企業の一言説明

エスペックは、気温・湿度等の環境変化の影響を分析する環境試験機器・装置で世界最大手の企業です。電池や半導体試験器、超低温保冷庫なども展開し、高度な信頼性評価技術を提供するグローバルリーダーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 世界的なリーダーシップと成長市場への戦略的注力: 環境試験機器分野で世界最大手の地位を確立し、AI半導体、衛星通信、自動運転といった将来の成長が期待される先端技術市場へ積極的に展開しています。AIサーバー向けの恒温恒湿室など、高付加価値製品を継続的に投入しており、技術的優位性を維持する戦略が明確です。
  • 極めて強固な財務体質と積極的な株主還元: Piotroski F-Scoreが8/9点(S評価)、自己資本比率74.7%、流動比率3.50倍と、非常に健全な財務基盤を持っています。配当性向40%以上を目標とし、加えて自社株買いも実施するなど、株主への利益還元に積極的な姿勢を示しており、長期的な安定投資を検討する上で魅力的な要素です。
  • 受注先行による業績進捗の遅れと信用倍率の高止まり: 直近の決算では受注高が過去最高を更新しているものの、長納期案件の増加により売上計上が遅れ、利益面で当初の通期予想を下方修正しました。また、信用倍率が17.08倍と高水準であるため、将来的な売り圧力による短期的な株価調整リスクには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 平均的な成長
収益性 A 良好な水準
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション A 割安感あり

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,770.0円
PER 14.21倍 業界平均24.2倍
PBR 1.42倍 業界平均1.6倍
配当利回り 3.05%
ROE 10.97%

1. 企業概要

エスペックは、環境試験機器・装置の世界的なリーディングカンパニーであり、気温・湿度などの環境変化が製品に与える影響を評価するための試験装置を製造・販売しています。主力製品は温湿度試験槽や急速温度変化チャンバーなどで、近年は電気自動車(EV)向け二次電池や半導体、通信インフラ関連の試験装置、超低温保冷庫といった成長分野にも展開しています。長年にわたる多様な製品開発と信頼性評価技術の蓄積が、高い技術的独自性と市場における参入障壁を形成しており、受託試験や校正サービス、レンタル事業も手掛けることで、安定的な収益モデルを確立しています。

2. 業界ポジション

エスペックは環境試験機器分野において、世界最大手の地位を確立しています。高度な技術力と豊富な製品ラインナップ、グローバルなサービスネットワークが強みであり、競合他社と比較して高い市場シェアを維持していると考えられます。提供されたデータでは競合企業に関する具体的な情報はありませんが、その圧倒的な存在感は明らかです。財務指標を見ると、同社のPER(株価収益率)は14.21倍と業界平均の24.2倍を下回り、PBR(株価純資産倍率)も1.42倍と業界平均の1.6倍を下回っています。これは、業界平均と比較して割安である可能性を示唆しており、株価が企業の潜在的な価値を十分に反映していない可能性があります。

3. 経営戦略

エスペックの中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」は、初年度としてAI半導体、衛星通信、自動運転といった高成長が期待されるターゲット市場への戦略的な注力を見据えています。具体的には、標準製品の販売強化、カスタム製品の収益性改善、そしてサービス事業における価格設定と稼働率の見直しを継続的に進めています。
最近の重要な適時開示としては、2026年3月期第2四半期決算短信で、受注高がAI半導体および北米衛星通信向けを中心に過去最高を5期連続で更新したと発表しました。しかし、長納期案件が多く売上計上が遅れたことにより、上期の進捗を踏まえ通期業績予想については利益面で下方修正を行いました。一方で、年間配当予想は115円で据え置き、上限90万株、取得額35億円の自社株買いの実施も発表しており、積極的な株主還元方針を継続しています。
研究開発(R&D)投資にも積極的で、2025年度の研究開発費は1,830百万円と前年比で36.2%増加しています。これに基づき、AIサーバー向け高発熱負荷対応恒温恒湿室ウォークインチャンバー(2025年10月発売)や高度加速寿命試験装置など、先端分野の新製品を次々と市場投入しています。サービス事業では、電動化・自動運転モジュールや航空機器などの領域拡大を目指し、受託試験拠点を国内外で拡充しており、顧客ニーズへの対応力を高めています。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日を迎える予定です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

