企業の一言説明

日東紡績は電子材料、メディカル、複合材、断熱材など多角的な事業を展開する、ガラス繊維活用の産業資材で世界有数の素材メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 電子材料事業を牽引役とした高成長と高収益性: 電子材料事業が売上・利益ともに大きく伸長し、連結業績を牽引。過去12ヶ月の実績および2026年3月期通期予想では売上高、営業利益ともに二桁成長を維持し、ROE25.87%、営業利益率18.15%と高い収益性を実現しています。
  • 圧倒的な財務健全性: Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)、自己資本比率58.15%、流動比率3.21と、盤石な財務基盤を築いています。有利子負債も少なく、経営の安定性が極めて高いと評価できます。
  • 株価の過熱感と一時益の影響: 株価は52週高値圏で推移し、PBRは業界平均の約2.8倍と割高感が強いです。特に2026年3月期の純利益は多額の特別利益(固定資産売却益341億円など)によって大きく押し上げられており、一時的な要因である点を考慮して今後の利益成長を評価する必要があります。また、信用倍率が5.22倍と高水準であり、将来の売り圧力が懸念されます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 S 非常に優良
収益性 S 非常に優良
財務健全性 S 非常に優良
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 17,810.0円
PER 17.06倍 業界平均18.3倍
PBR 3.93倍 業界平均1.4倍
配当利回り 0.64%
ROE 25.87%

1. 企業概要

日東紡績は1918年設立の老舗企業で、ガラス繊維製品の製造・加工・販売を中核事業としています。ガラス繊維を活用した産業資材では世界有数の企業であり、その技術的独自性を基盤に、電子材料、メディカル、複合材、資材・ケミカル、断熱材といった多岐にわたる事業を展開しています。特にガラス繊維は電子機器の基材や強化プラスチック、断熱材といった多様な用途で利用され、その多角的な収益モデルが特徴です。

2. 業界ポジション

日東紡績は「ガラス・土石製品」業界に属し、特にガラス繊維の分野では世界有数の技術と市場シェアを誇ります。グローバルニッチトップとしての地位を確立しており、競合に対しては、長年の経験と研究開発に裏打ちされた高品質な製品と幅広い用途展開が強みです。現在のPBR3.93倍は業界平均1.4倍と比較して大幅に高く、その技術力や成長性、あるいは純資産に対する市場の期待値が高いことを示唆しています。一方、PER17.06倍は業界平均18.3倍とほぼ同水準であり、利益面での割高感はPBRほどではありません。

3. 経営戦略

日東紡績は、主力である電子材料事業の成長をさらに加速させると同時に、建材、ヘルスケア、メディカル事業の多角化を通じて事業ポートフォリオの強化を図っています。直近の決算短信では、電子材料事業が前年同期比19.5%増と大きく伸長し、連結業績を牽引していることが明らかになっています。メディカル事業も安定的な利益貢献を続けています。2026年3月期は固定資産売却益などの特別利益を計上し、純利益が大幅に増加する見込みで、事業の選択と集中を進めていることが伺えます。今後の主要イベントとして、2026年2月5日に四半期決算発表が予定されており、事業進捗と市場環境の変化が注目されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良
収益性 2/3 良好
財務健全性 3/3 極めて優良
効率性 2/3 良好

日東紡績のPiotroski F-Scoreは7/9点であり、財務優良(S評価)と判定されます。

  • 収益性スコア: 2/3点と良好です。過去12ヶ月の純利益が黒字であり、ROAが5.0%とプラスであることから評価されています。ただし、営業キャッシュフローに関するデータが提供されていないため、満点には至っていません。
  • 財務健全性スコア: 3/3点と極めて優良です。流動比率が3.21と高く、D/Eレシオ(負債比率)も0.2894と低く、株式希薄化もないことから、財務的な安全性が非常に高いと評価されます。
  • 効率性スコア: 2/3点と良好です。営業利益率が18.15%、ROEが25.87%といずれも高い水準を達成しており、効率的な経営が行われていることを示しています。売上成長に関するデータは提供されていないため、この項目での評価は不明です。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 18.15% (2025年3月期実績 15.08%)
  • ROE(過去12か月): 25.87% (2025年3月期実績 10.36%)
  • ROA(過去12か月): 5.00%

