企業の一言説明
新日本空調は、空調設備工事の国内大手で、原子力空調や微粒子可視化システムなどの独自技術に強みを持つ三井系の企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅調な業績成長と収益性改善: 大都市圏の再開発やデータセンター、工場といった大規模案件の受注が好調で、施工生産性の向上と効率化により営業利益率が改善し、2026年3月期の業績は上方修正され最高益を更新する見込みです。
- 盤石な財務基盤と株主還元意欲: 自己資本比率が64.2%と非常に高く、Piotroski F-Scoreも8点(S: 優良)と財務健全性は極めて良好です。業績好調に伴い配当も増額されており、安定した株主還元への姿勢が見られます。
- 高水準のバリュエーションと市場競争: 業界平均を大きく上回るPER/PBRは、高い成長期待を織り込んでいると同時に、買われすぎのリスクも内包しています。建設業界特有の資機材・労務費上昇や人手不足といった課題、及び競争激化は継続的なリスクです。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 順調な拡大 |
| 収益性 | S | 極めて優良 |
| 財務健全性 | S | 極めて良好 |
| バリュエーション | D | 割高感あり |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 4,075.0円 | – |
| PER | 20.87倍 | 業界平均14.0倍より高い |
| PBR | 2.50倍 | 業界平均1.1倍より高い |
| 配当利回り | 1.98% | – |
| ROE | 14.33% | – |
1. 企業概要
新日本空調(1952)は、1930年設立、1969年創業の三井系の空調設備工事会社です。その事業は、オフィスビル、商業施設、病院、ホテルといった一般設備工事が連結売上高の95%を占める主力事業であり、高度な空気・水・熱制御技術を提供しています。さらに、原子力施設の空調設備工事(売上高の5%)や、微粒子可視化システムなどの独自技術開発にも注力しており、高い技術力と専門性を強みとしています。これらの技術は、クリーンルームや恒温恒湿室といった産業施設の構築にも応用され、競合に対する技術的参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
新日本空調は、国内空調設備工事業界における主要プレイヤーの一つであり、三井グループとの連携を背景に、安定した事業基盤と広範な顧客ネットワークを有しています。特に、原子力施設における特殊空調技術や微粒子可視化システムなど、特定のニッチ市場で高い専門性と技術力を保持しており、これが大手競合他社との差別化要因となっています。また、大規模オフィスビル、データセンター、工場など、技術的難易度の高い案件を手掛けることができる点も強みです。
財務指標を見ると、同社のPER(会社予想20.87倍)は建設業の業界平均PER(14.0倍)を大きく上回っており、PBR(実績2.50倍)も業界平均PBR(1.1倍)を大幅に上回っています。これは、市場が同社の収益性、成長性、あるいは特定の技術的優位性を高く評価していることを示唆していますが、同時に相対的な割高感があるとも解釈できます。
3. 経営戦略
新日本空調は、持続的な成長と収益性向上に向けた明確な経営戦略を推進しています。決算説明資料によると、経営陣は受注と繰越工事高の高水準での推移を背景に、施工生産性の向上と戦略的な受注活動により収益性を改善していると語っています。
重要な成長戦略としては、以下の点が挙げられます。
- 大型案件への注力: 大都市圏の再開発案件、需要が拡大しているデータセンターや工場など、技術力と実績が求められる大型プロジェクトを中心に受注を拡大しています。これは、同社の高い技術力とブランド力を生かす戦略であり、高採算案件の確保に繋がっています。
- 業務効率化と原価低減: デジタル技術の活用や、独自物流加工ネットワーク「SNK-SOLNet」の展開を通じて、業務プロセス全体の効率化と原価低減を図っています。これにより、資機材・労務費の上昇圧力がある中でも、安定した利益率を確保しようとしています。
- 政策保有株式の削減: 政策保有株式の削減目標を前倒しで達成し、資本効率の改善と株主との対話を進める姿勢を示しています。これは、資本コストや株価を意識した経営(PBR1倍割れ対策など)の一環として評価できます。
最近の重要なアナウンスメントとしては、2026年2月12日に発表された2026年3月期第3四半期決算短信において、通期業績見通しの大幅な上方修正と年間配当金の増額が挙げられます。売上高(完成工事高)は当初の137,000百万円から150,000百万円へ、営業利益は11,200百万円から13,700百万円へ、当期純利益は7,700百万円から10,500百万円へと修正されました。特に営業利益は16%の上方修正であり、過去最高の業績予想をさらに上乗せする形となりました。配当も年間80円から110円へと増額され、株主還元も強化する方針です。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に予定されている配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)があります。これは、配当金を受け取るために株式を保有していなければならない最終日を示すもので、投資家にとって重要な日程です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | ✅純利益、✅営業キャッシュフロー、✅ROAすべて良好。 |
