企業の一言説明

ユニバーサルエンターテインメントは、パチスロ機などの遊技機事業と、フィリピンで統合型リゾート施設「OKADA MANILA」を運営する、国際的なエンターテイメント企業です。事業構造転換期にあり、IR事業の比重が高まっています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 統合型リゾート事業「OKADA MANILA」の潜在力と回復状況: 本社の主要な成長ドライバーであり、パンデミックからの回復と今後の成長戦略が業績の鍵を握ります。直近ではIR事業が営業損失を計上しており、早期の収益改善が喫緊の課題です。
  • 極めて低いPBRと企業価値向上への課題: PBRが0.18倍と業界平均を大きく下回り、帳簿上の純資産に対し株価が著しく割安な水準にあります。収益性の改善と株主還元策、市場との対話を通じて、企業価値を向上させられるかが注目されます。
  • 不安定な収益性と需給バランスのリスク: 足元の業績は赤字が続き、通期予想も厳しい見込みです。また、信用倍率が13倍超と高水準で、短期的な株価の需給悪化圧力が懸念されます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞・後退
収益性 D 懸念
財務健全性 A 良好
バリュエーション S 極めて割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 789.0円
PER 業界平均10.7倍
PBR 0.18倍 業界平均0.7倍
配当利回り 0.00%
ROE -4.11%

1. 企業概要

ユニバーサルエンターテインメント(旧アルゼ)は、1973年設立の企業で、主にパチスロ機などの遊技機事業を展開しています。さらに、フィリピンのパラニャーケ市で統合型リゾート施設「OKADA MANILA」の運営を主力事業の一つとしています。事業内容としては、遊技機の研究開発、製造、販売と、統合型リゾート(IR)の企画、開発、運営が中心です。主力製品・サービスは、遊技機では様々な人気シリーズのパチスロ台、IR事業ではカジノ、ホテル、飲食、商業施設などが挙げられます。収益モデルは遊技機の販売収入と、IR施設におけるカジノを含む各種サービスの収益です。特にIR事業はサービス業的なビジネスモデルで、高額な設備投資を伴いながらも、一旦軌道に乗れば安定した高収益が期待されます。技術的独自性としては、長年の遊技機開発で培った映像・音響・制御技術があり、IR運営においては大規模施設の開発・運営ノウハウを蓄積しています。

2. 業界ポジション

ユニバーサルエンターテインメントは、日本の遊技機業界において大手の一角を占めています。遊技機事業は、長年にわたる経験とブランド力で一定の市場シェアを確保していますが、近年は市場規模の縮小や規制強化の逆風に直面しています。一方、統合型リゾート(IR)事業においては、フィリピンの「OKADA MANILA」を通じて、アジアを代表する大規模IR施設の一つを運営しており、この分野では独自のプレゼンスを確立しています。
競合に対する強みとしては、IR事業で自社がデベロッパー兼オペレーターであるため、開発から運営まで一貫して手掛けられる点が挙げられます。また、遊技機とIRという二つの柱を持つことで、事業ポートフォリオの多角化を図っています。弱みとしては、IR事業の収益性が景気変動や地政学リスクに大きく影響されること、また多額の初期投資や維持費用がかかる点が挙げられます。
業界平均との財務指標比較では、PBR(株価純資産倍率)が0.18倍と、Industory分類「Leisure」の業界平均PBR0.7倍を大幅に下回っています。これは、株価が企業が保有する資産価値に対して極めて低い評価を受けていることを示しており、市場から「割安」と判断されている可能性があります。しかし、PER(株価収益率)はEPS(1株あたり利益)がマイナスであるため算出できず、これは企業が現在赤字であることを意味します。PBRが著しく低い一方で赤字が続いている状況は、「バリュートラップ」の可能性を示唆しており、単なる割安ではなく、企業の収益力や成長性に対する市場の懸念が反映されていると考えられます。