日東紡績の収益性は非常に高く、ROE 25.87%は一般的な目安とされる10%を大幅に上回る優良水準です。営業利益率18.15%も素材メーカーとしては非常に高い水準を維持しており、本業の収益力が強いことを示しています。ROAもベンチマークの5%を維持しており、総資産を効率的に活用して利益を生み出していると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): (2025年3月期) 58.1% (直近四半期 58.15%)
  • 流動比率(直近四半期): 3.21倍

自己資本比率58.15%は非常に高く、財務の安定性を示します。負債に過度に依存せず、自己資金で事業を運営できる体制が整っていると言えます。流動比率3.21倍(200%以上が目安)も極めて高く、短期的な支払い能力に全く問題がない健全な状態です。

【キャッシュフロー】

営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローの具体的な数値は提供されていませんが、決算短信において四半期連結キャッシュ・フロー計算書は未作成とされており、詳細な分析は困難です。しかし、Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアが満点であることから、一般的な経営活動による資金創出力は良好であると推測されます。

【利益の質】

営業CF/純利益比率に関する直接的なデータはありませんが、2026年3月期第3四半期の親会社株主に帰属する四半期純利益が進捗率92.4%と高い一方で、その多く(34,764百万円)が固定資産売却益などの特別利益によって構成されています。このため、本業からの利益の質については、一時的な特別利益を除外して評価する必要があります。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は、売上高が73.0%、営業利益が74.7%と順調に進捗しています。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益の進捗率は92.4%と非常に高いものの、これは主に多額の特別利益(固定資産売却益341億円など)によるものです。この特別利益を除く実質的な純利益の進捗状況には注意が必要です。セグメント別では電子材料事業が大きく伸長し、連結業績を牽引しています。メディカル事業も安定した利益を計上していますが、複合材事業、資材・ケミカル事業、断熱材事業は減益または損失を計上しており、セグメント間の業績にばらつきが見られます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 17.06倍
  • PBR(実績): 3.93倍

日東紡績のPER17.06倍は、業界平均PER18.3倍と比較してわずかに割安または適正な水準にあります。しかし、PBR3.93倍は、業界平均PBR1.4倍の約2.8倍と大幅に割高です。これは、同社の高い収益性と成長に対する市場の高い期待が織り込まれている可能性を示唆しています。ただし、純資産に対してはかなり高い評価を受けていると言えます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 1188.99 / シグナル値: 1074.76 短期的なトレンドは明確ではない
RSI 中立 63.1% 買われすぎでも売られすぎでもない
5日線乖離率 +6.67% 直近のモメンタムが強い
25日線乖離率 +22.00% 短期トレンドから大きく上振れ
75日線乖離率 +45.89% 中期トレンドから大きく上振れ
200日線乖離率 +118.92% 長期トレンドから極めて大きく上振れ

RSIが63.1%と中立域にあり、過去に急騰しているものの過熱感は現状では高すぎないと見られます。MACDは中立ですが、MACD値がシグナルラインを上回っており、上昇方向への勢いは存在します。移動平均線乖離率を見ると、すべての期間で株価が移動平均線を大きく上回っており、特に長期の200日線からは+118.92%と極めて大きく乖離しています。これは非常に強い上昇トレンドの形成を示唆していますが、同時に短期的な調整リスクも内包している可能性があります。

【テクニカル】

株価17,810.0円は52週高値18,400.0円に非常に近い水準(52週レンジ内位置96.2%)にあり、200日移動平均線8,171.23円を大きく上回って推移しています。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)が株価を下回っており、短期から長期にわたる強い上昇トレンドが明確です。直近1ヶ月のリターンが+49.92%、3ヶ月で+117.46%と急騰しており、強い買いの勢いが確認できます。