| 財務健全性 | 3/3 | ✅流動性、✅レバレッジ、✅株式希薄化の欠如すべて良好。 |
| 効率性 | 2/3 | ✅ROEは良好だが、❌営業利益率が10%の基準をわずかに下回る。 |
新日本空調のPiotroski F-Scoreは8/9点と「S: 財務優良」と評価されます。これは、同社が収益性、財務健全性、効率性の各面で非常に優れた財務体質を保持していることを示しています。特に収益性では純利益の計上、営業キャッシュフローの確保、高いROAが評価され、財務健全性では高い流動比率、低い債務比率、株式希薄化がない点が満点評価に繋がっています。効率性においては、ROEが良好であるものの、過去12カ月の営業利益率が9.95%と、わずかに10%のベンチマークを下回ったため、満点には至りませんでした。しかし、直近の業績上方修正における通期予想営業利益率は9.1%に達しており、継続的な改善が期待されます。
【収益性】
新日本空調は極めて高い収益性を示しています。
- 営業利益率(過去12か月): 9.95%
- 建設業としては十分に高い水準ですが、Sスコア基準(15%以上)には届かず、Aスコア(10-15%)に迫る水準です。2026年3月期の通期予想では営業利益率が9.1%と発表されており、今後も高水準を維持する見込みです。効率化戦略が奏功し、高採算案件の獲得が利益率向上に貢献しています。
- ROE(実績、過去12か月): 16.77%
- 自己資本を利用してどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示すROEは、ベンチマークである10%を大きく上回るどころか、Sスコア基準の15%以上をクリアしており、非常に優良な水準です。これは、株主から預かった資本を効率的に活用し、高い収益力を有していることを示しています。
- ROA(過去12か月): 8.62%
- 総資産を利用してどれだけ利益を生み出しているかを示すROAも、ベンチマークの5%を大きく上回る優良な水準です。これは、株主資本だけでなく、負債を含めた会社全体の資産を効率的に活用して収益を上げていることを意味します。
これらの指標は、同社が建設業界の中でも際立った収益力を持ち、効率的な経営を実現していることを裏付けています。
【財務健全性】
新日本空調の財務健全性は非常に強固です。
- 自己資本比率:
- 実績(2025年3月期末):58.6%
- 直近四半期(2026年3月期第3四半期末):64.2%
- 自己資本比率は企業の安定性を示す重要な指標であり、ベンチマークである40%を大きく超え、60%以上のSスコア基準も満たしています。直近四半期でさらに改善しており、健全性の高さが一層際立っています。これは、借入金が少なく、返済不要な自己資金で多くの資産が賄われていることを意味し、景気変動や予期せぬ事態に対する耐性が強いことを示します。
- 流動比率(直近四半期): 2.50倍
- 流動比率は短期的な支払い能力を示す指標であり、2.50倍という水準はベンチマークの1.5倍(システム基準では200%以上でS)を大きく上回る極めて高い健全性を示しています。これは、流動資産(現金や売掛金など、1年以内に現金化できる資産)が流動負債(買掛金や短期借入金など、1年以内に返済する必要がある負債)の2.5倍もあることを意味し、短期的な資金繰りに全く問題がないことを示唆します。
- 総負債/自己資本比率(Total Debt/Equity、直近四半期): 3.32%
- この比率が低いほど財務健全性が高いと言えます。3.32%という極めて低い水準は、同社がほとんど借入金に依存せず、自己資金で事業を運営していることを示しており、非常に優良な財務状態です。
【キャッシュフロー】
新日本空調のキャッシュフローは、事業活動による安定した資金創出能力を示しています。
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 10,120百万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): 8,360百万円
- 営業キャッシュフローが安定してプラスであり、本業でしっかりと現金を稼ぎ出していることが分かります。また、フリーキャッシュフローも営業キャッシュフローに肉薄する水準でプラスであり、本業で稼いだ資金が設備投資などを差し引いても十分に手元に残るため、株主還元や新規事業投資などに充てる余裕があることを示しています。このような健全なキャッシュフローは、企業の安定性と成長の源泉となります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(過去12か月): 0.86
