企業の一言説明
建設技術研究所は、土木・建設分野における計画、調査、設計、監理を手がける総合建設コンサルティングの大手企業です。特に道路・河川分野に強みを持ち、高い資格保有者比率で技術力を背景に国内外で事業を展開しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 盤石な財務基盤と高い技術力: 自己資本比率69.1%、流動比率2.75倍と財務健全性が極めて高く、Piotroski F-Scoreも7/9(S判定)と優良です。多数の資格保有者を抱え、社会インフラ整備に不可欠な専門技術で安定した事業基盤を築いています。
- 海外事業拡大とDX推進による成長戦略: 国内市場の成熟化を見据え、海外事業(特に受注高が大幅増)とDX分野(BIM/CIM導入など)への投資を通じて成長機会を追求しています。CM/PM、情報提供サービス、エネルギーといった成長分野への資源シフトも進めています。
- 一時的な収益性の課題とリスク: 2025年12月期は売上目標達成も特別損失計上等により営業利益・純利益が減益となりました。海外事業の収益性改善およびDX・人材投資の成果の具現化が今後の課題となります。為替変動や海外市場の景況、公共財源の動向が事業リスクとして挙げられます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | B | 普通 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | A | 良好 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 3,425円 | – |
| PER | 13.49倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 1.42倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 2.28% | – |
| ROE | 9.30% | – |
1. 企業概要
建設技術研究所(CTI Engineering Co., Ltd.)は、1944年設立の総合建設コンサルティング大手です。河川、道路、ダム、港湾、上下水道など、土木・建設工事全般にわたる計画、調査、設計、監理サービスを提供しています。特に河川・道路分野に強みを持ち、多数の技術士などの資格保有者を擁する高い技術力が特徴です。収益モデルはコンサルティングフィーであり、国内公共事業の他、海外展開にも注力しています。
2. 業界ポジション
国内建設コンサルティング業界において大手の一角を占め、特に道路・河川分野で強固な市場シェアを維持しています。技術的な専門性と豊富な実績が競合に対する最大の強みです。業界平均と比較して、PER 13.49倍(業界平均17.0倍)、PBR 1.42倍(業界平均1.8倍)であり、比較的割安な水準にあります。これは、業界平均と比べて企業の評価が低いか、株価が企業価値に対して適切に評価されていない可能性を示唆しています。
3. 経営戦略
建設技術研究所は、「中期経営計画2027」を策定し、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。主な戦略は以下の通りです。
- 事業ポートフォリオ変革: コア事業を維持しつつ、CM/PM(コンストラクション・マネジメント/プロジェクト・マネジメント)、情報提供サービス、エネルギーといった成長分野への経営資源シフトを進めます。
- DX・生産性向上: 3次元設計支援システム(BIM/CIM)の導入など、デジタル技術を活用した生産性向上に取り組んでいます。
- 海外事業の収益性改善: 海外市場での受注高拡大に加え、英国子会社Watermanの統合効果やCTIIの稼働率向上により収益性の改善を図ります。
- 資本効率向上: 連結配当性向30%以上、DOE(株主資本配当率)3%以上を基本方針とし、政策保有株式の縮減や自己株式取得により、株主還元と資本効率の向上を目指します。
2025年12月期は売上高目標1,000億円を達成しましたが、営業利益は未達でした。2026年12月期は増収増益を計画し、中計2027の初年度として必達を目指す方針です。
今後のイベント: 2026年12月29日に配当の権利落ち日を迎える予定です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 良好(純利益、営業CF、ROA全てプラス) |
| 財務健全性 | 3/3 | 優良(流動比率高、D/Eレシオ低、株式希薄化なし) |
| 効率性 | 1/3 | やや改善余地あり(営業利益率・ROEが目標未達) |
各カテゴリの根拠:
収益性スコア3/3は、純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであるため、過去12か月間の収益創出能力が良好であることを示しています。財務健全性スコア3/3は、流動比率2.75が1.5以上、有利子負債比率8.18%が1.0未満、および株式希薄化がないことから、短期・長期の債務返済能力が高いことを裏付けています。一方で、効率性スコア1/3は、営業利益率9.53%とROE9.35%がいずれも目標の10%を下回っており、資本や資産の効率的な活用において改善の余地があることを示しています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 9.53%
- ROE(実績): 9.30% (ベンチマーク: 10%に対しわずかに下回るものの健闘)
- ROA(過去12か月): 6.21% (ベンチマーク: 5%に対し良好)