【市場比較】

日東紡績の株価は、日経平均株価およびTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均およびTOPIXを数十%ポイント上回るパフォーマンスを記録しており、市場全体のトレンドを大きく凌駕する強いモメンタムを持っていることが示されています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が5.22倍と高水準であり、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値: 0.53 (5Y Monthly)
  • 年間ボラティリティ: 69.95%
  • 最大ドローダウン: -82.59%
  • 年間平均リターン: -41.59%

ベータ値0.53は、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さいことを示唆しますが、年間ボラティリティが69.95%と非常に高いため、株価の変動幅は大きくなる傾向があります。過去のデータに基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±70万円程度の変動が想定され、過去には最大で82.59万円の損失を被る可能性があったことを示しています。シャープレシオが-0.60とマイナスであることから、リスクに見合うリターンが得られていない期間が過去にあったことも示唆されており、高リターンの裏には高いリスクが潜んでいることを認識する必要があります。

【事業リスク】

  • 電子材料市場の変動: 主力である電子材料事業は、5G、AI、EVといった先端技術の需要に支えられていますが、これらの市場は景気変動や技術革新の影響を大きく受ける可能性があります。世界経済の減速やサプライチェーンの混乱が需要に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 原材料価格・エネルギーコストの変動: ガラス繊維製品の製造には石油化学製品などの原材料や多量のエネルギーを必要とします。これらの価格が変動した場合、原価上昇による収益圧迫のリスクがあります。
  • 為替変動リスク: 海外売上比率が43%と高いため、為替レートの変動(特に円高)は海外での収益を円換算した場合に目減りさせるリスクがあります。
  • 特別利益の一時性: 2026年3月期の純利益は、固定資産売却益といった多額の特別利益に大きく依存しています。これらの非継続的な利益が剥落した後の、本業ベースでの利益成長の持続性には注意が必要です。

7. 市場センチメント

信用買残が811,700株、信用倍率が5.22倍と高水準にあり、直近では信用売り残が減少しているため、将来的に需給が悪化し、株価の上値を抑える要因となる可能性があります。主要株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、住友不動産、日本カストディ銀行(信託口)が上位を占めており、機関投資家や安定株主が多い構造です。

8. 株主還元

配当利回り(会社予想)は0.64%と、現在の株価水準では低い水準です。配当性向は30.1%と、利益の約3割を配当に回す堅実な方針を示していますが、利回り改善には株価調整か大幅な増配が必要です。過去の履歴を見ると、EPSが大きく伸びた期には配当性向が低く、EPSが伸び悩んだ期には配当性向が高くなる傾向が見られます。直近の決算短信では、特別配当や自社株買いの実施は発表されていません。

SWOT分析

強み

  • 世界有数の技術力と市場シェアを誇るガラス繊維製品を中核としたビジネスモデル
  • 電子材料事業を筆頭に高い成長性と収益性(ROE 25.87%、営業利益率 18.15%)
  • 自己資本比率58.15%、流動比率3.21、Piotroski F-Score 7点と極めて強固な財務体質
  • メディカル、複合材など多角的な事業展開によりリスク分散が図られている

弱み

  • PBRが業界平均を大幅に上回っており、株価バリュエーションに割高感がある点
  • 過去の株価変動が大きく、年間ボラティリティ69.95%、最大ドローダウン-82.59%と高いリスク特性
  • 直近の純利益は多額の特別利益に支えられており、本業利益だけでの成長持続性に注意が必要
  • 配当利回りが0.64%と低く、インカムゲインを求める投資家には魅力が低い

機会

  • 5G、AI、EV、データセンターといった先端技術分野における電子材料や複合材の需要拡大
  • 医療・ヘルスケア分野の高齢化社会における需要拡大と新たな診断技術への貢献
  • 脱炭素社会に向けた省エネ断熱材や軽量化複合材などの環境関連ニーズの増加
  • M&Aや提携による新たな技術獲得や市場開拓の可能性

