企業の一言説明
中外鉱業は、貴金属のリサイクルと精錬を主軸に、不動産、機械、およびコンテンツ事業を展開する多角化企業です。貴金属市況の影響を大きく受ける特性を持ちながらも、近年は異分野への事業展開を進めています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 貴金属事業の急成長と収益牽引力: 近年の貴金属価格高騰を背景に、主軸の貴金属事業が売上・利益ともに大幅な成長を遂げ、企業全体の収益を牽引しています。
- 多角化による事業ポートフォリオ: 不動産、機械、コンテンツといった異なる事業を展開しており、特にコンテンツ事業は近年成長を見せていましたが、直近では減速傾向にあります。事業間の相関性が低く、リスク分散の可能性を秘めています。
- 高ボラティリティと需給の偏りによる株価変動リスク: 市場の関心度が低い中で、株価は非常に高いボラティリティを示しています。信用売残が0株である一方、信用買残が多いことから、将来的な売り圧力が顕在化する可能性があり、注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な成長トレンド |
| 収益性 | B | まずまずの収益力 |
| 財務健全性 | S | 非常に優良 |
| バリュエーション | C | やや割高水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 995.0円 | – |
| PER | 11.20倍 | 業界平均14.5倍(約-22.7%) |
| PBR | 1.53倍 | 業界平均0.7倍(約+118.6%) |
| 配当利回り | 3.92% (予想) | – |
| ROE | 15.93% | – |
1. 企業概要
中外鉱業は1932年設立、貴金属事業を主軸に展開する企業です。金やプラチナなどの貴金属のリサイクル、精錬、加工、販売を行うとともに、ダイヤモンドや宝飾品の売買も手掛けています。さらに、都市部の不動産売買、賃貸、管理を行う不動産事業、NC旋盤やマシニングセンタなどの工作機械やシートメタル加工機械の売買を行う機械事業、アニメ・コミック・ゲームキャラクターの企画、制作、販売を行うコンテンツ事業も併営し、多角的な収益モデルを構築しています。技術的独自性としては、貴金属のリサイクル・精錬におけるノウハウと、各事業間のシナジー(例:不動産事業の収益を新規事業に投資するなど)が挙げられますが、具体的な参入障壁は特筆すべきものとしてデータからは確認できません。
2. 業界ポジション
中外鉱業は「鉄鋼・非鉄」セクター、「非鉄金属」業種に分類されますが、事業内容からは「Gold」産業に深く関連しています。貴金属の国際市況に大きく影響を受ける特性から、市場の変動性が高い環境にあります。貴金属リサイクル市場における具体的なシェアはデータから明確ではありませんが、大手貴金属メーカーや総合商社などとも競合します。多角化事業はそれぞれ異なる競争環境にあり、例えばコンテンツ事業ではキャラクターグッズ市場の激しい競争に晒されています。
業界平均との比較では、PER(株価収益率:株価が1株あたり利益の何倍か)が11.20倍と業界平均の14.5倍を下回っており、利益面から見るとやや割安感がある一方、PBR(株価純資産倍率:株価が1株あたり純資産の何倍か)は1.53倍と業界平均の0.7倍を大きく上回っており、純資産に対しては割高と評価できます。これは、同社が貴金属を「在庫」として保有する特性や、株価が資産価値以上に評価されていることを示唆している可能性があります。
3. 経営戦略
中外鉱業は、貴金属事業を収益の大黒柱としつつ、不動産、機械、コンテンツという多角的な事業ポートフォリオを通じて、事業リスクの分散と新たな成長機会の捕捉を目指しています。
直近の2026年3月期第3四半期決算短信では、通期売上高予想を2,710億円と大幅に上方修正しており、貴金属事業の好調が続いていることが伺えます。特に、純利益については第3四半期時点で既に通期予想を上回る進捗を見せており、通期での上方修正が期待されます。
セグメント別では、貴金属事業が売上高前年比67.7%増、セグメント利益133.9%増と極めて高い成長を達成し、全体の業績を牽引しています。一方で、機械事業は売上高8.5%減、セグメント損失計上、コンテンツ事業も売上高32.3%減、セグメント利益82.0%減と大きく苦戦しており、事業間の業績格差が顕著です。経営陣は、貴金属市況の変動に強い事業構造を目指しつつ、収益性の高い事業への集中や、不採算事業の再編なども視野に入れている可能性があります。
今後の重要なイベントとしては、2025年3月28日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。これは株式併合後の予想配当に関するもので、投資家は配当権利を得るためにこの日までに株式を保有する必要があります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
