企業の一言説明
triplaは、ホテルや旅館向けの宿泊予約システムやAIチャットボット、決済システムなどを提供し、国内及びアジア市場で急速に事業を拡大している高成長SaaS企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高成長と高収益性: 宿泊業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要とインバウンド需要の回復を追い風に、売上高・利益ともに非常に高い成長率を継続しており、ROEや営業利益率も極めて優れています。
- プラットフォーム戦略と海外展開: 宿泊予約エンジン「triplaBook」とAIチャットボット「triplaBot」を核に、決済や広告、CRMまで連携したSaaSプラットフォームを構築。APAC地域へのM&Aを含む積極的な海外展開により、さらなる成長加速を目指しています。
- 財務健全性と運用リスクへの注意: 自己資本比率が低いなど財務健全性には懸念がある一方、Piotroski F-Scoreは8/9点と高評価で、営業キャッシュフローも潤沢です。しかし、直近のシステム誤設定による収益減額といった運用リスクは注視が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に高成長 |
| 収益性 | S | 極めて優良 |
| 財務健全性 | B | 一部注意点あり |
| バリュエーション | A | 成長性考慮し良好 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1732.0円 | – |
| PER | 20.16倍 | 業界平均66.2倍 |
| PBR | 6.31倍 | 業界平均3.5倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | 37.14% | – |
1. 企業概要
triplaは2015年設立のSaaS企業で、主にホテルや旅館といった宿泊施設向けに、顧客獲得から予約管理、滞在中のコミュニケーションまでを一気通貫で支援するDXソリューションを提供しています。主力サービスは、宿泊施設の公式サイトからの直接予約を促進する「triplaBook(予約エンジン)」と、多言語対応のAIチャットボット「triplaBot」です。さらに、決済システム「tripla Pay」、予約情報の統合管理ツール「triplalink」、CRM/MAツール「triplaConnect」などを組み合わせ、「SaaS×旅行業」という独自のビジネスモデルを展開しています。これらのサービスは、宿泊施設の業務効率化と収益最大化に貢献し、利用施設数は1万施設を突破しています。多言語対応やAIを活用した高度な顧客体験提供が技術的独自性であり、ホテル業界に特化した深い知見と機能で高い参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
triplaは宿泊業界のデジタル化を支援するSaaS市場において、予約エンジンとAIチャットボットを統合したソリューションを強みに、国内を中心に存在感を増しています。競合には大手旅行OTA(オンライン旅行代理店)やPMS(宿泊施設管理システム)ベンダーなどがありますが、同社は特に公式サイトからの直接予約を強化する点と、多言語AIによる顧客対応の効率化に特化している点で差別化を図っています。現在、導入施設数は1万施設を超え、急速な成長を遂げている高成長企業です。
財務指標を見ると、PER(株価収益率:株価が1株当たり利益の何倍かを示す)は20.16倍と業界平均の66.2倍と比較して非常に割安感があります。一方、PBR(株価純資産倍率:株価が1株当たり純資産の何倍かを示す)は6.31倍と業界平均の3.5倍を上回っており、純資産に対しては割高と評価できます。これは、同社が現時点の資産価値以上に将来の大きな成長を市場から期待されているグロース株である特性を示しています。
3. 経営戦略
triplaは、中期的な成長戦略として「決済ソリューションの強化」「プロダクトの高度化」「APACを中心とした海外展開」の3点を柱としています。決済ソリューションでは、事前決済比率を2027年までに35%に引き上げる目標を掲げ、多通貨・多決済手段への対応を進めています。プロダクト面では、AIとビッグデータ活用による予約エンジンやチャットボットの機能強化、SaaS基盤の拡充を推進しています。海外展開には積極的で、M&Aも視野に入れたAPAC地域での事業拡大と、それに伴うPMI(Post Merger Integration:M&A後の経営統合プロセス)の仕組み化を進めています。直近では、新たなプラットフォーム「tripla Nexus」のローンチや、Amazon Pay・Opn Paymentsとの連携、TikTok広告を活用した「tripla Boost」、フィリピン子会社の設立を完了させるなど、具体的な施策が進行中です。
