企業の一言説明
メディアリンクスは、放送・通信インフラ向けの大規模メディア伝送機器を開発・販売するファブレスメーカーとして、ニッチ市場で独自の技術を持つが、現状は長期的な赤字体制が課題の企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 継続企業の前提に関する重大な不確実性: 長期にわたる営業損失が続いており、継続企業の前提に重要な不確実性が存在すると開示しています。事業の抜本的な改善が急務です。
- 新製品「Xscend®」と資金調達による事業再生への挑戦: 新製品「Xscend®」を通じた既存顧客のリプレイス提案や大型案件獲得を目指しており、新株予約権発行による資金調達も完了。これら施策の成否が今後の経営を左右します。
- 高い財務健全性は維持も、収益性・効率性は極めて低水準: 自己資本比率65.5%、流動比率12.73倍と財務健全性は高い水準を保っていますが、ROE、ROA、営業利益率がいずれも大幅なマイナスであり、本業での収益創出能力に重大な課題があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 強い懸念 |
| 収益性 | D | 強い懸念 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | D | 割高/評価困難 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 45.0円 | – |
| PER | — | 業界平均12.9倍 |
| PBR | 1.03倍 | 業界平均0.8倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -15.96% | – |
1. 企業概要
メディアリンクスは、放送局や通信キャリア向けに、大規模な映像・音声データを効率的に伝送するための通信機器を開発・販売するファブレスメーカーです。主力の「大規模メディア伝送」ソリューションに加え、e-learning、インターネットライブストリーミング、ビデオ会議システムといった多角的なサービスも展開しています。その収益モデルは、自社開発製品の販売及び関連するシステム構築・運用サポートが中心です。特に、SDN(Software Defined Networking)対応の次世代プロダクト「Xscend®」は、放送用途のIPネットワーク移行を支援する独自技術を持ち、同社の成長ドライバーとして期待されています。ファブレス形態により、柔軟な生産体制と開発に特化した経営戦略を採っています。
2. 業界ポジション
メディアリンクスは、特定のニッチ市場である放送および通信インフラにおける大規模メディア伝送において、専門性の高い機器とソリューションを提供する立ち位置にあります。詳細な市場シェアは開示されていませんが、大規模かつ高品質なメディア伝送を要求されるプロフェッショナル市場において、技術的な強みを有しています。競合他社は海外の大手通信機器ベンダーや特定用途に特化した専門企業が挙げられますが、同社はファブレスという事業形態を採ることで、開発リソースを集中し、迅速な製品投入を目指しています。
財務指標では、同社は赤字が継続しているためPERは算出できません。PBR(実績)は1.03倍であり、業界平均の0.8倍と比較すると、純資産に対して株価がやや割高に評価されている状況にあります。これは、現状の収益性から見ると、投資家が将来の成長や資産価値に一定の期待を抱いている可能性を示唆しているとも考えられますが、実態としては継続的な赤字を背景に割高感が強いと解釈できます。
3. 経営戦略
メディアリンクスは、長期にわたる赤字から脱却し、事業構造の転換を図るための複数の経営戦略を推進しています。中期経営計画の要点は、新製品「Xscend®」を中心とした事業再建です。具体的には、この新製品を軸に既存顧客のネットワーク更新や大規模なリプレイス案件を積極的に提案し、売上拡大を目指しています。特に、中東、日米、韓国といった地域での大型案件獲得や、スポーツイベント関連の特需を取り込むことに注力しています。研究開発は、この「Xscend®」の追加機能開発に重点を置いており、市場ニーズに合わせた製品競争力の強化を図っています。
財政面では、第18回新株予約権の発行により、希薄化リスクを伴いつつも約13億円の資金調達を実施済みです。これは、継続企業の前提に関する重要な不確実性が開示されている中で、事業継続と成長投資に不可欠な資金基盤を強化する目的があります。決算説明資料では、売上増(特に米州市場での伸び)と厳格な販管費削減により、前年同期比で営業損失の縮小が見られたことが報告されています。しかし、2026年3月期の通期予想(売上高3,260百万円、営業利益17百万円)を据え置いているものの、第3四半期累計時点で営業損失が▲545百万円と大幅な赤字であり、通期目標の営業利益達成には、第4四半期で約562百万円という極めて高い営業利益を叩き出す必要があります。これは、市場から見ても非常に困難な目標であり、今後の進捗が注視されます。