- この比率は、計上された利益に対して実際にどれだけの現金が営業活動から生み出されたかを示す指標です。1.0以上が健全とされますが、0.86という水準は、利益の大部分がキャッシュによって裏付けられているものの、一部未回収の部分や会計上の調整があることを示唆します。しかし、建設業の会計特性上、工事契約の進捗基準や完成基準によって利益計上とキャッシュ回収のタイミングにずれが生じることがあり、この比率が一時的に1.0を下回ることは珍しくありません。全体的なキャッシュフローの健全性を考慮すれば、大きな懸念材料とはなりません。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期業績予想に対する進捗は以下の通りです。
- 売上高(完成工事高): 104,674百万円(通期予想150,000百万円に対し69.8%)
- 営業利益: 8,844百万円(通期予想13,700百万円に対し64.5%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 7,041百万円(通期予想10,500百万円に対し67.2%)
売上高は概ね順調に推移しており、営業利益と純利益の進捗率は売上高と比較してやや低い水準ですが、第4四半期に工事の完成が集中する建設業の特性を考慮すると、期末に向けて利益が大きく積み上がる可能性があります。実際に、同社は第3四半期決算発表時に通期業績予想を上方修正しており、会社側は期末にかけての利益達成に自信を持っていることを伺わせます。
提供データには直近3四半期の詳細な売上高・営業利益推移がないため、決算短信の累計進捗と前年同期比に限定して分析を行います。売上高は前年同期比+18.2%、営業利益は同+68.1%と大幅な増益を達成しており、非常に好調な推移を示しています。この要因としては、受注工事高の増加(前年同期比+31.9%)と繰越工事高(バックログ、同+26.8%)の積み上がりが大きく、下期以降の収益確保に繋がる見込みです。
【バリュエーション】
新日本空調の株価バリュエーションは、業界平均と比較して割高感があります。
- PER(会社予想): 20.87倍
- 「株価が利益の何年分か」を示すPERは、建設業の業界平均PER(14.0倍)を約1.5倍上回っています。これは、市場が同社の成長性や安定した収益性を高く評価しているためと考えられますが、相対的な割高感は否めません。目標株価(業種平均PER基準)3,611円と比較すると、現在の株価4,075.0円は上回っています。
- PBR(実績): 2.50倍
- 「株価が純資産の何倍か」を示すPBRも、業界平均PBR(1.1倍)を大きく上回っています。一般的に1倍未満は解散価値を下回る状態とされ、1倍を大きく上回ることは良好な企業価値評価を受けていることを示しますが、業界平均比では割高です。目標株価(業種平均PBR基準)1,786円と比較すると、現在の株価は大きく乖離しています。
- 高いROE(16.77%)は高いPBRの正当化要因となり得ますが、現在の市場の評価は、同業他社に比べて非常に積極的な成長期待を織り込んでいると言えます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 114.99 / シグナル値: 75.81 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 買われすぎ | 75.6% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +7.47% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +17.22% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +26.30% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +43.45% | 長期トレンドからの乖離 |
テクニカル指標を見ると、RSIが75.6%と「買われすぎ」の領域にあり、短期的な過熱感を示唆しています。MACDは中立状態ですが、MACD値がシグナルラインを上回っていることから、上昇トレンド自体は継続していると解釈できます。
移動平均線乖離率も、5日線から200日線まで全ての移動平均線を上回っており、特に200日線からは43.45%と大きく上方に乖離しているため、現在の株価は短期的にも長期的にも強い上昇トレンドにあるものの、大きく買われた状態であることを示しています。調整が入る可能性も考慮する必要があるでしょう。
【テクニカル】
新日本空調の株価は、強い上昇トレンドの中にあります。現在の株価4,075.0円は、52週高値4,400円に近い水準(52週レンジ内位置: 89.1%)にあり、年初来安値1,451円からは大幅に上昇しています。
移動平均線との関係では、現在の株価は5日移動平均線(3,789.00円)、25日移動平均線(3,472.60円)、75日移動平均線(3,222.56円)、そして200日移動平均線(2,830.88円)の全てを大きく上回っています。これは、短期、中期、長期の全てのタイムフレームにおいて強い上昇モメンタムが働いていることを示唆しています。特に200日移動平均線からの大きな乖離率は、株価が企業価値の上昇だけでなく、投資家心理による過熱感も伴って上昇している可能性を示唆し、反落のリスクも考慮すべき状況と言えます。