システム提供のF-Scoreは、企業の財務健全性を9つの基準で評価する指標です。中外鉱業のF-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAが良好である一方、営業キャッシュフローのデータがシステム上不明。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の観点ですべて優良。 |
| 効率性 | 2/3 | ROEと四半期売上成長率は良好だが、営業利益率は改善の余地がある。 |
総合スコアが7/9点と「S: 優良」評価であり、企業の財務品質は非常に良好と判断できます。特に財務健全性の項目では満点(3/3)を獲得しており、バランスシートの強固さが示されています。収益性と効率性については、純利益とROAが高い水準にあるものの、営業利益率が10%の目安に対し0.96%と低い点、またシステム上は営業キャッシュフローの項目が「データなし」とされている点がやや気になります。ただし、決算短信のキャッシュフローデータを見ると2025年3月にはプラスの営業CFを計上しており、実際のキャッシュ生成能力は問題ないと考えられます。F-Scoreはあくまで目安の一つであり、個別の指標を詳しく見ていく必要があります。
【収益性】
中外鉱業の収益性は以下の通りです。
- 営業利益率(過去12か月): 0.96%
- ROE(実績): 15.93% (ベンチマーク: 10%)
- ROA(過去12か月): 6.01% (ベンチマーク: 5%)
営業利益率が1%未満と非常に低い水準にあります。これは、主力の貴金属事業が売上高が大きい一方で、仕入れコストも非常に高いため、粗利率や営業利益率が低くなる傾向にあるためです。しかし、ROE(株主資本利益率:株主のお金でどれだけ効率的に稼いだか)は15.93%とベンチマークの10%を大きく上回り、「優良」な水準です。これは、株主資本を効率的に活用して利益を上げていることを示しています。ROA(総資産利益率:企業の総資産でどれだけ効率的に稼いだか)も6.01%とベンチマークの5%を上回っており、「良好」な評価です。低い営業利益率にもかかわらず高いROE・ROAを達成できているのは、資産回転率の高さや、貴金属事業における多額の仕入れと売却サイクルが速いことなどが背景にあると考えられます。
過去の推移を見ると、ROEは2024年3月期の3.05%から2025年3月期の15.93%へと急激に改善しており、直近の業績好調が収益性を大幅に押し上げていることが分かります。
【財務健全性】
財務健全性に関わる指標は以下の通りです。
- 自己資本比率(実績): (連)49.5%
- 自己資本比率(直近四半期末): 40.0% (前期末49.5%から低下)
- 流動比率(直近四半期): 1.61倍
自己資本比率は企業の安定性を示す重要な指標で、40%以上あれば一般的に健全とされます。中外鉱業の2025年3月期連結実績は49.5%と良好な水準でした。しかし、直近の2026年3月期第3四半期末時点では40.0%に低下しており、今後も推移を注視する必要があります。これは、貴金属市況の影響による在庫増加やそれに伴う運転資本の増加、流動負債の急増(前年比+69.0%)が背景にあると推測されます。
流動比率(短期的な負債の返済能力を示す指標)は1.61倍(161%)と、短期的な支払い能力に大きな問題はありませんが、ベンチマークとされる200%(2倍)には達していません。流動負債の急増は、資金繰りにある程度のプレッシャーを生じさせている可能性も考えられます。
Total Debt/Equity(負債資本比率)は39.84%であり、自己資本に対する借入金が比較的低く、こちらも健全な水準と言えます。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー (営業CF):
- 2023年3月期: -1,121百万円
- 2024年3月期: 491百万円
- 2025年3月期: 840百万円
- フリーキャッシュフロー (FCF):
- 2023年3月期: -1,285百万円
- 2024年3月期: -85百万円
- 2025年3月期: 297百万円
営業CFは、本業でどれだけ現金を生み出しているかを示す指標です。中外鉱業は、2023年3月期にはマイナスでしたが、2024年3月期以降はプラスに転じ、2025年3月期には840百万円のプラスを達成しています。これは、貴金属事業の売上拡大とともに現金生成能力が回復していることを示唆しています。
フリーCF(営業CFから投資CFを差し引いた、企業が自由に使える現金)も、2023年3月期、2024年3月期はマイナスでしたが、2025年3月期には297百万円のプラスとなりました。これは企業が本業で稼いだお金で投資活動を行い、それでもなお手元に現金が残っている状態を示し、財務の健全性が改善傾向にあることを表します。ただし、プラス額はまだ大きくなく、安定的に大きなフリーCFを創出できるかが今後の課題となります。
現金等残高は2025年3月期で4,141百万円と増加傾向にあります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率 (過去12か月): 営業CFデータなしのため算出不可。