3. 経営戦略

ユニバーサルエンターテインメントの経営戦略は、事業の二本柱である遊技機事業と統合型リゾート(IR)事業の強化に集約されます。特にフィリピンの「OKADA MANILA」を中核とするIR事業に注力し、高収益事業への転換を目指しています。
中期経営計画の具体的な内容は提供データからは不明ですが、過去の動向や決算短信からは、IR事業の収益性改善と顧客誘致強化、遊技機事業におけるヒット機種の継続的投入による収益安定化が主要な戦略の要点と推察されます。
最近の重要な適時開示としては、「Ex-Dividend Date」(配当落ち日)が2024年12月27日と記載されていますが、当期は配当予想が0.00円であるため、実質的な影響は小さいと考えられます。
2025年12月期第3四半期決算短信からは、以下の点が読み取れます。
経営陣はIR事業の再生を重視しており、遊技機事業の堅調な収益を活かしつつ、IR事業の立て直しを図る方針が伺えます。しかし、直近の第3四半期累計では、遊技機事業が売上高41,420百万円(前年同期比+34.6%)、営業利益7,832百万円(同+95.5%)と好調に推移した一方で、IR事業は売上高50,619百万円(同-16.9%)、営業損失△3,007百万円(前年同期は営業利益1,996百万円)と大幅な減収減益(損失転落)となっています。これは、IR事業において高額な訴訟関連費用や為替差損が発生したことが主な要因であり、経営状況を大きく圧迫しています。
通期予想では、売上高124,000百万円、営業利益50百万円、純利益△14,000百万円を計画しており、第3四半期までの進捗を鑑みると、営業利益の達成には第4四半期で約330百万円の利益を出す必要がありますが、これまでの損失状況を見ると、達成は厳しい見込みです。純利益も赤字見通しは変わらず、IR事業の不振が全体の重しとなっている状況が続くと考えられます。経営陣は、IR事業の課題解消とコスト構造の見直し、そして変動費の削減などを通じて早期の黒字化を目指す必要があります。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの指標で評価するものです。

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 1/3 純利益がマイナスであり、営業利益率も低いため、収益性には課題がある。
財務健全性 3/3 流動比率やD/Eレシオが良好であり、株式希薄化もないため、財務基盤は強固。
効率性 1/3 ROEや営業利益率が基準を満たしておらず、資本効率の改善が求められる。

解説:
ユニバーサルエンターテインメントのPiotroski F-Scoreは5/9点であり、「A: 良好」と評価されます。これは、企業全体としては健全な財務状況を保っていることを示唆しています。特に財務健全性においては3/3点と満点であり、流動比率2.22(基準1.5以上)、D/Eレシオ0.505(基準1.0未満)ともに優良な水準を維持しており、短期・長期的な支払い能力に懸念はありません。また、株式の希薄化も発生していないことが確認できます。
しかし、収益性スコアは1/3点、効率性スコアも1/3点と低く、これらの分野には大きな改善余地があります。収益性では純利益がマイナスであり(「純利益 > 0」の項目で×)、過去12か月の営業利益率も-5.34%と低迷しており(「営業利益率 > 10%」の項目で×)、本業での利益創出に課題があることが明確です。効率性では、ROEが-1.9%(「ROE > 10%」の項目で×)とマイナスであり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出せていない状況が伺えます。ROAは0.03%とプラスであるものの、極めて低い水準です。四半期売上成長率は3.2%とプラス成長を示している点は好材料ですが、IR事業の不振が全体を押し下げています。営業キャッシュフローに関する具体的なデータは提供されていません。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): -5.34%
    • 2024年12月期(連結): 2.39%
    • 過去12か月の営業利益率はマイナスであり、本業での収益力が著しく低い状態です。2024年12月期はプラスですが、3%を切る水準であり、一般的に健全とされる10%以上の水準には達していません。特にIR事業の業績悪化が響いています。
  • ROE(実績): -4.11% (過去12か月では-1.90%)
    • ベンチマーク10%に対し大幅に下回っています。ROEは「Return on Equity」の略で、株主が出資したお金(自己資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。-4.11%という数値は、株主資本を活用して損失を出していることを意味し、収益性の深刻な課題を示しています。
  • ROA(過去12か月): 0.03%
    • ベンチマーク5%に対し大幅に下回っています。ROAは「Return on Assets」の略で、企業が保有する総資産を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。0.03%という極めて低い数値は、総資産に対する利益創出能力がほとんどない状態であり、資産運用効率に問題があることを示しています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): (連)58.4% (直近四半期 59.1%)
    • 自己資本比率は、企業の総資産に占める自己資本の割合を示す指標で、会社の財務の安定性を示します。一般的に40%以上が望ましいとされ、50%を超えると優良と評価されます。ユニバーサルエンターテインメントの約58%という水準は非常に高く、強固な財務基盤を有していることを示しています。
  • 流動比率(直近四半期): 2.22倍
    • 流動比率は、流動資産を流動負債で割ることで、短期的な支払い能力を示す指標です。一般的に120%(1.2倍)以上が健全とされ、200%(2.0倍)を超えると優良とされます。2.22倍という数値は、短期的な債務返済能力が非常に高く、財務健全性が良好であることを示しています。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF、FCFの状況: 提供データに直接的な営業キャッシュフロー(営業CF)およびフリーキャッシュフロー(FCF)の数値はありません。しかし、直近の決算短信では現金及び預金が前連結年度末比で3,564百万円増加し、27,359百万円となっていると記載されています。これは、キャッシュフロー全体としてはプラスに推移していることを示唆していますが、内訳(営業・投資・財務CF)が不明なため、利益の質を判断する上で情報不足です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 営業キャッシュフローの具体的なデータがないため、この比率を算出することはできません。この比率は1.0以上が健全とされ、企業の純利益が実質的な現金で裏付けられているかを示しますが、今回は評価を保留せざるを得ません。