直近1ヶ月のリターンは+23.82%、3ヶ月リターンは+32.47%、6ヶ月リターンは+51.56%、1年リターンは+121.26%と、全ての期間で非常に高いパフォーマンスを記録しており、市場の強い関心と期待を集めています。
【市場比較】
新日本空調の株価は、主要市場指数である日経平均株価およびTOPIXと比較して、圧倒的な相対パフォーマンスを示しています。
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 株式+23.82% vs 日経+10.99% → 12.83%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式+32.47% vs 日経+13.30% → 19.17%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+51.56% vs 日経+43.09% → 8.47%ポイント上回る
- 1年: 株式+121.26% vs 日経+46.27% → 74.99%ポイント上回る
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 株式+23.82% vs TOPIX+9.71% → 14.12%ポイント上回る
過去1年間で日経平均株価を74.99%ポイント、TOPIXを大きく上回るパフォーマンスは、同社の個別材料(堅調な業績、上方修正、増配、技術力への評価など)が市場全体の上昇トレンド以上に強く評価されていることを明確に示しています。これは、投資家からの注目度が非常に高く、ポジティブなセンチメントが継続していることを意味します。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が7.25倍と高水準です。これは、将来的に信用取引による売り圧力が発生する可能性があるため注意が必要です。
【定量リスク】
提供されたリスク指標に基づき、新日本空調の株価は高い変動性を持つと評価できます。
- ベータ値(5Y Monthly): 0.43
- 市場全体(日経平均やTOPIX)の動きに対し、同社株価がどれくらい変動するかを示す指標です。0.43という値は、市場全体が10%変動した場合、同社株価はおよそ4.3%変動する傾向があることを示しており、市場全体よりも比較的安定した動きをする低ベータ株と言えます。
- 年間ボラティリティ: 42.96%
- 株価の年間変動率の大きさを表します。42.96%という高い数値は、同社株価が年間で大きく変動する可能性を秘めていることを示唆しており、短期的な価格変動リスクが高いことを表します。
- 最大ドローダウン: -61.76%
- 過去のある期間において、高値からどれだけ株価が下落したかの最大値を表します(最も悪い時期に投資した場合の最大損失率)。過去に-61.76%という大きな下落を経験していることは、今後も同様の、あるいはそれ以上の下落が起こりうるリスクがあることを投資家に示します。
これらの指標から、新日本空調の株価は市場全体と比較して変動幅が大きい傾向があると言えます。仮に100万円投資した場合、過去の年間ボラティリティに基づくと、年間で±42.96万円程度の変動が想定され、最大ドローダウンの観点からは、過去最悪のケースでは投資額が61.76万円減る可能性もあったということです。シャープレシオは-0.77とマイナスであり、リスクに見合うリターンが得られていない期間があったことを示唆していますが、これは過去5年間の平均リターンがマイナスであったことに起因しています。
【事業リスク】
新日本空調の事業構造と市場環境に起因する主なリスク要因は以下の3点です。
- 原材料・労務費の上昇と人手不足: 建設業界全体で資機材価格の高騰や熟練工の人手不足が深刻化しており、これは完成工事総利益率を圧迫する可能性があります。同社はデジタル化やSNK-SOLNetなどの効率化策で対応していますが、コスト上昇を完全に吸収しきれない場合、業績悪化につながるリスクがあります。
- プロジェクトの工程遅延と大型案件の進捗リスク: 大規模な設備工事は、予期せぬトラブルや天候不順、資材調達の遅延などにより工程が遅延するリスクがあります。特にデータセンターや工場などの大型案件は、規模が大きいため、一旦問題が発生すると業績への影響が大きくなる可能性があります。海外案件が増加する傾向にある中で、海外特有のリスク(例えば、政情不安や法規制の変更など)も増大します。
- 競争激化と受注環境の変化: 建設設備業界は競争が激しく、特に技術力や価格競争力が求められます。他社の技術革新や価格攻勢、あるいは景気変動による設備投資需要の冷え込みなどにより、受注環境が悪化したり、利益率の低い案件を増やさざるを得なくなったりするリスクがあります。
7. 市場センチメント
新日本空調の市場センチメントは、直近の業績上方修正と増配発表により非常にポジティブに傾いています。
- 信用取引状況:
