企業の一言説明

TONEは、作業用工具やボルト締結機器を中心に「TONE」ブランドで国内外に展開する、建設・資材業界における有力な製造販売企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて高い財務健全性: 自己資本比率77.8%、流動比率7.15倍と盤石な財政基盤を持ち、Piotroski F-Scoreは7/9点で「優良」と評価されています。
  • 競争力の高い収益構造: 高い営業利益率(過去12か月で15.68%)を維持しており、本業での稼ぐ力は良好です。
  • 直近の業績悪化とバリュエーション: 直近四半期は減収減益で着地し、通期進捗も芳しくありません。PER、PBRともに業界平均と比較して割高感があり、株価は市場平均を下回る推移です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞・懸念
収益性 S 極めて優良
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション D 割高感が強い

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 480.0円
PER 13.06倍 業界平均11.3倍 (約115%相当)
PBR 0.93倍 業界平均0.5倍 (約186%相当)
配当利回り 1.88%
ROE 7.16%

1. 企業概要

TONE(5967)は1938年創業の作業用工具大手です。主力はレンチやソケット、トルクレンチ、電動工具などの各種締結機器で、「TONE」ブランドとして国内外に供給しています。製品は自動車、建設、航空宇宙、プラントエンジニアリングなど多岐にわたる産業で使用されており、高い技術力と品質管理が強みです。長年の事業活動で培われたブランド力と、幅広い産業ニーズに対応できる製品ラインナップが参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

TONEは金属製品製造業、特に作業用工具分野における有力なプレイヤーの一角を占めます。ニッチな専門工具市場において、長年の歴史と「TONE」ブランドによる高い認知度と信頼性を確立しています。競合他社と比較して、幅広い産業向けにカスタム対応が可能な点が強みですが、一方で国内市場の成熟や価格競争の激化は弱みとなり得ます。現在のPER(会社予想13.06倍)は業界平均PERの11.3倍を上回り、PBR(実績0.93倍)は業界平均PBR0.5倍を大きく上回っており、バリュエーション面では業界平均と比較して割高感が強い状況です。

3. 経営戦略

TONEは、長年にわたり培ってきた高精度な作業用工具の技術を基盤に、国内外での事業拡大を目指しています。特に、決算短信で「海外セグメントは増収増益」と報告されており、ベトナム進出などの海外展開は成長戦略の重要な柱であると推察されます。国内市場では省力化ニーズに対応した電動工具などの高付加価値製品の提供に注力していると見られます。ただし、直近の決算では売上高、営業利益ともに減少しており、戦略遂行の進捗には注意が必要です。
今後のイベント:

  • 2026年5月28日 UTC: Ex-Dividend Date(配当落ち日)

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで、収益基盤の安定性を示します。
財務健全性 3/3 強固な流動比率と低い負債比率、株式希薄化がないことが評価されます。
効率性 1/3 ROEが10%を下回り、四半期売上高成長率がマイナスである点が課題です。

財務品質は、ピオトロスキーFスコアで総合7/9点と「優良」評価です。特に収益性と財務健全性において全て満点を獲得しており、本業でしっかりと稼ぎ、かつその資金が適切に管理されている強固な財務体質を示しています。一方で、効率性の項目でROEがベンチマークを下回り、直近の四半期売上高成長率がマイナスとなっている点は、今後の改善が期待されます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 15.68% (通期予想営業利益率: 13.7%)
    • 高い水準であり、本業での稼ぐ力が良好であることを示します。
  • ROE(実績): 7.16%
    • 株主資本を効率的に活用して利益を生み出す指標。一般的な目安である10%を下回っており、改善の余地があります。
  • ROA(過去12か月): 3.89% (ベンチマーク: 5%)
    • 企業が保有する総資産をどれだけ効率的に使って利益を出しているかを示す指標。一般的な目安である5%を下回っており、資産効率の面でも改善の余地が見られます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 77.8% (高いほど健全)
    • 負債に頼らず、自己資金で事業を行えている割合。極めて高い水準であり、財務基盤が非常に安定していることを示します。
  • 流動比率(直近四半期): 7.15倍 (200%以上が安全水準)
    • 短期的な支払い能力を示す指標。700%を超える非常に高い水準であり、短期的な債務返済能力には全く問題がありません。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 20億6,000万円
    • 本業で安定してキャッシュを生み出しています。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 16億7,000万円
    • 営業活動で得たキャッシュから投資活動に必要な資金を差し引いたもので、企業の自由に使える資金。潤沢なフリーキャッシュフローを生み出しており、投資や株主還元に充てる余力があります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 2.92
    • 純利益がどれだけ実際のキャッシュフローを伴っているかを示す指標。1.0以上が健全とされ、2.92という高水準は、利益の質が極めて高く、見せかけの利益ではないことを示しています。
  • 利益の質評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))