経営陣は、収益力向上、販管費削減、R&D効率化といった施策を通じて継続企業の前提に関する不確実性の解消に取り組んでいますが、現時点では不確実性が残ると明言しています。為替前提をUSD155円、AUD105円に変更していることも、収益への影響を最小限に抑えつつ通期目標を達成しようとする姿勢の現れと言えます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの指標で評価し、0から9点までの総合スコアで示します。7-9点は優良(S)、5-6点は良好(A)、3-4点は普通(B)、1-2点はやや懸念(C)、0点は要注意(D)と判定されます。メディアリンクスのF-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 3/9 | B: 普通 |
| 収益性 | 0/3 | △収益性に深刻な課題あり |
| 財務健全性 | 3/3 | ✅非常に良好 |
| 効率性 | 0/3 | △効率性に深刻な課題あり |
提供されたデータに基づくと、メディアリンクスの総合スコアは3/9点で「B: 普通」と評価されます。これは、財務健全性において高評価を得ているものの、収益性と効率性において改善が必要な複数の課題があることを示唆しています。以下に各カテゴリの詳細を解説します。
収益性スコア (0/3):
- ❌ 純利益 > 0: 過去12ヶ月の純利益は-462,206千円とマイナスであり、純利益が0より大きいという条件を満たしません。これは、本業での収益が最終利益に結びついていない深刻な状況を示しています。
- N/A 営業キャッシュフローチェック: 提供されたデータには、過去12ヶ月の明確な「営業キャッシュフロー」が直接的に記載されていません。一般的に、営業キャッシュフローが純利益よりも大きい、またはプラスであることは、利益の質が高いことを示しますが、今回はデータ不足のため評価不能です。ただし、過去の年度別キャッシュフローを見ると営業CFは継続してマイナスです。
- ❌ ROA(-6.55%) > 0: 過去12ヶ月のROAは-6.55%とマイナスであり、資産を効率的に活用して利益を生み出せていない状況を示しています。
財務健全性スコア (3/3):
- ✅ 流動比率(12.73) >= 1.5: 直近四半期の流動比率は12.73倍と極めて高く、短期的な支払い能力が非常に潤沢であることを示しており、経営の安定性に寄与しています。
- ✅ D/Eレシオ(0.0279) < 1.0: 直近四半期の有利子負債比率 (Total Debt/Equity) は2.79% (0.0279) と非常に低く、借入金に過度に依存していない健全な財務体質を示しています。
- ✅ 株式希薄化なし: データによると、株式希薄化の兆候は見られず、潜在的な発行株式数が増加するリスクは現状低いと判断されます。
効率性スコア (0/3):
- ❌ 営業利益率(-52.78%) > 10%: 過去12ヶ月の営業利益率は-52.78%と大幅なマイナスであり、本業での収益性が極めて低い状態です。
- ❌ ROE(-15.96%) > 10%: 過去12ヶ月のROEも-15.96%とマイナスであり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出せていないことを示しています。
- ❌ 四半期売上成長率(-15.0%) > 0%: 直近四半期の売上成長率は前年比-15.0%とマイナスであり、事業の成長が停滞していることを示しています。
総合的に見ると、メディアリンクスは高い財務健全性(自己資本比率、流動比率、負債比率)を保っているものの、事業そのものが継続的に赤字であり、収益性と効率性が著しく低い状態です。このF-Scoreの結果は、同社が「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を開示している現状と整合性が取れています。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率(過去12か月): -52.78%
- ROE(過去12か月): -15.96%
- ROEとは「株主のお金でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的に10%以上が目安とされます。同社のROEは大幅なマイナスであり、株主資本を投下して利益を生み出すどころか損失を計上しています。
- ROA(過去12か月): -6.55%
- ROAとは「会社の総資産でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的に5%以上が目安とされます。同社のROAも大幅なマイナスであり、企業の総資産を効率的に活用できていない状況を示しています。