また、2025年10月期第3四半期にはMCP(Multi Currency Processing)導入に伴う為替レート連携ミスが発生し収益減額につながりましたが、通期業績見通しの修正は不要と判断しており、部署横断でのチェック体制強化を表明しています。今後も、事前決済比率の引上げ達成度や海外展開の進捗、M&Aの成功、そして再発防止策の実効性が重要視されます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 優良(収益性・効率性すべて良好、財務健全性も改善傾向) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラスで健全 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率に課題があるものの、D/Eレシオと株式希薄化なしは良好 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率全て優良 |
triplaのPiotroski F-Scoreは8/9点と「S: 優良」評価です。これは、同社の財務体質が総合的に見て非常に健全であることを示唆しています。
収益性 (3/3点) は、純利益がプラスであり、営業活動によってしっかりと現金を生み出していること、そして資産効率を示すROA(総資産利益率)もプラスであることを評価しています。
効率性 (3/3点) では、過去12か月の営業利益率が20.92%と高く、ROE(自己資本利益率)も36.13%と優良ベンチマークの10%を大きく上回っています。さらに、四半期ベースの売上高も前年比で成長しており、事業効率が非常に高いことを示しています。
一方で、財務健全性 (2/3点) は「流動比率(1.09)が1.5以上」という基準を満たしていません。流動比率とは、短期的な支払能力を示す指標で、一般的に200%(2.0倍)以上が望ましいとされます。同社の流動比率109%は短期負債に対する流動資産が不足している状態であり、運転資金の管理には注意が必要です。しかし、D/Eレシオ(負債資本倍率)が0.60と1.0を下回っており、過度な負債に依存していないこと、また株式の希薄化が生じていないことは評価されています。自己資本比率の低さもこの流動比率と関連し、財務健全性評価の唯一の減点となっています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 20.92%
- ROE(実績): (連)37.14%
- ROA(過去12か月): 2.12%
triplaの収益性は非常に高く評価できます。営業利益率は20.92%と、売上高に対して効率的に本業の利益を生み出していることを示します。ROEは37.14%と、株主から預かった資本を非常に効率よく活用して利益を上げていることを示す優良な水準です(一般的な目安は10%以上)。高ROEは企業が稼ぐ力が強いことを意味しますが、自己資本比率が低い場合はレバレッジ効果が寄与している可能性もあります。ROAは2.12%と一般的な目安である5%を下回っています。ROAは「総資産を使ってどれだけ効率的に利益を上げているか」を示す指標であり、これがROEより低いのは、自己資本比率が低く、多くの資産を負債で賄っている状態(レバレッジが高い状態)の典型的なパターンです。高ROEと低ROAの組み合わせは、リスクとリターンのバランスを分析する上で重要なポイントとなります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): (連)8.3%
- 自己資本比率とは、会社の総資産のうち返済不要な自己資本が占める割合で、企業の財務的な安定性を示す重要な指標です。一般的に40%以上が良好、中小企業でも20%以上が健全性の目安とされます。triplaの8.3%は極めて低い水準であり、財務基盤の脆弱性を示唆しています。この背景には、成長投資のための資金調達戦略や、SaaSビジネスモデル特有のバランスシート構造が影響している可能性もありますが、万が一の経済環境悪化時にはリスク要因となり得ます。
- 流動比率(直近四半期): 1.09
- 流動比率は、短期的な支払い能力を示す指標で、「流動資産 ÷ 流動負債」で計算されます。100%(1.0倍)を下回ると短期的な資金繰りが厳しい状態、200%(2.0倍)以上が健全な水準とされます。同社の1.09(109%)は短期的な債務の支払い能力においてやや懸念がある水準です。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 8,490百万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): 8,470百万円
