企業の一言説明

SUBARUは自動車事業を主軸に、北米市場で水平対向エンジンと独自の全輪駆動(AWD)技術に強みを持つ自動車メーカーです。安全技術にも定評があり、トヨタ自動車と提携関係にあります。少量ながら航空宇宙製品の製造・販売も手掛ける企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 独自のブランドと高い安全技術: 水平対向エンジン、AWD、高度な安全運転支援システム「アイサイト」など、SUBARU独自の技術とブランド力が強みです。特に北米市場で安定した顧客基盤を築いています。
  • 堅実な財務体質と株主還元: 自己資本比率は50%を超え、高い財務健全性を保っています。配当性向も安定しており、定期的な自己株式消却も行うなど、株主還元への意識も高い企業です。
  • 業績下方修正と米国関税リスク: 直近の第3四半期決算では営業利益が大幅に減益となり、通期業績予想も下方修正されました。特に米国における追加関税の影響拡大が利益悪化の主要因となっており、この高関税政策の動向が今後の業績に大きく影響する可能性があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 懸念
収益性 B 普通
財務健全性 A 良好
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3021.0円
PER 17.55倍 業界平均13.3倍
PBR 0.79倍 業界平均0.8倍
配当利回り 3.81%
ROE 12.81%

1. 企業概要

SUBARUは、日本、北米、欧州などを中心に自動車および航空宇宙製品の製造・販売を行うグローバル企業です。主力は自動車事業で、水平対向エンジンと独自の全輪駆動技術を搭載した乗用車が特徴。安全運転支援システム「アイサイト」といった先進安全技術にも強みを持っています。収益モデルは主に自動車の販売を通じて構築され、航空宇宙製品も一部貢献しています。トヨタ自動車との提携により、技術開発や生産効率化も推進されています。

2. 業界ポジション

SUBARUは世界自動車産業においてニッチながらも独自の地位を確立しており、特に北米市場での全輪駆動(AWD)車におけるブランド力と高い顧客ロイヤリティが強みです。安全技術(アイサイト)においても高い評価を得ており、競合他社との差別化を図っています。一方で、生産規模ではトヨタやホンダといった大手と比較して小さく、規模の経済性では劣ります。
財務指標を業界平均と比較すると、PER(会社予想)は17.55倍で業界平均13.3倍と比べてやや割高感があります。PBR(実績)は0.79倍で業界平均0.8倍とほぼ同水準であり、解散価値は下回っていません。

3. 経営戦略

SUBARUは、独自の「安全」「安心」「楽しさ」を追求するブランド戦略を掲げ、特に北米市場を重点地域としています。トヨタ自動車との提携を通じて、電動化技術や自動運転技術の開発を加速し、次世代モビリティ社会への対応を進めています。
直近の重要適時開示として、2026年3月期第3四半期決算では、通期業績予想の大幅な下方修正を発表しました。これは主に米国での追加関税の影響拡大と新型車投入に係る費用増加によるもので、自動車事業の収益性が悪化しています。一方で、航空宇宙事業は前年の赤字から黒字転換を果たし、成長期待が高まっています。また、2026年1月には発行済株式数比2.1%に相当する自己株式の消却を実施しており、株主価値向上への意識が見られます。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当落ち日(Ex-Dividend Date)、2026年5月14日に決算発表日(Earnings Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てがポジティブで、収益基盤は一定の頑健性を示しています。
財務健全性 3/3 流動比率は高く債務返済能力に優れており、D/Eレシオも低く債務負担も軽微で、株式の希薄化もありません。
効率性 0/3 営業利益率とROEがベンチマークを未達(F-Scoreの基準)であり、売上成長率もマイナスであるため、資本効率と成長面に改善余地があります。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 約5.95% (営業利益 2,859.59億円 / 売上収益 4兆8,052.67億円)
    • 2025年3月期の実績は8.65%でしたが、直近12か月では低下しています。目安とされる10%には及ばず、収益力に改善の余地があります。
  • ROE(実績): 12.81%
    • 株主のお金(自己資本)を使ってどれだけ効率的に稼いだかを示す指標。一般的な目安とされる10%を上回っており、株主資本の活用効率は良好です。
  • ROA(過去12か月): 1.25%
    • 会社全体の資産を使ってどれだけ効率的に稼いだかを示す指標。目安とされる5%を下回っており、総資産の活用効率には改善の余地があります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 53.3%
    • 総資産に占める自己資本の割合。経営の安定性を示す指標で、50%を超えており非常に高い水準を保っています。
  • 流動比率(直近四半期): 2.41倍
    • 短期的な債務返済能力を示す指標。200%(2倍)以上が良好とされ、SUBARUは十分にこの基準を満たしており、短期的な資金繰りに問題はないと言えます。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(過去12か月): 3,596億7,000万円
    • 本業でどれだけキャッシュを稼いだかを示します。安定して大きなプラスを確保しており、本業からのキャッシュ創出力は高いです。
  • FCF(過去12か月): -574億2,000万円
    • 事業活動で自由に使えるキャッシュ。過去12カ月ではマイナスとなっており、主に設備投資額が営業キャッシュフローを上回っている可能性があります。これは成長のための投資と解釈できる一方で、資金流出が続けば財務状況に影響を与える可能性もあります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 3.47倍
    • 営業キャッシュフローが当期純利益の何倍かを示します。1.0倍以上が健全とされ、3倍を超えるSUBARUはキャッシュフローが利益を大幅に上回っており、非常に質の高い利益と言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期通期予想に対する第3四半期累計の進捗状況(計算期間:2025/4/1–2026/3/31)

