企業の一言説明

シャルレはレディースインナーや化粧品などを主軸に訪問販売を展開する老舗企業であり、近年はウルトラファインバブル技術製品も手掛ける多角化を目指す企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 盤石な財務基盤と高い流動性: 自己資本比率が87.5%、流動比率が5.62倍と非常に高く、資金繰りの安定性は極めて良好です。これにより、事業再編や新規投資に対する柔軟性を持っています。
  • 既存事業の不振と収益性悪化: 主力であるレディースインナー事業の売上高が低迷しており、直近の四半期決算では大幅な営業損失を計上しています。通期純利益予想も大幅な赤字修正となっており、事業構造改革が急務です。
  • 極めて低いバリュエーションと市場評価: PBRが0.35倍と業界平均の0.7倍を大きく下回る水準で、株価は純資産価値に対して割安に見えます。しかし、これは現在の赤字や将来の成長性に対する市場の懐疑的な見方を反映している可能性があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 構造的課題
収益性 D 劣悪な状況
財務健全性 A 非常に良好
バリュエーション S 大幅な割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 367.0円
PER —倍 業界平均10.1倍(EPSがマイナスで計算不能)
PBR 0.35倍 業界平均0.7倍(約50%)
配当利回り 2.18%(予想)
ROE -6.40%

1. 企業概要

シャルレ(9885)は1975年に設立された神戸市に本社を置く企業です。主な事業は女性向けインナーウェア、化粧品、健康食品の訪問販売で、50~60代の顧客層を中心に展開しています。近年はウルトラファインバブル技術を活用したシャワーヘッドなどの製品製造・販売も手掛けており、多角化を進めています。訪問販売という独自の販売チャネルと、長年にわたり培ってきた顧客基盤が特徴です。

2. 業界ポジション

シャルレは「商社・卸売」に分類され、「卸売業」の中でもアパレル・化粧品・健康食品の訪問販売というニッチな市場で事業を展開しています。業界平均PERが10.1倍、PBRが0.7倍であるのに対し、シャルレのPBRは0.35倍と業界平均の約半分にとどまっています。PERは連結業績予想が赤字のため算出不能です。このバリュエーションの低さは、既存の訪問販売モデルへの市場の成長性に関する懸念を示唆していると考えられます。競合と比べて、特定の顧客層に特化した強みを持つ一方で、市場規模の縮小、新規顧客開拓の難しさといった弱みを抱えています。

3. 経営戦略

シャルレは、主要事業であるレディースインナー等販売が全体の96%を占めていますが、近年は売上高が減少傾向にあります。そこで、ウルトラファインバブル技術製品の製造販売など、新分野への事業展開を加速しています。直近の決算短信では、オンヨネ株式会社を子会社化したことが報告されており、スポーツウェア事業への参入を通じて多角化を図る姿勢が明確です。しかし、2026年3月期第2四半期決算では売上高は増加したものの、営業損失は拡大し、通期予想に対する進捗率も大幅なマイナスを記録しており、事業構造改革の成果はまだ表れていません。赤字予想にもかかわらず通期予想を据え置いている点は、今後の下半期での大幅な改善を見込んでいることになりますが、その根拠と具体策が注目されます。次回の配当落ち日は2026年3月30日です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 3/9 B: 普通
収益性 0/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てマイナス
財務健全性 3/3 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化に問題なし
効率性 0/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率全て基準未達

Piotroski F-Scoreは3点と「普通」判定ですが、内訳を見ると収益性と効率性がそれぞれ0点であることが財務上の課題を示しています。一方で、財務健全性の3点は満点であり、自己資本比率や流動比率の高さに裏付けられる安定性があります。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): -9.57%
  • ROE(実績、過去12か月): -6.40%
  • ROA(過去12か月): -3.66%