triplaのキャッシュフローは非常に潤沢です。営業キャッシュフローが84.9億円、フリーキャッシュフローが84.7億円と、本業で安定して多額の現金を稼ぎ出しており、かつ設備投資などを行った後も手元に十分な資金が残っている状態です。これは、財務健全性の自己資本比率や流動比率の低さとは対照的で、SaaSビジネスモデルの特徴である「ストック収益が手堅く入る」ことが反映されていると考えられます。豊富なキャッシュフローは、負債の返済や将来の成長投資、M&Aなどに回す余力があることを示しており、企業の持続的な成長を支える重要な要素です。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 16.95
- 利益の質評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))
- 営業CF/純利益比率は、企業の純利益が会計上の操作によるものではなく、実際にキャッシュフローを伴っているかを示す指標です。1.0以上が健全とされ、この比率が高いほど利益の質が高い(現金を伴った儲けが大きい)と評価されます。triplaの比率16.95は非常に高い水準であり、同社の利益はキャッシュフローによって強力に裏付けられている、極めて質の高い利益であると判断できます。会計上の利益以上に、実際の現金が企業に流入していることを示唆しており、これは非常に心強い財務状況です。
【四半期進捗】
2025年10月期の年間業績は売上高2,573百万円、営業利益519.8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益501.8百万円を計上しました。これは前年同期比で売上高+37.8%、営業利益+93.6%、純利益+139.7%とすべての項目で大幅な成長を達成しています。
続く2026年10月期の通期予想では、売上高3,493百万円(前年同期比+35.7%)、営業利益755百万円(同+45.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益510百万円(同+1.7%)を見込んでいます。売上と営業利益は引き続き高い成長を見込む一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の伸びが+1.7%と低いのは、特別損益や税金、海外展開に伴う費用の増加などが影響している可能性があります。
直近の決算説明資料によると、2025年10月期第3四半期時点での通期計画に対する進捗率は、売上が65.9%、営業利益が61.4%、親会社株主純利益が76.5%でした。これは、売上・営業利益に関しては第4四半期に大幅な加速を見込む計画であることを示唆しています(SaaSビジネスでは月額課金が積み上がるため季節性とは異なるかもしれませんが、ここでは決算短信のデータに基づく)。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): (連)20.16倍
- PBR(実績): (連)6.31倍
- 業界平均PER: 66.2倍
- 業界平均PBR: 3.5倍
triplaのバリュエーションを評価する際、PERとPBRで異なる見方ができます。
PERは20.16倍と、業界平均の66.2倍を大幅に下回っており、利益水準から見れば「割安」と判断できます。PERは、株価が現在の利益に対してどれくらい買われているかを示す指標であり、業界平均より低い場合は、潜在的な上昇余地がある可能性を示唆します。特に、高い成長率を考慮すると、将来の利益成長によってPERがさらに低下する可能性があり、その点から魅力的な水準と言えます。
一方、PBRは6.31倍と、業界平均の3.5倍を上回っており、純資産(会社を清算した場合に残る価値)に対しては「割高」と評価されます。PBRが1倍を下回ると解散価値以下の評価とされますが、グロース株の場合、将来の成長期待や無形資産(ブランド力、技術力など)が純資産に反映されにくいため、PBRが高くなる傾向があります。triplaのPBRが高いのは、現時点の資産価値以上に、将来の成長性やSaaSビジネスモデルの高い収益性が評価されているためと考えられます。
これらの指標を総合すると、高い成長性を持つグロース株としては、PERの割安感が特に目立つため、バリュエーションは「A: 成長性考慮し良好」と判断できます。