【四半期進捗】

2026年5月期 第2四半期(中間期)決算短信によると、直近の業績は前年同期比で減収減益で着地しています。

  • 売上高: 3,407百万円(前年同期比△4.0%)
  • 営業利益: 491百万円(前年同期比△4.4%)
  • 純利益(親会社株主に帰属): 377百万円(前年同期比△17.7%)

通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高: 40.6% (通期予想8,400百万円に対し)
  • 営業利益: 42.7% (通期予想1,150百万円に対し)
  • 純利益: 47.1% (通期予想800百万円に対し)

現状では通期予想に対する進捗率は50%に満たない状況であり、下半期での挽回が求められます。特に純利益の進捗は最も良いものの、前年同期比の大幅な減益は注視すべき点です。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 13.06倍 (業界平均11.3倍)
    • 株価が利益の何倍かを示す指標。業界平均と比較してやや割高な水準です。
  • PBR(実績): 0.93倍 (業界平均0.5倍)
    • 株価が純資産の何倍かを示す指標。業界平均と比較して大幅に割高な水準であり、解散価値から見ると現在の株価は純資産価値を上回っています。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 365円
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 270円

上記の通り、業界平均基準では現在の株価480.0円は割高と評価されます。ただし、TONEの高い財務健全性やブランド価値が、業界平均よりも高い評価につながっている可能性も考慮する必要があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -2.88 / シグナル値: -3.28 短期的な売買シグナルは明確ではありません。
RSI 中立 42.5% 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な水準です。
5日線乖離率 -0.58% 短期移動平均線からやや下方に乖離しています。
25日線乖離率 -1.16% 短期トレンドからわずかに下方に乖離しています。
75日線乖離率 -7.34% 中期トレンドから約7%下方に乖離しており、中期的な下降トレンドを示唆します。
200日線乖離率 -8.87% 長期トレンドから約9%下方に乖離しており、長期的な下降トレンドを継続していることを示唆します。

MACD、RSIともに中立的な状態ですが、全ての移動平均線を下回っており、特に中期・長期の移動平均線からは大きく乖離しているため、現在の株価は下降トレンドの局面にあります。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価480.0円は、52週安値437.0円から19.7%上に位置しており、直近の下落を経て安値圏に近づいています。年初来高値655.0円からは大きく下落しています。
  • 移動平均線との関係: 現在の株価480.0円は、5日移動平均線482.80円、25日移動平均線485.64円、75日移動平均線518.00円、200日移動平均線526.83円の全てを下回っています。これは、短期、中期、長期いずれのトレンドにおいても下降局面にあることを示唆しています。

【市場比較】

TONEの株価は、市場全体と比較してアンダーパフォームしています。

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式-2.04% vs 日経+7.68% → 9.72%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式-22.08% vs 日経+12.92% → 35.00%ポイント下回る
    • 6ヶ月: 株式-0.41% vs 日経+33.24% → 33.65%ポイント下回る
    • 1年: 株式-7.16% vs 日経+46.51% → 53.66%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式-2.04% vs TOPIX+6.09% → 8.14%ポイント下回る

直近1ヶ月から1年まで、日経平均およびTOPIXといった主要株価指数と比較して、TONEの株価は大きく劣後しています。これは、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない、あるいは市場がTONEの成長性や収益性に懸念を抱いている可能性を示唆しています。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 34.95%
    • 株価が過去1年間で平均的にどの程度変動したかを示す指標。比較的高い水準であり、株価が大きく変動するリスクがあることを示します。
  • シャープレシオ: 0.36
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標。1.0以上が良好とされる中で0.36という値は、取っているリスクに対してリターンが十分ではないことを示唆します。
  • 最大ドローダウン: -34.83%
    • 過去に株価が最高値から最大でどの程度下落したかを示す指標。仮に100万円投資した場合、年間で±34.95万円程度(ボラティリティから換算)の変動が想定され、過去には最大で34.83万円程度の含み損を経験する可能性があったことを意味します。
  • ベータ値(5Y Monthly): 0.43
    • 市場全体の動きに対する株価の感応度を示す指標。1.0未満であるため、市場全体が変動する際の株価の変動幅は市場よりも小さい傾向にあります。

【事業リスク】

  • 国内市場の成熟と競争激化: 国内の工具市場は成熟しており、国内外からの競争が激化しています。特に安価な海外製品との価格競争は、利益率に影響を与える可能性があります。
  • 海外事業展開のリスク: ベトナム進出など海外事業の拡大は成長機会がある一方で、為替変動リスク、地政学的リスク、現地の法規制リスク、サプライチェーンの混乱リスクなどを伴います。
  • 原材料価格の変動: 金属製品を主力とするため、鉄鋼などの原材料価格の変動は製造コストに直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況:
    • 信用買残: 722,200株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍
      信用売残が0株であるため信用倍率は0.00倍と表示されていますが、信用買残が722,200株存在します。これは、将来的な買い圧力がない一方で、信用買い残が解消される際には売り圧力となる可能性があるため、注意が必要です。特に、出来高が6,100株と少ないため、信用買い残の水準は重しになる可能性があります。
  • 主要株主構成:
    • スパイラルキャピタルパートナーズ(株): 13.25%
    • 中央自動車工業: 8.54%
    • 日本生命保険: 4.84%
    • 日本カストディ銀行(信託口): 4.30%
    • 山善: 4.07%
      上位株主には事業会社や金融機関が含まれており、安定株主が一定数存在しています。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.88%
    • 現在の株価に対する年間の配当金の割合。
  • 1株配当(会社予想): 9.00円
  • 配当性向: 27.86%
    • 利益に対する配当金の割合。30~50%が一般的な目安とされる中で27.86%は比較的低い水準であり、内部留保や事業投資に資金を回す方針とみられます。ただし、利益水準によっては増配の余地も考えられます。
  • 自社株買いの状況: データなし