【四半期進捗】

2025年12月期 第3四半期決算短信(連結)によると、通期予想(修正後)に対して以下の進捗状況が見られます。

  • 売上高: 92,572百万円(通期予想124,000百万円に対し進捗率74.7%)
    • 売上高は前年同期比で+0.2%とほぼ横ばい。通期見込み達成は現実的な水準。
  • 営業利益: △280百万円(通期予想50百万円に対し累計で赤字)
    • 前年同期は423百万円の営業利益でしたが、今期は損失に転落。通期目標50百万円を達成するためには、第4四半期だけで約330百万円の営業黒字を計上する必要があります。これは現状のIR事業の厳しい状況を考えると容易ではない目標です。
    • セグメント別分析:
    • 遊技機事業: 売上高 41,420百万円(前年同期比+34.6%)、営業利益 7,832百万円(同+95.5%)と大幅な増収増益を達成しており、堅調に推移しています。これは新機種投入や市場での評価が好調であったことが背景にあると考えられます。
    • 統合型リゾート(IR)事業: 売上高 50,619百万円(前年同期比-16.9%)、営業損失 △3,007百万円(前年同期は営業利益1,996百万円)と、大幅な減収および営業損失を計上しています。IR事業は同社の成長戦略の要ですが、足元では業績が悪化しており、全体の利益を大きく押し下げています。
    • その他(メディアコンテンツ等): 売上高 412百万円(前年同期比+20.1%)、営業利益 451百万円(同+20.5%)と堅調です。
  • 経常利益: △17,131百万円(前年同期 △11,974百万円)
    • 営業外損益を含めた経常利益も大幅な赤字を計上しており、赤字幅が拡大しています。
    • 営業外損益の要因: 為替差損5,598百万円、貸倒引当金繰入2,015百万円が営業外費用として計上されており、これが経常利益を大きく圧迫しています。特にIR事業の海外収益に関連した為替変動リスクが顕在化した形です。
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: △10,649百万円(通期予想△14,000百万円に対し累計で赤字)
    • 前年同期の△19,461百万円からは赤字幅が縮小しているものの、依然として多額の最終赤字です。通期目標達成には第4四半期で△3,351百万円の損失を計上する見込みとなっており、赤字体質からの脱却が課題です。
    • 特別損益の要因: 特別利益として固定資産売却益2,981百万円や賠償金収入3,512百万円を計上した一方で、特別損失として関係会社株式売却損530百万円や訴訟関連損失400百万円などを計上しています。特別利益による下支えがあったものの、最終赤字を解消するには至っていません。

