企業の一言説明
芦森工業は、自動車安全システム(シートベルト、エアバッグ)を主力とし、消防用ホースや老朽管更生工法(パルテム工法)などの機能製品・産業資材も展開する老舗の中堅企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 事業内容の多角化と安定的な機能製品事業: 自動車安全部品に加えて、特に老朽インフラの補修に貢献するパルテム工法が安定した収益源となっており、事業ポートフォリオのバランスが取れています。
- 高い財務健全性: 自己資本比率は45.9%、流動比率は164%と、企業の財務基盤は非常に安定しており、Piotroski F-Scoreでも「良好」と評価されています。
- 株式の非公開化に伴う上場廃止の予定と流動性リスク: 2026年2月26日に株式併合による上場廃止が予定されており、これにより市場での取引機会が失われます。現在の株価は業界平均と比較して割高感があり、配当も停止が予想されるため、新規の個人投資家にとっては非常にリスクが高い銘柄です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | D | 懸念 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 4,115.0円 | – |
| PER | 13.77倍 | 業界平均7.3倍(割高) |
| PBR | 0.95倍 | 業界平均0.5倍(割高) |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | 11.63% | – |
1. 企業概要
芦森工業(証券コード:3526)は1878年創業の老舗企業で、自動車向けシートベルトやエアバッグなどの安全システムを主軸事業としています。これに加え、消防用ホース、老朽管更生工法「パルテム」、産業資材などの機能製品も手掛ける多角的な事業構造が特徴です。特にパルテム工法は、社会インフラの老朽化対策に貢献する独自の技術として、安定的な収益基盤を築いています。収益モデルは、自動車メーカーへの部品供給と、自治体・企業への機能製品・サービス提供が中心です。
2. 業界ポジション
芦森工業は、自動車部品業界(輸送用機器セクター)に属し、特に自動車安全システムにおいては大手自動車メーカーとの取引を基盤としています。また、消防用ホースやパルテム工法などの機能製品事業では、特定のニッチ市場において高い技術力とシェアを持つと推察されます。競合としては、自動車安全部品ではタカタ(現在はジョイソン・セイフティ・システムズ)、ダイセルなどが挙げられますが、多角化した事業ポートフォリオによりリスク分散を図っています。現在のPERは13.77倍、PBRは0.95倍であり、業界平均PER7.3倍、PBR0.5倍と比較すると、割高感のある水準にあります。
3. 経営戦略
芦森工業の経営戦略の要点は、自動車安全部品事業での生産性向上と業務効率化、および機能製品事業での市場拡大と販売強化にあります。決算説明資料からは、「概ね当初予想どおりで変更なし」としつつも、需要と材料市況の逆風に対する価格改定や合理化、費用圧縮の自助努力を継続していることが示されており、通期見通しは「やや慎重な安定継続」としています。豊田合成との協業による生産性向上や積極的な設備投資(直近で1,941百万円)なども進め、事業体質の強化を図っています。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当落ち日が予定されていますが、それよりも重要なのは2026年2月26日に予定されている株式併合・単元株廃止に伴う上場廃止です。これは同社が市場から撤退し、非公開化されることを意味します。この点について、投資家は理解しておく必要があります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの項目で評価し、0-9点のスコアで表します。7点以上が優良(S)、5-6点が良好(A)、3-4点が普通(B)、1-2点がやや懸念(C)、0点が要注意(D)と判定されます。芦森工業のF-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラスであり、ROAがプラスであるため収益性は評価されますが、営業キャッシュフローの項目はデータが不明なため評価されていません。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が基準値を上回り、D/Eレシオ(総負債自己資本比率)が1.0未満であるため負債水準も健全です。株式の希薄化も発生していません。 |
| 効率性 | 1/3 | ROEが10%を上回っている点は評価されますが、営業利益率が10%に達しておらず、四半期売上成長率がマイナスであるため効率性は一部改善の余地があります。 |
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 6.32%
- ROE(実績): 11.63% (ベンチマーク10%以上で良好)
- ROA(過去12か月): 3.85% (一般的な目安となる5%には達していないものの、堅調な水準)
同社のROE11.63%は、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、良好な水準と評価できます。営業利益率6.32%も安定していると言えますが、ROAがややベンチマークを下回っていることは、総資産に対する利益創出能力に改善の余地があることを示唆します。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 45.9% (一般的な目安である40%を上回っており、良好な水準)