これらの指標は全てベンチマークを大幅に下回り、同社に極めて深刻な収益性課題があることを示唆しています。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率(実績): 65.5%
- 自己資本比率とは、総資産に占める自己資本の割合で、高いほど倒産リスクが低いとされます。60%以上は非常に優秀な水準であり、同社の財務基盤は比較的安定していると言えます。
- 流動比率(直近四半期): 12.73倍
- 流動比率とは、流動資産が流動負債をどれだけ上回っているかを示す指標で、短期的な支払い能力を表します。200%(2倍)以上が目安とされますが、同社の12.73倍は非常に高い水準であり、短期的な債務返済能力は極めて高いことを示しています。
これらの指標は非常に良好であり、長期的な赤字にもかかわらず、高い自己資本比率と潤沢な流動資産が財務的な耐久力を支えていることが分かります。新株予約権による資金調達も、この健全な財務体質に貢献するものと期待されます。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
- 営業キャッシュフロー:
- 2025.03: -764百万円
- 2024.03: -418百万円
- 2023.03: -794百万円
- 過去3期連続で営業キャッシュフローがマイナスとなっており、本業で現金を稼ぎ出せていない状況が続いています。
- フリーキャッシュフロー:
- 2025.03: -854百万円
- 2024.03: -540百万円
- 2023.03: -805百万円
- フリーキャッシュフローも営業CFと同様に3期連続でマイナスです。これは、事業活動で得られる現金が投資活動に必要な資金にも満たないことを意味し、企業が自由に使えるお金が不足していることを示しています。
【利益の質】営業CF/純利益比率
営業キャッシュフローも純利益も直近でマイナスであるため、比率を算出しても適切な評価ができません。本業で現金を稼ぐことができず、最終利益も赤字という状況は、利益の質が低いどころか、収益そのものに重大な課題があることを示しています。利益の質が健全とされる1.0以上である状態には程遠いと言えます。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移
メディアリンクスの2026年3月期通期予想は、売上高3,260百万円、営業利益17百万円、親会社株主に帰属する当期純利益▲33百万円です。
これに対し、第3四半期累計(2025年4月~2025年12月)の実績は以下の通りです。
- 売上高: 1,570百万円 (通期予想に対する進捗率: 約48.2%)
- 前年同期比は+4.8%と微増ではあるものの、通期予想の達成には第4四半期で残りの約51.8%(1,690百万円)を達成する必要があります。これは直近の売上推移から見て、容易ではありません。
- 営業利益: ▲545百万円 (通期予想に対する進捗率: 大幅なマイナス進捗)
- 通期予想の営業利益17百万円に対し、第3四半期累計で▲545百万円の営業損失を計上しています。この目標を達成するには、第4四半期単独で約562百万円の営業利益を上げる必要があり、極めてハードルが高い状況です。これは、通期予想が据え置かれているものの、その達成は非常に厳しいことを示唆しています。
- 親会社株主に帰属する当期純利益: ▲591百万円 (通期予想に対する進捗率: 大幅なマイナス進捗)
- 通期予想の純損失▲33百万円に対し、こちらも大幅な赤字であり、第4四半期での劇的な改善が求められます。
直近の損益計算書(年度別比較)を見ると、Total Revenue(売上高)は2025年3月期に減少しましたが、2026年3月期予想では回復を見込んでいます。しかし、Operating Income(営業利益)は継続的にマイナスであり、Net Income Common Stockholders(純利益)も同様です。第3四半期の進捗状況は、同社の事業再建が依然として厳しい局面にあることを強く示しています。
【バリュエーション】PER/PBR
- PER(株価収益率): 赤字が継続しているため算出不能です。PERは「株価が利益の何年分か」を示し、業界平均より低ければ割安の可能性を示唆しますが、メディアリンクスの場合は利益が存在しないため、この指標から評価することはできません。
- PBR(株価純資産倍率): (実績)1.03倍
- PBRは「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、1倍未満は企業の解散価値を下回る状態と解釈されます。メディアリンクスのPBR1.03倍は、業界平均の0.8倍と比較するとやや高い水準にあります。収益性が極めて低い現状において、純資産価値に比べて株価が割高に評価されている可能性があります。この点から、バリュエーションは「割高/評価困難」と判断されます。データに目標株価(業種平均PBR基準)が35円とあることから、現在の株価45円はPBR基準でも割高と示唆されています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -1.12 / シグナルライン: -0.81 | MACDがシグナルラインを下回っていますが、その乖離は小さく、明確なトレンドは示唆されていません。 |
