企業の一言説明

TORICOは、ECサイト「漫画全巻ドットコム」の運営を主要事業とするデジタルコンテンツ関連のEC事業を展開するグロース市場上場の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • デジタルコンテンツECの安定した基盤: 「漫画全巻ドットコム」を核に、アニメ関連グッズ販売やイベント運営など、漫画・アニメ市場に特化したEC事業基盤を確立しています。
  • 不確実性の高い新規事業への多額投資: 新株予約権発行により40.7億円を調達し、新たな暗号資産事業への投資を計画しており、将来の成長機会となり得る一方で、事業リスクと資金調達に伴う希薄化リスクが顕在化しています。
  • 慢性的な赤字と低収益性: ここ数年売上高は減少傾向にあり、営業利益、純利益ともに赤字が続いています。収益改善が急務であり、新規事業が現在の財務状況を好転させられるか否かが極めて重要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 懸念
収益性 D 懸念
財務健全性 A 良好
バリュエーション B 普通

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 316.0円
PER —倍 業界平均27.5倍
PBR 3.04倍 業界平均2.8倍
配当利回り 0.00%
ROE -52.41%

1. 企業概要

TORICO(東証グロース上場、証券コード:7138)は、ECサイト「漫画全巻ドットコム」の運営を中核事業とする日本の企業です。主な収益モデルは、漫画の全巻セット販売を含むEC物販が売上全体の約75%を占め、イベント運営が約18%を占めています。その他、EC電子書籍販売や電子アプリ事業も展開し、デジタルコンテンツとリアルイベントを融合させたビジネスモデルを特徴としています。特定のコンテンツに特化することで顧客ロイヤリティを高め、ニッチ市場における一定のプレゼンスを確保していますが、EC事業の競争激化やコンテンツ調達の変動が事業に影響を与える可能性があります。

2. 業界ポジション

TORICOは、日本のコミック・アニメーション関連商品のEC分野において、特定のニーズを持つ顧客層に向けてサービスを提供する企業です。大手総合ECサイトや電子書籍プラットフォームが存在する中で、「漫画全巻」という明確なコンセプトで差別化を図っています。小売業界に属し、市場区分はグロース市場です。競合他社と比較して、ニッチな市場でのブランド力と専門性を持つ点が強みですが、事業規模や資金力では劣る傾向にあります。財務指標面では、PBR3.04倍(実績)は業界平均2.8倍と比較してやや高い水準にあり、利益が赤字のためPERは算出できません。これは、市場が同社の成長期待を織り込んでいる可能性を示唆する一方で、PBRが業界平均より高いことから、現状の収益性に対しては割高感があるとも言えます。

3. 経営戦略

TORICOは、主力であるEC事業の安定運営を基盤としつつ、新たな成長領域への投資を積極化しています。直近では、第三者割当による新株予約権発行で約40.7億円を調達する方針を決定しており、この資金の多くを暗号資産事業への投資に充当する計画です。これは、デジタルコンテンツ領域で培った知見を活かし、Web3.0などの新技術トレンドを捉えた事業展開を目指すものと推察されます。また、既存事業においても、「漫画全巻ドットコム」に加え、「ホーリンラブブックス」「まんが王」といった専門性の高いECサイト運営や、イベント・カフェ運営を通じて、デジタルコンテンツ事業の拡大と売上源の多様化を図っています。しかし、新たな暗号資産事業は市場変動リスクが高く、収益貢献には不確実性が伴うため、投資実行後の事業進捗と財務状況への影響が今後の重要な焦点となります。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 3/9 B: 普通
収益性 0/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てマイナスのため
財務健全性 3/3 流動比率良好、負債比率健全、株式の希薄化なしのため
効率性 0/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率が全て基準未達だったため

Piotroski F-Scoreは3点で「普通」と評価されます。収益性および効率性の項目で0点となっており、これは純利益がマイナス、営業キャッシュフローもマイナス、ROA、ROE、営業利益率がいずれも低水準であることに起因します。一方で、財務健全性については満点を獲得しており、流動比率が良好で負債が少なく、株式の希薄化も現時点ではないため、借入金などによる即座の資金繰り悪化懸念は低いと言えます。

【収益性】

  • 営業利益率: -1.33%(過去12か月)。ベンチマーク(5%)を大きく下回る赤字水準。
  • ROE: -52.41%(実績)。ベンチマーク(10%)を大幅に下回る。純利益の赤字が主要因。
  • ROA: -6.84%(過去12か月)。ベンチマーク(5%)を大きく下回る。

収益性は極めて低い状況にあり、複数の指標で赤字またはマイナスを示しています。これは事業の収益構造に根本的な課題があることを示唆しており、早急な改善が必要です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: 54.6%(実績)。50%を超えており比較的良好な水準です。
  • 流動比率: 4.05(直近四半期)。200%(2.0倍)を大きく上回っており、短期的な支払い能力は非常に高い状態です。

