企業の一言説明

東京エレクトロン デバイスは、半導体・電子デバイスおよびコンピュータシステム関連製品を提供する独立系技術商社です。主に米国製の製品を取り扱い、設計受託も手掛けることで産業用途に強みを持つ企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高い財務健全性と収益性: Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)と非常に高く、特に収益性と財務健全性が優れています。ROEも19.10%と高水準を維持しており、株主資本を効率的に活用しています。
  • 独自のビジネスモデルと多角化: 半導体製品の提供に加え、設計開発やコンピュータシステム関連事業も手掛けることで、単なる商社機能に留まらない付加価値を提供しています。特にコンピュータシステム事業は直近で成長しており、事業ポートフォリオの多角化が進んでいます。
  • 減速する成長率と割高なバリュエーション: 直近の決算では売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となっており、通期予想も減収減益を見込んでいます。また、PER、PBRともに業界平均と比較して割高な水準にあり、株価は市場から高い期待を織り込まれています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 減速傾向
収益性 A 良好
財務健全性 A 良好
バリュエーション D 割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,630.0円
PER 14.88倍 業界平均の123%
PBR 2.17倍 業界平均の217%
配当利回り 2.73%
ROE 19.10%

1. 企業概要

東京エレクトロン デバイスは、半導体・電子デバイスとコンピュータシステム製品の技術商社です。半導体製品、ボード、ソフトウェア、その他の電子部品の設計、開発、販売から、データセンター、ネットワーク、セキュリティ、ストレージといったソリューション提供まで幅広く手掛けています。特に設計受託に強みを持ち、産業用途での顧客基盤を築いています。米国製製品の取り扱いが多く、技術的独自性とサプライヤーとの連携が参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

同社は独立系技術商社として、半導体・電子部品市場で存在感を示しています。特定の市場シェアの具体的なデータは限られますが、大手メーカーとの密接な協力体制により差別化を図っています。競合に対しては、設計開発力と技術サポートが強みです。業界平均と比較すると、PERは14.88倍(業界平均12.1倍)、PBRは2.17倍(業界平均1.0倍)と、いずれも業界平均を上回っており、市場からの評価は比較的高いと言えます。

3. 経営戦略

2026年3月期第3四半期決算短信によると、半導体市場の調整局面にあるものの、コンピュータシステム関連事業は売上高12.5%増、セグメント利益31.1%増と好調を維持しています。主力である半導体及び電子デバイス事業の落ち込みをカバーし、ポートフォリオの多角化戦略が機能していることが示唆されます。今後のイベントとして、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAいずれも良好な状態である
財務健全性 3/3 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の点で健全性が保たれている
効率性 1/3 ROEは高い水準だが、営業利益率と四半期売上成長率は改善の余地がある

【収益性】

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12か月) 5.44% 5-10% (B判定基準) 概ね良好
ROE(実績) 19.10% 10%以上 優良
ROA(実績) 5.66% 5%以上 良好
  • ROE 19.10%とROA 5.66%は、株主資本および総資産を効率的に活用して収益を上げていることを示し、優良な水準です。営業利益率は5.44%で、業種特性を考慮すると妥当な範囲ですが、更なる改善の余地を秘めています。

【財務健全性】

指標
自己資本比率(実績) 30.5%
流動比率(直近四半期) 1.73 (173%)
  • 自己資本比率30.5%は、上場企業としては標準的な水準ですが、より高い安定性を求めるならば40%以上が望ましいです。流動比率173%は、短期的な債務返済能力が良好であることを示していますが、一般的に目安とされる200%には及んでいません。しかし、F-Scoreの評価では財務健全性が高評価であり、問題ないレベルと言えます。

【キャッシュフロー】

指標
営業キャッシュフロー(過去12か月) 174億円
フリーキャッシュフロー(2026年3月期第3四半期累計) 81.2億円
  • 安定的に多額の営業キャッシュフローを創出しており、本業で現金を稼ぐ力は非常に強いです。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、事業拡大や株主還元に充てる自由な資金が確保されています。

【利益の質】

指標 評価 根拠
営業CF/純利益比率 2.09 S (優良) キャッシュフローが利益を大幅に上回っており、利益の質は極めて健全です。
  • 営業キャッシュフローが純利益の2倍以上となっており、会計上の利益が適切に現金として裏付けられていることを示しています。これは利益の質が極めて高い状態であり、粉飾決算などのリスクが低いと判断できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計(2025年4月1日~12月31日)は、通期予想に対して進捗率は以下の通りです。