エスペックの財務品質をPiotroski F-Scoreで評価しました。

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAすべて良好。
財務健全性 3/3 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の懸念なし。
効率性 2/3 営業利益率と四半期売上成長率は良好だが、ROEが10%をわずかに下回る。

F-Score総合スコア8/9点は、エスペックが非常に強固な財務基盤と高い収益性を有していることを示しています。収益性および財務健全性は満点であり、継続的に利益を生み出し、かつ安定した財務体質を維持しています。効率性においては、ROEが10%のベンチマークに対して9.84%とわずかに届かなかったため満点ではありませんが、営業利益率や四半期売上成長率は良好な水準を保っています。

【収益性】

エスペックの収益性指標は以下の通りです。

  • 営業利益率(過去12か月): 12.61%
    • 企業の売上高に占める営業利益の割合を示します。これは事業活動そのものの儲けを示す重要な指標であり、12.61%という水準は一般的な製造業としては良好な部類に入り、効率的な経営ができていることを示唆しています。
  • ROE(株主資本利益率、実績): 10.97%
    • 株主が投下した資本に対して、企業がどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。一般的に10%以上が良好な目安とされますので、10.97%という数字は株主資本を効率的に活用して利益を上げていると評価できます。
  • ROA(総資産利益率、過去12か月): 5.79%
    • 企業の総資産をどれだけ効率的に利用して利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安とされる5%を上回っており、資産全体を効果的に運用していることが確認できます。

【財務健全性】

エスペックの財務健全性は非常に高い水準です。

  • 自己資本比率(実績): 74.7%
    • 総資産に占める自己資本の割合で、返済不要な資金の比率を示し、高いほど財務の安定性が高いとされます。74.7%は極めて高い水準であり、倒産リスクが非常に低いことを意味します。
  • 流動比率(直近四半期): 3.50倍
    • 流動負債に対する流動資産の割合で、短期的な支払い能力を示します。一般的に1.5倍(150%)以上が健全とされ、3.50倍(350%)は非常に高い水準で、短期的な資金繰りに全く問題がないことを示唆しています。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 6,890百万円
    • 本業でどれだけキャッシュを稼ぎ出したかを示す指標です。安定してプラスのキャッシュフローを創出しており、事業活動が順調であることを示しています。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 5,040百万円
    • 営業キャッシュフローから設備投資などに回した資金を差し引いた、企業が自由に使えるキャッシュです。潤沢なフリーキャッシュフローは、M&Aや株主還元、借入金返済などに充てる余裕があることを示します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 1.26倍
    • 純利益に対して営業キャッシュフローがどれだけ大きいかを示す指標です。1.0倍以上が健全とされ、1.26倍という数値は、会計上の利益が実質的なキャッシュの伴っていることを意味し、利益の質が極めて高いと評価できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第2四半期(中間期)の決算進捗は以下の通りです。

  • 通期売上高予想68,000百万円に対し、上期売上高30,322百万円で進捗率は44.6%(前年同期比△0.5%)。
  • 通期営業利益予想7,600百万円に対し、上期営業利益2,607百万円で進捗率は34.3%(前年同期比△20.9%)。
  • 通期純利益予想5,800百万円に対し、上期純利益1,912百万円で進捗率は33.0%(前年同期比△22.0%)。

利益進捗率は通期予想に対してやや低めですが、決算説明資料によると受注高は好調で過去最高を更新しており、長納期案件が多いため売上計上が下期に偏る傾向があるとされています。そのため、下期に巻き返しが期待されますが、利益率の悪化(売上原価率65.2% vs 前年63.4%)は注視が必要です。
直近の業績推移は以下の通りです。

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円)
2023/3連結 52,892 4,366
2024/3連結 62,126 6,585
2025/3連結 67,288 7,526
予2026/3連結 68,000 7,600

