企業の一言説明
四国銀行は、高知県、徳島県を中心に四国全域で地域密着型の金融サービスを展開する、地域経済の基盤を支える地方銀行です。預金、貸出、有価証券運用を主軸に、投資信託販売や事業承継、SDGs経営支援といったコンサルティングサービスも手掛け、地域の中小企業や個人顧客の多様なニーズに応えています。みずほ銀行との親密な関係を持つことも特徴の一つです。
投資判断のための3つのキーポイント
- 業績の力強い回復と上方修正: 直近の第3四半期決算では、経常利益が前年同期比40.3%増、純利益が同179.2%増と大幅な増益を達成し、通期予想を上方修正しました。特に、四銀総合リース株式会社の完全子会社化に伴う負ののれん発生益127億円が大きく寄与し、9期ぶりの最高益更新を見込んでいます。これが現在の株価上昇の強力な推進力となっています。
- 低PBR是正への期待と株主還元: PBR (株価純資産倍率) が0.52倍と依然として1倍を大幅に下回っており、市場からの低評価が続いています。しかし、上場企業に対してPBR1倍割れ改善が喫緊の課題とされている昨今の市場環境を背景に、四国銀行も株主還元強化や事業ポートフォリオ見直しを通じて、PBR向上への取り組みを加速させる可能性があります。本年度の配当も増配予想であり、株主還元への意識も高まっています。
- 地域経済と金利変動に対するリスク: 地域密着型ビジネスモデルであるため、営業基盤である四国地域の人口減少や産業構造の変化といった構造的な課題、および地域経済の成長鈍化は中期的な収益成長の重しとなる可能性があります。また、金利上昇は貸出金利収入増加の機会となる一方で、資金調達コストの増加や保有有価証券の評価損発生リスクも高めるため、金利動向には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 業績好調 |
| 収益性 | C | 低収益体質 |
| 財務健全性 | B | 改善傾向 |
| バリュエーション | B | 比較的割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,354.0円 | – |
| PER | 5.88倍 | 業界平均10.7倍(約55%) |
| PBR | 0.52倍 | 業界平均0.4倍(約130%) |
| 配当利回り | 2.38% | – |
| ROE | 4.15% | – |
1. 企業概要
四国銀行(The Shikoku Bank, Ltd.)は、1878年創業の高知県を本拠とする地方銀行で、高知・徳島を中心に四国地方広域で事業を展開しています。主力事業は、一般顧客および法人顧客向けの預金、貸出、為替業務といった商業銀行サービスです。具体的には、各種預金商品、住宅ローンやカードローンを含む各種融資商品を提供しています。加えて、投資信託、外貨建て債券、公社債といった運用商品の取扱いや、事業承継、M&A仲介、SDGs経営支援などのコンサルティングサービスを通じて、地域経済の活性化に貢献しています。長年にわたり培われた地域との強固な信頼関係と、地元密着型のきめ細やかなサービス提供が最大の特徴であり、技術的な独自性よりも、地域に根差したネットワークと総合金融サービス提供能力を強みとしています。
2. 業界ポジション
四国銀行は、高知県を代表するリーディングバンクであり、地域金融機関として強固な顧客基盤とブランド力を有しています。四国地方全体で見ても、主要な地方銀行の一つとして存在感を示しています。競争環境としては、他の地方銀行、信用組合、メガバンク、そして近年ではインターネット専業銀行との差別化を図る必要があります。同社の強みは、地元密着型の顧客対応と、みずほ銀行との親密な連携による多様な金融サービスの提供能力にあります。弱みとしては、地域経済の構造的な課題(人口減少、高齢化など)に起因する市場規模の制約が挙げられます。
財務指標面では、PER (株価収益率) が5.88倍と業界平均10.7倍と比較して約55%の水準にあり、利益水準から見れば割安感があります。PBR (株価純資産倍率) は0.52倍で、業界平均0.4倍をやや上回っていますが、こちらも依然として1倍を大きく下回る状況です。
3. 経営戦略
四国銀行は、地域経済の活性化と顧客の多様なニーズへの対応を経営戦略の柱としています。直近では、四銀総合リース株式会社の完全子会社化を実施し、連結子会社とすることでグループ全体の収益力強化を図っています。これは、従来の銀行業に加え、リース事業を通じて顧客への幅広いソリューション提供を可能にし、事業ポートフォリオの多角化を進める戦略の一環と見られます。また、M&A仲介やSDGs経営支援といったコンサルティングサービスの強化は、手数料ビジネスの拡大と地域企業の課題解決支援を通じて、地域密着型金融機関としての存在価値を高める狙いがあります。これらの取り組みは、金利収益に依存しがちな収益構造からの脱却を目指すものであり、持続的な成長に向けた戦略的転換期にあると言えるでしょう。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されており、株主還元への期待が高まります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性を収益性、財務健全性、効率性の3つの観点から9項目で評価する指標です。スコアが高いほど財務状況が良好とされます。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 4/9 | B: 普通(複数の改善点あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは良好だが、営業キャッシュフローに課題 |