シャルレは過去12ヶ月の実績で営業利益率、ROE(株主資本利益率:株主のお金でどれだけ稼いだか)、ROA(総資産利益率:会社の全資産でどれだけ稼いだか)がいずれもマイナスであり、収益性は極めて低く、収益力の改善が喫緊の課題です。一般的な目安としてROEは10%以上、ROAは5%以上が望ましいとされる中で、大きく下回っています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 87.5%
  • 流動比率(直近四半期): 5.62倍(562%)

自己資本比率は87.5%と非常に高く、流動比率も5.62倍と極めて高水準です。これは、資産に対して負債が非常に少なく、短期的な支払い能力も盤石であることを示しており、財務基盤は非常に安定していると評価できます。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(過去12か月): -1,550百万円
  • FCF(過去12か月): -3,450百万円

営業キャッシュフロー(本業での現金創出力)がマイナスであることに加え、フリーキャッシュフロー(自由に使える現金)も大幅なマイナスとなっており、事業活動で資金を生み出せていない状態です。これは事業運営上の深刻な課題であり、新規投資や成長戦略に影響を与える可能性があります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): データなし(純利益がマイナス1,083百万円であり、比率の計算自体が意味を持たない状況)

通常、営業キャッシュフローが純利益を上回る(比率が1.0以上)のが健全とされますが、シャルレは純利益も営業キャッシュフローもマイナスであるため、利益の質は極めて低いと評価せざるを得ません。

【四半期進捗】

2026年3月期第2四半期決算の通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上進捗率: 42.0%(6,131百万円/14,600百万円)
  • 営業利益進捗率: -355.2%(△515百万円/145百万円)
  • 純利益進捗率: -199.5%(△379百万円/190百万円)

売上高は計画の4割程度で推移していますが、営業利益と純利益は既に大幅な赤字であり、通期予想と比較しても極めて悪い状況です。これは、下半期に大幅な業績回復がなければ、通期予想の達成は非常に困難であることを示唆しています。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): —倍 (EPSがマイナス201.70円のため計算不能)
  • PBR(実績): (連)0.35倍 (株価が純資産の何倍かを示し、1倍未満は解散価値を下回る状態)
  • 業界平均PER: 10.1倍
  • 業界平均PBR: 0.7倍
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 741円

シャルレのPBRは0.35倍であり、業界平均の0.7倍と比較して非常に割安な水準にあります。純資産に対して株価が低く評価されており、バリュエーション上は割安と判断できます。しかし、PERが計算不能なほどの赤字状況を考慮すると、現在の株価は収益性への懸念を強く反映している可能性があり、いわゆるバリュートラップ(割安に見えても業績悪化でさらに下落する可能性のある銘柄)を警戒する必要があります。業界平均PBRを基準とした目標株価は741円と算出されますが、これは現在の業績との乖離が非常に大きい点に留意が必要です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 0.13 / シグナル値: -0.41 短期トレンド方向を示すが、現時点では明確な転換シグナルなし。ヒストグラムのプラス転換は買い勢力が増していることを示唆。
RSI 中立 53.2% 70以上が買われすぎ、30以下が売られすぎとされる中で、中立的な水準。過熱感も売られすぎ感もない。
5日線乖離率 +1.33% 直近のモメンタムはやや上向き
25日線乖離率 +1.48% 短期トレンドからの乖離はわずか
75日線乖離率 +1.11% 中期トレンドからの乖離もわずか
200日線乖離率 -2.58% 長期トレンドに対しやや下回る水準だが、大きな乖離はなし

MACDとRSIは横ばい圏内で中立的な動きを示しており、株価の方向性に対して明確なシグナルは出ていません。移動平均線乖離率はいずれも小幅で、株価が各移動平均線に比較的近い位置で推移しており、方向感に乏しい状況です。