項目 第3四半期累計実績 通期会社予想 進捗率
売上高 146,716百万円 200,000百万円 73.4%
経常利益 6,306百万円 9,100百万円 69.3%
純利益 5,030百万円 7,200百万円 69.9%
  • 通期予想に対する進捗率は売上高、利益ともに約7割程度であり、第4四半期で残りを達成する必要があります。過去の傾向や市場環境を考慮すると、達成は可能と見られますが、特に利益面ではやや慎重な進捗となっています。

直近3四半期(過去12か月の損益計算書)の売上高・営業利益の推移は以下の通りです。

決算期 売上高 営業利益
2024年3月期 242,888百万円 15,428百万円
2025年3月期 216,379百万円 12,457百万円
過去12か月 200,911百万円 9,729百万円
2026年3月期予想 200,000百万円 N/A (9,100百万円)
  • 売上高および営業利益は、2024年3月期をピークに減少傾向にあります。これは、半導体市場のサイクルに伴う調整局面の影響を強く受けていることを示唆しています。

【バリュエーション】

指標 業界平均 業界平均比 判定
PER(会社予想) 14.88倍 12.1倍 123% 割高
PBR(実績) 2.17倍 1.0倍 217% 割高
  • PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、同社の株価は相対的に割高な水準にあると評価できます。目標株価(業種平均PER基準)2,901円、目標株価(業種平均PBR基準)1,672円と比較しても、現在の3,630円はこれらを上回っています。これは、市場が将来の成長性や企業価値を高く評価していることの表れとも考えられますが、投資する際には慎重な検討が必要です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 69.36 / シグナル値: 78.48 短期的なトレンドに明確な方向性は見られない
RSI 中立 52.1% 買われすぎでも売られすぎでもない中立ゾーンに位置する
5日線乖離率 -1.60% 直近の株価は短期的なモメンタムからやや下方に乖離
25日線乖離率 -0.07% 株価は短期トレンドラインの近くに位置し、方向性が定まらない
75日線乖離率 +7.81% 中期トレンドから株価は上方に乖離している
200日線乖離率 +19.99% 長期トレンドから株価は大きく上方に乖離しており、上昇トレンドが継続

【テクニカル】

  • 現在の株価3,630円は、52週高値3,860円に対し85.0%の位置にあり、高値圏で推移しています。これは、過去1年間で株価が大きく上昇したことを示しています。
  • 移動平均線との関係を見ると、5日移動平均線(3,689.00円)と25日移動平均線(3,632.60円)を下回っており、短期的な調整局面にある可能性があります。しかし、75日移動平均線(3,367.15円)と200日移動平均線(3,025.90円)は大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されています。

【市場比較】

過去の市場指数との相対パフォーマンスは以下の通りです。

期間 株価騰落率 日経平均騰落率 TOPIX騰落率 日経平均比 TOPIX比
1ヶ月 -0.95% +7.68% +6.09% 8.63%ポイント下回る 7.05%ポイント下回る
3ヶ月 +26.44% +12.92% データなし 13.52%ポイント上回る データなし
6ヶ月 +22.35% +33.24% データなし 10.89%ポイント下回る データなし
1年 +16.72% +46.51% データなし 29.79%ポイント下回る データなし
  • 直近1ヶ月および6ヶ月、1年では日経平均やTOPIXのパフォーマンスを下回っています。これは、市場全体の上昇ペースが速い中で、同社の株価が相対的に出遅れている、あるいは調整局面にあることを示唆しています。ただし、3ヶ月で見ると日経平均を上回っており、短期的には回復の兆しを見せています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率10.77倍と高水準にあり、将来の売り圧力が顕在化する可能性に注意が必要です。

【定量リスク】

指標
年間ボラティリティ 42.90%
シャープレシオ 0.50
最大ドローダウン -41.58%
  • 年間ボラティリティ42.90%は、株価の変動が大きいことを示しており、リスクの高い銘柄と言えます。仮に100万円投資した場合、年間で±42.9万円程度の変動が想定されるため、投資には十分なリスク許容度が必要です。シャープレシオ0.50は、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない水準です。過去の最大ドローダウン-41.58%は、この程度の下落が今後も起こりうるリスクとして認識しておくべきです。

