企業の一言説明

JUKIは工業用ミシンで世界トップシェアを誇り、電子部品実装機も手掛けるグローバルな機械メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 業績V字回復と黒字転換: 連続赤字から脱却し、2025年12月期に黒字転換、2026年12月期も大幅増益を予想。縫製事業の収益力改善が牽引しています。
  • 低PBRと株主還元再開: PBR0.61倍と純資産価値に対して割安に評価されており、配当も再開・増配を計画。資本効率改善と株主還元強化への期待が高まります。
  • 高い財務レバレッジと市場ボラティリティ: 自己資本比率26.8%、D/Eレシオ203.24%と財務健全性には課題が残り、年間の株価ボラティリティも41.96%と高めです。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 緩やかな回復
収益性 C 回復途上
財務健全性 C やや不安
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 657.0円
PER 13.04倍 業界平均16.6倍
PBR 0.61倍 業界平均1.4倍
配当利回り 2.29%
ROE 4.40%

1. 企業概要

JUKIは1938年設立の老舗機械メーカーで、工業用ミシンでは世界トップシェアを誇ります。主力製品は、アパレル生産に不可欠な工業用ミシンと家庭用ミシンで、売上高の大部分を縫製事業が占めます。また、スマートフォンやPCなどの電子機器製造に用いられる電子部品実装機(SMT関連機器)も手掛けており、これら産業機器製造事業が新たな収益の柱として期待されます。長年の技術蓄積による製品開発力とグローバルな販売・サービス網が強みです。

2. 業界ポジション

JUKIは工業用ミシン分野で世界トップクラスの市場シェアを誇り、特に精密な縫製技術が求められる分野で優位性を確立しています。競合には海外大手や国内メーカーが存在しますが、高度な自動化技術やデジタルソリューションの提供により差別化を図っています。
電子部品実装機事業では、高精度・高速実装技術が強みですが、競争激しい市場です。
バリュエーションを業界平均と比較すると、JUKIのPERは13.04倍で業界平均16.6倍を下回っており、PBRも0.61倍と業界平均1.4倍を大きく下回る水準にあります。これは、同社が業界平均と比較して割安に評価されている可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

JUKIは「中期経営計画2025」を策定し、構造改革と再成長を目指しています。特に、縫製事業では高付加価値製品の提供とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による生産性向上、アフターサービス強化に注力。産機事業では、電子部品実装機のラインナップ拡充と市場開拓を進め、収益源の多様化を図っています。
直近の決算短信では、2025年12月期に3期ぶりに黒字転換を果たし、2026年12月期には売上高900億円(前年比+1.4%)、営業利益45億円(同+69.0%)と大幅な増益を予想しており、V字回復への強い意志が見えます。
今後の重要なイベントとしては、2026年12月29日に予定されている配当落ち日が挙げられ、株主への還元姿勢が注目されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 4/9 B: 普通
収益性 3/3 良好
財務健全性 1/3 やや懸念
効率性 0/3 改善が必要

F-Scoreの分析によると、JUKIの財務品質は「普通」と評価されます。これは、提供されたアルゴリズムによるスコアで、収益性においては純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスであり、現在の事業で利益を生み出す力が回復していることを示しています。しかし、財務健全性においては、流動比率がベンチマークの1.5倍を下回り、D/Eレシオ(負債資本比率)も2.03倍と高い水準にあるため、自己資本に対する借入金の割合が高く、やや懸念が残ります。効率性については、営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも基準を満たしておらず、資本効率や事業成長性の改善が今後の課題となるでしょう。また、株式希薄化がない点はポジティブです。

【収益性】

  • 営業利益率: 過去12か月で8.14%、2025年12月期で3.0%です。過去の赤字水準からは大幅に改善していますが、高収益企業と比較するとまだ伸びしろがあります。
  • ROE(株主資本利益率): 株主が投資したお金でどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標。実績値は4.40%であり、一般的な目安とされる10%を下回っており、資本効率の改善が求められます。
  • ROA(総資産利益率): 企業の総資産をどれだけ効率的に利益に結びつけたかを示す指標。過去12か月では1.28%と、ベンチマークの5%を下回っており、資産の有効活用に課題があることを示唆します。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: 総資産に占める自己資本の割合で、企業の安定性を示す指標。実績値は26.8%と、製造業の目安とされる30%をやや下回っており、財務的な安定性に不安が残ります。直近では21.9%から改善していますが、さらなる向上が望まれます。
  • 流動比率: 短期的な支払い能力を示す指標。直近四半期で1.33倍であり、目安とされる200%(2.0倍)を大きく下回っています。運転資金に余裕を持たせるためにも改善が必要です。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(営業キャッシュフロー): 本業で稼ぎ出した現金の状況。過去12か月で117億1,000万円と大幅なプラスであり、堅調な現金創出能力を示しています。これは、企業の事業活動による資金力が回復していることを意味します。
  • FCF(フリーキャッシュフロー): 企業が自由に使えるキャッシュ。過去12か月で115億3,000万円と大きくプラスであり、事業活動で得た現金から投資に必要な資金を差し引いても十分な余力があることを示します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 8.36倍。純利益に対する営業キャッシュフローの割合。1.0倍以上が健全とされ、8.36倍という非常に高い水準は、利益の質が極めて高く、会計上の利益が実質的な現金収入に裏付けられている優良な状態を示します。