直近12か月の営業利益率は約9.5%で、高水準を維持しています。ROEは9.3%とベンチマークの10%にわずかに届いていませんが、ROAは6.21%とベンチマークを上回っており、資産を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 69.1% (非常に高水準で極めて健全)
- 流動比率(直近四半期): 2.75倍 (約275%、短期的な支払い能力が十分に高い)
自己資本比率69.1%は非常に高く、財務基盤が極めて盤石であることを示しています。流動比率2.75倍も短期的な資金繰りに全く問題がないことを意味しており、非常に優れた財務健全性を有しています。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月): 57.7億円 (安定して創出)
- FCF(過去12か月): 24.5億円 (安定して創出)
- 現金及び現金同等物(期末): 150.9億円
営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに安定してプラスを維持しており、本業で着実に現金を稼ぎ出していることが分かります。手元資金も潤沢です。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 0.97倍
これは、純利益の約97%が営業キャッシュフローによって裏付けられていることを意味し、利益の質は比較的健全です。一部、現金化されていない利益があるものの、大きな乖離はなく信用性の高い利益と評価できます。
【四半期進捗】
2025年12月期の実績では、売上高1,010億3,800万円、営業利益91億3,600万円、純利益59億5,200万円となり、売上高は前年比+3.4%と増収となりましたが、営業利益は▲2.8%、純利益は▲11.8%と減益となりました。
一方で、2026年12月期の通期予想では、売上高1,050億円(前年比+3.9%)、営業利益105億円(前年比+14.9%)、純利益70億円(前年比+17.6%)と増収増益を見込んでいます。特に利益面では大幅な回復が計画されており、今後の進捗が注目されます。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 13.49倍 (業界平均17.0倍と比較して割安)
- 株価が利益の何年分かを表すPERは、業界平均より低く、割安感があります。
- PBR(実績): 1.42倍 (業界平均1.8倍と比較して割安)
- 株価が純資産の何倍かを表すPBRも、業界平均より低く、割安感があります。
業界平均と比較して、PER、PBRともに割安な水準にあり、企業価値に対して株価が過小評価されている可能性があります。目標株価(業種平均PER基準)3,453円、目標株価(業種平均PBR基準)4,342円と比較すると、現在の株価3,425円はPER基準ではほぼ適正、PBR基準では上昇余地がある水準と言えます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 113.05 / シグナル値: 78.83 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 64.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.53% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +8.83% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +13.36% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +18.37% | 長期トレンドからの乖離 |
RSIが64.1%と買われすぎの水準にはなく、MACDも中立を示しています。株価は全ての移動平均線を上回っており、短期から長期まで上昇トレンドが継続していることが示唆されます。特に200日移動平均線からの乖離率が高いことから、比較的強い上昇モメンタムにあると言えます。
【テクニカル】
現在の株価3,425円は、52週高値3,575円に近く、52週安値2,044円からは大きく上昇した水準(レンジ内位置90.2%)にあります。全ての短期・中期・長期移動平均線を上回って推移しており、上昇トレンドが継続している状況です。直近の株価は1ヶ月で12.66%、3ヶ月で16.77%と堅調に推移しています。
【市場比較】
過去1ヶ月、日経平均(+7.68%)およびTOPIX(+6.09%)と比較して、建設技術研究所の株価はそれぞれ4.99%ポイント、6.57%ポイント上回るパフォーマンスを見せており、直近では市場をアウトパフォームしています。しかし、6ヶ月、1年といった期間では日経平均比でアンダーパフォームしており、市場全体の大きな上昇トレンドには乗り切れていない局面も見られます。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 31.81%
- 仮に100万円投資した場合、年間で±31.81万円程度の変動が想定されます。
- 最大ドローダウン: -45.17%
- 過去データによると、投資元本が最大で45.17%減少するリスクがあったことを意味します。この程度の下落は今後も起こりうると考えられます。
- ベータ値: 0.16 (市場全体の値動きに対する感応度が低いことを示唆)
【事業リスク】
- 海外事業の不確実性: 海外市場での受注高は増加しているものの、為替変動リスク、英国のインフレや景況感の悪化、JICA予算縮小といった外部要因によって、収益性が計画通りに改善しない可能性があります。2025年12月期は海外事業のセグメント利益が大幅減となりました。
- 国内公共事業への依存: 国内の公共財源の動向や地方自治体の職員不足は、国内建設コンサルティング事業の安定性に影響を与える可能性があります。