脅威

  • 世界景気の減速や地政学リスクによる電子材料市場の需要変動
  • 原材料価格やエネルギーコストの高騰、為替レートの変動による収益圧迫
  • 新たな競合の参入や技術革新による市場シェアの低下リスク
  • 高水準の信用買い残が将来的な株価の売り圧力となる可能性

この銘柄が向いている投資家

  • 高い成長性と革新的な技術を重視する長期投資家: ガラス繊維市場における確固たる地位と、電子材料分野での高い成長性を評価する投資家に適しています。
  • 財務健全性を重視し、リスク耐性のある投資家: 極めて強固な財務基盤を持つ企業を好む一方で、株価のボラティリティの高さにも耐えられる投資家向けです。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 一時的な特別利益の剥落: 2026年3月期の純利益を押し上げた特別利益は一時的なものであり、翌期以降の本業ベースでの利益成長見通しを慎重に評価する必要があります。
  • 高水準のバリュエーションと高いボラティリティ: PBRの割高感と信用倍率の高さは、短期的な株価調整のリスクをはらんでいます。過去の高いボラティリティも考慮し、リスク管理を徹底することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 電子材料事業の売上高・セグメント利益成長率: 今後も連結業績の牽引役となるため、この事業の動向は最重要です。
  • 営業利益率の持続性: 高い収益性を維持できるか、原材料費や為替変動の影響を吸収できるか。
  • 純利益の構成: 特別利益に頼らない、本業からの安定的な利益成長が実現できているか。
  • 中期経営計画の進捗と新規事業への投資: 多角化戦略が計画通りに進んでいるか、新たな成長ドライバーの育成状況。

成長性: S (非常に優良)

根拠: 過去数年の売上高と営業利益は着実に増加しており、特に2025年3月期からは営業利益が大きく伸長しています。2026年3月期の通期予想も売上高1200億円、営業利益200億円、親会社株主に帰属する当期純利益380億円と、前年度比で売上高は約10%、営業利益は約21%の増益を見込んでおり、特に純利益は特別利益の影響もありますが、非常に高い成長率を示しています。これは成長性の基準である15%以上を大きく上回る勢いです。

収益性: S (非常に優良)

根拠: 直近12ヶ月のROEは25.87%、営業利益率は18.15%と、いずれも優良の基準(ROE15%以上かつ営業利益率15%以上)を大幅にクリアしています。これは、株主資本および売上に対する利益創出力が非常に高いことを示しており、効率的な経営体制と強固な事業基盤が収益を支えていると言えます。

財務健全性: S (非常に優良)

根拠: 自己資本比率58.15%は60%に近い非常に高い水準であり、流動比率3.21倍も200%を大幅に上回る優良な状況です。さらに、Piotroski F-Scoreが7/9点であることからも、収益性、負債状況、効率性の各側面で財務規律が保たれており、極めて健全な財務状態にあると評価できます。

バリュエーション: C (やや割高)

根拠: PER17.06倍は業界平均18.3倍と比較して同程度かやや割安な水準にありますが、PBR3.93倍は業界平均1.4倍の約2.8倍と大幅に割高感があります。高いROEや成長性が評価されているためではありますが、株価が純資産に対して過大評価されている可能性があるため、バリュエーション全体としてはやや割高と判断します。


企業情報

銘柄コード 3110
企業名 日東紡績
URL http://www.nittobo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 17,810円
EPS(1株利益) 1,043.77円
年間配当 0.64円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 20.5% 19.8倍 52,530円 24.2%
標準 15.7% 17.2倍 37,398円 16.0%
悲観 9.4% 14.7倍 24,030円 6.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 17,810円

目標年率 理論株価 判定
15% 18,596円 ○ 4%割安
10% 23,224円 ○ 23%割安
5% 29,306円 ○ 39%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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