企業の一言説明

ユナイテッドアローズは、有名セレクトショップを多ブランド展開する、国内アパレル小売業界のリーディングカンパニーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅調な業績回復と高水準の収益性: コロナ禍を脱し、売上高・利益ともに着実に成長。ROE11.76%と高水準を維持し、財務健全性もPiotroski F-Score 8/9点と優良です。
  • 今後の成長戦略と株主還元への期待: 2026年3月期の通期純利益進捗率は第3四半期時点で既に131.7%に達しており、期末配当予想も増配傾向にあります。事業ポートフォリオ見直し(コーエン譲渡)後の戦略に注目が集まります。
  • 小売業特有のリスクと利益の質には注意: マクロ経済や消費トレンドの変化に影響を受けやすく、競争環境も厳しさを増しています。営業キャッシュフローが純利益を下回る点(営業CF/純利益比率0.58)は利益の質としてやや懸念があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 着実な成長
収益性 A 良好な水準
財務健全性 A 非常に良好
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,622.0円
PER 14.24倍 業界平均21.3倍
PBR 1.70倍 業界平均1.8倍
配当利回り 2.82%
ROE 11.76%

1. 企業概要

ユナイテッドアローズ (7606) は、紳士・婦人衣料品、服飾雑貨などを企画、仕入れ、販売するアパレル小売企業です。UNITED ARROWS、BEAUTY&YOUTH、green label relaxingなど多様なブランドを展開し、その約半分を自社企画商品で構成しています。EC事業も強化し、幅広い顧客層へアプローチしています。多ブランド戦略と企画力、そして長年培ってきたセレクトショップとしてのブランド力が強みであり、高い参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

ユナイテッドアローズは、国内アパレル小売業界において、セレクトショップ分野のリーディングカンパニーの一つとして確立された地位を築いています。SC(ショッピングセンター)向けブランド「コーエン」も展開していましたが、2026年3月に譲渡予定です。競合としては、BEAMSやSHIPS等のセレクトショップ大手、ファストファッションブランド、百貨店系アパレルなどが挙げられます。各種指標では、PER14.24倍は業界平均21.3倍と比較して割安感があり、PBR1.70倍は業界平均1.8倍とほぼ同水準で適正と判断できます。

3. 経営戦略

ユナイテッドアローズは、多ブランド展開と自社企画商品の強化により、顧客の多様なニーズに対応しています。2026年3月期第3四半期決算では、売上高123,638百万円(前年同期比+9.4%)、営業利益8,764百万円(同+9.1%)と堅調な成長を続け、純利益は6,696百万円(同+32.2%)と大幅に伸長しました。特に純利益の通期予想進捗率は131.7%に達しており、達成を大きく上回る見込みです。
今後の重要なイベントとしては、2026年3月2日に連結子会社の株式会社コーエン全株式を譲渡する予定であり、これにより事業ポートフォリオの再編が進むと見られます。譲渡価額は200百万円で、譲渡に伴う連結除外時の純資産確定が未完であり、通期業績への影響を精査中とのことです。
また、個人投資家向けに2026年2月6日(金)にオンライン決算説明会を実施する予定で、IR部長による第3四半期決算概要の説明と質疑応答が中心となる予定です。この説明会を通じて、コーエン譲渡後の戦略や新たな成長機会について経営陣からのメッセージが発せられる可能性があります。
その他、2026年3月30日には配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 良好(純利益、営業CF、ROA全てプラス)
財務健全性 3/3 良好(流動比率高、有利子負債比率低、株式希薄化なし)
効率性 2/3 良好(営業利益率、ROEは高いが売上成長はデータなし)

上記F-Scoreは、ユナイテッドアローズが優れた財務品質を持つことを示しています。収益性・財務健全性は満点であり、純利益の黒字、潤沢な営業キャッシュフロー、堅実な資産効率が評価されています。流動比率が1.5を上回り、D/Eレシオ(負債比率)も低く、財務基盤が非常に安定していることを示唆しています。効率性においては、営業利益率とROEが共に高く、資本を効率的に活用して利益を生み出していると評価できます。売上成長の項目は「データなし」とされていますが、損益計算書のRevenueの推移から売上高は増加傾向にあります。

【収益性】

  • 営業利益率: 過去12か月で12.79%。「売上高に占める本業の儲けの割合」を示します。アパレル小売業としては高い水準であり、効率的な経営ができていることを示唆します。
  • ROE(株主資本利益率): (連)11.76%。「株主のお金でどれだけ効率的に利益を上げたか」を示す指標で、一般的に10%以上が目安とされます。ユナイテッドアローズはこれを上回る良好な水準です。
  • ROA(総資産利益率): 過去12か月で7.27%。「会社の全資産でどれだけ効率的に利益を上げたか」を示す指標で、一般的に5%以上が目安とされます。こちらも良好な水準を維持しています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: (連)53.9%。「自己資本(返済不要な資金)が総資産に占める割合」を示します。一般的に40%以上が健全とされ、同社は非常に高い水準で、安定した財務基盤を築いています。
  • 流動比率: (直近四半期)1.63倍。「短期的な支払い能力」を示す指標で、200%(2倍)以上が理想とされます。163%と、短期的な負債に対する支払い能力はまずまずの水準です。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(営業キャッシュフロー): 過去12か月で3,420,000千円。本業で稼いだ現金の量を示します。黒字であり、事業活動から安定して現金を創出していることを示します。
  • FCF(フリーキャッシュフロー): データなし。(営業CFから投資CFを差し引いた、企業が自由に使えるお金)

