企業の一言説明
クオリプスはiPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を主力事業として展開する、再生医療分野のパイオニア企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- iPS心筋シートの承認と将来の市場拡大: 心筋細胞シートが条件および期限付きで承認され、難治性心疾患治療における画期的なブレークスルーが期待されます。上市後の売上急拡大への期待は非常に高いです。
- 高い財務健全性による安定した経営基盤: 自己資本比率が96.1%と極めて高く、潤沢な現預金を有しています。開発フェーズにある企業にとって、長期にわたる研究開発投資を支える強固な財務基盤は大きな強みです。
- 赤字継続と高い研究開発費による資金消耗リスク: 承認取得後も本格的な黒字化には時間を要し、当面は研究開発投資が先行するため赤字が継続する見込みです。将来の売上に対する期待値が既に株価に織り込まれている可能性があり、想定を超える治験や承認の遅延、また継続的な資金調達の必要性には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 将来性高い |
| 収益性 | D | 赤字継続 |
| 財務健全性 | A | 非常に良好 |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 8,320.0円 | – |
| PER | — | 業界平均:データなし |
| PBR | 13.89倍 | 業界平均5.1倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -11.21% | – |
1. 企業概要
クオリプス(Cuorips Inc.)は、2017年設立の東京証券取引所グロース上場企業です。人間のiPS細胞から作製した心筋細胞シートの開発、製造、商業化、販売を手掛けており、細胞・組織ベースの製品や受託開発・製造(CDMO)サービスも提供しています。難治性の重症心不全に対する再生医療等製品として、画期的な治療法の確立を目指しています。その技術的独自性は高く、業界内でパイオニア的地位を確立しつつあります。
2. 業界ポジション
クオリプスはiPS細胞を用いた心臓再生医療分野において、最先端の研究開発を進める企業として国際的にも注目されています。国内においては、iPS心筋細胞シートの条件および期限付き承認を得たことで、このニッチで高度な分野の市場をリードする存在となっています。競合は国内外の研究機関や大手製薬企業の一部に限定されますが、技術的な優位性には高い参入障壁があります。一方で、事業規模はまだ小さく、業界平均PBR5.1倍に対し、同社PBRは13.89倍と、将来への期待が非常に強く株価に織り込まれている状況です。
3. 経営戦略
クオリプスは、iPS心筋シートの国内での承認取得と市販後調査準備を進め、同時に海外展開として米国スタンフォード大学との共同研究による米FDAとのPre-IND対応、カテーテル治療の治験準備を推進しています。また、CDMO事業の拡大と設備投資を通じて収益基盤の強化も図っています。2026年3月期の通期業績予想では、CDMO受注拡大により売上高は増加しますが、米国治験開始に向けた研究開発投資の増加により赤字が継続する見込みです。最近ではiPS細胞由来心筋細胞シートが「希少疾病用再生医療等製品」に指定され、承認プロセスは最終局面に入っています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 2/9 | C: やや懸念 |
| 収益性 | 0/3 | 純利益・ROAがマイナスのため |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率高、株式希薄化なし |
| 効率性 | 0/3 | ROE・四半期売上成長率がマイナスのため |
解説:
F-Scoreの総合スコアは2/9と「やや懸念」と評価されています。収益性および効率性に関する項目は、現時点での純利益、ROA、ROE、四半期売上成長率がいずれもマイナスであるためスコアを獲得できていません。これは、同社が多額の研究開発投資を行うグロース段階の企業であり、まだ黒字化に至っていないことを反映しています。一方で、財務健全性については流動比率が極めて高く、発行済み株式の希薄化も発生していないため、この点では良好と評価されています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): -1,833.33%
- ROE(実績): -11.21% (ベンチマーク: 10%以上)
- ROA(過去12か月): -9.17% (ベンチマーク: 5%以上)
現状、同社は多額の研究開発投資が先行しているため、営業利益、ROE、ROAはすべて大幅なマイナスとなっており、収益性において課題を抱えています。製品上市と事業の拡大が今後の収益改善の鍵となります。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 96.1%
- 流動比率(直近四半期): 37.14倍
自己資本比率は96.1%と極めて高く、財務基盤は非常に強固です。流動比率も37.14倍と非常に高く、短期的な支払能力に優れており、開発段階にある企業として安定した経営を維持できる健全な財務状況を示しています。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 | 現金比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連2024.03 | -485 | -451 | -34 | 3125 | 5582 | 90.27 |
| 連2025.03 | -931 | -812 | -119 | 145 | 4793 | 83.49 |
