企業の一言説明

巴コーポレーションは、大張間構造建築や電力鉄塔に強みを持つ、高度な鋼構造技術を展開する建設業の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高度な技術力とニッチな市場での優位性: 無柱建築や特殊鋼構造物、電力鉄塔など、高い技術力を要する分野で実績があり、安定した需要が見込めます。
  • 良好な財務健全性: 自己資本比率が50%を超え、流動比率も高く、Piotroski F-Scoreも「良好」と評価されるなど、堅固な財務基盤を有しています。
  • 業績の一過性利益と今後の変動リスク: 2025年3月期には不動産売却益などによる一時的な大幅増益を計上しましたが、2026年3月期の業績予想は減益を見込んでおり、特に短期的な収益変動には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞傾向
収益性 D 低い
財務健全性 A 良好
バリュエーション C やや割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,014.0円
PER 23.33倍 業界平均11.3倍
PBR 0.99倍 業界平均0.7倍
配当利回り 1.19%
ROE 2.58%

1. 企業概要

巴コーポレーションは1917年創業の歴史ある企業で、総合建設、鋼構造物建設、不動産の3事業を展開しています。主力は大規模な空間を必要とする大張間構造建築や、橋梁、電力鉄塔などの鋼構造物建設であり、特に無柱建築技術に優れています。これらの事業は高度な設計・製造・施工技術を要するため、新規参入障壁が高いのが特徴です。不動産事業は収益の多様化に寄与しています。

2. 業界ポジション

巴コーポレーションは、特定の高度な鋼構造技術を必要とするニッチ市場において優位性を確立しています。一般的な建設業の中でも、その専門性から独自のポジションを築いています。競合に対しては、長年の実績と技術力が強みです。市場シェアについては具体的なデータはありませんが、大張間構造や鉄塔分野では高いプレゼンスを持つと推測されます。
財務指標については、PER 23.33倍に対し業界平均が11.3倍と、同社株価は利益と比較して割高感があります。PBR 0.99倍に対し業界平均が0.7倍であり、こちらも業界平均より若干高い水準です。

3. 経営戦略

中期経営計画に関する具体的な記述は提供データにありませんが、同社は歴史を通じて培ってきた大張間構造建築と鋼構造技術を基盤とし、社会インフラの整備や大規模商業施設などの建設に貢献しています。2025年3月期に計上された多額の純利益は不動産関連の一過性要因とみられ、事業ポートフォリオにおける不動産事業の戦略的な活用も示唆されます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。直近の決算短信では、売上高・営業利益の進捗率が通期予想に対して比較的低い水準であり、特に鉄構建設事業の売上高・営業利益は前期比で減少しています。これは、市場環境の変化やプロジェクトの特性に起因する可能性があります。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 2/3 (純利益、ROAは良好)
財務健全性 3/3 (流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化なしは優良)
効率性 0/3 (営業利益率、ROE、四半期売上成長率は低い/マイナス)

巴コーポレーションのPiotroski F-Scoreは5/9と「良好」と評価されます。これは、特に財務健全性において高評価を得ているためです。
収益性では、純利益がプラスであり、ROAもプラスであることから2点を獲得しています。しかし、営業キャッシュフローのデータが提供されていないため、満点評価には至っていません。
財務健全性では、流動比率が基準値を大きく上回り、有利子負債も限定的で、株式の希薄化も起きていないため、全ての項目で満点(3点)を獲得しており、堅固な財務体質を示しています。
効率性では、営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも基準を下回っているため、0点となっています。これは、現状の資産活用や事業活動における収益効率に改善の余地があることを示唆しています。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 7.72%
    • 一般的な目安とされる10%には届いておらず、効率性スコアでも指摘されたように、収益効率には改善の余地があります。
  • ROE(実績): (連)26.10% (ただし、過去12ヶ月では2.58%)
    • 提供データには2つのROEの値が存在しますが、F-Scoreや希薄化EPSの推移を考慮すると、2025年3月期に計上された多額の純利益(14,849百万円)は不動産売却益などによる一過性のものと判断できます。過去12ヶ月のROE 2.58%を実力値に近いものと評価します。一般的な目安である10%を大きく下回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が現状では低いと言えます。
  • ROA(過去12か月): 1.45%
    • 一般的な目安である5%を大きく下回っており、総資産に対する利益創出力が低い現状を示しています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): (連)53.5%
    • 一般的に40%以上が望ましいとされる中で、50%を超える水準は非常に良好な財務健全性を示しており、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる強固な財務基盤があります。
  • 流動比率(直近四半期): 2.11倍 (211%)
    • 短期的な支払い能力を示す指標で、200%以上が優良とされる中で、高い水準を維持しており、短期的な資金繰りに問題はないと判断できます。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF: データなし
  • FCF: データなし
    • 営業キャッシュフローの情報がないため、基本的な事業活動による現金の創出能力を直接評価することはできません。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: データなし
    • 営業キャッシュフローのデータがないため、この指標による利益の質の評価はできません。

