企業の一言説明

神島化学工業は建材・工業薬品を中心とした事業を展開する、不燃内外装建材に強みを持つ中堅化学品・建材メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 環境負荷低減への貢献と成長戦略: CO2リサイクル製品の商業化を推進し、2026年春・秋に新製品を市場投入予定。環境対策と収益拡大の両立を目指す中期経営計画は、持続的な成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
  • 安定した収益性と配当: 直近の四半期決算では増益を達成し、通期でも増益を見込みます。ROEは11.58%と良好で、配当性向27.8%と安定的な株主還元も魅力です。
  • 財務健全性と株価バリュエーションの課題: 自己資本比率は改善傾向にありますが、流動比率が低く、借入金が相対的に多い点が財務健全性スコアに影響しています。また、PER/PBRは業界平均と比較して割高感があり、信用倍率も高水準で将来的な売り圧力のリスクには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好
収益性 A 良好
財務健全性 C やや不安
バリュエーション D 懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,807.0円
PER 10.97倍 業界平均7.3倍
PBR 1.21倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.54%
ROE 11.58%

1. 企業概要

神島化学工業(4026)は、不燃内外装建材、マグネシウム関連化成品、機能性セラミックスの開発・製造・販売を国内外で手掛ける企業です。主力は住宅・非住宅向けの不燃セラミックサイディングや耐火板などの建材事業、および酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムなどの化成品事業を展開しています。CO2リサイクル技術を応用したゼロCO2化成品・建材の商業化を進めており、環境対応技術に強みを持っています。

2. 業界ポジション

同社は建設・資材セクターのガラス・土石製品業界に属し、不燃内外装建材やマグネシウム化成品に独自技術を持ちます。特に、建材分野では高付加価値製品に強みを発揮しています。財務指標を見ると、PER10.97倍、PBR1.21倍は、業界平均PER7.3倍、PBR0.7倍と比較して割高な水準にあり、市場は同社の成長性や独自性を一定程度評価しているものの、割高感が指摘される可能性があります。

3. 経営戦略

神島化学工業は「ゼロCO2実現に向けたCO2リサイクル製品の商業化」を中期経営計画(2026/4期〜2028/4期)の柱とし、環境対策と収益拡大の両立を目指しています。具体的には、2026年春にゼロCO2化成品、同年秋にゼロCO2建材の販売開始を予定しており、既にCO2リサイクルシステム1st Stepが完成しています。高級軒天ボード・サイディングの販売強化や、AI・KIP活動による生産性向上も進めています。また、大阪大学との共同研究による大出力レーザー向け新素材開発や、北米市場でのFSSC認定によるマグネシウム製品のシェアアップも図っています。
今後のイベント: 2026年4月28日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)を控えています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 3/3 収益性は非常に良好
財務健全性 1/3 財務健全性にやや懸念
効率性 1/3 効率性に改善余地

解説:
総合スコアは5/9点で「良好」と判定されます。
収益性スコアは純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、満点の3/3と高く評価されます。これは本業でしっかりと利益を生み出していることを示します。
一方で、財務健全性スコアは1/3と低く評価されています。これは流動比率の参照データがなかったこと、そしてD/Eレシオが1.0を超えている(負債が自己資本に対して多い)ことが要因として挙げられます。
効率性スコアも1/3と改善の余地があります。過去12か月の営業利益率(2.61%)とROE(9.64%)が指標の基準(それぞれ10%)を下回っているためです。ただし、四半期売上成長率はプラスであり、成長力は認められます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 2.61%
  • 営業利益率(2026年4月期中間決算): 8.75%
  • ROE(実績): 11.58%
  • ROA(実績、過去12か月): 4.66%

解説: 過去12か月の営業利益率は低水準ですが、2026年4月期中間決算では8.75%と改善傾向にあります。ROEは11.58%と、一般的な目安とされる10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を上げていると評価できます。ROAは4.66%と、総資産に対する収益力は平均的です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 42.0%
  • 流動比率(中間期): 約90.9%

解説: 自己資本比率は42.0%と40%を超えており、財務の安定性を示す良好な水準です。しかし、流動比率が約90.9%と100%を下回っている点は懸念材料です。流動負債(1年以内に返済期限が来る負債)を流動資産(1年以内に現金化できる資産)で賄いきれない可能性があり、短期的な資金繰りには注意が必要です。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 20億5,000万円
  • フリーキャッシュフロー(直近四半期): -1億8,700万円
  • フリーキャッシュフロー(2025年4月期): 18億5,200万円