【四半期進捗】

2025年12月期は売上高887億6,100万円、営業利益26億6,200万円、純利益13億9,900万円で黒字転換を達成しました。2026年12月期の通期予想に対する進捗率は、期初であるためデータはありませんが、売上高900億円、営業利益45億円、純利益15億円と、2025年12月期からそれぞれ+1.4%、+69.0%、+7.2%の増益を見込んでおり、回復基調が継続すると予測されています。特に営業利益の大幅な改善は注目すべき点です。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): 会社予想PERは13.04倍であり、業界平均16.6倍と比較して割安感があります。
  • PBR(株価純資産倍率): 実績PBRは0.61倍であり、業界平均1.4倍を大きく下回っています。PBRが1倍未満は、株価が企業の純資産価値を下回っている状態を意味し、理論上は企業を解散した方が株主への還元が大きいと解釈されることもあります。これは割安であると判断できますが、同時に企業価値創造への課題も示唆している可能性があります。業績の黒字転換と増配を背景に、PBR1倍割れ企業への是正期待が高まる可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 30.26 / シグナル値: 18.78 MACDラインがシグナルラインを上回っているが、ゴールデンクロスかデッドクロスかの明確な転換点は示されていない
RSI 中立 69.4% 買われすぎの目安とされる70%に近づいており、短期的な過熱感に注意が必要
5日線乖離率 +4.96% 直近株価が短期移動平均線を上回っており、短期的な上昇モメンタムが強い
25日線乖離率 +19.80% 株価が短期トレンドを大きく上回っており、上昇トレンドが継続している
75日線乖離率 +33.32% 株価が中期トレンドを大きく上回っており、中期的な上昇トレンドが強い
200日線乖離率 +51.15% 株価が長期トレンドを大きく上回っており、長期的な上昇トレンドに入っている

RSIが70%に近く、短期的な過熱感を示唆しています。この水準では、一時的な調整が入る可能性も考慮に入れる必要があります。

【テクニカル】

株価657.0円は、52週高値745.0円から約12%下、52週安値317.0円からは大きく上昇した位置(52週レンジ内位置: 79.4%)にあります。直近の移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線(625.20円)、25日移動平均線(547.60円)、75日移動平均線(491.33円)、200日移動平均線(433.39円)の全てを大きく上回っており、明確な上昇トレンドが継続していることを示しています。特に200日移動平均線から51.60%も上回る乖離は、強い買いを示唆する一方で、短期的な調整リスクもあることを示唆します。

【市場比較】

JUKIの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全てにおいて日経平均株価およびTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを見せています。特に1年リターンでは日経平均を29.00%ポイント、TOPIXを19.88%ポイント(データはTOPIXと日経平均の1ヶ月リターンが同じ値だが、これはそのまま記載)上回っており、市場全体をアウトパフォームする強いモメンタムがあります。これは投資家のJUKIへの期待が高いことを裏付けています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率4.14倍(信用買残626,300株、信用売残151,100株)と高水準であるため、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

JUKIの年間ボラティリティは41.96%と高めです。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±41.96万円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-51.91%であり、将来もこの程度の下落が起こりうるリスクがあることを示しています。シャープレシオは-0.02とマイナスであり、リスクに見合ったリターンが過去得られていなかったことを示唆しますが、これは業績回復前の期間が含まれるため、今後の改善が期待されます。

【事業リスク】

  • 景気変動リスク: 主力事業である工業用ミシンや電子部品実装機は、設備投資需要に直結するため、世界経済や主要市場(中国、アジア、欧米など)の景気変動の影響を大きく受けます。
  • 為替変動リスク: グローバルに事業を展開しているため、為替レートの変動が連結業績に大きな影響を与えます。円高に振れた場合、海外での売上高が円換算で減少し、収益性が圧迫されるリスクがあります。
  • 競争激化と技術革新: 各事業分野において競争が激しく、常に技術革新が求められます。新製品開発の遅れや競合他社の台頭により、市場シェアや収益性を失う可能性があります。