- ただし、2025年3月期の実績では営業CFが8.4億円、純利益が12.18億円であり、営業CF/純利益比率は約0.69倍となります。これは、純利益に対して営業CFが低いことを示しており、一時的な利益や会計上の処理によって純利益が押し上げられている可能性、または運転資金(特に在庫)の増加によるキャッシュアウトが大きい可能性を示唆します。特に、決算短信で「在庫増加」が指摘されているため、その影響が大きいと考えられます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計(2025年4月1日~2025年12月31日)の業績と通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 193,593百万円(通期予想271,000百万円に対し71.4%進捗)
- 営業利益: 1,578百万円(通期予想2,180百万円に対し72.4%進捗)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 1,461百万円(通期予想1,280百万円に対し114.2%進捗)
売上高と営業利益は順調に進捗しており、第4四半期で残りの目標達成は十分に可能と見られます。特筆すべきは、親会社株主に帰属する純利益が第3四半期累計時点で既に通期予想を14.2%上回っている点です。これは、通期決算で純利益のさらなる上方修正、または特別利益の計上などが考えられます。この高い進捗率は、今期の業績が非常に好調に推移していることを明確に示しています。
セグメント別では、貴金属事業が売上・利益ともに大幅な成長を続ける一方で、機械事業とコンテンツ事業は減収・減益(機械事業は損失計上)となっており、業績の大部分を貴金属事業が牽引している状況です。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 11.20倍
- PBR(実績): 1.53倍
中外鉱業のPER11.20倍は、業界平均PER14.5倍と比較して約22.7%低い水準であり、利益面から見るとやや割安感があります。これは、投資家が過去の業績変動リスクや今後の不確実性を織り込んでいる可能性も考えられます。
一方、PBR1.53倍は、業界平均PBR0.7倍を大きく上回っており、純資産に対しては約118.6%割高と評価されます。PBRが1倍を割る企業が多い中で、同社のPBRが1.53倍というのは、市場が企業の将来性や収益力を評価している、あるいは貴金属事業の特殊性がPBRに反映されている可能性があります。しかし、PBRが高いことは、株価が企業の実態価値以上に買われている可能性も示唆します。
これらの指標から目標株価を算出すると、業種平均PER基準では約1,134円、業種平均PBR基準では約454円となります。現在の株価995.0円は、PER基準ではやや割安、PBR基準では大きく割高という結果であり、バリュエーション評価は複合的です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -2.06 / シグナルライン: 16.3 / ヒストグラム: -18.36 | 特に明確なトレンド転換の兆候は現れていない |
| RSI | 中立 | 44.7% | 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な水準 |
現在のMACDは中立状態であり、明確なゴールデンクロス(買いシグナル)やデッドクロス(売りシグナル)は発生していません。これは短期的なトレンドに方向感がない状態を示唆します。RSI(相対力指数)も44.7%と50%を下回る中立圏にあり、買われすぎでも売られすぎでもない、均衡状態にあります。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在株価995.0円は、52週高値1,760円と52週安値620円の中間やや高値寄り(55.6%の位置)にあります。過去1年間で株価は大きく変動しており、高値圏から調整局面に入っている可能性もあります。
- 移動平均線との関係:
- 現在株価(995.0円)は、5日移動平均線(1,010.20円)と25日移動平均線(1,086.96円)を下回っています(それぞれ1.50%下回り、8.46%下回り)。これは短期的な下落トレンドを示唆しています。
- 一方、75日移動平均線(920.37円)は上回っており(8.11%上回り)、中期的な安定トレンドは維持されている可能性があります。
- 200日移動平均線(1,026.04円)は下回っており(3.99%下回り)、長期トレンドもやや下向きに転換しつつある状況です。
移動平均線全体を見ると、短期・長期では下向きトレンドを示唆する一方、中期ではサポートされている状況で、方向感が定まりにくい展開が予想されます。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
中外鉱業の株価パフォーマンスは、市場指数と比較して非常に変動が大きいです。
- 1ヶ月リターン: 株式-7.78% vs 日経平均+7.68% → 15.46%ポイント下回る。直近1ヶ月は市場を大きくアンダーパフォームしています。