【テクニカル】

現在の株価367.0円は、52週高値423.00円と52週安値322.00円の中間(44.6%の位置)にあります。直近の移動平均線との関係を見ると、5日移動平均線(362.20円)、25日移動平均線(361.64円)、75日移動平均線(362.97円)をわずかに上回っており、短期から中期にかけては底堅い動きを見せています。しかし、200日移動平均線(376.71円)は下回っており、長期的なトレンドは依然として弱含みである可能性を示唆しています。

【市場比較】

シャルレの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年いずれの期間でも日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数を下回るパフォーマンスとなっています。これは、市場全体が上昇する中で、シャルレの株価が相対的に出遅れている状況を示しています。特に過去6ヶ月、1年では日経平均比で30%以上の大幅なアンダーパフォームとなっており、市場からの評価が厳しいことが伺えます。

【注意事項】

データに「リスク警告」の信用倍率が高い場合や、低PBR+赤字である場合の警告があった場合記載するが、信用倍率が0.00倍であるため、具体的な信用取引による将来の売り圧力のリスクは低い。(ただし、信用売残0株、信用買残385,800株から信用倍率0.00倍と計算されており、これは分母の信用売残がゼロであるため計算値として発生している可能性が高い。実態とは異なる可能性がある。)現在の赤字とPBRの低さからバリュートラップの可能性はあります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.17
  • 年間ボラティリティ: 31.34%
  • 最大ドローダウン: -20.19%
  • シャープレシオ: 0.70
  • 年間平均リターン: 22.52%

ベータ値が0.17と非常に低いことから、市場全体の動きに対する感応度が低い、つまり「市場に左右されにくい銘柄」と言えます。年間ボラティリティが31.34%であるため、仮に100万円投資した場合、年間で約±31.34万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-20.19%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオが0.70であり、リスクに見合ったリターンが十分に得られているとは言えない状況です。(シャープレシオは1.0以上が良好の目安)。

【事業リスク】

  • 既存事業の構造的課題: 主力である訪問販売事業は、顧客層の高齢化や新規販売員確保の難しさなど、構造的な課題を抱えています。若年層へのアプローチやオンライン販売への移行など、抜本的な事業モデル転換が遅れると、売上高の継続的な減少につながる可能性があります。
  • 新事業の収益化の遅れ: ウルトラファインバブル技術製品やオンヨネ子会社化によるスポーツウェア事業など、新たな事業領域への投資を進めていますが、これらが早期に収益の柱として成長しない場合、全体の業績悪化をさらに深刻化させる可能性があります。特に、直近の決算では新事業セグメントも損失を計上しています。
  • 為替変動リスク: 海外からの原材料調達や製品輸入がある場合、為替レートの変動が原価に影響を与え、収益を圧迫する可能性があります。ただし、現在の事業規模や特性からは大きな影響は限定的とみられます。

7. 市場センチメント

信用買残が385,800株、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは信用売りの手仕舞い圧力がないことを示しますが、一方で市場からの空売り対象にもなっていない、あるいは売買が低調であることを意味する場合もあります。直近の出来高は6,000株と非常に少なく、流動性は低い状態です。主要株主は、林雅晴氏が9.37%、(有)G&Lが7.91%、(有)Lam’sが5.94%と、上位株主は創業家やその関連会社が中心であり、安定株主が多いと見られます。機関投資家の保有割合は0.00%と低く、プロ投資家からは現時点では注目度が低い状況です。

8. 株主還元

シャルレの配当方針は明確ですが、業績不振により予想配当が変動しています。

  • 予想配当利回り(年間8円予想で計算): 2.18%
  • 配当性向(過去12ヶ月): EPSがマイナスであるため、計算不能です。(直近実績2024年3月期は70.3%)
  • 中間配当: 0.00円(無配)
  • 期末配当予想: 8.00円
  • 年間配当予想: 8.00円

会社は2026年3月期の通期予想で純損失を見込んでおり、配当は8円を未定に変更したことがニュースで報じられています。今回のデータでは期末配当予想8.00円、年間配当予想8.00円と記されていますが、別途ニュースの情報と整合が取れていない点に注意が必要です。赤字予想の状況では、今後の配当継続性や安定性は不透明と言えるでしょう。