【事業リスク】

  • 半導体市場の循環性: 主力である半導体・電子デバイス事業は、半導体市場の景気循環に大きく影響を受けます。世界経済の減速や供給過剰は、売上高や利益に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替変動リスク: 主に米国製製品を取り扱っているため、円高に振れると輸入コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。
  • 特定サプライヤーへの依存と競争激化: 特定の半導体メーカーや製品群への依存度が高い場合、サプライヤーとの関係悪化や競合製品の台頭により、競争優位性が失われるリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が信用売残を大きく上回り、信用倍率は10.77倍と高水準です。これは、株価が上昇した場合に利益確定売りが出やすい環境にあることを示唆しており、将来の売り圧力に注意が必要です。
主要株主は、親会社である東京エレクトロンが33.82%を保有し筆頭株主となっています。次いで日本マスタートラスト信託銀行、自社社員持株会などが名を連ね、安定株主が一定割合を占めています。

8. 株主還元

配当利回りは2.73%(会社予想)であり、配当性向は42.54%です。これは利益の約4割を株主への配当に回していることを示し、安定的な株主還元姿勢が窺えます。ただし、2026年3月期の年間配当予想99.00円は、前期の119.00円から減配となる見込みです。データ上、直近の自社株買いの実施状況は確認できません。

SWOT分析

強み

  • Piotroski F-Score S評価に裏打ちされた高い財務健全性と収益性
  • 半導体商社機能と設計受託、コンピュータシステム関連事業による多角的な収益源

弱み

  • 直近の業績は売上高・営業利益ともに減少傾向
  • 業界平均と比較して割高なバリュエーション

機会

  • 長期的な半導体市場の成長と技術革新(AI、IoT等)
  • コンピュータシステム関連事業の継続的な成長と市場拡大

脅威

  • 半導体市場の景気循環と価格競争の激化
  • 為替変動リスクと特定サプライヤーへの依存

この銘柄が向いている投資家

  • 中長期的な視点を持つバリュー投資家: 一時的な業績の波や割高なバリュエーションを理解し、企業の高い財務品質と成長戦略に期待できる投資家。
  • 技術セクターの動向を追う投資家: 半導体やITインフラの進化に関心があり、同社の技術商社としての付加価値提供能力を評価する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 足元の業績は調整局面に入っており、今後の市況回復のタイミングを見極める必要があります。
  • 指標上は割高なバリュエーションにあるため、市場が織り込む成長が実現しない場合、株価調整リスクが存在します。

今後ウォッチすべき指標

  • 半導体市場の需給動向と、同社の半導体及び電子デバイス事業の受注高とBook-to-Bill比率(目安として1.0以上)。
  • コンピュータシステム関連事業の売上高成長率と利益率の推移。

成長性:D(減速傾向)

  • 過去12か月売上高(200,911百万円)は2025年3月期(216,379百万円)から減少しており、直近の四半期決算も売上高は前年同期比でマイナス成長です。2026年3月期の通期売上高予想も前年比減を見込んでいるため、成長は減速傾向と評価します。

収益性:A(良好)

  • 実績ROEは19.10%と優良基準(15%以上)を大きく上回っています。営業利益率5.44%はB判定基準(5-10%)を満たしますが、S判定基準(15%以上)には届きません。しかし、ROEの高さと利益の質の健全性(営業CF/純利益比率2.09)を考慮し、全体として良好なA評価とします。

財務健全性:A(良好)

  • Piotroski F-Scoreが7/9点(S:優良)と非常に高く、その中の財務健全性スコアも3/3点です。自己資本比率30.5%はB判定基準(30-40%)に、流動比率173%はA判定基準(150%以上)にそれぞれ該当します。自己資本比率がS基準(60%以上)に届かないため、S評価ではなく良好なA評価とします。

バリュエーション:D(割高)

  • PER14.88倍は業界平均12.1倍の約123%にあたり、PBR2.17倍は業界平均1.0倍の約217%にあたります。PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、基準値(業界平均の130%以上でD、110-130%でC)に照らし合わせると、割高であると判断しD評価とします。

企業情報

銘柄コード 2760
企業名 東京エレクトロン デバイス
URL http://www.teldevice.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,630円
EPS(1株利益) 243.97円
年間配当 2.73円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 2.7% 17.1倍 4,761円 5.6%
標準 2.0% 14.9倍 4,018円 2.1%
悲観 1.2% 12.6倍 3,280円 -1.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,630円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,005円 △ 81%割高
10% 2,504円 △ 45%割高
5% 3,159円 △ 15%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
マクニカホールディングス 3132 2,613 4,679 17.32 1.73 10.6 2.67
BIPROGY 8056 4,427 4,456 15.10 2.50 17.1 2.71
丸文 7537 1,255 352 14.66 0.61 4.4 3.98

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。