SWOT分析

強み

  • 「TONE」ブランドに代表される高い信頼性と技術力に基づく製品開発能力
  • 極めて高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローに裏打ちされた盤石な財務基盤

弱み

  • 直近の四半期決算に見られる売上・利益の減益傾向と成長率の鈍化
  • ROEが低く、株主資本の効率的な活用に改善の余地がある点

機会

  • 海外市場、特にアジア地域でのさらなる事業拡大による収益源の多様化
  • 国内における省力化・自動化ニーズの高まりに応える、高付加価値製品の提供

脅威

  • 原材料価格の高騰や為替変動による収益性の圧迫リスク
  • 国内外での競合激化と価格競争による市場シェアおよび利益率の低下

この銘柄が向いている投資家

  • 安定性を重視する長期投資家: 高い財務健全性と安定したキャッシュフローは、長期的な企業の存続可能性を評価する投資家にとって魅力的です。
  • ブランド力のある製造業に関心のある投資家: 長年の歴史と確立されたブランド力を持つ製造業に投資したいと考える投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の業績トレンドを注視: 最新の四半期決算では減収減益となっており、この傾向が一時的なものか、あるいは構造的なものかを見極める必要があります。今後の決算発表で回復の兆しが見られるかを確認することが重要です。
  • バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均と比較して割高感が指摘されており、特にPBRは大きく乖離しています。高水準の財務健全性やブランド力がどの程度評価されているのか、投資家自身が判断する必要があります。
  • 市場との相対パフォーマンス: 直近1年間で市場平均を大きく下回る株価推移となっており、市場からの評価が厳しい状況が続いています。明確な成長ドライバーや業績改善が見られない場合、株価の本格的な回復には時間を要する可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外売上高比率と海外セグメント利益の推移: 海外事業の成長戦略が奏功しているかを確認するための重要な指標です。
  • 営業利益率とROEの回復: 直近の収益性の課題を克服し、株主資本効率が改善されるか。
  • 通期業績予想に対する進捗率の変化: 下半期に業績が上向くか、通期予想の下方修正リスクがないかを確認します。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (停滞・懸念)
    • 過去12か月の売上高は増加傾向にあるものの、直近の四半期売上高成長率が前年比で-4.30%、EPSも前年比-52.70%と大幅な減益に転じています。通期予想も前期から純利益は微増であるものの、EPSは減少しており、成長の勢いが鈍化している、あるいは停滞している状況です。
  • 収益性: S (極めて優良)
    • 過去12か月の営業利益率は15.68%と高水準を維持しており、本業で稼ぐ力は非常に優れています。ただし、ROEは7.16%と一般的な目安である10%を下回っており、資本効率の改善は課題です。総合的に見ると、高い営業利益率が収益性を牽引し、S評価としました。
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    • 自己資本比率は77.8%と極めて高く、流動比率も7.15倍(715%)と短期的な支払い能力に全く懸念がありません。Piotroski F-Scoreも7/9点と「優良」評価であり、非常に強固な財務体質を誇っています。
  • バリュエーション: D (割高感が強い)
    • PER(会社予想)13.06倍は業界平均11.3倍の約115%に相当し、やや割高です。PBR(実績)0.93倍は業界平均0.5倍の約186%に相当し、大きく割高と判断されます。過去のPER(過去3年平均)のデータが不足している状況で、業界平均との比較では割高感が強いと評価しました。

企業情報

銘柄コード 5967
企業名 TONE
URL http://www.tonetool.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 金属製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 480円
EPS(1株利益) 36.75円
年間配当 1.88円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 15.0倍 552円 3.2%
標準 0.0% 13.1倍 480円 0.4%
悲観 1.0% 11.1倍 429円 -1.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 480円

目標年率 理論株価 判定
15% 243円 △ 97%割高
10% 304円 △ 58%割高
5% 383円 △ 25%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
京都機械工具 5966 62 24.07 0.49 2.1 3.36
スーパーツール 5990 1,998 47 14.32 0.45 3.2 3.50
ロブテックス 5969 1,329 26 53.16 0.50 1.0 2.25

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.25)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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