- DX・人材投資の成果の不確実性: BIM/CIM導入や人材育成への投資は長期的な成長を支えるものですが、短中期的な収益貢献が不確実であること、また想定通りの効果が得られないリスクがあります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残23,100株に対し、信用売残18,200株。信用倍率は1.27倍と低水準であり、需給の逼迫や将来の売り圧力の懸念は小さいと判断されます。
- 主要株主構成: 上位株主に日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、(有)光パワー、自社従業員持株会が名を連ねており、機関投資家や従業員による安定した保有が見られます。自社(自己株口)も1.86%を保有しています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.28%
- 1株配当(会社予想): 78.00円
- 配当性向(会社予想): 30.5% (連結) (決算説明資料の基本方針である連結配当性向30%以上を上回る計画)
- 自社株買い: 決算説明資料で自己株式取得の上限15億円、70万株を公表しており、積極的な株主還元姿勢を示しています。
配当性向は30.5%と安定的な株主還元を目指す方針を示しており、成長投資と株主還元のバランスを考慮していると言えます。
SWOT分析
強み
- 国内建設コンサルティング業界での大手としての地位と高い技術力(多数の資格保有者)。
- 極めて健全な財務基盤(自己資本比率、流動比率、F-Score)。
弱み
- 海外事業の収益性が不安定であり、全体収益を圧迫する可能性がある。
- 国内市場の成熟化や公共財源の制約による成長鈍化リスク。
機会
- DX推進(BIM/CIM等)による生産性向上と新たなサービス領域の開拓。
- CM/PM、情報サービス、エネルギーなど成長分野への事業多角化。
脅威
- 為替変動、海外市場の景況感悪化、JICA予算縮小など、海外事業に影響する外部環境要因。
- 国内の公共事業投資の長期的な縮小傾向。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤と配当を重視する中長期投資家: 盤石な財務と中計で明示された株主還元方針は、安定志向の投資家にとって魅力的です。
- 社会インフラ関連銘柄に関心のある投資家: 国内外のインフラ整備は継続的なニーズがあり、その専門技術を持つ同社はポートフォリオの一部として検討に値します。
この銘柄を検討する際の注意点
- 2026年12月期の増益予想が達成されるか、特に海外事業の収益性改善が計画通りに進むか。
- 新分野(CM/PM、情報提供、エネルギー)への投資が今後の具体的な収益にどう貢献していくか。
今後ウォッチすべき指標
- 海外事業のセグメント利益(目標値:持続的な増益トレンド転換)
- 受注残高、特に海外・新規事業分野での積み上がり状況
- 自己資本比率70%以上の維持と、中計目標であるROE12%への進捗
10. 企業スコア
- 成長性: C
- 2025年12月期の売上高成長率は+3.4%、2026年12月期の予想売上高成長率は+3.9%であり、いずれも成長性評価基準の0-5%に該当するためCと評価します。
- 収益性: B
- ROEは9.3%、営業利益率は9.0%であり、ともにベンチマークの10%には届かないものの、8-10%の範囲内であるためBと評価します。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率69.1%(基準60%以上でS)、流動比率2.75倍(基準200%以上でS)、Piotroski F-Scoreも7点(基準7点以上でS)と、全ての項目で優良と判断されるためSと評価します。
- バリュエーション: A
- PER13.49倍は業界平均17.0倍の約79%、PBR1.42倍は業界平均1.8倍の約79%であり、いずれも業界平均の80-90%の範囲内に位置し、割安感があるためAと評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 9621 |
| 企業名 | 建設技術研究所 |
| URL | http://www.ctie.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,425円 |
| EPS(1株利益) | 253.83円 |
| 年間配当 | 2.28円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 1.6% | 15.5倍 | 4,271円 | 4.6% |
| 標準 | 1.3% | 13.5倍 | 3,645円 | 1.3% |
| 悲観 | 1.0% | 11.5倍 | 3,059円 | -2.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,425円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,818円 | △ 88%割高 |
| 10% | 2,271円 | △ 51%割高 |
| 5% | 2,865円 | △ 20%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 応用地質 | 9755 | 2,913 | 708 | 19.68 | 0.85 | 4.6 | 3.08 |
| NJS | 2325 | 4,575 | 459 | 19.15 | 1.52 | 8.2 | 2.40 |
| オリエンタルコンサルタンツホールディングス | 2498 | 3,150 | 389 | 10.11 | 1.32 | 13.5 | 3.96 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。