企業の一言説明

住友金属鉱山は、銅、ニッケル、金などの非鉄金属の採掘、精錬、加工から電子材料・電池材料まで一貫して手掛ける、素材産業を支えるリーディングカンパニーです。特にニッケル製錬技術に強みを持つ企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 業績の急回復と成長期待: 最新の2026年3月期第3四半期決算では、主要金属価格の安定上昇と電池材料事業の増益を背景に、売上高、利益ともに前年同期比で大幅な増加を達成しました。通期予想も大幅な増益を見込んでおり、業績のV字回復が期待されます。
  • 強固な財務基盤と高いPiotroski F-Score: 自己資本比率60.1%、流動比率169%と財務健全性は極めて高く、Piotroski F-Scoreも8/9と優良な評価を獲得しています。これにより、景気変動や設備投資に対する耐性が高いと評価できます。
  • 金属価格変動リスクとバリュエーションの課題: 非鉄金属価格の変動は収益に大きな影響を与えやすく、コモディティリスクが高いです。また、現在のPERは業界平均と比べて著しく低い一方で、PBRは業界平均より割高であり、株価の適正水準を判断する上で注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 堅実成長
収益性 A 良好
財務健全性 S 優良
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 9,320.0円
PER 18.09倍 業界平均80.40倍
PBR 1.33倍 業界平均0.80倍
配当利回り 1.96%
ROE 5.04%

1. 企業概要

住友金属鉱山は、銅、ニッケル、金などの非鉄金属の採掘、製錬、販売から、電子材料、電池材料の製造までを一貫して手掛ける総合非鉄金属メーカーです。主力は製錬事業と材料事業で、特に電気自動車に不可欠なニッケル系電池材料で高い技術と供給能力を持ち、収益の柱となっています。

2. 業界ポジション

住友金属鉱山は、国内非鉄金属業界のリーディングカンパニーの一つとして確立された地位を築いています。特にニッケルに関する高い技術力は国内外で評価されており、電気自動車(EV)市場の成長とともに需要が高まる電池材料分野で競争優位性を持ちます。業界平均PER80.4倍に対し18.09倍と割安感がある一方、業界平均PBR0.8倍に対し1.33倍とやや割高感も見て取れます。

3. 経営戦略

住友金属鉱山は、中長期的な視点に立ち、金属資源の安定確保と、ニッケル系正極材に代表される高機能材料事業の拡大を成長戦略の二本柱としています。海外鉱山開発への重点投資を継続し、資源自給率の向上に努めています。最近の2026年3月期第3四半期決算では、主要金属価格の上昇と電池材料の増益により、全セグメントで大幅な利益改善を達成し、通期業績予想も上方修正されました。

今後のイベント:

  • 2026年3月30日: 配当落ち日 (Ex-Dividend Date)
  • 2026年5月7日: 次期決算発表日 (Earnings Date)

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで優良。
財務健全性 3/3 流動比率が健全で負債比率も低く、株式希薄化の懸念もなし。
効率性 2/3 営業利益率は良好だが、ROEは目標値に届かず改善余地あり。

住友金属鉱山のPiotroski F-Scoreは8/9と「S: 財務優良」と判定されました。これは、同社の財務が収益性、健全性、効率性の全般にわたって非常に良好な状態にあることを示しています。特に、純利益と営業キャッシュフローが安定してプラスを維持し、流動比率や負債比率も健全な水準です。一方で、ROEが10%を上回っていない点に改善の余地が指摘されていますが、全体としては極めて強固な財務基盤です。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 14.56%
    • 同社の営業利益率は比較的高い水準にあり、本業で安定した利益を創出する能力を示しています。
  • ROE(過去12か月): 5.04% (ベンチマーク: 10%)
    • 株主資本利益率はベンチマークの10%を下回っており、株主資本を効率的に活用して利益を上げているとは言えない状況です。これは過去の業績低迷期が含まれるためと考えられますが、今後の業績回復による改善が期待されます。
  • ROA(過去12か月): 1.65% (ベンチマーク: 5%)
    • 総資産利益率もベンチマークの5%を下回っており、資産全体を効率的に活用できているとは言い難いです。これも過去の業績低迷が影響している可能性があります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 60.1%
    • 自己資本比率は60%を超えており、非常に高い水準で財務の安定性を示しています。負債に依存するリスクが低く、経営の自由度が高いと言えます。
  • 流動比率(直近四半期): 1.69倍(169%)
    • 流動比率は169%と、短期的な支払い能力を示す健全な水準にあります。即座に現金化できる資産が短期負債を十分に上回っており、短期的な資金繰りの心配は少ないでしょう。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 1,683億7,000万円
    • 本業で潤沢なキャッシュフローを生み出しており、事業活動が順調であることを示しています。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): -397億8,000万円
    • 営業キャッシュフローは堅調であるものの、多額の設備投資や M&A などによる投資キャッシュフローが大きく、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは将来の成長に向けた積極的な投資の結果と考えられますが、継続的にマイナスが続く場合は注意が必要です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 1.77
  • 利益の質評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))
    • 営業CFが純利益を大幅に上回っており、優良な利益の質を示しています。会計上の利益が実質的なキャッシュフローによって裏付けられているため、粉飾決算などの疑いは極めて低いと言えます。