フリーキャッシュフローおよび営業キャッシュフローは継続してマイナスであり、事業活動自体ではキャッシュを創出できていない状況です。これは研究開発投資が先行する事業フェーズを反映しています。投資キャッシュフローも設備投資によりマイナスですが、財務キャッシュフローによって資金調達が行われ、現金等残高は維持されています。直近では現金等残高が減少傾向にあり、資金消耗への注意が必要です。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 赤字のため算出不可
営業キャッシュフローと純利益がいずれも赤字であるため、比率として利益の質を評価することはできません。当面は、事業におけるキャッシュの流出状況と資金調達計画がより重要となります。
【四半期進捗】
2026年3月期 第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗状況は以下の通りです。
- 売上高:207,254千円(通期予想212,000千円に対し約97.8%の進捗)
- 営業損失:△771,389千円(通期予想△1,024,000千円に対し約75.3%の進捗)
- 純損失:△732,120千円(通期予想△983,000千円に対し約74.5%の進捗)
売上高は通期予想に対し順調に進捗している一方で、営業損失および純損失は通期予想の7割強まで達しており、研究開発費の増加に伴い赤字幅が拡大しています。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): — (赤字のため算出不可)
- PBR(実績): 13.89倍 (業界平均5.1倍)
PERは赤字のため算出できません。PBRは13.89倍と、業界平均の5.1倍を大きく上回っており、非常に割高と評価されます。これは、iPS心筋細胞シートの承認による将来の成長期待が株価に強く織り込まれていることを示唆しています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値:783.39 / シグナル:695.08 | MACD値がシグナル値を上回っており、通常は上昇トレンドを示唆するが、提供データでは「中立」。 |
| RSI | 中立 | 47.1% | 買われすぎ(70以上)でも売られすぎ(30以下)でもなく、中立的な状態にある。 |
| 5日線乖離率 | – | -22.04% | 直近の株価が5日移動平均線を大きく下回っており、短期的な下落圧力が高い。 |
| 25日線乖離率 | – | -3.85% | 短期トレンドからの乖離は小さく、短期的な方向感に迷いがあることを示唆。 |
| 75日線乖離率 | – | +16.53% | 中期トレンドからは大幅に上方に乖離しており、中期的には上昇トレンドにある。 |
| 200日線乖離率 | – | +23.00% | 長期トレンドからも大幅に上方に乖離しており、長期的に上昇基調にあることを示唆。 |
MACDがシグナルラインを上回っているものの、「中立」との提供データ。RSIは中立圏にあり、過熱感や売られすぎ感はありません。移動平均乖離率を見ると、5日線、25日線を大きく下回っており、短期的な株価は調整局面にあることを示しています。しかし、75日線、200日線を上回っていることで、中長期的な上昇トレンドは維持されていると言えます。
【テクニカル】
現在の株価(8,320.0円)は、52週高値12,400円と安値4,300円のレンジ内で48.1%の位置にあり、約半値水準です。直近の株価は、短期移動平均線(5日線10,672.00円、25日線8,653.20円)を下回って推移しており、調整局面にあることを示唆しています。一方で、中期移動平均線(75日線7,139.73円)および長期移動平均線(200日線6,764.40円)を大きく上回っており、中長期的なトレンドは依然として強い上昇基調を継続していると判断できます。
【市場比較】
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 株式+13.66% vs 日経+7.68% → 5.98%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式+29.80% vs 日経+12.92% → 16.88%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+30.41% vs 日経+33.24% → 2.83%ポイント下回る
- 1年: 株式+81.26% vs 日経+46.51% → 34.76%ポイント上回る
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 株式+13.66% vs TOPIX+6.09% → 7.57%ポイント上回る
クオリプスは、特に過去1ヶ月、3ヶ月、1年間において日経平均やTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを見せています。これは、iPS心筋細胞シートの承認期待とそれに続く承認決定が市場から高く評価された結果と考えられます。一方で、直近6ヶ月では日経平均を下回る場面も見られ、高騰後の調整局面に入っている可能性も示唆しています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が659.73倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 82.58%
- シャープレシオ: -0.18
- 最大ドローダウン: -75.26%
- 年間平均リターン: -14.52%
クオリプスは高いボラティリティ(82.58%)を持つ銘柄であり、株価の変動幅が大きい傾向にあります。仮に100万円投資した場合、年間で±82.58万円程度の変動が想定されます。過去には最大で-75.26%の下落を経験しており(最大ドローダウン)、100万円が24.74万円まで価値を失ったこともあります。シャープレシオがマイナスであることは、リスクを取ったことに対するリターンが十分ではないことを示しています。これは研究開発型企業特有の特性であり、今後の事業進展が株価に大きく影響します。
【事業リスク】
- 臨床・規制リスク: iPS心筋細胞シートは「条件および期限付き承認」であり、今後の治験の進捗や承認プロセスの遅延、あるいは予期せぬ不承認のリスクがあります。また、市販後の安全性・有効性の検証も継続的に必要です。