理論的な目標株価を算出すると、業種平均PER基準では5,480円、業種平均PBR基準では982円となります。この大きな乖離は、同社が利益を急速に成長させている一方で、自己資本比率が低いという財務特性が影響しており、どちらの指標を重視するかによって評価が大きく分かれることを示しています。高成長企業であることから、PER基準をより重視する投資家が多いでしょう。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD: -40.55 / シグナル: -16.08 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 売られすぎ | 18.6% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +2.21% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -5.02% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.32% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -16.37% | 長期トレンドからの乖離 |
テクニカルシグナルを見ると、RSIが18.6%と「売られすぎ」の水準にあります。RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は、買われすぎか売られすぎかを示す指標で、一般的に70%を超えると買われすぎ、30%を下回ると売られすぎと判断されます。現在の売られすぎ状態は、短期的な反発の可能性を示唆することもあります。MACDは中立となっており、明確な買いシグナルや売りシグナルは出ていません。MACD(Moving Average Convergence Divergence:移動平均収束拡散)は二つの移動平均線の関係からトレンドの強弱や転換点を探る指標です。
【テクニカル】
現在株価1,732.0円は、52週高値2,773円からは大きく下落した水準(52週レンジ内位置は14.7%)にあり、年初来安値1,489円には近い位置です。
移動平均線との関係では、現在株価は5日移動平均線1,694.60円を上回っています(+2.21%)。しかし、25日移動平均線1,823.52円(-5.02%)、75日移動平均線1,755.08円(-1.32%)、200日移動平均線2,070.91円(-16.37%)の全てを下回っています。この状況は、短期的な動きでは反発が見られるものの、中長期的な下落トレンドが継続していることを示唆しています。特に200日移動平均線との乖離が大きいことは、長期的な視点での株価回復には相当な時間やポジティブな材料が必要となる可能性を示しています。
【市場比較】
日経平均株価やTOPIXとの相対パフォーマンスを見ると、triplaの株価は全ての期間で市場平均を大幅に下回っています。
- 1ヶ月リターン: 株式-8.55% vs 日経+10.26% → 18.82%ポイント下回る
- 3ヶ月リターン: 株式+7.78% vs 日経+12.25% → 4.47%ポイント下回る
- 6ヶ月リターン: 株式-20.37% vs 日経+38.15% → 58.52%ポイント下回る
- 1年リターン: 株式+2.91% vs 日経+44.46% → 41.55%ポイント下回る
これらのデータは、最近のtriplaの株価が、市場全体の好調な地合いに乗り切れておらず、相対的に弱いパフォーマンスを示していることを明確に表しています。これは、グロース市場特有の資金流出や、過去の株価上昇に対する調整、あるいは特定のネガティブな要因(例えば、MCP関連のシステム不具合)が投資家の懸念材料となっている可能性も考えられます。
【注意事項】
データには直接的なリスク警告はありません。信用取引状況を見ると、信用買残が366,700株ある一方で、信用売残が0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは、買い方が非常に優勢な状況であり、将来的に利益確定の売りが出やすくなる「潜在的な売り圧力」に注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値 (5Y Monthly): 1.03
- ベータ値とは、市場全体の動きに対する個別銘柄の株価変動の感応度を示す指標です。1.0を超える場合は市場全体よりも変動幅が大きいことを意味し、1.03は市場とほぼ同等かやや高い変動性を持つことを示します。
- 年間ボラティリティ: 61.06%
- 年間ボラティリティは、株価の年間変動率の大きさを表します。61.06%という数値は非常に高い水準であり、株価が大きく変動するリスクがあることを示しています。
- 最大ドローダウン: -60.18%