- 3ヶ月リターン: 株式+34.28% vs 日経平均+12.92% → 21.36%ポイント上回る。中期では市場をアウトパフォーム。
- 6ヶ月リターン: 株式-12.72% vs 日経平均+33.24% → 45.96%ポイント下回る。やや長期では市場を大きくアンダーパフォーム。
- 1年リターン: 株式+2589.19% vs 日経平均+46.51% → 2542.68%ポイント上回る。過去1年間の急騰が顕著で、驚異的なパフォーマンスを示しています。
このデータは、中外鉱業の株価が非常に高いボラティリティを持ち、特定の期間で市場を大きく上回る、あるいは下回る動きを繰り返していることを示しています。特に過去1年間で約2,500%を超えるリターンを記録している背景には、貴金属市況の高騰や、それに伴う好業績と市場の評価の変化が大きく影響していると考えられます。しかし、最近6ヶ月間や1ヶ月間では市場を下回っている点から、短期的な調整局面にあると見ることができます。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率0.00倍(信用売残0株に対して信用買残358,100株)、将来の売り圧力に注意が必要です。信用売りがほとんどない状況で、買い残が積み上がっている場合は、株価が下落に転じた際に、それらの買い残が益出しや損切り目的で売られることで、売り圧力が強まる可能性があります。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.13
- 年間ボラティリティ: 95.77%
- シャープレシオ: -0.43
- 最大ドローダウン: -98.56%
- 年間平均リターン: -41.11%
ベータ値0.13は、市場全体の動きに対して連動性が非常に低いことを示しており、市場全体のリスクとはあまり相関しない独自の変動要因を持つ銘柄といえます。
しかし、年間ボラティリティ95.77%は極めて高い数値です。これは株価が年間で約95.77%変動する可能性があることを意味します。仮に100万円投資した場合、年間で±95万円程度の変動が想定されるため、非常に大きな価格変動リスクを伴います。
シャープレシオ-0.43は、リスクに見合ったリターンが得られていないことを示しており、投資効率が悪い状態です。リスクを大きく取っているにもかかわらず、リターンが伴っていないことを意味します。
最大ドローダウン-98.56%は、過去に高値からほぼ価値を失うほどの大きな下落があったことを示しています。この傾向は今後も起こりうる可能性があり、投資資金が大幅に減少するリスクを十分に理解しておく必要があります。
年間平均リターン-41.11%も長期的に見ると元本を大きく毀損している状況であり、現在の1年リターンの好調が長期的なトレンドにならない可能性も考慮すべきです。
【事業リスク】
- 金・貴金属市況の急変: 中外鉱業の事業の大部分を占める貴金属事業は、国際的な金・貴金属市況(価格、需給、為替レートなど)に大きく依存しています。貴金属価格の急落は、売上高の減少や在庫評価損の発生、リサイクル事業の収益性悪化を通じて、企業全体の業績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
- 在庫増加と運転資本圧迫リスク: 2026年3月期第3四半期決算短信でも指摘されているように、商品の仕入れや貴金属価格の高騰により、商品・製品、原材料・貯蔵品といった在庫が大幅に増加しています。これは、運転資金を必要以上に拘束し、流動性を低下させるリスクがあります。貴金属価格が下落した場合、大量の在庫がリスク資産と化し、財務状況を悪化させる可能性も含まれます。
- 多角化事業の業績低迷: 不動産事業、機械事業、コンテンツ事業は、それぞれ異なる市場リスクを抱えています。特に機械事業とコンテンツ事業は、直近で業績が低迷しており、これが継続すると多角化によるリスク分散効果が薄れ、企業全体の収益にさらに圧力をかける可能性があります。各事業の市場需要の変動、競合激化、技術変化などに対応できなければ、収益の柱とする貴金属事業への依存度が高まるリスクがあります。
7. 市場センチメント
中外鉱業の信用取引状況を見ると、信用買残が358,100株あるのに対し、信用売残が0株という極端な状態です。この結果、信用倍率は0.00倍と表示されています。信用売残がゼロであることは、借りて売る投資家が現在ほとんどいないことを意味します。一方で、これだけの信用買いが残っているということは、将来的にこれらの買い方が利益確定や損切りのために売りに回る場合、株価に強い下落圧力がかかる可能性があります。市場からはほとんど売りを期待する声が聞こえない一方、需給の偏りが生じていると言えるでしょう。
主要株主構成を見ると、筆頭株主は(有)マイネン(保有割合6.27%)で、続いてフェンテ(5.01%)、(有)メティス(4.67%)といった法人株主が上位を占めています。インサイダー(企業関係者)による保有割合が41.88%と比較的高く、経営陣が大株主として企業価値向上へのコミットメントが高いことを示唆します。機関投資家による保有割合は7.86%と比較的低く、個人投資家や特定の法人による持ち合いが多い構造と考えられます。
