企業の一言説明

福山通運は、西日本を地盤に路線トラック輸送を主力とする、国内大手物流会社です。小口貨物輸送に強みを持ち、国際輸送や流通加工など多角的な物流サービスを展開しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅実な財務基盤と高水準な自己資本比率: 自己資本比率57.1%と高く、F-Scoreも6/9点と良好な財務健全性を維持しています。
  • PBRが業界平均を大きく下回る水準での割安感: PBR0.63倍は業界平均1.0倍を大きく下回り、純資産に対して株価が低く評価されている状態です。
  • 収益性の課題と特別利益への依存: ROE3.01%、営業利益率1.40%と低水準で、本業の収益性が課題です。直近の純利益は特別利益に大きく依存しており、一時的な要因によるかどうかの見極めが重要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 D 懸念
財務健全性 A 良好
バリュエーション S 優良

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,755.0円
PER 13.76倍 業界平均13.9倍
PBR 0.63倍 業界平均1.0倍
配当利回り 1.60%
ROE 3.01%

1. 企業概要

福山通運は、1948年設立の日本に本社を置く物流企業です。西日本を主要な事業基盤とし、路線トラック輸送を中心に、貸切輸送、倉庫での流通加工、国際輸送サービスなど包括的な物流ソリューションを提供しています。約16,000台の車両を保有し、陸海空の多様な輸送手段を組み合わせ、国内外で事業を展開。セイノーホールディングスとの共同運送推進など、効率化にも取り組んでいます。技術的な独自性としては、広範な輸送ネットワークと小口貨物輸送における長年のノウハウが挙げられます。

2. 業界ポジション

福山通運は、陸運業界において西日本に強固な地盤を持つ大手路線トラック会社の一つであり、特に小口雑貨輸送において主要なポジションを占めています。セイノーホールディングスとの共同運送を通じて、効率化と競争力強化を図っています。競合他社に対する強みは、全国を網羅する輸送ネットワークと長年の信頼性、多様な物流サービスの提供能力です。一方、弱みとしては、人件費や燃料費の高騰といった業界共通の課題に加えて、収益性の低さが挙げられます。
業界平均PER13.9倍に対し、福山通運のPERは13.76倍とほぼ同水準です。また、業界平均PBR1.0倍に対し、福山通運のPBRは0.63倍と、業界平均を下回っており、純資産価値から見て割安な水準にあると言えます。

3. 経営戦略

中期経営計画に関する具体的な記述はありませんが、提供された情報から、セイノーホールディングスとの共同運送推進による効率化や、Renown Transport Co., Ltd.の連結子会社化といったM&Aを通じた事業拡大を進めていることが伺えます。特に国際事業セグメントへの投資は、海外展開強化の意図を示唆しています。
直近の決算短信では、投資有価証券売却益の計上により純利益が大幅に増加しており、資産の有効活用も経営戦略の一環として考えられます。
今後のイベントとして、2026年2月10日に決算発表が予定されており、その内容が注目されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで、良好な収益基盤を示す
財務健全性 2/3 流動比率がベンチマークを下回るものの、D/Eレシオや株式希薄化の少なさで一定の健全性を確保
効率性 1/3 営業利益率とROEが低水準であり、資本効率や利益創出力に改善の余地がある

Piotroski F-Scoreは6/9点で「良好」と評価されます。収益性に関しては、純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、本業での一定の稼ぐ力があることを示しています。しかし、財務健全性では流動比率が懸念材料であり、効率性においては営業利益率およびROEが低いことから、資本を効率良く活用し、より高い収益を生み出すための改善が求められる状況です。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

  • 営業利益率: 1.40%(過去12か月)
  • ROE(実績): 3.01%
  • ROA(実績): 0.81%

福山通運の営業利益率は1.40%と低く、業界内で収益性に課題を抱えている可能性を示唆します。ROEは3.01%、ROAは0.81%と、それぞれ一般的に優良とされるベンチマーク(ROE10%、ROA5%)を大きく下回っており、株主資本および総資産の活用効率が低い点が懸念されます。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

  • 自己資本比率(実績): 57.1%
  • 流動比率(直近四半期): 0.97

自己資本比率57.1%は非常に高く、企業の財務基盤が強固であることを示しており、安全性は良好です。しかし、流動比率が0.97と1.0を下回っており、短期的な負債を短期的な資産で賄う能力にやや不安があります。これは、運転資金管理において注意が必要な点です。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 24,530百万円
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): -8,940百万円

営業キャッシュフローは245.3億円のプラスで、本業で安定した資金を生み出していることを示します。一方で、フリーキャッシュフローはマイナス89.4億円となっており、事業に必要な投資(設備投資など)が営業キャッシュフローを上回っている状態です。これは成長投資と捉えることもできますが、継続的なマイナスは外部からの資金調達や資産売却に依存する可能性を示唆するため、注意深く監視する必要があります。