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 0.58。「純利益がどの程度現金に裏付けられているか」を示す指標で、1.0以上が健全とされます。今回0.58と1.0を下回っており、純利益の一部が現金としてまだ手元にないことを示唆するため、利益の質にはやや懸念があります。これは売掛金や棚卸資産の増加、または減損損失などの非現金支出が影響している可能性があります。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期(累計)の通期予想に対する進捗状況は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 74.7%(通期予想165,677百万円に対して)
  • 営業利益進捗率: 97.4%(通期予想9,000百万円に対して)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益進捗率: 131.7%(通期予想5,084百万円に対して)

売上高は着実に進捗しており、営業利益は通期予想の達成が視野に入っています。特に純利益は第3四半期時点で既に通期予想を大幅に上回っており、通期業績の上振れが期待されます。直近の売上高・営業利益の推移(年度比較)も、コロナ禍からのV字回復を経て堅調な成長を示しています。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): (連)14.24倍。「株価が1株当たり利益の何年分か」を示します。業界平均PER21.3倍と比較して約67%であり、相対的に割安感があります。
  • PBR(株価純資産倍率): (連)1.70倍。「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示します。業界平均PBR1.8倍と比較して約94%であり、ほぼ業界平均並みの適正な評価を受けていると言えます。
  • 計算された目標株価は、業界平均PER基準で2,709円、業界平均PBR基準で2,781円であり、現在の株価2,622.0円と比較すると、やや上値余地があることを示唆しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値:42.08 / シグナル値:24.75 短期的な売買シグナルは現時点では明確ではない
RSI 買われすぎ 71.6% 70%以上は買われすぎの水準であり、短期的な調整の可能性を示唆
5日線乖離率 +3.37% 直近のモメンタムは強い
25日線乖離率 +7.39% 短期トレンドからの乖離が大きめ
75日線乖離率 +14.40% 中期トレンドからの乖離がかなり大きい
200日線乖離率 +19.69% 長期トレンドからの乖離も大きい

RSIが70%を超えて「買われすぎ」を示しており、株価が短期的に過熱感を示している可能性があります。移動平均線も全て上向きで、現在の株価が5日、25日、75日、200日移動平均線を大きく上回っているため、強い上昇モメンタムがあるものの、過熱感からの反落には注意が必要です。

【テクニカル】

現在の株価2,622.0円は、52週高値2,789円に対して86.5%の位置にあり、高値圏で推移しています。50日移動平均線2,415.52円、200日移動平均線2,195.06円を明確に上回り、全ての移動平均線が株価の下に位置していることから、短期から長期まで一貫した上昇トレンドにあると言えます。

【市場比較】

過去3ヶ月間では日経平均やTOPIXを大きくアウトパフォームしているものの、1ヶ月や1年で見ると市場全体の上昇には及んでいません。特に1年間のリターンは-3.32%とマイナスであり、日経平均(+46.27%)やS&P500(+14.70%)のパフォーマンスを大きく下回っています。一方で、52週変化率は+18.16%とプラスに転じており、直近のパフォーマンスは改善傾向にあります。

【定量リスク】

  • ベータ値: -0.27。「市場全体の動きに対する株価の連動性」を示します。マイナス値は、市場全体と逆の方向に動く傾向がある(市場が上がるときに下がり、市場が下がるときに上がる傾向)ことを示唆します。ただし、その相関は弱いと言えます。
  • 年間ボラティリティ: 33.33%。「年間で株価がどの程度変動するか」を示します。
    • 仮に100万円投資した場合、年間で±33.33万円程度の変動が想定され、比較的高い値動きがある銘柄と言えます。
  • 最大ドローダウン: -38.28%。「過去に経験した最大の下落率」を示します。この程度の大きな下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • シャープレシオ: -0.37。「リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているか」を示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナス値は、リスクに対してリターンが十分でなく、リスクを取った分だけ損をする可能性があったことを示しています。これは過去の年間平均リターンが-11.91%であることと整合します。