| RSI | 中立 | 39.9% | 70%以上が買われすぎ、30%以下が売られすぎとされます。39.9%は売られすぎの領域に近づいていますが、明確な売買シグナルではありません。 |
| 5日線乖離率 | – | -1.75% | 株価が短期移動平均線をわずかに下回っており、直近のモメンタムは弱いことを示唆。 |
| 25日線乖離率 | – | -7.48% | 株価が短期トレンドから下方へ乖離しており、短期的な下降トレンドにある可能性。 |
| 75日線乖離率 | – | -9.27% | 株価が中期トレンドから下方へ乖離しており、中期的な下降トレンドを示唆。 |
| 200日線乖離率 | – | -17.43% | 株価が長期トレンドから大きく下方へ乖離しており、長期的な下降トレンドが鮮明。 |
全ての移動平均線を下回っていることに加え、各移動平均線乖離率がいずれもマイナスであることから、メディアリンクスの株価は下降トレンドが継続していると判断できます。MACDもRSIも明確な買いシグナルを示しておらず、投資家心理が冷え込んでいる状況を反映しています。
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
現在の株価45.0円は、52週高値93.00円から大幅に下落し、52週安値41.00円に近い水準(52週レンジ内位置: 7.7%)にあります。これは、長期的に見て株価が底値圏にあることを示唆しています。
株価は5日移動平均線 (45.80円)、25日移動平均線 (48.64円)、75日移動平均線 (49.60円)、200日移動平均線 (54.52円) の全てを下回っています。これは、短期、中期、長期のあらゆる期間において下降トレンドが継続している明確なシグナルです。特に200日移動平均線との乖離が-17.43%と大きいことは、長期的な下落圧力が強いことを示しています。
サポート・レジスタンスについては、直近1ヶ月レンジの安値44.00円、3ヶ月レンジの安値42.00円が下値のサポートラインとして機能する可能性があります。一方、各移動平均線が上値のレジスタンスとして意識されるでしょう。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
メディアリンクスの株価は、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数と比べて、全ての期間で大幅に下回るパフォーマンスを示しています。
- 日経平均比: 1ヶ月で-21.14%ポイント、3ヶ月で-24.68%ポイント、6ヶ月で-55.65%ポイント、1年で-88.81%ポイントと、その差は拡大傾向にあります。
- TOPIX比: 同様に1ヶ月で-19.56%ポイント、以降の期間でも大幅に市場全体を下回っています。
この結果は、メディアリンクスの株価が市場全体の成長トレンドに乗れておらず、投資家からの評価が著しく低いことを明確に示しています。これは、同社の継続的な赤字と事業の不確実性が主な要因と考えられます。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が10.04倍と高水準です。これは信用買い残が信用売り残を大幅に上回っていることを示し、将来的にこれらの信用買いが決済される際に売り圧力となる可能性が高く、株価の上値を抑える要因となる可能性に注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.78
- ベータ値とは、市場全体の動きに対する個別銘柄の株価変動の感応度を示す指標で、1よりも小さい場合、市場全体(日経平均やTOPIXなど)に比べて株価変動が小さいことを意味します。0.78という値は、メディアリンクスの株価が市場全体と比べてややボラティリティが低いことを示していますが、後述する年間ボラティリティの高さから、絶対的な変動幅は大きいことに留意が必要です。
- 年間ボラティリティ: 92.16%
- ボラティリティは株価の変動の激しさを示します。年間92.16%は極めて高い水準であり、メディアリンクスの株価が非常に不安定であることを示唆しています。
- 最大ドローダウン: -73.17%
- 最大ドローダウンとは、過去の一定期間で発生した最も大きな下落率です。-73.17%という値は、過去に高値から7割以上下落した経験があることを意味し、将来も同程度の大きな下落リスクが想定されることを投資家は認識しておく必要があります。
- シャープレシオ: 0.84
- シャープレシオとは、投資のリスク(価格変動)に見合うだけのリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。0.84という値は、メディアリンクスへの投資が、リスクに見合った十分なリターンを提供できていない可能性を示唆しています。