過去数年間は売上高、営業利益ともに順調に成長してきましたが、2026年3月期は大幅な成長予測ではなく、安定成長への移行期となっています。

【バリュエーション】

エスペックのバリュエーション指標は以下の通りです。

  • PER(株価収益率): 14.21倍
    • 株価が1株当たり利益の何倍かを示し、低いほど割安とされます。業界平均の24.2倍と比較して大幅に低い水準にあり、割安感が高いと評価できます。
  • PBR(株価純資産倍率): 1.42倍
    • 株価が1株当たり純資産の何倍かを示し、低いほど割安、1倍未満だと解散価値を下回るとされます。業界平均の1.6倍と比較してやや低い水準であり、適正水準からやや割安と判定できます。

これらの指標から、同業他社と比較して割安なバリュエーションに位置していると考えられます。業種平均PER基準で目標株価は6,049円、業種平均PBR基準で目標株価は4,238円と算出されており、現在の株価3,770.0円と比較すると、依然として上値余地がある可能性を示唆しています。

【テクニカルシグナル】

エスペックのテクニカル指標の状況は以下の通りです。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 74.53 / シグナルライン: 42.79 短期的な上昇モメンタムは存在
RSI 中立 (買われすぎに近い) 68.5% 70%以上で過熱圏、現在はその手前
5日線乖離率 +3.49% 直近の上昇モメンタムを示す
25日線乖離率 +8.85% 短期トレンドからの乖離が拡大
75日線乖離率 +10.53% 中期トレンドからの乖離が拡大
200日線乖離率 +18.95% 長期トレンドからの乖離が拡大、強い上昇トレンド

MACDがシグナルラインを上回って推移しており、MACDヒストグラムがプラスであることから、短期的な上昇モメンタムが存在すると解釈できます。RSIは68.5%と買われすぎ水準である70%に接近しており、短期的には過熱感が見られるものの、まだ明確な買われすぎのシグナルではありません。

【テクニカル】

現在の株価は3,770.0円で、52週高値3,780円に非常に近い水準にあります。52週安値1,920円と比較すると、年初来で株価は大幅に上昇しています。
移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線 (3,643.00円)、25日移動平均線 (3,463.40円)、75日移動平均線 (3,410.87円)、200日移動平均線 (3,162.76円)の全てを上回って推移しています。これは、短期、中期、長期のいずれのトレンドにおいても株価が上昇基調にあることを明確に示しており、特に200日移動平均線からの乖離率の大きさは、長期的な上昇トレンドの勢いを示唆しています。この状況は買い圧力が強いことを示しますが、一方で移動平均線からの乖離が大きくなるほど、一時的な調整(押し目)が入るリスクも高まる点には注意が必要です。

【市場比較】

エスペックの株価パフォーマンスを日経平均株価およびTOPIXと比較すると、以下の傾向が見られます。

  • 1ヶ月リターン: 株式+11.37% vs 日経+4.41% → 6.96%ポイント上回る
  • 3ヶ月リターン: 株式+7.56% vs 日経+5.35% → 2.21%ポイント上回る
  • 6ヶ月リターン: 株式+19.12% vs 日経+32.10% → 12.99%ポイント下回る
  • 1年リターン: 株式+43.95% vs 日経+37.12% → 6.83%ポイント上回る
  • TOPIX比(1ヶ月): 株式+11.37% vs TOPIX+5.34% → 6.03%ポイント上回る

直近1ヶ月および3ヶ月の期間では、エスペックは日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを示しており、市場全体の地合いが良い中で特に注目を集めていることが伺えます。しかし、6ヶ月単位で見ると日経平均には劣後しており、一部の期間では市場平均を下回る動きも見られました。年間を通じては市場平均を上回る堅調な成長を見せています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が17.08倍と高水準です。将来的な需給悪化による売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5年マンスリー): 0.69
    • 市場全体(ここではS&P 500を基準)の動きに対する個別銘柄の株価の感応度を示します。ベータ値が1未満であるため、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さい(リスクが低い)ことを意味します。
  • 年間ボラティリティ: 32.86%
    • 株価の年間変動率の目安です。仮に100万円投資した場合、年間で±32.86万円程度の変動が想定されることを意味します。比較的大きな変動幅を伴うため、投資判断には注意が必要です。
  • 最大ドローダウン: -47.52%
    • 過去の特定の期間における最高値から底値までの最大の落ち込み率を示します。この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておくべきです。
  • シャープレシオ: -0.22
    • リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標です。1.0以上が良好とされますが、マイナスの値であることは、過去の実績期間においてリスクに見合う十分なリターンが得られていないことを示唆しており、注意が必要です。