【利益の質】営業CF/純利益比率

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 3.88
  • 利益の質評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))

営業キャッシュフロー(245.3億円)が純利益(63.3億円)を大幅に上回る「営業CF/純利益比率3.88」は、利益の質が極めて優良であることを意味します。これは、会計上の利益だけでなく、実際に手元に残る現金も豊富であり、利益計上に伴う架空性やリスクが低いことを示唆しています。

【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移

2026年3月期 第3四半期連結決算(累計)

  • 売上高: 239,518百万円 (通期予想316,300百万円に対し進捗率75.7%)
  • 営業利益: 8,706百万円 (通期予想8,100百万円に対し進捗率107.5%)
  • 経常利益: 10,551百万円 (通期予想9,700百万円に対し進捗率108.8%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 14,222百万円 (通期予想13,000百万円に対し進捗率109.4%)

第3四半期累計の時点で、営業利益、経常利益、純利益がいずれも通期予想を上回る進捗となっています。特に純利益は、前年同期の約1.5倍に増加しており、これには投資有価証券売却益12,263百万円という特別利益が大きく寄与しています。このため、本業の継続的な利益創出力が改善しているかについては、特別利益を除いた分析が必要です。通期予想の修正は行われていません。

【バリュエーション】PER/PBR

  • PER(会社予想): 13.76倍
  • PBR(実績): 0.63倍
  • 業界平均PER: 13.9倍
  • 業界平均PBR: 1.0倍

福山通運のPER13.76倍は、業界平均PER13.9倍とほぼ同水準であり、利益面から見ると適正な水準にあると言えます。しかし、PBR0.63倍については、業界平均PBR1.0倍を大きく下回っており、企業の純資産価値と比較して株価が割安である可能性を示しています。これは、純資産の価値が市場で十分に評価されていない「PBR1倍割れ」の状態です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 71.1 / シグナル値: 76.36 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 60.7% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.04% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +1.44% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +11.42% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +24.96% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDは中立状態にあり、明確なトレンド転換シグナルは出ていません。RSIは60.7%で買われすぎでも売られすぎでもない中立域に位置しています。

【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係

現在の株価4,755.0円は、52週高値4,870.0円に近く、52週レンジ内位置は93.2%(0%=安値、100%=高値)と高値圏にあります。
株価は5日移動平均線 (4,753.00円)、25日移動平均線 (4,687.60円)、75日移動平均線 (4,267.80円)、200日移動平均線 (3,804.07円) のいずれをも上回っており、短期、中期、長期の全ての移動平均線が上向きの強気トレンドを示唆しています。特に75日線および200日線からの乖離率が高く、中期〜長期での強い上昇モメンタムが見られます。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

  • 1ヶ月リターン: 福山通運+2.48% vs 日経平均+10.99%、TOPIX+9.71% → 各々8.52%ポイント、7.23%ポイント下回る
  • 3ヶ月リターン: 福山通運+25.30% vs 日経平均+13.30% → 12.00%ポイント上回る
  • 6ヶ月リターン: 福山通運+30.10% vs 日経平均+43.09% → 12.99%ポイント下回る
  • 1年リターン: 福山通運+28.17% vs 日経平均+46.27% → 18.10%ポイント下回る

直近1ヶ月では日経平均およびTOPIXに劣後していますが、3ヶ月では日経平均を大きく上回るパフォーマンスです。中長期(6ヶ月・1年)では市場平均を下回る結果となっています。これは、特定の期間において市場全体の勢いに比べて出遅れる傾向があることを示唆しています。

【注意事項】

データなし

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

  • ベータ値(5年月次): 0.26
  • 年間ボラティリティ: 24.31%
  • シャープレシオ: -0.32
  • 最大ドローダウン: -33.54%
  • 年間平均リターン: -7.18%

ベータ値0.26は、市場全体の変動に対して福山通運の株価が比較的影響を受けにくい(市場平均が1%変動しても0.26%しか変動しない)ことを示しており、市場リスクの低い銘柄であると言えます。
年間ボラティリティ24.31%は、株価の変動の大きさを表します。仮に100万円投資した場合、年間で±24.31万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-33.54%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオがマイナスの-0.32である点は、リスクに見合うリターンが十分に得られていない状況を示唆しています。

【事業リスク】

  • 燃料費・人件費の高騰: 物流業界全体が直面する課題であり、原油価格の変動や労働力不足による人件費の上昇は、輸送コストを押し上げ、収益を圧迫する可能性があります。
  • 労働力不足とドライバーの高齢化: 労働人口減少に伴うドライバー不足は深刻化しており、安定した輸送能力の維持や将来的な事業拡大に大きな影響を与える可能性があります。
  • 景気変動の影響: 企業間物流を主力とするため、景気後退期には荷動きの鈍化や運賃単価の下落などにより業績が悪化するリスクがあります。

