企業の一言説明
エムスリーは医療従事者向け情報サイト「m3.com」を運営し、製薬会社へのマーケティング支援、遠隔医療、治験支援など、多岐にわたる医療DX(デジタルトランスフォーメーション)事業を展開するヘルスケアITのリーディングカンパニーです。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅調な成長性と高収益性: 医療・ヘルスケア分野のDXニーズを的確に捉え、M&Aを含む積極的な事業拡大により売上高・利益ともに堅調に推移しています。高い営業利益率とROEを維持しており、収益力の強さが際立っています。
- 優れた財務健全性: 自己資本比率が高く、流動比率も優良水準を維持しており、財務基盤は非常に強固です。Piotroski F-Scoreも高得点であり、安定した企業経営が行われています。
- 高バリュエーションと市場の期待: 業界平均と比較してPER、PBRともに高水準にあり、市場からの高い成長期待が織り込まれています。また、信用倍率も高く、短期的な下落リスクや売り圧力には注意が必要です。直近では株価が移動平均線を大きく下回る水準で推移しており、需給バランスの悪化も懸念されます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に好調 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,755.0円 | – |
| PER | 26.45倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 2.86倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 1.20% | – |
| ROE | 12.47% | – |
1. 企業概要
エムスリーは、医療従事者向けポータルサイト「m3.com」を中核に、製薬会社向けマーケティング支援(MR-kun)、医師・薬剤師の採用支援(m3.com CAREER)、遠隔医療、治験・臨床研究支援、電子カルテの開発・販売などを展開するソニーグループ関連会社です。独自の医師ネットワークとIT技術を融合させ、医療現場のDXを推進しています。
2. 業界ポジション
エムスリーはヘルスケアIT分野において、医師会員数を基盤とした強固なネットワーク効果と多様なサービス展開により、業界内で確固たるリーディングポジションを築いています。市場シェアに関する直接的なデータはありませんが、その事業規模と影響力は非常に大きいと推察されます。現在のPER26.45倍、PBR2.86倍は、業界平均PER17.0倍、PBR1.8倍を大きく上回っており、市場から高い成長期待と評価を得ていますが、同時に割高感も指摘できます。
3. 経営戦略
エムスリーは「トリプル成長エンジン」を掲げ、事業ドメイン拡大(M&Aを含む積極投資)、既参入市場でのDX推進(製薬マーケ支援、医療現場DX)、エコシステムシナジー創出を核とする成長戦略を実行しています。電子カルテ「M3デジカル」の導入促進や医療AIプラットフォーム「M3 AI」の展開を通じて、持続的な成長を目指しています。年間約10件のM&Aを継続しており、事業拡大に意欲的です。2026年5月1日には決算発表が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスで、堅実な収益性を確保しています。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が高く、D/Eレシオが低いことから、極めて健全な財務状況を示しています。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率とROEが共に高く、四半期売上成長率もプラスであり、効率的な経営がされています。 |
提供されたF-Scoreは8/9点と「S: 優良」評価であり、エムスリーの財務基盤が非常に強固であることを示しています。各カテゴリにおいても、収益性は純利益とROAのプラス、財務健全性は流動比率の高さと有利子負債比率の低さ、効率性は営業利益率、ROE、四半期売上成長率の高さから高評価を得ています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 27.82%
- 非常に高い水準を維持しており、サービスの付加価値と効率的な事業運営を示唆しています。
- ROE(過去12か月): 12.47%
- 株主資本を効率的に活用して利益を上げていることを示し、ベンチマークである10%を上回る良好な水準です。
- ROA(過去12か月): 7.61%
- 総資産に対する利益率もベンチマークの5%を上回っており、資産を有効活用していることがわかります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 65.1%
- 非常に高く、負債が少なく、会社としての安定性が高いことを示しています。
- 流動比率(直近四半期): 2.89倍
- 短期的な支払い能力を示す指標で、200%(2倍)以上が望ましいとされる中で非常に良好な水準です。
【キャッシュフロー】
- 営業CF: データなし
- FCF: データなし
- EBITDA: 89,060百万円
- データとして直接的な営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローの数値はありませんが、減価償却費控除前の利益を示すEBITDAが高水準であることから、本業で安定したキャッシュを生み出す力があると考えられます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: データなし