総じて、遊技機事業が好調な一方で、IR事業の不振とそれに伴う為替差損や貸倒引当金繰入、訴訟関連費用などが全体の業績を圧迫し、収益性が大幅に悪化している状況が伺えます。

【バリュエーション】

-   EPS(1株あたり利益)がマイナス予想のため、PERは算出できません。これは企業が赤字であることを示しており、利益を基準とした評価が困難な状況です。
  • PBR(実績): (連)0.18倍
    • PBRは「Price Book-value Ratio」の略で、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。業界平均PBR0.7倍と比較して0.18倍は極めて低く、同社の株価が企業の解散価値とされる純資産を大幅に下回っていることを示しています。これは一般的に「割安」と判断される水準ですが、前述の通り、赤字が続いていることからバリュートラップの可能性も考慮する必要があります。
    • 目標株価(業種平均PBR基準): 3,150円
    • 現在のPBRが業界平均PBRに達すると仮定した場合、現在のBPS(1株あたり純資産)4,499.95円から計算される目標株価は3,150円となります(4,499.95円 × 0.7)。現在の株価789.0円と比較すると大幅な乖離があり、いかに現在の株価が純資産価値に対して低い評価を受けているかが分かります。この乖離は、収益性の不透明感や経営の課題に対する市場の強い懸念を反映していると考えられます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -0.18 / シグナル値: 0.73 / ヒストグラム: -0.91 MACDはシグナルラインを下回っていますが、過去のデッドクロス・ゴールデンクロスが不明なため、現状は中立と判断されます。マイナス圏での推移であり、短期的な勢いは弱いことを示唆します。
RSI 中立 51.6% RSI(Relative Strength Index)は、買われすぎか売られすぎかを示す指標です。70%以上は買われすぎ、30%以下は売られすぎと判断されますが、51.6%は中立圏にあり、売買の偏りは小さい状態です。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価789.0円は、52週高値1,244.0円、52週安値682.0円のレンジ内で、安値寄りの19.0%の位置にあります。これは過去1年間で株価が大きく下落し、現在は低い水準で推移していることを示しています。
  • 移動平均線との関係:
    • 現在株価789.0円は、5日移動平均線784.0円を上回っています(+0.64%)。短期的な買いの勢いがわずかに優勢であることを示唆します。
    • しかし、25日移動平均線790.80円、75日移動平均線792.17円を下回っています(それぞれ-0.23%、-0.40%)。これは短期・中期トレンドラインが上値抵抗線として機能している可能性を示しており、上値が重い展開であることが伺えます。
    • さらに、200日移動平均線930.22円を大きく下回っています(-15.18%)。これは長期的な下降トレンドが継続していることを明確に示しており、株価の本格的な反転には時間を要する可能性があります。

【市場比較】

ユニバーサルエンターテインメントの株価パフォーマンスは、日本の主要市場指数である日経平均株価およびTOPIXと比較して、過去1年間を通じて大幅に未達を記録しています。

  • 日経平均比: 過去1ヶ月で15.82%ポイント、3ヶ月で21.02%ポイント、6ヶ月で64.81%ポイント、1年で76.93%ポイントそれぞれ日経平均株価を下回っています。
  • TOPIX比: 同様に、過去1ヶ月で14.53%ポイント、3ヶ月で20.25%ポイント、6ヶ月で63.95%ポイント、1年で75.38%ポイントそれぞれTOPIXを下回っています。

この結果は、市場全体の好調な地合いの中で、同社の株価が逆行して下落基調にあることを示しており、投資家からの評価が低迷している現状を浮き彫りにしています。IR事業の不振や収益性の不安定さが、市場全体の上昇の波に乗れない主要因であると考えられます。