【四半期進捗】

  • 直近四半期(令和8年3月期 第3四半期)実績:
    • 売上高: 20,458百万円(前期比 △21.4%)
    • 営業利益: 1,777百万円(前期比 △39.6%)
    • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 1,623百万円(前期比 △88.7%)
  • 通期予想(修正済)に対する進捗率:
    • 売上高進捗率: 約60.2% (通期予想34,000百万円に対し20,458百万円)
    • 営業利益進捗率: 約43.3% (通期予想4,100百万円に対し1,777百万円)
    • 純利益進捗率: 約50.7% (通期予想3,200百万円に対し1,623百万円)
  • 直近3四半期の売上高・営業利益の推移: データなし(直近四半期の情報のみ)
    • 直近四半期の業績は前期比で売上高、営業利益、純利益ともに大幅な減少を示しており、通期予想に対する進捗も低い水準です。特に純利益の落ち込みが大きいのは、前期に計上された一過性の特別利益が無くなった影響が大きいです。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 23.33倍
    • 業界平均PER 11.3倍と比較すると、2倍以上と大幅に割高感がある水準です。これは、2026年3月期の会社予想EPSが2025年3月期の実績から大きく減少したことによる影響が大きいです。
  • PBR(実績): 0.99倍
    • 業界平均PBR 0.7倍と比較するとやや高いですが、1倍を下回っており、理論上は会社の解散価値よりも株価が低い状態を示しています。これは、企業の純資産価値と比較すると割安である可能性を示唆しますが、成長性や収益性の懸念も考慮が必要です。
  • 割安/適正/割高の判定: 業界平均PERと比較して割高、PBRでみると純資産に対しては割安感があるものの業界平均よりは高いことから、総合的には「やや割高」と判断されます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -25.24 / シグナル値: -6.62 短期的なトレンドは明確ではない
RSI 中立 42.2% 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な水準
5日線乖離率 -0.18% 直近のモメンタムは移動平均線にごく近い
25日線乖離率 -5.64% 短期トレンドからやや下方に乖離
75日線乖離率 -1.99% 中期トレンドからわずかに下方に乖離
200日線乖離率 +19.27% 長期トレンドからは大きく上方に乖離

現在のMACDシグナルは中立で、RSIも過熱感のない水準です。移動平均線乖離率は、長期的な200日移動平均線に対しては株価が大幅に上回っているものの、短期・中期移動平均線に対しては下回る傾向にあり、短期的には調整局面にあることが伺えます。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価2,014.0円は、52週高値2,339.0円(レンジ74.8%)の近辺にあり、年初来高値に比較的近い水準です。今年の安値は935円ですが、直近の52週安値は1,084.0円から大きく上昇しています。
  • 移動平均線との関係: 現在株価は5日移動平均線をわずかに下回っており、25日・75日移動平均線も下回っています。一方で、長期である200日移動平均線(1,695.07円)は大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドは継続しているものの、短期的には調整局面にあることを示唆しています。

【市場比較】

  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
    • 1ヶ月リターンでは日経平均比で15.67%ポイント下回っており、TOPIX比でも13.91%ポイント下回っています。短期的には市場全体の勢いに乗り切れていない状況です。
    • しかし、1年リターンでは日経平均比で19.39%ポイント上回るパフォーマンスとなっており、中長期的には良好なパフォーマンスを示しています。これは短期間での株価急上昇を伴った可能性があるため、今後の動向に注目が必要です。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が16.24倍と高水準です。これは、将来の売り圧力が蓄積している可能性があり、株価調整時には下落を加速させる要因となることに注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.37
    • 市場全体の動きに対する株価の感応度を示します。0.37という値は、市場が1%変動した際に、この銘柄の株価が0.37%変動する傾向があることを意味し、市場全体と比較して株価の変動が小さい(ディフェンシブな)銘柄であると言えます。
  • 年間ボラティリティ: 38.30%
    • 株価の年間変動率を示します。比較的高いボラティリティであり、株価が大きく変動する可能性があることを示唆しています。
  • 最大ドローダウン: -72.57%
    • 過去の特定の期間において、株価が最も大きく下落した割合を示します。仮に100万円投資した場合、過去には最大で72.57万円程度の損失を経験する可能性があったことを意味し、今後も同様の下落が想定されるリスクがあります。
  • シャープレシオ: -1.40
    • リスクに見合ったリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされる中でマイナス値であることは、現状でリスクを多く取っている割に十分なリターンが得られていないことを示唆します。
  • 仮に100万円投資した場合、年間で±38.3万円程度の変動が想定されます。

