電力費、人件費等の継続的な上昇傾向
  • 中国経済の減速や主要市場における地政学的リスク

この銘柄が向いている投資家

  • 財務的な安定性を重視する長期投資家: 高い自己資本比率や潤沢なキャッシュフローを背景とした倒産リスクの低さは魅力的です。
  • PBR1倍割れ銘柄への投資を検討するバリュー投資家: 業界平均を大きく下回るPERとPBRから、株価の潜在的な上昇余地を求める投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 出来高と流動性リスク: 平均出来高が非常に少ないため、大量の売買が困難であることや、市場での適切な株価形成がされにくい可能性があります。
  • 収益性の回復見込み: 直近のコスト増による利益圧迫が続けば、通期予想達成の信頼性が低下する可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 中期経営計画における収益基盤強化の進捗を判断するため、四半期ごとの営業利益率に注目すべきです。目標値としては前年同期比での改善、または横ばい維持
  • アジア地域での売上高成長率: 主力市場であるアジアでの売上高がどれだけ伸長しているかを確認し、特に中国市場の動向に注視します。目標値としては二桁成長の維持

成長性

  • スコア: C
  • 根拠: 過去5年間の売上高は微増傾向であり、直近の中間期売上高成長率は前年比+2.2%、通期予想も+2.7%と、高い成長は見られません。

収益性

  • スコア: B
  • 根拠: ROEは8.95%と目安の10%には届かないものの、営業利益率(過去12か月)は12.00%と良好な水準を維持しています。直近はコスト増で減益基調ですが、依然として一定の収益力はあります。

財務健全性

  • スコア: S
  • 根拠: 自己資本比率68.1%、流動比率4.16倍と優れた水準であり、Piotroski F-Scoreも8/9点と極めて高得点です。圧倒的な財務安定性を誇ります。

バリュエーション

  • スコア: S
  • 根拠: PER7.11倍は業界平均12.6倍の約56%と大幅に割安であり、PBR0.52倍も業界平均0.5倍と同水準で、市場からの低評価がバリュエーション上の割安感を生んでいます。

企業情報

銘柄コード 3583
企業名 オーベクス
URL http://www.aubex.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 繊維製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,321円
EPS(1株利益) 185.72円
年間配当 2.65円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 7.4% 8.2倍 2,166円 10.6%
標準 5.7% 7.1倍 1,739円 5.8%
悲観 3.4% 6.0倍 1,326円 0.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,321円

目標年率 理論株価 判定
15% 872円 △ 51%割高
10% 1,090円 △ 21%割高
5% 1,375円 ○ 4%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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