- 最大ドローダウンとは、過去の一定期間におけるポートフォリオの最大下落率を意味します。triplaの場合、過去に最大で60.18%もの下落を経験していることを示しており、今後も同様の大きな下落が発生する可能性を考慮する必要があります。
- シャープレシオ: 0.46
- シャープレシオとは、投資のリスク(ボラティリティ)1単位あたりにどれだけのリターンが得られたかを示す指標です。1.0以上が良好とされますが、0.46という数値は、リスクに見合うほどのリターンが得られていない点に課題があることを示唆しています。
これらの定量リスクを踏まえると、仮にtriplaに100万円投資した場合、年間で±61万円程度の極めて大きな変動が想定され、過去には最大で約60万円の損失を被る可能性があったことを意味します。変動リスクが非常に高い銘柄であるため、投資家は十分なリスク許容度が必要です。
【事業リスク】
- システム障害・運用リスク: 2025年10月期第3四半期に発生したMCPでの為替レート連携ミスは、システム運用におけるリスクを浮き彫りにしました。SaaS企業にとってシステムの安定稼働と正確性は生命線であり、今後の再発防止策の実効性が重要です。為替変動や多国決済規制を含む、多様な取引処理におけるオペレーションミスの可能性は常に存在します。
- 海外展開とM&A・PMIリスク: APAC地域への積極的な海外展開やM&A戦略は成長の大きな機会ですが、同時にカントリーリスク(政治・経済情勢、法規制、為替変動)、海外事業のローカライズやパートナー運用リスク、M&A後の企業文化やシステムの統合(PMI)が円滑に進まないリスク(のれん償却、統合費用の増加)を伴います。
- 競争激化と季節性: 宿泊業界向けITソリューション市場は成長が見込まれる一方で、新規参入や競合他社の機能強化により競争が激化する可能性があります。また、宿泊業界特有の季節性(例えば、旅行需要の変動)が同社の売上や収益に影響を与える可能性も考慮すべきです。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が366,700株と一定量存在しますが、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは、売り方がほぼ存在しない中で買い方が先行している状態であり、将来的な「買い方の利益確定売り」が発生した場合に、短期的な株価の重しとなる可能性があります。ただ、信用倍率が低いこと自体は売り圧力が少ないと解釈されることもあります。
主要株主は、創業者の高橋和久氏が13.29%、鳥生格氏が19.2%を保有しており、経営陣が大きなシェアを維持しています。これに加えてインサイダー(役員・従業員)が約44.63%を保有しており、経営陣が会社の成長に対して強いコミットメントを持っていることがうかがえます。一方で、機関投資家の保有割合は9.49%に留まっており、まだそのポテンシャルを十分に認識されていないか、あるいはグロース株特有のリスクを考慮している可能性も考えられます。
8. 株主還元
triplaは、現在のところ配当性向0.00%、配当利回り0.00%であり、配当を実施していません。これは、事業の急速な成長フェーズにあるグロース企業に多く見られる特徴です。稼いだ利益を配当として株主に還元するのではなく、R&D(研究開発)投資、M&A、海外事業展開などの成長投資に再投入することで、将来的な企業価値の最大化を目指していると考えられます。現時点での自社株買いの情報もデータには見られません。従って、同社は配当や自社株買いなどの直接的な株主還元よりも、事業成長を通じて株価上昇を目指す方針であると理解できます。
SWOT分析
強み
- 宿泊業界特化型SaaSとして、予約エンジンとAIチャットボットを統合したワンストップソリューション提供により、高い顧客ロイヤルティと導入施設数を確保している。(導入施設数1万施設突破)
- 高い売上高成長率と営業利益率、ROEを誇り、潤沢な営業キャッシュフローを生み出す収益性の高いビジネスモデルを確立している。
弱み
- 自己資本比率が8.3%と極めて低く、流動比率も短期的な資金繰りに懸念がある水準であり、財務基盤の脆弱性が見られる。
- 直近で発生したMCP連携ミスなど、急速な事業拡大に伴うシステム運用リスクや内部統制強化の課題が露呈した。
機会
- 国内外の観光需要回復とDX推進ニーズの高まりにより、宿泊施設向けのSaaSソリューション市場は今後も高い成長が期待される。
- APAC地域への積極的な海外展開やM&A戦略により、大規模な市場獲得と事業拡大の可能性を秘めている。
脅威
- 競合他社の参入や既存プレーヤーの機能強化により、市場シェアを巡る競争が激化するリスクがある。