自己資本比率と流動比率はいずれも良好な水準にあり、企業の財務基盤は比較的安定していると言えます。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー (営業CF): -110百万円(過去12か月)。営業活動でキャッシュを創出できておらず、本業での資金流出が発生しています。
  • フリーキャッシュフロー (FCF): -41.75百万円(過去12か月)。営業CFがマイナスであるため、事業活動全体でも資金が流出している状況です。

営業CFおよびFCFがともにマイナスであることは、企業の資金繰りにとって懸念材料です。本業でのキャッシュ創出能力の改善が不可欠です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 営業CFと純利益がともにマイナスであるため、比率からは健全性を判断できませんが、「要確認」レベルを大きく下回る「D (要注意(赤字かつキャッシュフロー悪化)))」と評価されます。本業でキャッシュを生み出せていない上に純利益も赤字であることから、利益の質は低いと判断されます。

【四半期進捗】

直近の通期予想は2026年3月期で売上高3,002百万円、営業利益-134百万円、純利益-148百万円です。直近四半期は2025年9月期ですが、通期予想に対する具体的な進捗率はデータから算出できません。
過去の損益計算書を見ると、売上高は2022年3月期の5,390百万円をピークに減少傾向にあり、2025年3月期からは営業利益および純利益も赤字に転落しています。

【バリュエーション】

  • PER: —倍(会社予想)。純利益が赤字のため算出不可です。
  • PBR: 3.04倍(実績)。業界平均の2.8倍と比較すると、やや割高な水準にあります。目標株価(業種平均PBR基準)290円に対し、現在の株価316.0円は上回っており、割高感があります。

PERが算出できない状況で、PBRが業界平均を上回っていることは、バリュエーションの面で割安とは言えません。市場は将来の成長期待をある程度織り込んでいる可能性、あるいは直近の資金調達などを好意的に評価している可能性もありますが、現状の赤字と対比すると説明が難しい点です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 0.97 / シグナル値: 13.43 短期トレンド方向は明確なシグナルなし
RSI 中立 42.9% 買われすぎでも売られすぎでもない
5日線乖離率 -3.01% 短期的に株価が5日移動平均線を下回っている
25日線乖離率 -13.62% 短期トレンドからやや下方向に乖離
75日線乖離率 +23.77% 中期トレンドからは上方向に大きく乖離
200日線乖離率 +41.57% 長期トレンドからは上方向に大きく乖離

現在のMACDは中立、RSIも中立的な水準であり、短期的な売買シグナルは発生していません。しかし、株価は5日移動平均線と25日移動平均線を下回る位置にあり、短期的な下落モメンタムが見られます。一方で、75日移動平均線と200日移動平均線は株価を大きく下回っており、中長期的な上昇トレンドは継続しているように見えます。

【テクニカル】

現在の株価316.0円は、52週高値630.00円と52週安値112.60円の約28.6%の位置(安値寄り)にあります。直近の移動平均線との関係を見ると、株価は5日移動平均線(325.80円)および25日移動平均線(365.84円)を下回っており、短期的な下降トレンドが示唆されます。しかし、75日移動平均線(255.31円)と200日移動平均線(227.67円)を大きく上回っていることから、中長期的な押し目買いのサポートラインとして意識される可能性があります。昨年と比較して株価は大きく変動しており、高ボラティリティの傾向が伺えます。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式-17.49% vs 日経+4.41% → 21.90%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式+85.88% vs 日経+5.35% → 80.53%ポイント上回る
    • 6ヶ月: 株式+45.22% vs 日経+32.10% → 13.12%ポイント上回る
    • 1年: 株式-57.98% vs 日経+37.12% → 95.10%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式-17.49% vs TOPIX+5.34% → 22.84%ポイント下回る

直近1ヶ月では日経平均・TOPIXともに大きく下回るパフォーマンスですが、3ヶ月・6ヶ月という中期スパンでは市場指数を大幅に上回る好パフォーマンスを示しています。しかし、1年という長期で見ると市場指数を大きく下回っており、株価の変動が激しいことがうかがえます。特に直近の短期的な下落は、市場のセンチメントが悪化している可能性を示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0であるため計算ができないことによるものです。信用買残は2,482,800株と多く、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 305.05%。これは非常に高い水準であり、株価の変動リスクが大きいことを示しています。
  • シャープレシオ: 0.78。1.0未満であるため、リスクに見合ったリターンが十分に得られていない可能性があります。
  • 最大ドローダウン: -79.01%。仮に100万円投資した場合、過去には年間で最大79万円程度の損失を経験した可能性があることを意味します。この程度の変動は今後も起こりうると想定すべきです。
  • 年間平均リターン: 239.81%。高ボラティリティながらも、長期的に見れば高いリターンを記録している期間があることを示していますが、最大ドローダウンの大きさも同時に考慮する必要があります。