【事業リスク】

  • 受注長期化・納期偏在による売上タイミングリスク: AI半導体や衛星通信といった先端分野での受注は好調であるものの、その特性上、案件の納期が長期化する傾向にあります。これにより、受注が売上として計上されるタイミングが偏り、四半期ごとの業績にばらつきが生じる可能性があります。直近の利益下方修正の一因ともなっており、今後の売上計上状況を慎重にウォッチする必要があります。
  • 市場競争と需要変動リスク: 主要市場の一つである中国市場では、現地企業の台頭による価格競争の激化が懸念されます。また、電気自動車(EV)関連投資の一巡により、関連する試験装置や受託試験の需要が変動するリスクも存在します。特定分野への依存度が高まる中で、市場の需要動向や競争環境の変化が直接的に業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替・マクロ経済リスク: エスペックは海外売上高比率が52%(2025年3月期計画)と高く、欧州・北米・中国といった主要市場におけるマクロ経済の動向、特に景気変動や為替レートの変動が業績に大きく影響を与えます。急激な円高の進行や主要国の景気後退は、海外売上高の減少や収益性の悪化を招く可能性があります。

信用取引状況

信用買残が20,500株、信用売残が1,200株となっており、信用倍率は17.08倍です。信用倍率が高いということは、将来的な株価上昇を期待して買い建てしている投資家が多い一方で、売り建てしている投資家が少ないことを意味します。これは、将来的にこれらの買い方が利益確定売りや投げ売りを行った際に、大きな売り圧力となる可能性があるため、需給面ではやや警戒が必要な状況です。直近週では買残が増加し、売残が減少しており、その傾向は強まっています。

主要株主構成

株主名 保有割合 保有株式数
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 14.55% 3,460,000
日本カストディ銀行(信託口) 8.65% 2,058,000
自社取引先持株会 6.82% 1,621,000
自社(自己株口) 6.62% 1,573,300
自社従業員持株会 3.05% 726,000

上位株主には信託銀行が名を連ねており、安定株主が多い構造です。また、自社取引先持株会や自社従業員持株会も上位に位置しており、企業へのコミットメントが高いことが伺えます。これは経営の安定性につながる要因と言えるでしょう。

8. 株主還元

エスペックは、株主還元に対して積極的な姿勢を示しています。

  • 配当利回り(会社予想): 3.05%
    • 現在の株価3,770.0円と会社予想年間配当115.00円に基づくと、3.05%の配当利回りとなります。これは、日本株全体と比較しても魅力的な水準と言えます。
  • 配当性向: 41.98% (過去12ヶ月実績) / 34.5% (会社予想)
    • 会社は配当性向40%以上を目標としており、実績および予想ともにその方針に沿った水準です。利益の一定割合を株主に還元する安定した方針が伺えます。
  • 自社株買いの状況:
    • 2025年11月14日に自社株買いの実施を発表しました。上限90万株、上限取得額35億円、取得期間は2025年11月14日から2026年7月31日までです。自社株買いは、株主還元の一環として、1株あたりの価値を高め、市場からの需給改善にも寄与する可能性があります。会社は配当性向40%以上を目標としつつ、総還元性向(配当+自社株買い)で3年累計50%以上を目指す方針を掲げており、株主への還元意欲が高いことが評価されます。

SWOT分析

強み

  • 環境試験機器分野における世界最大手の地位と圧倒的な市場シェア。
  • AI半導体、衛星通信、自動運転など成長分野への戦略的な製品投入と技術的優位性。
  • Piotroski F-Score 8/9点、自己資本比率74.7%という極めて健全な財務基盤。
  • 配当性向40%以上目標、自社株買い実施など、積極的な株主還元方針。