- 直接的なデータはありませんが、健全な収益性とEBITDAの高さから、利益の質も比較的良好である可能性が高いと考えられます。
【四半期進捗】
エムスリーの2026年3月期第3四半期累計における通期予想(修正なし)に対する進捗率は以下の通りです。
| 項目 | 第3四半期累計実績 | 通期予想 | 進捗率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 264,395百万円 | 360,000百万円 | 73.4% | 順調 |
| 営業利益 | 62,346百万円 | 70,000百万円 | 89.1% | 高進捗 |
| 親会社帰属当期利益 | 41,650百万円 | 45,000百万円 | 92.6% | 高進捗 |
営業利益と親会社帰属当期利益は通期予想に対し第3四半期時点で非常に高い進捗率を示しており、通期目標達成の可能性が高いことを示唆しています。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 26.45倍
- 株価が予想1株当たり利益の何年分かを示す指標。業界平均PER17.0倍と比較すると割高であり、市場の高い成長期待が織り込まれている状態です。
- PBR(実績): 2.86倍
- 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標。業界平均PBR1.8倍と比較しても割高であり、企業の資産価値に対して株価がプレミアムで取引されています。
- 目標株価(業種平均基準):
- 業種平均PER基準: 1,149円
- 業種平均PBR基準: 1,107円
- 現在の株価1,755円は、これらの目標株価(業界平均バリュエーションを基準とした理論値)を大きく上回っており、割高感は明らかです。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -93.91 / シグナル値: -76.37 | 短期的なトレンド方向が不明確 |
| RSI | 売られすぎ | 24.0% | 30%以下は「売られすぎ」とされ、一時的な反発が期待される可能性もあります。 |
| 5日線乖離率 | -1.38% | – | 直近のモメンタムが短期移動平均線をやや下回る |
| 25日線乖離率 | -11.39% | – | 短期トレンドから大きく下方に乖離 |
| 75日線乖離率 | -18.91% | – | 中期トレンドから大きく下方に乖離 |
| 200日線乖離率 | -16.63% | – | 長期トレンドから大きく下方に乖離 |
RSIが「売られすぎ」水準にあり、短期的には下落圧力が軽減される可能性があります。しかし、株価が全ての移動平均線を大きく下回っていることは、下降トレンドが継続していることを示唆しています。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 年初来高値2,746円、年初来安値1,332円(52週安値1,441円)。現在の株価1,755円は52週レンジの29.9%に位置しており、年間安値に近い水準で推移しています。これは過去1年間で株価が大きく下落していることを表しています。
- 移動平均線との関係: 現在株価は5日移動平均線1,779.60円、25日移動平均線1,980.52円、75日移動平均線2,164.15円、200日移動平均線2,104.95円の全てを下回っています。これは、短期・中期・長期にわたって下降トレンドにあることを示す強いシグナルです。
【市場比較】
エムスリーの株価は、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数と比較して、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間で大きくアンダーパフォームしています。特に6ヶ月、1年の期間では、日経平均が40%以上上昇する中で、エムスリーは大幅に市場平均を下回るパフォーマンスとなっています。これはエムスリー単独のネガティブな要因、もしくは市場の評価転換が進行している可能性を示唆します。
【注意事項】
- ⚠️ 信用倍率20.03倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): 0.56
- 市場全体の動きに対する株価の感応度を示し、1.0より小さいため、市場全体が変動してもエムスリーの株価は比較的安定している傾向があります。
- 年間ボラティリティ: 47.67%
- 株価の変動の激しさを示します。年間の価格変動幅は平均して47.67%程度と、比較的高い水準です。
- 最大ドローダウン: -57.92%
- 過去のある期間において、株価がピークからどん底までどれだけ下落したかを示す指標です。仮に100万円投資した場合、過去には最大で約57.9万円の損失を被った時期があったことを意味し、今後も同様の下落が想定される可能性があります。
- シャープレシオ: 0.39
- リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標です。1.0以上が「良好」とされる中で0.39は低い水準であり、リスクに対してリターンが十分ではない可能性を示唆しています。
【事業リスク】
- M&A統合リスク: 積極的なM&A戦略を展開しているため、買収した企業との統合作業(PMI: Post Merger Integration)が計画通りに進まず、期待したシナジーが得られない、または予想外のコストが発生するリスクがあります。
- 海外事業(特に北米治験)リスク: 北米治験事業において、特定の政治動向(例: トランプ大統領再選に伴う政策変更)が事業環境にネガティブな影響を与える可能性があります。また、為替変動も海外売上や利益に影響を及ぼします。