【事業リスク】

  • 建設需要の変動: 建設業界は景気や公共投資に大きく左右されるため、国内景気の悪化や政府の政策転換が事業収益に影響を与える可能性があります。
  • 原材料価格の高騰: 鋼材を多く使用する事業特性上、鋼材価格などの原材料価格の変動がコスト増となり、採算性を圧迫するリスクがあります。
  • 競争激化と技術革新: 建設業界内での競争激化や、他社の新技術開発により、同社の技術的優位性が相対的に低下する可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が1,050,500株、信用売残が64,700株であり、信用倍率は16.24倍と高水準です。これは、株価が大きく上昇した場合に、将来的な利益確定売りによる上値圧力がかかる可能性を示唆しています。
  • 主要株主構成: 自社(自己株口)が9.48%と筆頭株主であり、公益財団法人や特定の法人、金融機関が上位株主として名を連ねています。機関投資家よりも事業会社や関連団体による安定株主が多い構造と言え、安定した経営基盤を支える一方で、市場での流動性が限定的となる可能性もあります。インサイダー保有比率が41.55%と高く、経営陣による支配が強いことを示しています。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.19%
    • 現在の株価では、高配当銘柄とは言えません。
  • 1株配当(会社予想): 24.00円
  • 配当性向: 24.79% (データ提供箇所によるが、「配当性向: 6.4%」と異なる値もある。会社の予想EPSから計算すると、24円/86.73円 = 約27.6%)
    • 配当性向は一般的に30-50%が標準とされる中で、比較的低い水準です。これは、利益の多くの部分を内部留保に回し、将来の成長投資や財務体質の強化に充当している可能性があります。ただし、2025年3月期の一過性利益を除いた実質的な配当性向は、今回提示されている会社予想EPSに基づく27.6%程度と見られます。
  • 自社株買いの状況: データなし
    • 提供データから自社株買いの具体的な状況は読み取れませんが、自己株式を9.48%保有していることから、過去に自社株買いを実施した実績があることが伺えます。

SWOT分析

強み

  • 高度な鋼構造技術と専門性によるニッチ市場での優位性
  • 強固な財務基盤(高自己資本比率、高流動比率)

弱み

  • 四半期ベースでの売上高・利益の減少傾向と成長の停滞
  • 収益性指標(ROE、ROA、営業利益率)の低さ(一過性利益を除く)

機会

  • 老朽化したインフラ設備の更新需要(橋梁、電力鉄塔など)
  • 脱炭素や環境配慮型建築への需要増加

脅威

  • 建設資材価格の高騰や人件費の上昇
  • 少子高齢化による国内建設市場の縮小

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と流動比率は、企業の安定性を示しています。
  • 技術力のあるニッチトップ企業に注目する投資家: 特殊な鋼構造技術は参入障壁が高く、独自の強みを持っています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性の持続性と一過性利益の影響: 2025年3月期の大幅増益は特殊要因によるものであり、今後の収益が一時的な反動で大幅に落ち込む可能性を考慮する必要があります。
  • バリュエーションの割高感と信用倍率: PERは業界平均と比較して割高であり、信用倍率も高水準であるため、株価調整のリスクを念頭に置くべきです。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとの売上高および営業利益の回復状況: 現在の減少傾向が反転し、成長軌道に乗れるかを確認する。
  • 新たな大型プロジェクト受注の有無: 成長ドライバーとなる新規大型案件の獲得状況を注視する。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (停滞傾向)
    • 直近四半期の売上高成長率が前年比-16.70%とマイナスであり、通期予想売上高も前期比△1.9%と減少傾向にあるため、成長性が低いと判断しました。
  • 収益性: D (低い)
    • 過去12ヶ月のROEが2.58%(ベンチマーク10%未満)かつ営業利益率が7.72%(ベンチマーク3%以上だが10%未満)であり、提供データにある2025年3月期の高ROEは一過性の特殊要因によると判断したため、実質的な収益性は低いと評価しました。
  • 財務健全性: A (良好)
    • 自己資本比率53.5%(ベンチマーク40-60%)と流動比率211%(ベンチマーク200%以上)は良好な水準です。Piotroski F-Scoreも5/9点と「良好」であり、堅固な財務基盤を持つと評価しました。
  • バリュエーション: C (やや割高)
    • PER23.33倍は業界平均PER11.3倍の2倍以上であり、大幅に割高感があります。PBR0.99倍は業界平均PBR0.7倍より高いものの1倍未満であり、純資産に対してはやや割安感があるものの、PERの割高感を考慮して総合的に「やや割高」と判断しました。

企業情報

銘柄コード 1921
企業名 巴コーポレーション
URL http://www.tomoe-corporation.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 建設業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,014円
EPS(1株利益) 86.73円
年間配当 1.19円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 24.8倍 2,147円 1.3%
標準 0.0% 21.5倍 1,867円 -1.4%
悲観 1.0% 18.3倍 1,668円 -3.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,014円

目標年率 理論株価 判定
15% 931円 △ 116%割高
10% 1,163円 △ 73%割高
5% 1,467円 △ 37%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.21)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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