弱み

  • 受注先行による売上計上タイミングのずれと、それに伴う四半期業績の変動リスク。
  • 直近決算で期初から利益面での下方修正があり、利益率改善の課題。
  • EV関連投資一巡による一部事業での需要減速リスク。
  • 信用倍率の高止まりによる将来的な需給悪化リスク。

機会

  • AI、5G/Beyond 5G、EV/自動運転、宇宙開発といった次世代産業における信頼性評価需要の拡大。
  • グローバルな受託試験サービス拠点の拡充による新規顧客獲得と既存顧客深耕。

脅威

  • 中国市場における現地企業との価格競争激化と市場シェア低下の可能性。
  • 世界経済の景気後退や政治・地政学リスク、急激な為替変動による業績への悪影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と株主還元を重視する長期投資家: エスペックは強固な財務体質と積極的な株主還元方針を掲げており、長期的な視点で安定したリターンを期待する投資家に向いています。
  • テクノロジーの進化と共に成長する市場に関心のある投資家: AI、EV、宇宙開発といった先端技術分野の発展を支える同社の技術力と、それらの市場での成長機会に期待する投資家にも魅力的です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の利益下方修正は、受注の増加が必ずしも短期的な売上・利益に直結しない「受注先行型」ビジネスモデルの特性を示しています。今後の受注消化ペースや利益率の改善状況を注意深く見守る必要があります。
  • 信用倍率の高さは、将来の売り圧力となる可能性があります。短期的な需給バランスの悪化による株価調整リスクを考慮し、エントリータイミングや保有期間を慎重に検討することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 受注高および受注残高の推移: 好調な受注がいつ、どの程度の利益率で売上として計上されるのかを把握するため、受注状況の開示を継続的に確認すべきです。
  • 営業利益率の改善: 売上原価率の上昇が利益下方修正の一因とされています。カスタム製品の収益性改善やサービス事業の見直しなど、利益率向上のための施策がどれだけ効果を上げているかを注視する必要があります。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (平均的な成長)
    • 過去12ヶ月の四半期売上成長率は7.3%と堅調ですが、2026年3月期の通期売上高予想は前期比約+1.1%、営業利益予想も期初から下方修正され約+1%と、大幅な成長は織り込まれていません。AI半導体などの新規分野でのポテンシャルは高いものの、短期的な数値目標に基づくと「平均的な成長(5-10%)」と評価しました。
  • 収益性: A (良好な水準)
    • 実績ROEが10.97%と目標の10%を上回り、営業利益率も12.61%と10%を超えています。これは株主資本および事業活動全体で効率的に利益を上げていることを示しており、良好な収益性を維持しているため「良好な水準」と評価しました。(ROE15%以上かつ営業利益率15%以上でS評価とする基準に対し、惜しくもSには届かず。)
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    • 自己資本比率74.7%、流動比率3.50倍と、両指標とも非常に高い水準を維持しています。さらにPiotroski F-Scoreが8/9点と財務品質チェックリストで最高評価を得ており、極めて強固で安定的な財務基盤を構築していることから「極めて優良」と評価しました。
  • バリュエーション: A (割安感あり)
    • PER14.21倍と業界平均24.2倍を大きく下回り、PBR1.42倍も業界平均1.6倍を下回っています。これは業界平均と比較して株価が過小評価されている可能性を示唆しており、現時点では「割安感あり」と評価できます。ただし、短期的な利益進捗の遅れは考慮に入れる必要があります。

企業情報

銘柄コード 6859
企業名 エスペック
URL http://www.espec.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,770円
EPS(1株利益) 265.34円
年間配当 3.05円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 13.3% 16.3倍 8,079円 16.5%
標準 10.2% 14.2倍 6,126円 10.3%
悲観 6.1% 12.1倍 4,313円 2.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,770円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,056円 △ 23%割高
10% 3,817円 ○ 1%割安
5% 4,816円 ○ 22%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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