【四半期進捗】

住友金属鉱山の2026年3月期第3四半期決算は非常に好調で、通期予想に対する進捗率も高水準です。

  • 売上高進捗率: 73.7%(通期予想1兆6,970億円に対し、実績1兆2,507億2,100万円)
  • 税引前利益進捗率: 70.9%(通期予想2,090億円に対し、実績1,482億5,800万円)
  • 親会社帰属当期利益進捗率: 77.3%(通期予想1,400億円に対し、実績1,081億8,800万円)

セグメント別では、資源セグメントは売上高2,020億3,700万円(前年同期比+27.4%)、セグメント利益977億500万円(同+22.7%)と大幅増益。製錬セグメントも黒字転換し、材料セグメントは売上高は減少したものの、電池材料が好調で利益は366.3%増加しています。主要金属価格(銅、金)の上昇が業績拡大に大きく寄与しました。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 18.09倍
    • 業界平均PER(80.4倍)と比較すると、大幅に低い水準にあり、一見すると割安感があります。しかし、業界平均PERは特殊な高PER企業の影響を受けている可能性もあるため、絶対的なPER水準で評価することも重要です。
  • PBR(実績): 1.33倍
    • 業界平均PBR(0.8倍)と比較すると、やや高い水準にあり、株価が純資産に対して割高であることを示唆しています。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 7,151円
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 5,621円
    • 現在の株価9,320円は、業界平均基準で算出した目標株価を上回っており、バリュエーションはやや割高と判断されます。ただし、最新の決算で業績が急回復している点を考慮すると、過去の目標株価は必ずしも将来を反映しているとは限りません。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値:735.45 / シグナル値:716.9 短期的には上昇モメンタムが見られるが、シグナルは中立。
RSI 中立 59.2% 売られすぎでも買われすぎでもない中立圏にある。
5日線乖離率 -6.61% 直近の株価は短期移動平均線を下回っている。
25日線乖離率 +5.54% 短期トレンドからやや上方に乖離。
75日線乖離率 +40.53% 中期トレンドから大きく上方に乖離。
200日線乖離率 +91.28% 長期トレンドから非常に大きく上方に乖離しており、過熱感がある。

【テクニカル】

現在の株価(9,320円)は、52週高値(11,020円)から約15%低い位置にありますが、52週安値(2,374円)からは大幅に上昇した水準にあります。移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線を下回っていますが、25日、75日、200日移動平均線を大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドが継続しています。特に75日線および200日線からの乖離率が大きいことは、短期間での株価急騰による過熱感を示唆する可能性があります。

【市場比較】

住友金属鉱山は、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均株価およびTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特に、過去1年間では日経平均を112.28ポイント、TOPIXを116.72ポイント上回るパフォーマンスを見せており、市場全体を牽引するほどの強いモメンタムを持つ銘柄と言えます。

【注意事項】

  • ⚠️ 信用倍率8.46倍と高水準であり、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 48.15%
    • 同社の株価は年間で約48.15%程度の変動があり、比較的ボラティリティが高い銘柄です。仮に100万円投資した場合、年間で±48.15万円程度の変動が想定され、投資家のリスク許容度によっては注意が必要です。
  • シャープレシオ: -0.59
    • シャープレシオがマイナスであることは、リスクを取ったことに対して十分なリターンが得られていないことを示唆しています。これは過去の株価変動に基づいているため、業績回復後の将来的な改善が期待されます。
  • 最大ドローダウン: -77.75%
    • 過去に最大で77.75%の株価下落を経験しています。この程度の大きな下落は今後も起こりうるリスクとして認識し、十分な資金管理を行う必要があります。
  • 年間平均リターン: -27.68%
    • 過去の統計上、年間平均リターンはマイナスです。これは、直近の好パフォーマンスとは異なる過去の長期平均を示唆しており、高ボラティリティの中で利益を出すことの難しさを表している可能性があります。