- 流動比率(直近四半期): 1.64 (164%) (短期的な支払い能力を示す指標で、一般的な目安である150%を上回っており、財務健全性は良好です)
自己資本比率が約46%と安定しており、流動比率も164%と十分に高く、企業の財務基盤は強固であると評価できます。これは急な経済変動や予期せぬ費用発生時にも対応できる体力があることを意味します。
【キャッシュフロー】
- 営業CF、FCFの状況: 提供された損益計算書には「Operating Income」の項目はありますが、詳細なキャッシュフロー計算書のデータは提供されていません。しかし、Operating Incomeは過去数年にわたり増加傾向にあり、事業活動による収益力は向上していると推測されます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: データなし。
(補足:営業キャッシュフローのデータが不足しているため、正確な比率を算出することはできません。)
【四半期進捗】
2026年3月期 第3四半期決算短信によると、通期予想に対する各指標の進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 52,156百万円 / 66,000百万円 = 79.1%
- 営業利益進捗率: 2,365百万円 / 3,000百万円 = 78.8%
- 経常利益進捗率: 2,809百万円 / 3,000百万円 = 93.6%
- 純利益進捗率: 1,630百万円 / 1,800百万円 = 90.6%
売上高および営業利益は前年同期比でそれぞれ△2.4%減、△34.1%減と減益に着地しています。ただし、経常利益と純利益は上振れしており、通期予想に対する進捗率は概ね順調に推移していると言えます。特に経常利益と純利益の進捗率が高いのは、営業外収益(為替差益355百万円)や特別損失の減少(前期994百万円から当期527百万円へ)が寄与したと考えられます。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 13.77倍
- PBR(実績): 0.95倍
同社のPER13.77倍は業界平均7.3倍、PBR0.95倍は業界平均0.5倍と比較して、それぞれ割高な水準にあります。PBRが1倍を下回っているものの、配当利回りが0%であり、2026年2月26日に株式併合による上場廃止が予定されていることを考慮すると、単純に割安とは断言できません。市場での取引機会が失われるため、バリュエーションの指標は通常の評価基準で判断することが困難です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -1.12 / シグナル値: -0.8 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 46.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.02% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -0.06% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -0.19% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +13.96% | 長期トレンドからの乖離 |
現在の株価は、MACDとRSIが共に中立圏を示しており、短期的な明確なトレンドは確認できません。5日、25日、75日移動平均線からの乖離率は非常に小さく、概ね移動平均線近辺で推移していることを示しています。しかし、200日移動平均線からは約14%上方に乖離しており、中長期的な上昇トレンドの中に位置していると考えられます。
【テクニカル】
現在の株価4,115.0円は、52週高値4,370円に対して約87.1%の位置(高値圏)にあり、52週安値2,400円からは大きく上昇しています。直近10日間の株価は4,110円から4,120円の狭いレンジで推移しており、出来高も比較的少ない状況です。これは市場における流動性が低いことを示唆しています。現在の株価は短・中期移動平均線に沿って推移していますが、200日移動平均線を大きく上回っており、過去1年間の上昇トレンドを維持しているように見えます。ただし、上場廃止の発表が短期的な株価上昇に影響を与えた可能性も考慮する必要があります。
【市場比較】
芦森工業の株価パフォーマンスを市場指数と比較すると、以下の傾向が見られます。
- 日経平均比: 1ヶ月と3ヶ月では日経平均を7.52%ポイント、15.37%ポイント下回っており、短期から中期にかけては市場全体に対して劣後しています。しかし、6ヶ月では3.26%ポイント、1年では0.57%ポイントと、長期では市場とほぼ同等かやや上回るパフォーマンスを示しています。
- TOPIX比: 日経平均と同様に、1ヶ月と3ヶ月ではTOPIXを大きく下回っていますが、6ヶ月や1年ではほぼ同等のパフォーマンスを発揮しています。
全体として、中長期では市場指数と概ね同水準のパフォーマンスを示していますが、直近の短期的な動きでは市場全体の上昇に乗り切れていない状況です。これは、上場廃止といった特定の企業動向が市場の一般的なトレンドと異なる影響を与えている可能性も考えられます。
【注意事項】
⚠️ 2026年2月26日に株式併合・単元株廃止に伴う上場廃止が予定されています。これにより、市場での株式取引ができなくなり、投資家は非公開会社の株式を保有することになるため、投資判断に際しては最新の公開買付け情報や企業の説明を十分に確認する必要があります。信用倍率は0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であるため計算上そうなっています。信用買残は1,100株であり、市場での流動性は極めて低い状態です。