8. 株主還元
中外鉱業の株主還元については、配当を中心に行われています。
- 配当利回り(会社予想): データなし (ただし、Forward Annual Dividend Yieldは3.92%と示唆)
- 配当利回り(実績): 1.96% (Trailing Annual Dividend Yield)
- 配当性向(予想): 35.5% (2026年3月期の予想EPSに基づく)
- 配当性向(実績): 25.58% (過去12か月)
2026年3月期の年間配当予想はデータ上は「nan」となっていますが、「Forward Annual Dividend Rate 40」と「Forward Annual Dividend Yield 3.92%」のデータがあることから、年間40円の配当が期待されていると解釈できます(株価1021円で計算すると40/1021=3.91%)。もしこの予想が実現すれば、現在の株価995円で計算すると約4.02%の高い配当利回りとなります。
配当性向は、2026年3月期の予想35.5%は、利益の3〜5割を株主還元に回すという一般的な目安の範囲内であり、健全な水準と言えます。2025年3月期の実績では35.5%であり、これは配当前のEPSと実績配当からの算出値でしょう。
自社株買いに関するデータは提供データには見られません。現状では配当による株主還元が主な方針であると考えられます。
SWOT分析
強み
- 貴金属事業の急成長と高い収益牽引力: 直近の貴金属市況を追い風に、主力事業が大幅な増収増益を達成し、企業全体の業績を強力に牽引しています。効率的な資産活用による高いROEも魅力です。
- 強固な財務健全性: Piotroski F-Scoreが「S」評価であり、自己資本比率や負債比率も健全な水準を維持しており、会社の倒産リスクは低いと評価できます。
弱み
- 貴金属価格変動への高い依存度: 貴金属事業が業績の大部分を占めるため、国際的な貴金属市況の変動が直接的に企業業績に大きな影響を与え、収益の安定性を欠く可能性があります。
- 多角化事業の不振と収益性への影響: 機械事業やコンテンツ事業が直近で伸び悩み、一部では損失を計上しています。これらの事業が収益貢献を果たせない場合、貴金属事業への依存度が高まり、多角化によるリスク分散効果が期待できません。
- 低い営業利益率と高ボラティリティな株価: 貴金属リサイクル事業の特性上、売上高に対する営業利益率が非常に低く、外部環境の変化に利益が左右されやすい構造です。また、株価のボラティリティが極めて高く、投資リスクは大きいです。
機会
- 貴金属価格の継続的な高騰: 地政学的リスクやインフレ懸念などにより、貴金属価格が上昇トレンドを継続すれば、主力事業はさらなる収益拡大の機会を得られます。
- 多角化事業の再生と成長: 低迷している機械事業やコンテンツ事業において、新たな戦略や市場ニーズへの対応ができれば、事業ポートフォリオ全体の強化と収益源の多様化が可能となります。
脅威
- 貴金属市況の急落と在庫評価損リスク: 貴金属価格が急落した場合、売上高の減少に加え、保有する貴金属在庫に多額の評価損が発生し、業績を大きく圧迫する可能性があります。
- 外部環境の変化(為替・金利・規制): 為替レートの変動は貴金属の輸入コストや販売価格に影響を与え、金利上昇は設備投資や運転資金調達コストを増加させます。また、貴金属リサイクルに関する環境規制の強化なども事業コスト増に繋がる脅威となり得ます。
この銘柄が向いている投資家
- 高いリスク許容度を持つ成長志向の投資家: 貴金属市況に強く影響されるため株価の変動が大きく、高いリスクを許容できる投資家。貴金属事業の成長性を評価し、短期的な調整に耐えられる投資家。
- テーマ投資に興味のある投資家: 金などの貴金属に関連する市場動向に注目しており、その恩恵を受けたいと考える投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 貴金属市況の動向の継続的な確認: 金・プラチナといった貴金属の国際価格や為替レートの変動は、業績に直結するため、常に最新の情報を追う必要があります。
- 株価の高ボラティリティへの理解と対応: 過去の最大ドローダウンや年間ボラティリティが示す通り、株価が大きく変動するリスクがあります。投資に際しては、余裕のある資金で、分散投資を心がけるなど、リスク管理を徹底する必要があります。
- 多角化事業の収益改善の有無: 貴金属事業以外(機械、コンテンツ)の事業の改善が見られない場合、収益の安定性に課題が残ります。これらの事業の動向も注視し、今後の戦略変更やテコ入れ策を評価することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 貴金属価格(金・プラチナ): 特に金価格の動向が業績に与える影響は大きいため、国際市況を日々確認すること。
- 四半期ごとのセグメント別業績: 貴金属事業の成長が継続しているか、また低迷している機械・コンテンツ事業の改善が見られるか。