SWOT分析

強み

  • 87.5%の自己資本比率と5.62倍の流動比率に裏打ちされた盤石な財務基盤。
  • 長年の歴史と確立されたブランド、特定の顧客層(50-60代中心)への強固な販売チャネル(訪問販売)。

弱み

  • 主力事業である訪問販売の市場縮小と顧客層の高齢化。
  • 営業利益、純利益、キャッシュフローがいずれも大幅なマイナスと、極めて低い収益性。

機会

  • ウルトラファインバブル技術製品といった新規事業による事業ポートフォリオの多角化。
  • オンヨネ株式会社の子会社化を通じたスポーツウェア市場への参入と新たな顧客層の獲得。

脅威

  • 消費者の購買チャネル多様化(ECシフト)により訪問販売モデルの収益性がさらに悪化する可能性。
  • 新規事業の収益化が遅れた場合の、企業価値のさらなる低下と資本効率悪化。

この銘柄が向いている投資家

  • 長期的な財務健全性を重視する投資家: 自己資本比率が高く、倒産リスクは低いと判断できるため、企業の再生を長期的な視点で見守れる投資家。
  • バリュートラップのリスクを理解した上でPBRの低さに着目する投資家: 現在のPBRは極めて割安ですが、それが業績悪化を反映していることを認識し、今後の事業改革による業績回復に期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 業績回復の実現可能性: 既存事業の構造改革や新規事業の収益化に向けた具体的な戦略とその進捗を慎重に見極める必要があります。特に、大幅な赤字予想にもかかわらず据え置かれた通期予想の達成可否が焦点となります。
  • キャッシュフローの改善: 営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに大幅なマイナスであるため、これが改善されない限り、将来の設備投資や成長投資が困難になる可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業損益および純損益の推移: 継続的な赤字脱却と黒字転換が最も重要です。目標値として営業利益率3%以上の回復。
  • 新規事業の売上高と利益貢献度: ウルトラファインバブル事業やスポーツウェア事業が、全体の収益にどの程度貢献するかが注目されます。セグメント利益で黒字転換が目標です。

成長性: D (構造的課題)

売上高は長期的に減少傾向にあり、直近の四半期売上成長率もマイナス0.40%です。2026年3月期の通期業績予想も売上は増加を見込むものの、営業利益、純利益ともに大幅な赤字を予想しており、収益を伴う明確な成長は見られません。既存の訪問販売事業が構造的な課題を抱えており、新規事業の貢献もまだ不十分な状況です。

収益性: D (劣悪な状況)

過去12ヶ月のROEは-6.40%、営業利益率は-9.57%と、いずれも大幅なマイナスを記録しています。一般的な目安であるROE10%以上、営業利益率5%以上を大きく下回る状況であり、収益性は極めて劣悪と評価せざるを得ません。本業で利益を生み出す力が著しく低下しています。

財務健全性: A (非常に良好)

自己資本比率は87.5%と非常に高く、流動比率も5.62倍(562%)と短期的な支払い能力も盤石です。Piotroski F-Scoreは3点と普通評価ですが、これは収益性と効率性の低さによるもので、財務の安定性自体は極めて優れています。高い自己資本比率と流動比率から、財務的な安全マージンは非常に大きいと判断できます。

バリュエーション: S (大幅な割安)

PERは赤字のため算出不能ですが、PBRは0.35倍と業界平均PBR0.7倍の半分しかなく、純資産価値から見て大幅に割安な水準にあります。ただし、これは現在の収益性の悪化を織り込んだ結果であり、単なるPBRの低さだけで「割安」と判断するのはリスクがあります。業績が回復すれば株価上昇の余地は大きい一方で、リスクも内在しています。


企業情報

銘柄コード 9885
企業名 シャルレ
URL https://www.charle.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By ジニー

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