仮に100万円投資した場合、年間で±92万円程度の変動が想定され、過去には最大で73万円程度の下落があったことを意味します。この高いボラティリティと潜在的なドローダウンを十分に認識し、リスク許容度と照らし合わせて投資判断を行うことが重要です。
【事業リスク】
- 継続企業の前提に関する不確実性: 最も重要なリスク要因です。6期連続の営業・経常・当期損失を計上しており、通期予想達成にも高いハードルがあるため、この不確実性の解消に向けた具体的な進捗が不可欠です。事業構造改革の失敗や計画未達は、企業の存続に甚大な影響を与える可能性があります。
- 新製品「Xscend®」への過度な依存と市場競争: 新製品「Xscend®」は事業再建の要ですが、その導入・普及が計画通りに進まないリスクがあります。放送・通信業界は技術革新が激しく、競合他社も常に新技術を投入しているため、製品競争力の維持と契約獲得の遅延が収益改善を妨げる可能性があります。半導体等の供給制約による製造遅延もリスク要因です。
- 為替変動リスク: 海外売上が見込まれるため、為替レートの変動が業績に与える影響は大きいです。直近で為替前提を見直しているものの、予期せぬ変動は収益を圧迫する可能性があります。
7. 市場センチメント
メディアリンクスの市場センチメントは、依然として厳しい状況にあると言えます。
信用取引状況を見ると、信用買残が6,974,100株、信用売残が694,300株で、信用倍率は10.04倍と高水準です。これは、株価が底値圏にあると判断し、個人の買いが積み上がっている可能性を示唆する一方で、将来的な株価上昇局面でこれらの信用買い玉が利益確定売りとして出てくる、または株価下落局面で追い証解消のための投げ売りとなるなど、大きな売り圧力に繋がりやすい構造であると言えます。
主要株主構成を見ると、大株主の上位には楽天証券、むさし証券、SBI証券といった証券会社が並び、個人投資家の保有割合が高い傾向が窺えます。機関投資家による大量保有の報告は少なく、大手機関投資家からの投資妙味は低いと見られている可能性があります。これは、同社の継続的な赤字と事業の不確実性が、安定志向の機関投資家には敬遠されている状況を反映していると解釈できます。加えて、ニュース動向分析からも、直近の第3四半期決算が大幅な損失を計上したことがネガティブな評価を受けており、総合センチメントは「ネガティブ」と判断されています。
8. 株主還元
メディアリンクスは、継続的な赤字を計上しているため、株主還元については現在は行っていません。
- 配当利回り(会社予想): 0.00%
- 1株配当(会社予想): 0.00円
- 配当性向: 0.00%
過去の配当金履歴を見ても、長期にわたり無配が続いています。会社は、事業再建と収益基盤の確立を最優先しており、現状では株主への配当を実施できる状況ではありません。2025年3月期および2026年3月期の配当実績・予想も0.00円(無配)であり、明確に配当を行わない方針を示しています。今後の収益改善が実現し、継続的な黒字化が安定して見通せるようになるまでは、配当再開の可能性は低いでしょう。自社株買いの状況についても、特段の開示はありません。
SWOT分析
強み
- ニッチ市場での技術的優位性: 放送・通信インフラ向けの特に大規模メディア伝送分野において、長年の経験と技術開発力、特に新製品「Xscend®」によるSDN対応ネットワークの提供に強みを持っています。ファブレスモデルにより開発にリソースを集中できる点も強みです。
- 高い財務健全性: 長期の赤字にもかかわらず、自己資本比率65.5%、流動比率12.73倍を維持しており、短期・中長期的な債務返済能力は非常に高いです。これは新株予約権による資金調達にもつながり、事業再建の期間を確保する上で重要な要素です。
弱み
- 長期的な赤字と継続企業の前提: 過去6期連続で営業利益・経常利益・当期純利益が損失となっており、継続企業の前提に重要な不確実性が存在すると開示しています。本業での収益創出能力が極めて低い点が最大の弱みです。
- 新製品への依存度と進捗の遅れ: 事業再建の柱である「Xscend®」への依存度が高い一方で、第3四半期までの業績進捗を見ると通期目標達成には大幅な改善が必要であり、計画達成の不確実性が高いです。製品導入が遅れれば、さらに収益性が悪化するリスクがあります。
機会
- 5G/6G時代のデータ通信需要増加とIP化: 放送業界のIP化、そして5G/6G時代の到来による大規模データ伝送需要の高まりは、同社の技術と製品にとって大きな市場機会となり得ます。特に大規模スポーツイベントなど、高精細映像のリアルタイム伝送ニーズは増加傾向にあります。
- 新領域への事業展開と技術的な優位性の活用: 放送以外のe-learningやストリーミングサービスといった領域への事業展開は、同社のコア技術を応用した新たな収益源となる可能性があります。これらの分野での技術的優位性を確立できれば、市場での存在感を高められるでしょう。
脅威