【注意事項】

  • ⚠️ 信用倍率13.17倍と高水準、将来の売り圧力に注意: 信用倍率が高いということは、将来的に株を買い戻す動き(=決済売り)が増え、株価の下落圧力となる可能性があります。
  • ⚠️ 低PBRだが赤字、バリュートラップの可能性あり: PBRが低いだけでは割安とは言い切れません。企業が継続的に赤字を出している場合、株価が純資産価値を下回っていても、事業の将来性が悲観されている「バリュートラップ」の状態である可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.98
    • ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の株価変動の感応度を示す指標です。0.98という数値は、市場全体(日経平均株価やTOPIXなど)と同じくらいの値動きをする傾向があることを示しており、市場リスクと概ね同程度の変動幅を持つと考えられます。
  • 年間ボラティリティ: 46.86%
    • ボラティリティは株価の変動の激しさを示す指標です。年間ボラティリティ46.86%というのは非常に高い水準であり、株価が大きく変動しやすい特性を持っています。仮に100万円投資した場合、年間で約±46.86万円程度の変動が想定され、投資元本が大きく増減する可能性があります。変動が大きいことに耐性のある投資家向けと言えます。
  • シャープレシオ: 1.37
    • シャープレシオはリスク1単位あたりどれだけのリターンが得られているかを示す指標です。一般的に1.0以上が良好とされます。1.37という数値は、リスクを考慮しても比較的高効率なリターンが得られてきたことを示していますが、年間平均リターンが64.89%と非常に高いのは、直近で株式が大きく下落した期間を含むため、直近の低迷を考慮すると将来の収益性を評価する上での実態とは乖離がある可能性があり、解釈には注意が必要です。現在の赤字状況との整合性も考慮すべきでしょう。
  • 最大ドローダウン: -34.60%
    • 最大ドローダウンは、過去のある期間において、投資した資産が最大でどれだけ下落したかを示す指標です(最大高値から最大安値までの下落率)。-34.60%という数値は、過去にこの程度の大きな下落があったことを意味し、将来も同様の下落が起こりうるリスクがあることを投資家は認識しておくべきです。

【事業リスク】

  • 統合型リゾート(IR)事業の収益変動リスク: 「OKADA MANILA」の業績は、フィリピンの政治・経済情勢、観光客数、競合施設の状況、そして為替相場の変動に大きく左右されます。直近の決算でもIR事業の営業損失が目立っており、外部環境や訴訟に関連する費用などによって、今後も業績が不安定になる可能性があります。
  • 遊技機事業の市場縮小と規制強化リスク: 日本のパチスロ市場は、過去から射幸性の抑制を目的とした規制強化や、若年層のパチンコ離れなどにより、減少傾向にあります。これにより、遊技機販売台数の減少や開発コストの増大が収益を圧迫するリスクがあります。
  • 訴訟リスク: 企業情報や決算短信には訴訟関連の記載があり、過去の経緯を鑑みると、今後も訴訟問題が経営に与える影響は無視できません。訴訟費用や賠償金が発生した場合、業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が2,840,700株、信用売残が215,700株であり、信用倍率は13.17倍と高い水準です。信用倍率が高いということは、将来的に信用買い残の決済売り(株の買戻し)が増加する可能性があり、短期的な株価の需給悪化要因、つまり売り圧力となるリスクを抱えています。前週比では信用買残が減少しているものの、依然として高水準です。
  • 主要株主構成: 筆頭株主はオカダ・ホールディングスで67.9%を保有しており、圧倒的な支配権を持っています。上位株主には自社(自己株口)や横塚ヒロ子氏、ステート・ストリート・バンク&トラストなどが名を連ねています。発行済み株式数に対するインサイダー(内部関係者)保有比率が72.22%と非常に高く、これは経営の安定性を示す一方で、市場での流通量が比較的少ない「浮動株比率」が低いことを意味し、流動性が低い可能性があります。

8. 株主還元

ユニバーサルエンターテインメントは、配当利回り0.00%、予想1株配当0.00円と、2025年12月期において株主への配当を予定していません。EPSがマイナスであるため配当性向も算出不能な状況です。過去の配当金履歴を見ても、安定した配当を継続しているとは言えず、業績に連動して配当が実施されない期も多く見られます。現状は事業の再建と収益性の確保を優先しており、株主還元への余力は乏しいと言えます。自社株買いに関する情報も提供データにはありません。現在の株価がPBR1倍を大きく下回っているため、企業価値向上策として自社株買いは有効な手段となり得ますが、財務状況と将来への投資を優先している可能性があります。

SWOT分析

強み

  • フィリピンにおける大型IR施設「OKADA MANILA」という独自の資産と、その回復・成長潜在力。
  • 長年の実績と技術力に裏打ちされた遊技機開発能力と市場でのブランド力。