【事業リスク】

  • 新規事業(暗号資産事業)の不確実性: 新規に投資を予定している暗号資産事業は、市場の変動が激しく、法規制の動向も不透明です。多額の資金投下に見合う収益を安定的に確保できるか、また事業が計画通りに進捗するかについては大きな不確実性が伴います。
  • 既存EC事業の競争激化と収益性低迷: 主力であるEC事業は、大手プラットフォームとの競争が激しく、慢性的な赤字が続いています。独自のコンテンツ戦略があるものの、価格競争や集客コストの増加が収益を圧迫する可能性があります。
  • 資金調達に伴う希薄化リスク: 新株予約権の発行による資金調達は、発行済株式数の増加を招き、既存株主の持ち分比率や一株当たりの価値が希薄化するリスクがあります。特に、多額の調達規模は希薄化の影響が大きくなる可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残は2,482,800株と多いですが、信用売残が0株であるため、信用倍率は形式的に0.00倍と表示されています。これは実質的な需給バランスの判断を難しくしていますが、信用買いが積み上がっている状況は、短期的な株価上昇期待がある一方で、将来的にこれらの買い残が解消される際の売り圧力となる可能性があります。主要株主は、代表者の安藤拓郎氏が16.52%、次いでテイツーが13.04%、石井昭氏が8.84%と、上位株主は比較的安定しています。株主構成からは、代表者や主要な既存株主が経営に深く関与していることが伺えます。

8. 株主還元

TORICOは、会社予想および過去のデータから、配当利回り0.00%、1株配当0.00円、配当性向0.00%となっており、現時点では株主への配当を実施していません。事業が赤字であるため、株主還元よりも事業への再投資を優先している状況です。自己株式については「自社(自己株口) 1.77%」の保有がありますが、直近の自社株買いの実施については情報がありませんでした。成長段階にある企業としては、事業投資による企業価値向上を優先する姿勢と見られますが、配当を重視する投資家には不向きな銘柄です。

SWOT分析

強み

  • 「漫画全巻ドットコム」など特定コンテンツに特化したEC事業でブランド力を確立
  • 財務健全性(自己資本比率、流動比率)は良好

弱み

  • 慢性的な赤字と極めて低い収益性・キャッシュ創出能力
  • 新規事業(暗号資産)の成功が不確実で高リスク

機会

  • Web3.0やデジタルコンテンツ市場の拡大、新たな事業機会の創出
  • 漫画・アニメ市場の根強い人気と関連グッズ・イベント需要

脅威

  • 新規参入や大手プラットフォームとの競争激化による既存事業の収益圧迫
  • 暗号資産市場の価格変動、法規制リスク、新規事業の失敗による損失拡大
  • 新株予約権発行による既存株主の希薄化

この銘柄が向いている投資家

  • 高リスク・高リターンを許容できる投資家: 新規の暗号資産事業が成功した場合の大きな成長期待に賭けられる投資家。
  • コンテンツビジネスへの理解がある投資家: 漫画・アニメ市場の動向やデジタルコンテンツビジネスの将来性に期待できる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 財務状況の抜本的な改善が不可欠: 継続的な赤字体質から脱却できるか、新規事業でキャッシュを生み出せるかが最大の焦点です。
  • 新規事業のリスク評価: 暗号資産事業への投資は成功すれば大きなリターンをもたらす可能性がありますが、同時に高いリスクを伴います。企業の情報開示を注視し、その進捗と市場環境の変化を注意深く見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 暗号資産事業の収益貢献度と進捗状況: 具体的な事業内容、投資実績、およびその収益状況
  • 既存EC事業の営業利益率とその改善: 慢性的な赤字体質からの脱却に向けた施策と効果
  • 営業キャッシュフローの黒字転換: 本業で安定して資金を創出できる体制の確立

成長性: D (懸念)

過去12ヶ月の四半期売上成長率が-21.70%と大幅なマイナスであり、年間売上高も減少傾向が続いているため、成長性には強い懸念があります。

収益性: D (懸念)

ROEが-52.41%、営業利益率が-1.33%と、いずれも大幅な赤字を計上しています。収益性のベンチマークを著しく下回っており、事業構造に抜本的な改善が必要な状態です。

財務健全性: A (良好)

自己資本比率が54.6%(40-60%でA)、流動比率が4.05(200%以上でSに相当)と、良好な水準です。Piotroski F-Scoreは3点(B判定)でしたが、重要な指標である自己資本比率と流動比率が安定しているため、総合的に財務健全性は「良好」と評価します。

バリュエーション: B (普通)

PERが赤字のため算出できませんが、PBR3.04倍は業界平均2.8倍の約107%という水準です。これは極端な割高ではないものの、現状の収益性を考慮すると「割安」とは言えず、適正価格の範囲内、またはやや割高な「普通」と判断されます。


企業情報

銘柄コード 7138
企業名 TORICO
URL https://www.torico-corp.com/
市場区分 グロース市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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