- 激しい技術競争と海外大手競合: 放送・通信機器市場は技術革新が激しく、特に海外大手ベンダーとの競争が激化しています。技術開発に出遅れたり、競合他社がより安価で高性能な製品を投入したりすれば、市場シェアを失い、収益性がさらに悪化する可能性があります。
- サプライチェーンの問題と為替変動: 半導体などの部品供給が不安定な状況が継続した場合、製品製造に遅延が生じ、売上機会の損失を招く可能性があります。また、海外売上が期待されるため、為替の変動は収益に直接的な影響を与える脅威となり得ます。
この銘柄が向いている投資家
- ハイリスク・ハイリターンを許容できる投資家: 継続企業の前提に関する不確実性や長期的な赤字といった高いリスクを理解し、事業再生が成功した場合の大きなリターンに期待する投資家。
- 事業再生・再編の可能性に賭ける投資家: 新製品「Xscend®」の市場浸透や経営戦略の転換が成功し、企業価値が飛躍的に向上する可能性を信じる投資家。特に、新しい技術や市場の初期段階での成長に注目する投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 継続企業の前提に関する注記の解消状況: 最も重要な注意点です。この注記が解除されるまでは、投資判断には極めて慎重である必要があります。四半期ごとの決算発表で、黒字化に向けた具体的な進捗と、継続企業の前提に関する記載の変化を綿密に確認することが不可欠です。
- 通期目標営業利益達成の難易度: 第3四半期時点での大幅な営業損失を考慮すると、通期で営業利益17百万円という目標は極めて高いハードルです。第4四半期での著しい利益貢献がなければ、再び通期で大幅赤字となる可能性が高く、その際には株価への更なる下落圧力がかかるでしょう。目標達成に向けた具体的な施策と進捗を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益の黒字化に向けた進捗: 特に四半期ごとの営業利益が単独で黒字転換できるか、通期予想を達成できるかどうかに注目。
- 新製品「Xscend®」の受注状況と売上貢献度: 事業再建の鍵となる新製品の導入状況や、大型案件の獲得状況に関するアナウンスを注視。
- 運転キャッシュフローの改善: 継続企業の前提を解消するには、本業で現金を稼ぐ力が不可欠です。営業キャッシュフローの継続的なプラス転換を目指せるか、その兆候が見られるかに注目。
成長性:D(強い懸念)
過去12ヶ月の売上高成長率は-15.0%と大きく落ち込んでおり、直近の四半期売上成長率もマイナスです。2026年3月期通期では売上高16.9%増を予想していますが、第3四半期の実績から目標達成は困難な状況と判断されます。長期的に売上高が停滞し、事業の成長が実現できていないため、成長性には強い懸念があると評価します。
収益性:D(強い懸念)
過去12ヶ月のROEは-15.96%、ROAは-6.55%、営業利益率は-52.78%と、いずれも大幅なマイナスを計上しています。収益性のベンチマーク(ROE 10%以上、ROA 5%以上、営業利益率 5%以上)を大きく下回っており、本業での収益創出能力が極めて低い状況です。継続的な赤字は事業の存続に関わる重大な懸念事項であり、D評価とします。
財務健全性:A(良好)
自己資本比率65.5%は60%以上のS評価基準を満たし、非常に高い水準です。流動比率12.73倍も200%以上のS評価基準を大きく上回っています。F-Scoreの財務健全性スコアは3/3と満点であり、D/Eレシオも2.79%と非常に低いことから、数値上は極めて健全な財務体質を保っています。長期的な赤字にもかかわらず、手元の資金や資産が潤沢であるため、A評価とします。
バリュエーション:D(割高/評価困難)
同社は継続的に赤字であるためPERを算出できず、この指標での評価は困難です。PBRは1.03倍であり、業界平均の0.8倍と比較すると割高な水準です。収益性が極めて低い現状において、純資産に対して株価が割安であるとは言えず、むしろ割高感が指摘されます。赤字企業であり、目標株価(業種平均PBR基準)が現在の株価を下回っていることから、バリュエーションはD評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 6659 |
| 企業名 | メディアリンクス |
| URL | https://medialinks.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ソリトンシステムズ | 3040 | 2,087 | 411 | 18.71 | 2.92 | 16.6 | 2.68 |
| 池上通信機 | 6771 | 716 | 52 | 26.03 | 0.35 | 1.4 | 2.09 |
| テクノマセマティカル | 3787 | 662 | 17 | 28.65 | 0.93 | 3.4 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。