| 財務健全性 | 1/3 | 株式希薄化の抑制は評価されるが、借入に関連する情報に不足があり、自己資本比率の低さも勘案される |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率は良好だが、ROEと四半期売上成長率に改善の余地がある |
解説:
- 収益性スコア (2/3): 純利益はプラスであり、ROA(総資産利益率)もプラスで資産を効率的に活用できている状態を示します。しかし、営業キャッシュフローがマイナスである点は、本業での現金創出能力に課題があることを示唆しており、収益の質に懸念が残ります。銀行業の特性上、預金や貸出の流動性が営業CFに影響を与えることがありますが、一般的にはプラスが望ましいです。
- 財務健全性スコア (1/3): 株式の希薄化が抑えられている点は評価できますが、負債比率に関する直接的なデータが不足しており、また後述する自己資本比率の低さ(4.7%)を考慮すると、財務健全性には一部で改善の余地があると言えます。銀行の場合、自己資本比率はBIS規制に準拠しているかが重要となりますが、提供データからは具体的な基準への適合状況は判断できません。
- 効率性スコア (1/3): 営業利益率は28.25%と高水準であり、本業の収益性は評価できます。しかし、ROE(自己資本利益率)が3.86%と低く、株主資本の活用効率に課題があります。また、四半期ベースの売上成長率がマイナス0.7%と伸び悩んでいる点も、事業の拡大効率という点で改善が求められます。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 28.25%
- 銀行業の特性上、一般事業会社とは利益構造が異なりますが、28%を超える営業利益率は本業の収益性が高いことを示しています。これは、利息収益がコストを上回る効率的な運営ができていることを示唆します。
- ROE(実績): 4.15%(ベンチマーク: 10%)
- ROEは、株主資本をいかに効率的に利用して利益を上げているかを示す指標です。四国銀行のROEは4.15%と、一般的な目安とされる10%を大きく下回っています。これは、自己資本に対する利益創出力が低いことを意味し、改善が求められる点です。
- ROA(過去12か月): 0.19%(ベンチマーク: 5%)
- ROAは、総資産に対する利益の割合を示し、資産全体の効率性を測ります。四国銀行のROAは0.19%と、ベンチマークの5%を大幅に下回っています。これは、保有する多額の資産(預金や貸出、有価証券など)から得られる利益の効率が低いことを示しており、特に銀行業においては規模の経済が働きにくくなっている現状を反映している可能性があります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 4.7%
- 自己資本比率は、総資産に占める自己資本の割合を示す指標です。一般事業会社では40%以上が望ましいとされる一方、銀行業では監督官庁が定めるBIS規制に準拠した自己資本比率(国内基準行で4%以上、国際基準行で8%以上)が重視されます。四国銀行は国内基準行と仮定すると、最低基準は満たしていますが、余裕のある水準とは言えず、今後の安定性確保に向けた増強が望ましくはあります。ただし、直近の第3四半期決算では5.3%に改善が見られます。
- 流動比率: データなし
- 流動比率に関する直接的なデータは提供されていません。ただし、銀行業においては預金や貸出金といった流動性の高い資産・負債が多く、そのバランスが特に重要となります。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月): -8億7,600万円
- 営業キャッシュフローがマイナスであることは、本業による資金創出ができていないことを示しており、非常に注意が必要です。通常、銀行業の営業CFは、預金増減や貸付増減、有価証券運用状況などにより変動しますが、継続的なマイナスは収益の現金化能力に課題がある可能性があります。例えば、新たな貸出金の伸びが預金獲得を上回るペースで進んだ場合などは一時的にマイナスとなることもあります。
- フリーキャッシュフロー (FCF): データなし
- FCFに関する直接的なデータは提供されていませんが、営業CFがマイナスであることから、投資活動への資金を営業活動で賄えていない状況にあると推測されます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: -0.13
- 営業CF/純利益比率が1.0を下回る場合、利益の一部がキャッシュとして伴っていないことを意味し、利益の質に懸念があるとされます。四国銀行の場合、比率がマイナス(-0.13)であることから、計上されている純利益に対して、営業活動によるキャッシュの裏付けがほとんどない状態であり、利益の質は要注意レベルと判断されます。これは、減価償却費などの非現金費用や、貸倒引当金の積み増し、または有価証券の含み損益などが影響している可能性があります。