7. 市場センチメント

信用取引状況では、信用買残が626,300株に対して信用売残が151,100株と、信用倍率は4.14倍とやや高めです。これは、将来的な株価の上昇を期待する買い方が多い一方で、需給バランスの悪化による売り圧力にも留意が必要です。
主要株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が12.89%と筆頭株主であり、PEGASUS、みずほ銀行、日本生命保険など機関投資家が上位に名を連ねています。

8. 株主還元

JUKIは、2025年12月期に1株当たり10円の配当を再開し、2026年12月期には1株当たり15円への増配を予想しています。これにより、配当利回りは2.29%となります。配当性向は2025年12月期実績で21.3%と、利益水準と比較して無理のない範囲での還元姿勢が見られます。過去の業績低迷期には無配や減配がありましたが、業績回復に伴い、今後の株主還元強化に期待が高まります。自社株買いに関する直近の情報はありません。

SWOT分析

強み

  • 工業用ミシンにおける世界トップシェアとブランド力。
  • グローバルな販売・サービスネットワーク。

弱み

  • 高い財務レバレッジ(自己資本比率の低さ、D/E比率の高さ)。
  • 過去数年間の収益性の低迷と資本効率の課題。

機会

  • 業績回復・黒字転換による企業価値向上と株主還元強化。
  • 新興国市場における縫製事業の自動化・DX需要の取り込み。

脅威

  • 世界経済の減速や景気後退による設備投資需要の低迷。
  • 為替変動リスクによる収益の不安定化。

この銘柄が向いている投資家

  • 企業の再成長と低PBRからの価値見直しを期待する投資家: 過去の赤字から黒字転換し、今後の増益と配当増加が見込まれるため、 PBR1倍割れからの脱却を期待する投資家に向いています。
  • ボラティリティを許容できる投資家: 株価の年間ボラティリティが40%以上と高く、短期的な価格変動リスクを理解し、中長期的な視点で投資できる方に適しています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 財務体質の改善状況: 自己資本比率やD/Eレシオの改善が今後の重要なポイントとなります。有利子負債の削減や利益蓄積の進捗に注目が必要です。
  • 事業ポートフォリオのバランス: 伝統的な縫製事業と成長分野である産機事業の収益貢献バランスと、産機事業の本格的な成長軌道への乗せ方に注目が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 2026年予想営業利益率5.0%(予想営業利益45億円 ÷ 予想売上高900億円)さらなる改善で収益性が向上するか。
  • 自己資本比率の向上: 少なくとも業界平均の30-40%台への回復を目指せるか。
  • 配当性向の安定: 業績回復とともに、株主還元政策が安定的かつ魅力的な水準で継続されるか。

10. 企業スコア

  • 成長性: C (緩やかな回復)
    • 過去1年間の売上高は887億6,100万円で、前年比△6.7%と減少していますが、2026年12月期は900億円と微増を予想しています。また、前期の最終赤字から黒字転換し、今期も増益を予想しているため、赤字からの回復基調は明確ですが、売上高の力強い成長はまだ見られません。
  • 収益性: C (回復途上)
    • ROEは4.40%とベンチマークの10%を大きく下回り、ROAも1.28%と5%を下回っています。営業利益率も3.0%(過去12ヶ月では8.14%)と、収益効率はまだ満足できる水準ではありません。連続赤字からの脱却は評価できるものの、本格的な高収益体質への転換はこれからです。
  • 財務健全性: C (やや不安)
    • 自己資本比率は26.8%と製造業の目安とされる30%を下回っており、安定性にやや課題があります。流動比率も1.33倍と短期的健全性の目安である200%(2.0倍)を大きく下回っています。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアも1/3であり、高い負債比率が財務的な懸念要因です。ただし、営業キャッシュフローは豊富で、利益の質は非常に高い点は評価できます。
  • バリュエーション: A (割安感あり)
    • PERは13.04倍で業界平均16.6倍よりも低い水準にあります。特にPBRは0.61倍と業界平均1.4倍、そして解散価値とされる1倍を大きく下回っており、純資産価値から見て極めて割安に評価されていると言えます。業績の黒字転換と増配を背景に、今後の株価是正への期待が高いと判断できます。

企業情報

銘柄コード 6440
企業名 JUKI
URL http://www.juki.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 657円
EPS(1株利益) 50.29円
年間配当 2.29円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 5.5% 15.0倍 985円 8.7%
標準 4.2% 13.0倍 806円 4.5%
悲観 2.5% 11.1倍 632円 -0.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 657円

目標年率 理論株価 判定
15% 407円 △ 61%割高
10% 509円 △ 29%割高
5% 642円 △ 2%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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