弱み

  • 統合型リゾート(IR)事業の収益性の不安定さと大規模な固定費負担。
  • 赤字が続くなど、企業全体の収益性の低さと投資家への株主還元の不足。

機会

  • アジアにおける観光需要の回復とIR市場の拡大。
  • 遊技機市場における新技術や新しい遊技性の導入による市場活性化の可能性。

脅威

  • IR事業を巡る地政学リスク、為替変動リスク、および競争激化。
  • 遊技機市場のさらなる縮小や規制強化、射幸性規制の動向。

この銘柄が向いている投資家

  • 長期的なIR事業の成長に期待できる投資家: フィリピンの「OKADA MANILA」の長期的な収益回復と、IR事業全体の成長が実現すれば、現在の株価からの大幅なリターンが期待できると考える投資家。
  • 極めて低いPBRに魅力を感じるバリュー投資家: 純資産価値に比して株価が著しく低い現状は、将来的な企業価値向上への期待を込めて、バリュー株として投資を検討する投資家に向いています。ただし、赤字が続くリスクを許容できることが前提です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • IR事業の収益改善の確度: IR事業の赤字が継続しているため、費用構造の改善や顧客誘致策が計画通りに進み、早期に黒字化できるかどうかが最重要課題です。
  • 業績の不透明感と短期的な株価変動: 現在、赤字が続き通期予想も厳しいことから、短期的な業績変動やそれに伴う株価の不安定性が高いことを認識する必要があります。信用倍率の高さも短期的には売り圧力となり得ます。

今後ウォッチすべき指標

  • IR事業の四半期売上高・営業利益(またはマージン): 特に「OKADA MANILA」の月次売上高や来客数、VIP・マス客の内訳、及び営業利益率の改善状況は重要です。営業損失からの脱却と黒字化が第一目標です。
    • 目標値: IR事業単体での営業利益の黒字化。
  • 遊技機事業の新機種投入と販売台数: 安定的な収益源である遊技機事業における、新機種の市場での評価と販売台数の推移。
    • 目標値: 遊技機事業で年間売上500億円以上、営業利益100億円以上を安定的に創出。
  • 為替レートの動向: IR事業は外貨建てで収益を計上するため、円安・円高の動向が業績に与える影響は大きいです。
    • 目標値: 円安傾向の継続、あるいはIR事業の収益性改善による為替変動への耐性強化。

成長性

スコア: D
判定: 停滞・後退
根拠: 直近の四半期売上成長率は3.20%とわずかにプラスですが、通期予想では前年比で減収が見込まれています(2024.12連 126,328百万円 → 予2025.12 124,000百万円)。また、EPSも継続してマイナス(赤字)予想であり、企業規模としての成長は停滞しており、利益面では後退していると判断されます。

収益性

スコア: D
判定: 懸念
根拠: 過去12か月のROEは-1.90%、営業利益率は-5.34%であり、ベンチマークであるROE10%以上、営業利益率15%以上を大幅に下回っています。ROEがマイナスであることは株主資本を活用して損失を出していることを意味し、本業での収益創出能力にも課題が多いため、収益性には強い懸念があると評価します。

財務健全性

スコア: A
判定: 良好
根拠: 自己資本比率は58.4%(直近四半期で59.1%)と、A評価基準である40-60%を満たし、さらにS評価基準の60%に近い高水準です。流動比率も2.22倍と200%以上であり、短期的な支払い能力に全く問題ありません。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアも3/3点と満点であり、これらの指標から財務基盤は非常に強固であると判断されます。

バリュエーション

スコア: S
判定: 極めて割安
根拠: PBRは0.18倍であり、業界平均PBR0.7倍の約25%という極めて低い水準にあります。PERは赤字のため評価できませんが、PBRがこのように低いということは、企業の純資産価値と比較して株価が著しく割安であることを示しているため、バリュエーションはS(極めて割安)と評価します。ただし、これがバリュートラップの可能性を秘めている点には注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 6425
企業名 ユニバーサルエンターテインメント
URL http://www.universal-777.com
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

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証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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