【四半期進捗】
四国銀行は2026年3月期第3四半期決算で以下のような進捗を見せています。
- 経常利益進捗率: 通期予想12,700百万円に対し、第3四半期累計で11,644百万円を達成しており、進捗率は約91.7%と非常に高水準です。これは、すでに通期目標の大部分を達成していることを示しており、通期での上方修正や目標超過達成の可能性が高いことを示唆しています。
- 親会社株主に帰属する当期純利益進捗率: 通期予想16,700百万円に対し、第3四半期累計で15,926百万円を達成しており、進捗率は約95.3%とこちらも極めて高い水準です。
- 直近3四半期の状況(前年同期比):
- 経常収益: 第3四半期累計で47,254百万円(前年同期比+21.7%)と大幅に増加しています。これは、資金運用収益の増加や、四銀総合リースの子会社化による連結範囲拡大が寄与していると見られます。
- 経常利益: 第3四半期累計で11,644百万円(前年同期比+40.3%)と大きく伸びています。
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 第3四半期累計で15,926百万円(前年同期比+179.2%)と著しい増益を記録しました。これは主に、四銀総合リースの子会社化に伴う「負ののれん発生益」12,777百万円という特別利益が計上されたことによるものです。この特別利益がなければ、純利益はこれほど大幅な増加にはならなかったと評価できます。
以上の状況から、本業の収益改善に加え、M&Aによる一時的な利益が大きく寄与し、堅調な進捗を見せていると言えます。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 5.88倍
- 株価が利益の何年分に相当するかを示すPERは、業界平均10.7倍と比較して約55%と大幅に低い水準にあります。これは、現状の利益水準から見ると株価が割安である可能性を示唆しています。株式市場は、リスクや成長期待を織り込んでPERを評価するため、低PERは市場が今後の成長に慎重な見方をしているか、あるいは同業種全体が低PERであることが要因となっている可能性があります。
- PBR(実績): 0.52倍
- 株価が純資産の何倍に相当するかを示すPBRは、業界平均0.4倍をやや上回りますが、依然として1倍を大幅に下回っています。PBRが1倍未満であることは、企業の純資産を解散価値と見なした場合に、株価がその価値を下回っている状態を意味します。これは、市場が企業の資産価値を十分に評価していない割安な状態であると判断されることが多いです。
- 目標株価 (業種平均PER基準): 1,678円
- 四国銀行のEPS(1株当たり利益)400.49円に業界平均PER10.7倍を適用した場合、PER基準での目標株価は1,678円となります。
- 目標株価 (業種平均PBR基準): 1,530円
- 四国銀行のBPS(1株当たり純資産)4,487.46円に業界平均PBR0.4倍を適用した場合、PBR基準での目標株価は1,530円となります。
現在の株価2,354円は、いずれの業界平均基準目標株価も上回っています。これは、直近の業績上方修正やPBR1倍割れ改善への期待など、短期的なポジティブ材料が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。ただし、中長期的には目標株価との乖離が埋まる動きも考えられます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 145.65 / シグナル値: 120.4 | 短期トレンド方向を示すが、明確な転換シグナルは出ていない |
| RSI | 買われすぎ | 70.0% | 70%以上は一般的に買われすぎの状態を示唆し、短期的な調整が入る可能性もある |
| 5日線乖離率 | -1.20% | – | 直近の株価が5日移動平均線をやや下回っており、短期的な調整局面を示唆 |
| 25日線乖離率 | +12.18% | – | 株価が25日移動平均線を大きく上回っており、短期的な上昇トレンドが持続している |
| 75日線乖離率 | +32.68% | – | 株価が75日移動平均線から大きく乖離しており、中期的な上昇トレンドが強い |
| 200日線乖離率 | +61.80% | – | 株価が200日移動平均線から非常に大きく乖離しており、長期的な強い上昇トレンドを示している |
解説:
RSIが70.0%と買われすぎの水準にあり、短期的な過熱感が示唆されます。一方で、MACDは中立となっており、強い買いシグナルや売りシグナルは出ていません。移動平均線との関係を見ると、5日移動平均線はわずかに下回っているものの、25日、75日、200日移動平均線を大きく上回っており、特に200日線からの乖離率が61.80%と非常に高いことから、株価は非常に強い上昇トレンドの途上にあることが分かります。しかし、これだけ乖離が広がると、調整局面で移動平均線に回帰する動きも注意が必要です。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在株価2,354.0円は、52週高値2,462.00円の約92.9%に位置しており、ほぼ年初来高値圏で推移しています。これは直近数ヶ月の株価の急騰を反映しており、市場の注目度が高いことを示します。