- 信用買残: 156,700株
- 信用売残: 21,600株
- 信用倍率: 7.25倍
- 信用倍率が7.25倍と高水準であるため、将来的に信用買い残の反対売買(決済売り)による株価の売り圧力が発生する可能性があります。これは、短期的な株価の調整局面において、下落幅を拡大させる要因となるリスクがあるため、注意が必要です。ただし、出来高1,315,100株と比較すると、信用買残の規模は相対的に大きくなく、直ちに大きな問題となる状況ではありません。
- 主要株主構成:
- 自社協和会: 8.59%
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 7.34%
- 自社(自己株口): 6.41%
- 主要株主には三井住友銀行、三井物産、三井不動産といった三井グループの企業が名を連ねており、安定株主が比較的多い構造です。さらに、従業員持株会や自社協和会、自己株式の保有も安定株主を形成しており、短期的な利益追求型の投資家だけでなく、長期的な視点を持つ株主が安定した経営を支えていると考えられます。
8. 株主還元
新日本空調は、堅調な業績を背景に積極的な株主還元姿勢を示しています。
- 配当利回り(会社予想): 1.98% (直近株価4,075.0円、年間配当予想80円で算出すると1.96%ですが、データ記載の1.98%を使用します。)
- 年間80.00円の配当予想に基づいています。第3四半期決算発表時に年間配当予想が80円から110円に上方修正されたため、現在の株価(4,075.0円)で再計算すると、年間配当110円での利回りは2.70%となります。これは、日本のプライム市場平均と比較しても競争力のある水準です。
- 配当性向:
- 会社予想EPS(231.31円)に対する年間配当予想(110.00円)に基づくと、配当性向は約47.6%となります。これは、過去の配当性向(30-35%程度)と比較して上昇しており、利益の安定的な増加とともに、株主への還元を強化する方針が伺えます。一般的な目安である30-50%の範囲内にあり、利益成長と株主還元のバランスを考慮した妥当な水準と言えます。
- 自社株買いの状況:
- 提供データには直近の自社株買いに関する明確な情報はありませんが、主要株主構成に「自社(自己株口) 6.41%」の記載があり、過去に自社株買いを実施し保有していることが伺えます。政策保有株式の削減にも取り組んでおり、資本効率を意識した経営が期待されます。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 高い技術力と専門性: 原子力空調や微粒子可視化システムなど、特定のニッチ市場で他社が参入しにくい高度な技術と実績を有しており、これが高採算案件の獲得に繋がっています。
- 堅固な財務体質と安定した収益基盤: 自己資本比率64.2%、流動比率2.50倍と極めて健全な財務状況を誇り、本業で着実にキャッシュを生み出す能力が高いため、外部環境の変化への対応力も高いです。
弱み (Weaknesses)
- バリュエーションの割高感: PER20.87倍、PBR2.50倍と、業界平均を大きく上回る水準であり、業績の成長が期待通りに進まなかった場合、株価調整のリスクを内包しています。
- 建設業界特有のリスクへの依存: 資機材・労務費の高騰や人手不足、大規模プロジェクトにおける工程遅延リスクなど、外部環境への依存度が依然として高く、これらが収益性を圧迫する可能性があります。
機会 (Opportunities)
- データセンター・工場投資の活発化: デジタル化の進展に伴うデータセンターや工場、研究施設の新設・改修需要は継続的に拡大しており、同社の技術力が生きる高付加価値案件の獲得機会が増えています。
- 都市再開発とレジリエンス強化: 大都市圏の再開発案件や、エネルギー効率改善、BCP(事業継続計画)の観点からの設備改修需要は今後も堅調に推移すると見られ、同社の受注機会を拡大させます。
脅威 (Threats)
- 価格競争の激化と新規参入: 建設設備業界における競争は常に厳しく、技術革新やコスト削減努力が十分でない場合、他社との価格競争に巻き込まれる可能性があります。また、異業種からの新規参入や海外企業の進出も脅威となり得ます。
- 景気変動と設備投資抑制: 国内外の景気後退や企業の設備投資意欲の減退は、同社の受注環境に直接的な悪影響を及ぼし、業績にマイナス影響を与える可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した成長と高収益性を求める投資家: 堅調な業績成長と業界を牽引する高い収益性を持つ企業に魅力を感じる投資家に向いています。
- 財務健全性を重視する長期投資家: 極めて強固な財務基盤を持つ企業を好み、市場変動リスクに対して企業体力で乗り切れる銘柄を求める投資家にとって魅力的です。
- 技術力と独自展開を評価する投資家: 空調設備の中でも特殊技術を要する分野や効率化技術に強みを持つ企業に、将来的な競争優位性を見出す投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 高水準のバリュエーションの持続性: 現在の株価はPER/PBRで業界平均を大きく上回るため、今後の業績が市場の期待を下回った場合、株価が大きく調整するリスクがあります。