【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): 0.60 (市場全体(ベータ値1.0)と比較して、株価の変動率(ボラティリティ)が低いことを示します)
- 年間ボラティリティ: 35.84% (株価が年間で平均的に上下する幅が約35.84%であることを意味します。市場全体に比べると、個別銘柄としては標準的な水準です。)
- 最大ドローダウン: -58.89% (過去において、株価がピークから-58.89%まで下落した時期があったことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±35.84万円程度の変動が想定され、過去には最大で58.89万円の下落を経験した可能性があります。)
- シャープレシオ: -0.67 (リスクを取って得られたリターンが、リスクなしの投資と比較してどれだけ効率的であるかを示す指標です。マイナス値は、リスクに見合うリターンが得られていないことを示しており、投資効率は低いと判断されます。)
【事業リスク】
- 自動車産業の変動リスク: 主力である自動車安全部品事業は、自動車生産台数の変動、EVシフトなどの産業構造の変化、部材価格の高騰、為替レートの変動に大きく影響を受けます。
- 為替変動リスク: 海外事業も展開しており、為替レートの変動は収益に影響を与えます。決算では為替差益が寄与した一方、逆方向の変動はリスクとなります。
- 製品保証・品質関連リスク: 自動車部品メーカーとして、製品の品質問題が発生した場合、大規模なリコールや製品保証損失が発生する可能性があります(直近でも特別損失として527百万円が計上されています)。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が1,100株、信用売残が0株であり、信用倍率が0.00倍となっています。これは信用取引がほとんど行われていないことを示しており、市場での流動性が極めて低い状態です。
主要株主構成を見ると、豊田合成が28.12%、MURAKAMI TAKATERUが9.84%、(株)MI2が8.01%と上位を占めています。特定の企業や個人、特定目的会社が大株主として名を連ねており、安定株主が多い構造です。特に豊田合成が筆頭株主であることから、同社との資本関係が深く、事業連携も密接であると考えられます。今回の株式非公開化も、主要株主の意向が大きく作用した結果と見られます。
8. 株主還元
配当については、2026年3月期の配当予想は0.00円となっており、配当は停止される見込みです。これは上場廃止の決定に伴うものと推測されます。過去の配当性向は2025年3月期で21.85%でしたが、今期の配当停止により、現時点では株主還元策としての配当は期待できない状況です。自社株買いについては、ニュース動向で「自社株の消却を発表」とありますが、これは買い付け後に市場から消滅させることを意味し、株価支援策の一つです。しかし、これも上場廃止の流れの中で行われるため、市場での直接的な株価押し上げ効果というよりは、非公開化に向けた手続きの一部として理解されるでしょう。
SWOT分析
強み
- 自動車安全システムと、パルテム工法などの機能製品事業による多角的な収益基盤。
- 自己資本比率が高く、流動比率も良好な、高い財務健全性。
弱み
- 自動車安全システム事業では価格改定・合理化を進めているものの、直近で収益性が悪化。
- 株式の流動性が極めて低く、上場廃止により市場での取引機会が喪失される。
機会
- 世界的なインフラ老朽化対策需要の高まりに伴うパルテム工法事業の成長余地。
- 筆頭株主である豊田合成との協業強化によるシナジー効果の創出。
脅威
- 自動車市場の景気変動や国際競争の激化、原材料価格の高騰が収益を圧迫するリスク。
- 株式の上場廃止により、新規の個人投資家にとっては投資機会が失われる。
この銘柄が向いている投資家
今回の分析において最も重要な点は、2026年2月26日に株式併合に伴う上場廃止が予定されていることです。したがって、本銘柄は新規で株式投資を検討する個人投資家には向いていません。
敢えて挙げるならば、既に芦森工業の株式を保有しており、非公開化後の企業価値の動向や、株式併合に伴う買付け価格などの手続きを理解した上で、引き続き企業を支援する意向のある既存株主に限られます。
この銘柄を検討する際の注意点
- 上場廃止の決定: 2026年2月26日に株式併合・単元株廃止に伴い上場廃止となるため、それ以降は市場で取引ができなくなります。投資を検討している場合は、この点を十分に理解し、自身のポートフォリオに与える影響を
企業情報
| 銘柄コード | 3526 |
| 企業名 | 芦森工業 |
| URL | https://www.ashimori.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,115円 |
| EPS(1株利益) | 298.73円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.9% | 15.8倍 | 11,719円 | 23.3% |
| 標準 | 15.3% | 13.8倍 | 8,383円 | 15.3% |
| 悲観 | 9.2% | 11.7倍 | 5,425円 | 5.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,115円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 4,168円 | ○ 1%割安 |
| 10% | 5,205円 | ○ 21%割安 |
| 5% | 6,569円 | ○ 37%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。