- 移動平均線との関係: 現在株価は、短期(5日)、中期(25日、75日)、長期(200日)の全ての移動平均線を上回って推移しています。特に200日移動平均線に対しては61.96%も乖離しており、過去1年間の強力な上昇トレンドを示しています。ただし、短期移動平均線からの乖離が縮小している(5日線からはわずかに下回っている)ことから、短期的な調整圧力が示唆されますが、より長い期間の移動平均線が上向きを維持しているため、基調としては強い上昇トレンドが続いています。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
四国銀行の株価は、日経平均株価およびTOPIXといった市場主要指数と比較して、大幅にアウトパフォームしています。
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 株式+20.05% vs 日経+4.79% → 15.27%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式+57.60% vs 日経+11.84% → 45.76%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+84.55% vs 日経+39.58% → 44.97%ポイント上回る
- 1年: 株式+94.78% vs 日経+43.89% → 50.89%ポイント上回る
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 株式+20.05% vs TOPIX+4.79% → 15.26%ポイント上回る
年間リターンで見ると、四国銀行の株価は日経平均やTOPIXを50%ポイント以上も上回って推移しており、非常に強い相対的なパフォーマンスを示しています。これは、同社の個別要因(業績上方修正、PBR改善期待など)が市場全体の上昇を大きく凌駕する形で評価されていることを明確に物語っています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が91.62倍と高水準です。これは、将来の売り圧力につながる可能性があるため、注意が必要です。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 31.59%
- この数値は、過去1年間における株価の変動の大きさを表します。31.59%という高いボラティリティは、株価の変動が比較的大きい銘柄であることを示しており、例えば100万円を投資した場合、年間で±31.59万円程度の変動が想定され、短期間での大きな価格変動リスクが伴います。
- シャープレシオ: -1.18
- シャープレシオは、リスク1単位あたりどれだけリターンが得られたかを示す指標です。通常、1.0以上が良好とされますが、-1.18という値は、高いリスクを取っているにもかかわらず、リスクに見合うリターンが得られていない(むしろマイナスのリターンになっている)ことを意味します。この数値は、特に過去1年間の間に株価が大きく下落した時期があったことや、銀行業特有の低金利環境の影響が反映されている可能性がありますが、直近のリターン急騰とは乖離があるため、評価期間の設定に注意が必要です。
- 最大ドローダウン: -62.71%
- 最大ドローダウンは、過去のある期間において、株価がピークから最も大きく下落した割合を示します。四国銀行の場合、過去に最大で62.71%の下落を経験しています。これは、仮に100万円投資した場合、最悪のシナリオでは約62.7万円まで評価額が減少する可能性があったことを意味し、今後も同様の大きな下落が発生するリスクがあることを示唆しています。
- 年間平均リターン: -36.67%
- 過去1年間の平均的なリターン。現在の直近1年リターン+94.78%とはかけ離れた数値であり、具体的な算出期間や計算方法に起因する可能性が高いです。しかしながら、過去に年間で大幅なマイナスリターンを計上した時期があったことを示唆しており、株価の変動の激しさを表す一因となります。
【事業リスク】
- 金利変動リスク: 日本銀行の金融政策変更に伴う金利上昇は、貸出利息収入の増加に繋がる一方で、預金金利や市場からの調達金利の上昇により資金調達コストが増加するリスクがあります。また、保有する有価証券の含み損が発生したり、その評価損が拡大したりする可能性もあります。特に、当連結会計年度の決算短信では「預金利息等資金調達費用増加」が明確に指摘されており、金利上昇が収益に与える影響は喫緊の課題です。
- 地域経済の構造的課題: 高知県をはじめとする四国地域の人口減少、少子高齢化、産業の縮小は、貸出先の減少や預金残高の伸び悩み、地域企業の経営悪化など、同行の主要な営業基盤の縮小に直結するリスクです。地域密着型である特性上、地域経済の低迷は収益性の悪化に繋がりかねません。