  • 売上高進捗率: 73.3% (3兆5,189億6,100万円 / 4兆8,000億円)
    • 比較的順調に進捗しています。
  • 営業利益進捗率: 51.0% (662億8,400万円 / 1,300億円)
    • 通期予想1,300億円に対し、第3四半期で662億8,400万円と進捗率は約半分にとどまっており、第4四半期で大幅な挽回が必要となります。
  • 親会社帰属当期利益進捗率: 66.5% (830億8,400万円 / 1,250億円)
    • 営業利益よりは進捗していますが、通期目標達成には第4四半期の収益改善が重要となります。

直近3四半期の売上高・営業利益の情報は提供されたデータに含まれていないため記載を省略します。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 17.55倍
    • 株価が利益の何年分かを示す指標。業界平均PER13.3倍と比較すると、割高感があります。
  • PBR(実績): 0.79倍
    • 株価が純資産の何倍かを示す指標。業界平均PBR0.8倍と比較すると、ほぼ同水準で適正と判断できます。1倍未満は解散価値を下回る状態を示し、市場が企業の将来性に慎重な見方をしている可能性もあります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -93.5 / シグナル値: -69.15 現在は明確なトレンドを示すシグナルは出ていません。
RSI 中立 35.6% 売られすぎでも買われすぎでもない、中立域にあります。
5日線乖離率 -1.62% 直近の株価が短期移動平均線をわずかに下回っています。
25日線乖離率 -8.16% 短期トレンドから下向きに乖離しており、弱いモメンタムを示します。
75日線乖離率 -10.48% 中期トレンドから下向きに乖離しており、中期的な調整局面を示唆します。
200日線乖離率 -0.19% 長期移動平均線からわずかに下回っており、長期的な方向感に乏しい状態です。

【テクニカル】

現在の株価(3,021.0円)は、52週高値3,642円と52週安値2,174円の中間(レンジ内位置57.7%)に位置しています。直近の移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線(3,070.60円)、25日移動平均線(3,289.52円)、75日移動平均線(3,374.60円)を全て下回っており、短期から中期にかけて下落トレンドにあることを示唆しています。200日移動平均線(3,024.69円)とはほぼ同水準であり、長期的なトレンドも方向感に乏しい状況です。

【市場比較】

SUBARUの株価は、日経平均株価およびTOPIXと比較して、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間で市場平均を下回るパフォーマンスとなっています。直近1ヶ月では日経平均を20.21ポイント、TOPIXを18.63ポイント下回っており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況が継続しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率5.01倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): -0.04
    • これは市場全体の動きに対してSUBARUの株価が逆方向に非常に弱い反応を示す、あるいはほとんど連動しないことを意味します。通常、自動車株としては稀な値であり、特殊な要因が作用しているか、分析期間における特定の事象(例:極端な円安)が影響した可能性があります。
  • 年間ボラティリティ: 42.85%
    • 過去1年間でSUBARUの株価が年間で平均して42.85%変動する可能性があることを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±42万8,500円程度の変動が想定され、投資には相応のリスクが伴います。
  • 最大ドローダウン: -39.48%
    • 過去の一定期間で最も大きな損失率。この程度の下落は今後も起こりうる可能性があります。
  • シャープレシオ: 0.41
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標。1.0以上が良好とされる中、0.41はリスクあたりのリターンが平均を下回っていることを示唆します。
  • 年間平均リターン: 17.87%