【事業リスク】

  • コモディティ価格変動リスク: 銅、ニッケル、金などの非鉄金属価格は、世界の景気動向、需給バランス、為替相場、地政学リスクにより大きく変動します。同社の業績はこれらの価格変動に直接影響を受けやすく、急激な価格下落は収益を圧迫する可能性があります。
  • 為替変動リスク: 製品の輸出入、海外事業の収益、原材料調達において為替レートの変動は業績に大きな影響を与えます。特に円安は輸出企業の収益を押し上げますが、輸入コストの上昇や逆転した場合のリスクも存在します。
  • 地政学・資源国リスク: 海外鉱山からの資源調達は、資源国の政治情勢、規制変更、労働問題などの地政学リスクに晒される可能性があります。安定供給が困難になった場合、生産計画やコストに悪影響を及ぼす恐れがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が324万株に対し、信用売残は38万株と、信用倍率は8.46倍と高水準です。これは投資家の買いが優勢であることを示し、将来の売り圧力が蓄積している可能性があります。

主要株主構成(上位3社):

  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 15.82%
  • 自社(自己株口): 6.97%
  • 日本カストディ銀行(信託口): 6.79%

8. 株主還元

会社予想に基づく配当利回りは1.96%で、1株配当は183円です。最新の会社予想EPS(515.30円)に基づく配当性向は35.51%と、利益の約3分の1を配当に回す健全な水準です。自社株買いに関する直近の特記事項はデータにありません。

SWOT分析

強み

  • 非鉄金属の一貫生産体制とニッケル系電池材料における高技術力
  • 強固な財務体質と安定した営業キャッシュフロー

弱み

  • コモディティ価格変動に業績が左右されやすい
  • フリーキャッシュフローが投資活動によりマイナス

機会

  • 電気自動車(EV)市場拡大に伴う電池材料需要の増加
  • 世界的な脱炭素化の流れにおける金属資源の需要増

脅威

  • 地政学リスクや資源国の政治情勢による供給不安定化
  • 為替変動や原材料価格の高騰によるコスト増加

この銘柄が向いている投資家

  • 中長期的な成長に期待する投資家: EV関連や脱炭素化の恩恵を受ける素材セクターへの投資意欲が高い方。
  • 財務安定性を重視する投資家: 強固な財務基盤と高いF-Scoreを評価する方。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 金属価格や為替の変動が業績に与える影響は大きいため、市況を継続的に監視する必要があります。
  • 信用倍率が高水準であり、将来の株価調整局面における売り圧力に注意が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • ニッケル・銅・金価格の国際市場動向: 特にEV需要動向と連動したニッケル価格の推移。
  • 四半期決算における電池材料事業の販売動向と収益性: 成長セグメントの収益貢献度。
  • フリーキャッシュフローの改善動向: 投資とリターンのバランス。

成長性: B (堅実成長)

2025年3月期から2026年3月期予想にかけての売上高成長率は約6.5%と、堅実な伸びが見込まれます(評価基準: 5-10%でB)。直近の四半期売上成長率も10.24%とプラスであり、安定した成長傾向にあると評価できます。

収益性: A (良好)

過去12か月の営業利益率は14.56%と高く(評価基準: 10-15%でA)、本業での稼ぐ力は良好です。一方で、ROE(過去12か月)は5.04%と振るわないものの、最新の決算短信では大幅な利益回復が示されており、今後のROE改善が期待されます。総合的に判断し、A評価としました。

財務健全性: S (優良)

自己資本比率60.1%(評価基準: 60%以上でS)、流動比率169%(評価基準: 150%以上でA)と非常に高い水準です。Piotroski F-Scoreも8/9と優良な評価を獲得しており(評価基準: 7点以上でS)、極めて強固な財務基盤を持つと評価できます。

バリュエーション: C (やや割高)

PER(18.09倍)は業界平均(80.4倍)に比べて大幅に低いですが、これは業界全体の特殊性に起因する可能性があります。一方、PBR(1.33倍)は業界平均(0.8倍)より割高です。また、現在の株価は業種平均PER基準およびPBR基準で算出した目標株価を上回っており、割高感があると判断されるため、C評価としました。


企業情報

銘柄コード 5713
企業名 住友金属鉱山
URL http://www.smm.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 9,320円
EPS(1株利益) 515.30円
年間配当 1.96円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 31.6倍 16,259円 11.8%
標準 0.0% 27.4倍 14,138円 8.7%
悲観 1.0% 23.3倍 12,630円 6.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 9,320円

目標年率 理論株価 判定
15% 7,034円 △ 32%割高
10% 8,785円 △ 6%割高
5% 11,085円 ○ 16%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.21)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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