- 自己資本比率および流動負債の推移: 在庫増加に伴う運転資本圧迫リスクを評価するため、財務健全性指標の悪化がないかを確認すること。特に、第3四半期での自己資本比率の低下トレンドが継続するかどうかが重要です。
成長性: A (良好な成長トレンド)
売上高は過去数年にわたり大幅な増加を続けており、特に直近の2025年3月期(連)は1,623.4億円(前年比+42.7%)、過去12か月実績では2,384億円と高い成長率を示しています。2026年3月期第3四半期の売上高前年比成長率も+64.7%と非常に高く、通期予想に対する純利益の進捗率が114.2%を超えている点も、足元の好調な成長モメンタムを裏付けています。Quarterly Revenue Growth (前年比) 75.00%、Quarterly Earnings Growth (前年比) 56.10%という数値は、一時的な要因も考慮しつつも、現状として非常に高い成長を遂げていることを示しています。この高い成長は主に貴金属事業が牽引しており、今後も貴金属市況次第では成長が期待されます。
収益性: B (まずまずの収益力)
ROE(実績)は15.93%とベンチマークの10%を大きく上回る「優良」な水準です。これは株主資本を効率的に活用して利益を上げていることを示します。ROA(過去12か月)も6.01%とベンチマークの5%を上回っており、「良好」です。しかし、営業利益率(過去12か月)は0.96%と非常に低い水準にとどまっており、売上高に対する本業の利益が薄い構造です。貴金属事業は売上金額が大きい一方で仕入れコストも高いため、利益率が低くなりがちですが、この点が収益性評価のバランスをとっています。総合的には、ROE・ROAの高さを評価しつつ、営業利益率の低さを考慮し「B」評価としました。
財務健全性: S (非常に優良)
Piotroski F-Scoreが7/9点という「S: 優良」評価を獲得しており、財務の基盤は非常に強固です。特に、財務健全性サブスコアが3/3点満点である点は高く評価できます。自己資本比率は2025年3月期実績で49.5%(直近四半期末40.0%)と健全性の目安となる40%を維持しており、流動比率も1.61倍と短期的な支払い能力に問題はありません。Total Debt/Equityも39.84%と低く、過度な負債に依存していないバランスの良い財務構造です。ただし、直近四半期で自己資本比率が低下傾向にある点や、流動負債の急増は今後のウォッチポイントです。全体としては、現時点での財務の安定性及び優良性を鑑み「S」評価としました。
バリュエーション: C (やや割高水準)
PER(会社予想)は11.20倍で、業界平均14.5倍と比較すると約22.7%割安です。しかし、PBR(実績)は1.53倍であり、業界平均0.7倍を大きく上回り、純資産に対しては約118.6%割高と評価されます。PBRが業界平均の2倍以上であることは、株価が企業の実態価値以上に買われている可能性を示唆します。また、年間ボラティリティが95.77%と極めて高く、最大ドローダウンも-98.56%と投資リスクが非常に大きい銘柄です。PERだけを見ると割安感があるものの、PBRの割高感と株価の大きな変動リスク、シャープレシオの低さを考慮すると、現在の株価は総合的に見て「C: やや割高」な水準にあると判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 1491 |
| 企業名 | 中外鉱業 |
| URL | http://www.chugaikogyo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 995円 |
| EPS(1株利益) | 88.86円 |
| 年間配当 | 40.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.4% | 12.9倍 | 2,773円 | 25.7% |
| 標準 | 14.9% | 11.2倍 | 1,992円 | 18.3% |
| 悲観 | 8.9% | 9.5倍 | 1,298円 | 9.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 995円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,144円 | ○ 13%割安 |
| 10% | 1,429円 | ○ 30%割安 |
| 5% | 1,803円 | ○ 45%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 松田産業 | 7456 | 7,460 | 2,007 | 17.45 | 1.84 | 11.5 | 1.34 |
| MERF | 3168 | 1,526 | 218 | 11.82 | 2.25 | 20.0 | 1.96 |
| アサカ理研 | 5724 | 3,760 | 193 | 71.61 | 3.74 | 5.5 | 0.31 |
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