- 資産の健全性リスク: 景気悪化や特定の産業の不振は、貸出先の経営悪化を招き、不良債権の増加に繋がる可能性があります。不良債権処理に伴う貸倒引当金の積み増しは、銀行の収益を圧迫し、財務健全性に影響を与える可能性があります。また、有価証券運用においても、市場変動により評価損が拡大するリスクがあります。
7. 市場センチメント
綜合センチメントは「ポジティブ」と評価されており、特に直近の業績上方修正や9期ぶりの最高益更新見込みといったニュースが市場で好意的に受け止められています。短期的な過熱感を示すRSIなどのテクニカルシグナルがある一方で、こうした好材料が投資家の購買意欲を刺激している状況です。
- 信用取引状況:
- 信用買残: 907,000株(前週比 +35,300株)
- 信用売残: 9,900株(前週比 +3,100株)
- 信用倍率: 91.62倍
信用倍率が91.62倍と極めて高水準にあり、買い残が売り残を大幅に上回っています。これは、多くの投資家が株価上昇を期待して信用買いを行っていることを示唆しますが、将来的にこれらの買い残が解消される際には、まとまった売り圧力となり株価の下落要因となるリスクがあるため注意が必要です。
- 主要株主構成:
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 8.90%
- 日本カストディ銀行(信託口): 5.29%
信託銀行が上位株主として名を連ねていることは、安定的な株主構成を示唆しています。また、明治安田生命保険など機関投資家が一定の割合で保有しており、これも安定株主の一角と見られます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.38%
- 現在の株価に対する配当利回りは2.38%であり、銀行業としては標準的な水準です。安定志向の投資家にとって魅力となりうる水準と言えます。
- 1株配当(会社予想): 56.00円
- 2026年3月期の配当予想は年間56.00円(中間28.00円、期末28.00円)であり、前期の50.00円から増配の予定です。
- 配当性向: 33.77% (提供データでは30.6%という値も存在し、2026年3月期予401.7円から計算すると約14%となるため、ここでは33.77%を元に解説します)
- 配当性向は、利益のうちどれだけを配当に充てているかを示す指標です。33.77%という水準は、利益の約3分の1を配当に回しており、残りを内部留保として今後の事業投資や財務強化に充てていることになります。これは、事業成長と株主還元をバランス良く両立させようとする姿勢を示していると言えるでしょう。過去の配当性向の推移を見ても、概ね20-40%台で推移しており、安定した配当方針が見て取れます。
- 自社株買いの状況: 提供データに自社株買いの明確な活動は記載されていません。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 地域での強固な顧客基盤: 高知県のリーディングバンクとしての地位と、四国全域に広がる地域密着型ネットワークは信頼性が高く、安定した預金基盤と顧客関係を築いています。M&A仲介やSDGs経営支援など、多角的なコンサルティングサービス提供能力も強みです。
- 効率的な収益力: 営業利益率が28.25%と高水準であり、本業の収益性は評価できます。また、みずほ銀行との親密な関係を通じて、幅広い金融サービスのノウハウや連携体制を構築しやすいメリットがあります。
弱み (Weaknesses)
- 低収益体質と低いROE/ROA: ROEが4.15%、ROAが0.19%と、ベンチマークを大幅に下回る水準であり、資本効率や資産効率に課題を抱えています。これは、利益を効率的に生み出す力が弱い「低収益体質」であることを示唆しています。
- 低自己資本比率と営業CFのマイナス: 自己資本比率が4.7%と銀行業としては最低限の水準であり、財務基盤の堅牢性には改善余地があります。加えて、営業キャッシュフローがマイナスであることは、本業で現金を生み出す能力に課題があることを示しており、利益の質に懸念があります。
機会 (Opportunities)
- 金利政策の転換と再編: 日本銀行の金融政策転換による金利上昇は、銀行の利ザヤ改善に繋がり、収益機会を拡大させる可能性があります。また、地方銀行間のM&Aや提携の動きが活発になる中で、事業強化や規模拡大の機会も考えられます。
- PBR1倍割れ改善への市場圧力: 東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業への改善要請は、株主還元策の強化や自己資本の効率的な活用、事業ポートフォリオの見直しを促し、株価の上昇に繋がる可能性があります。
脅威 (Threats)
- 地域経済の縮小と人口減少: 営業基盤である四国地域の人口減少や高齢化、産業の停滞は、中長期的に貸出・預金市場の縮小、不良債権増加、地域企業からの手数料収入の減少に繋がり、収益成長に大きな制約を与える可能性があります。
- 激化する競争環境: メガバンクや他の地方銀行、信用組合に加え、インターネット銀行やFinTech企業の台頭により、金融サービス競争は激化しています。金利競争、手数料競争の激化は、同行の収益性を圧迫する脅威となります。
この銘柄が向いている投資家