【事業リスク】

  • 地政学的リスクと貿易政策: 米国における追加関税など、各国の貿易政策がSUBARUの収益に直接的な影響を及ぼしています。今後も関税政策の変動は、収益性を圧迫する主要なリスク要因となります。
  • 為替変動リスク: 北米市場への依存度が高いため、円高ドル安は輸出採算の悪化を招き、業績にマイナスの影響を与える可能性があります。
  • 電動化シフトへの対応: 自動車業界全体で急速にEV(電気自動車)へのシフトが進む中、SUBARUの電動化戦略の進捗や市場での競争力維持が課題となります。競合他社のEV展開が加速する中で、適切な投資と技術開発が求められます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が880,600株に対し、信用売残は175,700株で、信用倍率は5.01倍となっています。信用買残の増加(前週比+438,200株)は、将来的な売り圧力となる可能性があります。
  • 主要株主構成:
    • トヨタ自動車 (20.95%)
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (15.34%)
    • 日本カストディ銀行(信託口) (4.64%)
      大手機関投資家や事業会社が主要株主を占めており、安定した株主構成と言えます。機関投資家保有比率は45.59%です。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.81%
    • 比較的高水準の配当利回りであり、株主還元に積極的です。
  • 1株配当(会社予想): 115.00円
  • 配当性向: 34.18%
    • 利益の何%を配当に回しているかを示す指標。30%~50%が一般的とされており、SUBARUは無理のない範囲で安定した配当を実施しています。過去5年間でも概ね20%~60%台で推移しており、安定性がうかがえます。
  • 自社株買いの状況: 直近では2026年1月20日に自己株式の消却(発行済株式数比2.1%)を実施しており、発行済み株式数の減少による1株あたりの価値向上にも取り組んでいます。

SWOT分析

強み

  • 独自の水平対向エンジン、全輪駆動技術、先進安全運転支援システム「アイサイト」による高いブランド力と技術的優位性。
  • トヨタ自動車との強固な提携関係を通じた技術開発力と生産面での連携。

弱み

  • 米国市場への収益依存度が高く、為替変動や貿易政策の影響を受けやすい体質。
  • 急速に進む自動車業界の電動化・EVシフトへの対応に出遅れが指摘されており、競争環境への適応が課題。

機会

  • 航空宇宙事業の黒字化と成長軌道への転換による収益源の多角化。
  • 電動車や自動運転技術開発の加速を通じた新たな市場機会の獲得。

脅威

  • 米国の追加関税など保護主義的な貿易政策の拡大による収益圧迫。
  • 世界的な競争激化、原材料価格の高騰、半導体不足などのサプライチェーンリスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した配当収入を求める投資家: 高い配当利回りと安定した配当性向を維持しているため。
  • 中長期的な視点で自動車業界の変革期に投資したい投資家: SUBARU独自の技術力とトヨタとの提携による電動化戦略の進捗に期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 米国関税動向と業績への影響: 直近の業績下方修正の主因が米国追加関税であるため、今後の関税政策の推移とその影響を注意深く見る必要があります。
  • 電動化戦略の進捗: EVシフトへの対応は自動車メーカーにとって喫緊の課題であり、SUBARUの具体的な電動化戦略や新型EVの市場投入状況を継続的にウォッチすることが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の改善: 直近の営業利益の大幅な減益からの回復状況と、10%水準への回帰を目指せるか。
  • フリーキャッシュフローの安定化: マイナスとなっているFCFがプラスに転じ、安定的なキャッシュ創出能力を取り戻せるか。
  • 北米市場における販売台数と価格戦略: 主要市場での販売動向、特に新規投入される電動車の販売状況。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (懸念)
    • 過去12か月の四半期売上成長率が前年比で-10.80%とマイナスであり、直近の通期予想も下方修正されていることから、成長の勢いに懸念があります。
  • 収益性: B (普通)
    • ROEは12.81%と目安とされる10%を超えているものの、過去12か月の営業利益率が約5.95%と、高い収益性を確保しているとは言えません。直近の第3四半期での大幅な営業利益減益も評価に影響します。
  • 財務健全性: A (良好)
    • 自己資本比率53.3%、流動比率2.41倍と財務基盤は非常に強固で、Piotroski F-Scoreも6/9点と良好な評価です。
  • バリュエーション: C (やや割高)
    • PER(会社予想)17.55倍は業界平均13.3倍を上回っており、成長性や収益性の直近の状況を考慮すると、株価にはやや割高感が存在します。PBRは業界平均と同水準で適正範囲です。

企業情報

銘柄コード 7270
企業名 SUBARU
URL https://www.subaru.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,021円
EPS(1株利益) 172.09円
年間配当 3.81円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 9.8% 19.4倍 5,332円 12.1%
標準 7.5% 16.9倍 4,180円 6.8%
悲観 4.5% 14.4倍 3,084円 0.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,021円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,090円 △ 45%割高
10% 2,610円 △ 16%割高
5% 3,294円 ○ 8%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
スズキ 7269 2,294 45,067 11.55 1.33 13.1 2.00
マツダ 7261 1,342 8,478 42.33 0.46 1.1 4.09
三菱自動車工業 7211 434 6,348 63.92 0.65 1.0 2.30

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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