- 為替変動、各国の規制変更、地政学リスク、世界経済の動向、疫病の再流行などが、海外展開を含む事業全体に影響を及ぼす可能性がある。
この銘柄が向いている投資家
- 高成長株を求める投資家: 宿泊業界のDXとインバウンド需要を背景に、売上高と利益の高い成長性を重視する投資家に適しています。
- リスク許容度の高い投資家: 株価ボラティリティが大きく、自己資本比率の低さやシステム運用リスクなどの注意点を理解し、リスクを取って高いリターンを狙いたい投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 財務健全性: 自己資本比率が低い点が最大の懸念材料です。豊富なキャッシュフローがあるとはいえ、万が一の事態に備えた財務基盤の強化状況を継続的に確認する必要があります。
- 成長投資とM&Aの進捗: 海外展開やM&Aは大きな成長機会ですが、その効果発現には時間がかかり、失敗した場合には多大なコストが発生する可能性があります。個別のM&A案件の進捗とPMIの成功度合いを注視すべきです。
- システムと運用体制: MCPでの為替レート連携ミスは今後も同様の運用リスクがないかという疑念を生じさせます。再発防止策の実効性や、サービス品質の維持・向上に資する体制強化の進捗を確認することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 連結売上高成長率と営業利益率: 高い成長を維持できているか、市場競争の中で収益性を保っているかを評価します。特に海外事業の進捗も合わせて確認。
- 自己資本比率と流動比率の改善: 財務健全性向上のための取り組みがなされているか、具体的な数値改善が見られるか。
- フリーキャッシュフローの推移: 既に潤沢ですが、成長投資を行った後も安定してキャッシュを生み出せるかを確認します。
10. 企業スコア
成長性: S (非常に高成長)
- 根拠: 2025年10月期の実績は売上高+37.8%、営業利益+93.6%と極めて高い成長率を示し、2026年10月期の予想も売上高+35.7%、営業利益+45.4%と引き続き高い成長が見込まれます。SaaSビジネスモデルと宿泊業界の追い風が強力な成長ドライバーとなっています。
収益性: S (極めて優良)
- 根拠: ROEが37.14%、営業利益率が20.92%と、優良企業の一般的な目安(ROE10%以上かつ営業利益率15%以上)を大幅に上回る極めて高い水準です。これは、同社が効率的に収益を上げ、株主資本を有効活用していることを示しています。
財務健全性: B (一部注意点あり)
- 根拠: 自己資本比率が8.3%と極めて低く、流動比率も1.09と短期的な支払能力に懸念がある水準です。しかし、Piotroski F-Scoreは8/9点と優良評価であり、特に営業キャッシュフローが84.9億円と非常に潤沢で、かつ純利益に対する営業CF比率が16.95と極めて高いため、即座の資金繰り破綻リスクは低いと判断されます。低い自己資本比率と高F-Score・潤沢なキャッシュフローという乖離を総合的に考慮し、懸念点はあるものの、ビジネスモデルの強さで緩和されていると評価しました。
バリュエーション: A (成長性考慮し良好)
- 根拠: PERは20.16倍と業界平均PER66.2倍と比較して大幅に割安な水準です。一方でPBRは6.31倍と業界平均3.5倍を上回り割高感がありますが、グロース市場上場企業として将来の急速な成長を織り込んだ結果と解釈できます。現在の高い成長率とPERの相対的な割安感を重視し、総合的にみて良好なバリュエーションと判断しました。
企業情報
| 銘柄コード | 5136 |
| 企業名 | tripla |
| URL | https://tripla.io/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,732円 |
| EPS(1株利益) | 86.26円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 21.0% | 31.1倍 | 6,951円 | 32.0% |
| 標準 | 16.1% | 27.1倍 | 4,929円 | 23.3% |
| 悲観 | 9.7% | 23.0倍 | 3,149円 | 12.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,732円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,451円 | ○ 29%割安 |
| 10% | 3,060円 | ○ 43%割安 |
| 5% | 3,862円 | ○ 55%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。