- 建設業界特有の外部環境リスク: 資材価格高騰や人手不足、大規模プロジェクトの進捗遅延といった業界特有のリスクが業績に与える影響を常に警戒する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 受注工事高と繰越工事高の推移: 好調なバックログは将来の売上高と利益の源泉となるため、その動向は最重要指標です。
- 完成工事総利益率・営業利益率: 原価管理や高採算案件獲得の状況を示すため、これらの利益率が目標値(通期予想営業利益率9.1%)以上に維持できるか注目です。
- デジタル化・効率化投資の進捗とその効果: SNK-SOLNetなどの業務効率化施策がどれだけ原価低減と生産性向上に貢献しているか、具体的な成果に注目すべきです。
成長性 | A: 順調な拡大
新日本空調の成長性は「A: 良好」と評価します。過去数年間の売上高は一貫して増加傾向にあり、2025年3月期予想137,684百万円から2026年3月期予想150,000百万円への成長率は約8.9%と、B基準(5-10%)の上限に近い水準です。しかし、過去12カ月の四半期売上高成長率(前年比)は14.60%、四半期利益成長率(前年比)は104.20%と非常に高く、直近の業績はS基準(15%以上)に迫る勢いです。また、通期業績予想の大幅な上方修正や、受注工事高・繰越工事高の大幅な増加は、今後も安定的な成長が期待できる強力な兆候です。特にデータセンターや工場といった成長分野からの受注が拡大しており、今後の事業拡大のドライバーとなり得るため、総合的に「A: 良好」と判断しました。
収益性 | S: 極めて優良
収益性については「S: 優良」と評価します。実績ROE(過去12か月)は16.77%と、評価基準である15%以上を大きく上回っています。また、営業利益率(過去12か月)は9.95%と、S評価基準の15%には及ばないものの、業界内で見れば高い水準にあり、A評価基準の10-15%に非常に近い値です。第3四半期累計の営業利益率は8.45%、通期予想営業利益率は9.1%と、持続的な高収益を維持する見込みです。これは、効率的な経営と高採算案件の獲得が背景にあり、株主資本を極めて効率的に利用して利益を生み出す能力に長けていることを示しています。高ROEと高ROA(8.62%)がその裏付けとなり、総合的に見て「S: 優良」と判断します。
財務健全性 | S: 極めて良好
財務健全性は「S: 優良」と評価します。直近四半期の自己資本比率は64.2%とS基準(60%以上)を大きく上回り、流動比率も2.50倍(250%)とS基準(200%以上)をクリアしています。さらに、Piotroski F-Scoreも8点(S: 優良)を獲得しており、全ての評価項目で基準を満たしています。総負債/自己資本比率も3.32%と極めて低く、同社が事実上無借金経営に近い非常に安定した財務基盤を有していることを示しています。景気変動や市場の不確実性に対しても非常に強い抵抗力を持っていると言え、財務面での懸念は皆無に等しいです。
バリュエーション | D: 割高感あり
バリュエーションは「D: 懸念」と評価します。PER(会社予想)は20.87倍で業界平均14.0倍の約149%に達し、PBR(実績)は2.50倍で業界平均1.1倍の約227%となっています。いずれの指標も業界平均を大きく上回っており、評価基準の130%以上でD評価に該当します。現在の株価水準は、同社の堅調な業績成長と高い収益性、今後への期待を強く織り込んだ結果ですが、客観的な数値比較では割高感が顕著です。投資家は、この高いバリュエーションが、同社の今後の成長によって本当に正当化されるのかを慎重に判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1952 |
| 企業名 | 新日本空調 |
| URL | http://www.snk.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,075円 |
| EPS(1株利益) | 194.06円 |
| 年間配当 | 1.98円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 20.6% | 22.8倍 | 11,291円 | 22.6% |
| 標準 | 15.8% | 19.8倍 | 8,030円 | 14.6% |
| 悲観 | 9.5% | 16.9倍 | 5,153円 | 4.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,075円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 4,000円 | △ 2%割高 |
| 10% | 4,996円 | ○ 18%割安 |
| 5% | 6,304円 | ○ 35%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
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