【事業リスク】

  • 消費動向・景気変動リスク: 主要事業が衣料品小売であるため、国内景気の悪化や消費者の購買意欲の低下は、業績に直接的な悪影響を及ぼします。可処分所得の変動やライフスタイルの変化にも敏感です。
  • トレンドの変化と競争激化: アパレル業界は流行やトレンドの変化が激しく、常に新しい商品やブランド展開が求められます。また、国内外のファストファッションブランドやEC専業事業者との競争も激化しており、市場シェアの維持・拡大には継続的な投資と戦略が必要です。
  • 為替変動リスク: 仕入れの一部を海外から行っているため、円安の進行は仕入れコストの増加に繋がり、利益を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残80,700株、信用売残81,900株、信用倍率は0.99倍です。買残と売残がほぼ拮抗しており、需給面では特に売り買いどちらかに大きく偏っている状況ではなく、中立的なセンチメントと言えます。今後の大きな株価変動を予測する明確な需給シグナルは見られません。
  • 主要株主構成: 上位株主は日本マスタートラスト信託銀行(12.59%)、日本カストディ銀行(11.89%)といった機関投資家、および自社(自己株口)(8.19%)、創業家と思われる重松理氏(7.91%)、エー・ディー・エス(6.62%)などが名を連ねています。安定株主が多い構造と言えるでしょう。

8. 株主還元

  • 配当利回り: 2.82%(会社予想)。「株価に対する年間配当金の割合」を示します。現在の低金利環境下においては魅力的な水準と言えるでしょう。
  • 1株配当(会社予想): 74.00円。
  • 配当性向: 40.6%(会社予想)。「純利益のうちどれだけを配当に回すか」を示す指標で、30-50%が一般的です。同社の配当性向は適切な水準であり、利益成長に応じた株主還元を行う姿勢が評価できます。
  • 配当金履歴を見ると、2022年3月期19円、2023年3月期47円、2024年3月期55円、2025年3月期63円、2026年3月期予74円と、近年は積極的な増配を続けており、株主還元への意識が高いことが伺えます。
  • 自社株買いの状況: データなし。

SWOT分析

強み

  • 多彩なブランドポートフォリオと高いブランド認知度により、幅広い顧客層を獲得。
  • Piotroski F-Score 8/9点に裏付けられた堅固な財務基盤と高収益体質。

弱み

  • 実店舗中心のビジネスモデルであり、DX(デジタルトランスフォーメーション)やEC化の更なる推進が課題。
  • 営業CFが純利益を下回る利益の質にやや懸念があり、現金創出力の改善余地。

機会

  • コロナ後の消費回復とインバウンド需要の取り込みによる更なる売上拡大。
  • ECサイトの強化やD2C(Direct to Consumer)モデルへの進化による新たな収益源の確立。

脅威

  • 国内外アパレルブランドとの価格競争激化やオンライン販売の普及による収益性悪化の可能性。
  • 景気後退や消費者の節約志向の高まりによる discretionary spending(裁量的支出)の減少。

この銘柄が向いている投資家

  • ブランド価値と安定成長に注目する長期投資家: 高いブランド力と多角的なブランド展開による安定的な収益基盤を評価し、長期的な企業価値向上を期待する投資家。
  • 配当利回りと増配傾向を重視する投資家: 安定した配当と近年の積極的な増配実績から、インカムゲインを重視する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 利益の質とキャッシュフローの動向: 営業CF/純利益比率が1.0未満であるため、利益が現金としてどれだけ入ってきているか、今後の改善状況を注視する必要があります。特にコーエン譲渡後の影響も考慮が必要です。
  • 小売業特有の景気敏感性: 景気変動や消費トレンドの変化が業績に与える影響が大きいため、マクロ経済指標や消費関連ニュースにも注意を払う必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 通期業績の達成度と上方修正の有無: 第3四半期時点での高進捗率から、通期予想の上方修正があるかどうかに注目。
  • 営業キャッシュフローの継続的な改善: 利益の質を向上させるため、営業CFの増加傾向が続くかを確認。
  • 新ブランドやEC戦略の進捗: コーエン譲渡後の事業ポートフォリオ戦略、およびECチャネルでの売上成長率と収益性。

10. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 売上高は増加傾向にあり、2025年3月期から2026年3月期の通期予想では約9.79%の成長が見込まれます。これは評価基準における5-10%の範囲に該当するため「B」と評価します。
  • 収益性: A
    • ROEは11.76%、過去12か月の営業利益率は12.79%であり、いずれも10%を超え、高い収益性を確保しています。評価基準の「ROE10-15%または営業利益率10-15%」に該当するため「A」と評価します。
  • 財務健全性: A
    • 自己資本比率は53.9%と健全な水準であり、流動比率も1.63倍と確保されています。特にPiotroski F-Scoreが8/9点と「S: 優良」評価であることから、非常に安定した財務基盤を持つと判断できます。自己資本比率が60%未満であるため「A」と評価します。
  • バリュエーション: A
    • PER14.24倍は業界平均21.3倍の約67%であり割安感が強いです(S評価に相当)。PBR1.70倍は業界平均1.8倍の約94%であり適正な水準です(B評価に相当)。総合的に見て、業界平均と比較して割安感があるため「A」と評価します。

企業情報

銘柄コード 7606
企業名 ユナイテッドアローズ
URL http://www.united-arrows.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,622円
EPS(1株利益) 184.10円
年間配当 2.82円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 16.4倍 3,015円 2.9%
標準 0.0% 14.2倍 2,622円 0.1%
悲観 1.0% 12.1倍 2,342円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,622円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,310円 △ 100%割高
10% 1,637円 △ 60%割高
5% 2,065円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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