- 規制・競争激化リスク: 医療分野は規制が厳しく、医療AIなどの新規事業展開においては予期せぬ規制強化のリスクがあります。また、ヘルスケアIT分野への新規参入企業が増加しており、競争激化による収益性の圧迫も懸念されます。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が4,729,000株、信用売残が236,100株、信用倍率は20.03倍と非常に高い水準です。これは、将来的に信用買い残の反対売買(売り)が多数発生し、株価の重しとなる可能性を示唆しており、需給バランスの悪化による売り圧力に警戒が必要です。
- 主要株主構成: ソニーグループが約34%を保有する筆頭株主であり、安定株主としての位置付けが伺えます。その他、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった機関投資家が上位に名を連ねています。
8. 株主還元
- 配当利回り: 1.20%(実績ベース)
- 現在の株価1,755.0円に対し、年間の配当金21.00円(2025年3月期実績)から算出されます。特段高い利回りではありませんが、安定的な配当を実施しています。
- 配当性向: 31.06%(実績ベース)
- 利益に対する配当金の割合。30%台は、企業の成長投資と株主還元をバランス良く行っている水準と評価できます。2026年3月期の配当予想は「未定」とされていますが、過去の傾向から安定配当が期待されます。
SWOT分析
強み
- 国内医師の強固なネットワーク基盤と高い市場浸透率。
- M&Aによる事業領域の不断な拡大と高収益体質。
弱み
- PER/PBRが業界平均を大きく上回る高バリュエーション。
- 信用買い残の偏りによる短期的な需給悪化リスク。
機会
- 日本の急速な高齢化と医療費増加に伴う更なる医療DX推進ニーズ。
- AI技術の進化と医療分野への応用による新規事業創出。
脅威
- 医療分野特有の規制強化や法改正リスク。
- 為替変動や地政学リスク(北米治験の事例)。
この銘柄が向いている投資家
- 医療ヘルスケア分野の長期的な成長を信じる投資家: 医療DXという構造的成長テーマに魅力を感じる方。
- 高成長企業への投資を許容できる投資家: 高バリュエーションでも、将来の成長性を重視する方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 高バリュエーションの正当性評価: 現在の株価が高成長期待を十分に織り込んでいるため、今後の成長が期待を下回った場合に大きく株価調整するリスクがあります。
- 信用需給と短期的な株価変動: 信用倍率が高いため、短期的な株価反発時の売り圧力、または地合い悪化時の信用投げ売りによる急落リスクに注意が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- M&Aを含む新規事業の進捗と採算性: 特に海外事業の拡大状況と、M&Aによるシナジー効果の具体化。
- 主要セグメント(メディカルプラットフォーム、ペイシェントソリューション)の成長率: 今後の収益を牽引する事業群の動向。
10. 企業スコア
- 成長性: S
- 過去12ヶ月の売上収益は330,966百万円、四半期売上成長率は前年同期比15.90%増と堅調に推移しています。また、2026年3月期の通期売上収益予想は360,000百万円と、2025年3月期予想(284,900百万円)と比較して約26%増と高い成長を見込んでおり、非常に好調な成長性を示しています。
- 収益性: A
- ROEは12.47%と目安の10%を上回っており良好です。営業利益率も27.82%と非常に高く優れた収益力を持っています。しかし、ROEがS評価基準の15%には届かないため、総合的には「A: 良好」と評価します。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率65.1%と非常に高く、流動比率も2.89倍と極めて良好な水準です。さらに、Piotroski F-Scoreが8/9点と最高水準の「優良」評価を受けており、財務健全性は非常に優れています。
- バリュエーション: D
- PER26.45倍は業界平均17.0倍の約156%であり、PBR2.86倍も業界平均1.8倍の約159%と、いずれも業界平均を大きく上回っています。これは現在の株価が利益や資産価値に対して高すぎると判断され、S/A/B/C/Dの評価基準では「D: 割高」と評価されます。
企業情報
| 銘柄コード | 2413 |
| 企業名 | エムスリー |
| URL | http://corporate.m3.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,755円 |
| EPS(1株利益) | 66.36円 |
| 年間配当 | 21.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 3.2% | 28.8倍 | 2,235円 | 6.0% |
| 標準 | 2.5% | 25.0倍 | 1,875円 | 2.5% |
| 悲観 | 1.5% | 21.3倍 | 1,519円 | -1.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,755円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 989円 | △ 78%割高 |
| 10% | 1,235円 | △ 42%割高 |
| 5% | 1,558円 | △ 13%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。