信用取引状況

  • 信用買残: 74,000株
  • 信用売残: 59,400株
  • 信用倍率: 1.25倍

信用倍率が1.25倍と比較的低く、信用買いに対して信用売りが一定程度存在するため、需給バランスは概ね良好であると言えます。信用買残が多いことによる将来的な売り圧力は限定的と見られます。

主要株主構成

上位3社程度:

  • 公益財団法人渋谷育英会: 13.71%
  • 自社(自己株口): 9.43%
  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 7.66%

主要株主には公益財団法人や信託銀行、生命保険会社、自社関連の保有が多く、安定株主が多い構造です。これにより、経営の安定性が高い一方で、市場での流動性には一定の限りがある可能性があります。

配当利回り、配当性向

  • 配当利回り(会社予想): 1.60%
  • 1株配当(会社予想): 76.00円
  • 配当性向: 44.59%

会社予想の年間配当76.00円に基づく配当利回りは1.60%です。配当性向は44.59%と、利益の約4割強を配当に回しており、一般的な水準(30-50%)に位置します。安定した配当を目指す姿勢が見られ、株主への還元意欲は一定程度あると言えます。前期と比較して年間配当は増加予想です。

自社株買いの状況

データなし。

SWOT分析

強み

  • 広範な輸送ネットワークと西日本での強固な事業基盤
  • 高い自己資本比率に裏打ちされた盤石な財務健全性

弱み

  • 本業の収益性(ROE、営業利益率)が低水準
  • 流動比率が1.0を下回り、短期的な資金繰りに潜在的な懸念

機会

  • EC市場の拡大やサプライチェーン多様化による物流需要の増加
  • M&Aや提携による事業領域の拡大・効率化の推進

脅威

  • 燃料費高騰や人件費上昇によるコスト圧力の継続
  • 物流業界におけるドライバー不足の深刻化と規制強化

この銘柄が向いている投資家

  • 割安株投資家: 自己資本比率が高く、PBRが業界平均を大きく下回る水準にあるため、企業の純資産価値を重視し、株価の本格的な上昇を期待する投資家に向いています。
  • 安定志向の長期投資家: ベータ値が低く、市場全体の変動に左右されにくい特性があるため、市場の大きな変動を避けつつ、安定した財務基盤を持つ企業に長期的に投資したいと考える投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性の改善状況: 本業の営業利益率・ROEが低水準であり、特別利益に依存しない形での収益改善が見られるか、その進捗状況を注視する必要があります。
  • フリーキャッシュフローの動向: フリーキャッシュフローが継続的にマイナスであるため、過度な投資による財務負担が増加しないか、将来的にプラス転換する見込みがあるかを確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の改善(目標値: 5%以上)
  • ROEの向上(目標値: 8%以上)
  • フリーキャッシュフローのプラス転換
  • 第4四半期決算における通期予想の修正有無

10. 企業スコア

  • 成長性: C (やや不安)
    • 売上高は緩やかな増加傾向にあるものの、本業の営業利益や経常利益が過去のピーク(2023年3月期)を下回っており、力強い有機的成長は現状では見られません。直近の純利益の大幅増は特別利益に依存しているため、本業の利益成長に課題があると言えます。
  • 収益性: D (懸念)
    • 実績ROEが3.01%、過去12か月の営業利益率が1.40%と、いずれも優良とされるベンチマーク(ROE10%、営業利益率10%)を大きく下回っています。資本効率および本業の利益創出力が低い点が深刻な課題であるため、D評価とします。
  • 財務健全性: A (良好)
    • 自己資本比率が57.1%と非常に高く、財務基盤は強固です。Piotroski F-Scoreも6/9で良好な財務状態を示しています。しかし、流動比率が0.97と1.0を下回る点に短期的な改善余地があるため、S評価には届きませんが、総合的には良好と判断します。
  • バリュエーション: S (優良)
    • PBRが0.63倍と業界平均1.0倍を大幅に下回っており、純資産価値に比べて株価が割安であると評価できます。PERは業界平均並みですが、PBRの割安感が際立つため、バリュエーションは優良と判断します。

企業情報

銘柄コード 9075
企業名 福山通運
URL http://www.fukutsu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 陸運業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,755円
EPS(1株利益) 347.86円
年間配当 1.60円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 15.8倍 5,505円 3.0%
標準 0.0% 13.8倍 4,787円 0.2%
悲観 1.0% 11.7倍 4,276円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,755円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,384円 △ 99%割高
10% 2,977円 △ 60%割高
5% 3,757円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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