- 配当とPBR改善による株価上昇を期待するバリュー投資家: 業績上方修正と増配期待があり、かつPBR1倍割れの状態から企業の価値向上策に期待する投資家に向いています。
- 長期的な地域経済の回復・安定に期待する長期投資家: 地域経済の安定と共に成長することを目指す地方銀行のビジネスモデルに共感し、その持続的な発展を信じる投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 特別利益の一過性: 直近の決算で計上された「負ののれん発生益」は一過性の特別利益であり、毎期発生するものではありません。この特別利益を除いた純粋な本業の収益成長が持続可能であるかを精査する必要があります。
- 金利変動と地域経済動向: 金利上昇は銀行収益にプラスとマイナスの両側面をもたらすため、その影響を継続的にモニタリングする必要があります。また、地域経済の構造的課題が中長期的な収益にもたらす影響を考慮することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- ROEの改善と目標値: 少なくとも5%以上への改善、将来的には10%を目指せるか。
- 経常利益の着実な成長: 特別利益を除いた本業の経常利益が年間100億円以上を安定的に維持・成長できるか。
- 自己資本比率の動向: 銀行としての財務健全性を示す自己資本比率が安定的に推移し、可能であれば向上していくか(例えば5%台後半以上)。
- 預貸金の伸び率: 地域で引き続き預金・貸出を伸ばし、市場シェアを維持・拡大できているか。
成長性
評価: A (良好)
根拠: 直近の2026年3月期第3四半期決算では、経常収益が前年同期比+21.7%、経常利益が同+40.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益が同+179.2%と大幅な増益を達成しました。通期連結業績も上方修正されており、EPS予想も400.49円と大幅な伸びを見せています。ただし、純利益の急増には負ののれん発生益という一過性の特別利益が大きく寄与している点には留意が必要です。特別利益を除いた本業の成長性も高水準ですが、さらなる継続的な成長が求められます。
収益性
評価: C (やや不安)
根拠: ROE(実績)は4.15%でベンチマークの10%を大幅に下回っており、ROA(過去12か月)も0.19%とベンチマークの5%に遠く及びません。株主資本や総資産を効率的に活用して利益を上げているとは言えない状況であり、全体として低収益体質であると評価されます。営業利益率は28.25%と高水準ですが、これは銀行の利益構造の特性によるものであり、最終的な資本効率には課題が残ります。
財務健全性
評価: B (普通)
根拠: 自己資本比率は4.7%(直近四半期で5.3%)と、銀行業における国内基準行の最低ライン(4%)はクリアしているものの、一般的に十分な余裕がある水準とは言えません。しかし、Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアは1/3と低い評価ですが、株式の希薄化は抑えられています。直近での自己資本比率の改善傾向は評価できるため、全体としては普通と判断します。流動比率のデータは提供されていません。営業キャッシュフローがマイナスである点は懸念材料です。
バリュエーション
評価: B (比較的割安)
根拠: PER(会社予想)は5.88倍と業界平均10.7倍の約55%と割安であり、PBR(実績)は0.52倍で業界平均0.4倍をやや上回るものの、依然として1倍を大幅に下回っています。PBRが1倍を下回る企業は、現状では市場から企業価値が十分に評価されていない可能性があります。ただし、現在の株価はPER/PBR基準での目標株価(1,678円/1,530円)を上回っており、直近の株価急騰で割安感は薄れていますが、業界平均との比較では相対的な割安感は残存すると言えます。
企業情報
| 銘柄コード | 8387 |
| 企業名 | 四国銀行 |
| URL | http://www.shikokubank.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,354円 |
| EPS(1株利益) | 400.49円 |
| 年間配当 | 2.38円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.3% | 6.8倍 | 3,348円 | 7.4% |
| 標準 | 3.3% | 5.9倍 | 2,775円 | 3.4% |
| 悲観 | 2.0% | 5.0倍 | 2,210円 | -1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,354円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,386円 | △ 70%割高 |
| 10% | 1,731円 | △ 36%割高 |
| 5% | 2,184円 | △ 8%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.20)」によって自動生成されました。
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