- 資金繰りリスク: 赤字が継続しており、研究開発投資の増加に伴いキャッシュの消耗が大きいです。現預金は潤沢ですが、今後の資金確保に向けた外部資金(CIRMグラント等)獲得の成否や、継続的な資金調達策が重要となります。
- 競争・技術革新リスク: 再生医療分野は急速な技術革新が進む領域であり、新たな競合他社の出現や既存治療法の改善、あるいは予期せぬ技術的課題が発生する可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が725,700株、信用売残が1,100株であり、信用倍率は659.73倍と非常に高い水準です。これは、将来の株価上昇を期待する買い方が非常に多く存在する一方で、空売りが少ない状態を示しており、将来的な新規買いの勢いの鈍化や、需給悪化による売り圧力発生のリスクを内包しています。主要株主としては、第一三共が12.12%、テルモが6.43%と、大手製薬企業が上位に名を連ねており、事業提携によるシナジーや将来的な事業拡大の可能性を示唆しています。
8. 株主還元
配当利回りは0.00%、1株配当も0.00円、配当性向も0.00%であり、現時点では株主還元としての配当は行っていません。多額の研究開発投資が先行する事業フェーズにあるため、利益を再投資することで企業の成長を優先する方針です。自社株買いのデータもありません。
SWOT分析
強み
- iPS細胞を用いた心筋細胞シート開発のパイオニアとしての技術的優位性
- 条件および期限付きでの商業承認済みという、臨床開発における重要なマイルストーン達成
- 自己資本比率96.1%、流動比率37.14倍と極めて高い財務健全性
- 第一三共やテルモなど大手企業との株主関係による事業連携の可能性
弱み
- 研究開発先行による継続的な赤字とキャッシュの慢性的な流出
- 将来の収益化まで時間がかかる事業モデル
- 高い株価バリュエーション(PBR 13.89倍、業界平均5.1倍)
- 信用倍率の高さが将来的な株価調整のリスクをはらむ
機会
- 心筋細胞シートの上市と普及による難治性心疾患治療市場への貢献と売上拡大
- 米国での治験開始と海外展開によるグローバル市場への本格参入
- CDMO事業の成長による安定的な収益源の確立
- CIRMグラントなど外部資金獲得による資金調達機会の拡大
脅威
- 治験や承認プロセスの遅延、あるいは不承認、市販後の予期せぬ副作用発生
- 多額の研究開発費と臨床試験費用による継続的な資金需要と枯渇リスク
- 競合他社の技術進歩や新たな治療薬の開発による競争激化
- 社会情勢や規制環境の変化が再生医療業界に与える影響
この銘柄が向いている投資家
- 長期的な視点で再生医療分野の成長を信じる投資家: iPS細胞技術の将来性と難病治療への貢献に期待し、短期的な株価変動や赤字を許容できる方。
- バイオベンチャーのリスク・リターンを理解している投資家: 上市後の大きな成長を期待する一方で、開発・承認プロセスに伴うリスクや不確実性を理解している方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 赤字継続と資金消耗の状況: 承認取得後も黒字化には時間を要し、研究開発費が継続して発生するため、現預金や資金調達の状況を常に確認する必要があります。
- バリュエーションの高さと織り込み済みの期待: PBRが業界平均を大幅に上回っており、成長期待が株価に大きく織り込まれています。今後の事業進捗が期待を下回る場合、株価に大きな影響を与える可能性があります。
- 市場動向と規制の変化: 再生医療分野は、国の政策や社会情勢、倫理的側面、国際的な規制動向に左右されやすい特性を持ちます。
今後ウォッチすべき指標
- iPS心筋シートの市販後調査の進捗と患者への普及状況: 実際の売上貢献と市場への浸透度。
- 米国での治験開始状況とFDAとの交渉進捗: 海外展開の成否を測る上で極めて重要。
- CDMO事業の受注状況と成長率: 安定収益源としての確立度合い。
- 現預金残高と新たな資金調達の有無: 資金繰りの健全性。
成長性:A (将来性高い)
現在の四半期売上成長率(前年比)は-21.10%ですが、2026年3月期の通期売上高予想は2億円を超える水準であり、iPS心筋細胞シートの承認を受けたことで、今後の上市による売上急拡大への期待は非常に高いです。事業が黎明期にあり絶対額はまだ小さいものの、将来の大型売上が見込まれる「グロース」フェーズにあるため、潜在的な成長性を高く評価しAとしました。
収益性:D (赤字継続)
営業利益率(過去12か月)は-1,833.33%、ROEは-11.21%、ROAも-9.17%と、いずれも大幅なマイナスです。多額の研究開発投資が先行しているため現状は赤字が継続しており、収益性は低いと評価せざるを得ません。
財務健全性:A (非常に良好)
自己資本比率は96.1%と極めて高く、資本構成の安定性は抜群です。また、流動比率も37.14倍と非常に高く、短期的な支払い能力も潤沢です。Piotroski F-Scoreは2/9と低いですが、これは利益創出がまだないためであり、実質的な財務の安全度は非常に良好なためAと評価します。
バリュエーション:D (割高)
PERは赤字のため算出できませんが、PBR(実績)は13.89倍であり、同業種の平均PBR5.1倍と比較して約2.7倍の水準です。これは、現在の実績に基づけば非常に割高であり、将来の成長に対する市場の期待が株価に大幅に織り込まれていることを示しています。
企業情報
| 銘柄コード | 4894 |
| 企業名 | クオリプス |
| URL | https://cuorips.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サンバイオ | 4592 | 2,258 | 1,761 | – | 597.35 | -238.0 | 0.00 |
| ヘリオス | 4593 | 358 | 483 | – | 8.47 | -71.6 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
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