解説: 過去12か月の営業キャッシュフローは20億5,000万円と潤沢で、本業でしっかりと現金を稼ぐ力があります。しかし、直近四半期のフリーキャッシュフローは-1億8,700万円とマイナスに転じています。これは2026年4月期中間期における設備投資額が14億9,600万円と前年同期比で大幅に増加したためと見られ、成長のための投資段階にあることが示唆されます。2025年4月期通期では18億5,200万円のフリーキャッシュフローを確保しています。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 5.42

解説: 営業キャッシュフローが純利益の5倍以上と非常に高い水準にあり、利益の質は極めて優良です。これは、計上された利益がしっかり現金として伴っていることを示し、会計上の操作が少ない健全な収益構造であると評価できます。

【四半期進捗】

2026年4月期 第2四半期(中間期)決算の通期予想に対する進捗率

  • 売上高: 49.3% (通期予想28,100百万円に対し13,827百万円)
  • 営業利益: 55.0% (通期予想2,200百万円に対し1,210百万円)
  • 当期純利益: 53.5% (通期予想1,500百万円に対し803百万円)

解説: いずれの項目も中間期として順調に50%を超える進捗率となっており、特に営業利益は55.0%と好調です。このペースを維持すれば、通期での会社予想達成は十分に期待できるでしょう。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 10.97倍
  • PBR(実績): 1.21倍
  • 業界平均PER: 7.3倍
  • 業界平均PBR: 0.7倍

解説: 同社の予想PER10.97倍は業界平均PER7.3倍に比べて約1.5倍、PBR1.21倍は業界平均PBR0.7倍に比べて約1.7倍と、いずれも業界平均を大きく上回っており、割高感があります。利益成長期待が株価に織り込まれている可能性が高いと見られます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 42.13 / シグナル値: 34.85 短期トレンドは明確な方向性を示していないが、プラス圏で推移
RSI 中立 62.6% 買われすぎでも売られすぎでもない、比較的バランスの取れた水準
5日線乖離率 +2.22% 直近株価は短期移動平均線をわずかに上回り、短期的なモメンタムはやや強い
25日線乖離率 +7.44% 短期トレンドからの乖離は比較的大きく、上昇トレンドを示唆
75日線乖離率 +14.80% 中期トレンドからの乖離は大きく、強い上昇トレンドが継続
200日線乖離率 +25.90% 長期トレンドからの乖離も大きく、長期的に上昇基調である

【テクニカル】

現在株価1,807.0円は、52週高値1,842円に近く、年初来安値1,147円からは大きく上昇しています。5日、25日、75日、200日移動平均線を全て上回って推移しており、短期から長期にわたる一貫した上昇トレンドの中にあります。特に200日移動平均線からの乖離率が+25.90%と大きいことから、強い上昇モメンタムを示しています。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式+10.66% vs 日経+7.68% → 2.99%ポイント上回る
    • 3ヶ月: 株式+28.72% vs 日経+12.92% → 15.80%ポイント上回る
    • 6ヶ月: 株式+39.03% vs 日経+33.24% → 5.79%ポイント上回る
    • 1年: 株式+8.53% vs 日経+46.51% → 37.97%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式+10.66% vs TOPIX+6.09% → 4.57%ポイント上回る

解説: 直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月では日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを見せており、短期・中期的に市場平均よりも力強く上昇しています。しかし、1年間のパフォーマンスでは日経平均に大きく劣っており、長期的な視点では市場全体の上昇には乗り切れていない状態です。

【注意事項】

  • ⚠️ 信用倍率が16.63倍と高水準です。将来的に信用買い残の解消(売り)圧力がかかる可能性があり、株価への下落要因となる可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5年月次): 0.85
  • 年間ボラティリティ: 46.46%
  • 最大ドローダウン: -38.98%
  • シャープレシオ: 0.09

解説: ベータ値0.85は、市場全体(日経平均やTOPIX)の動きに対し、同社の株価が相対的に穏やかに変動することを示唆しています。しかし、年間ボラティリティが46.46%と高く、株価変動が大きい銘柄です。仮に100万円を投資した場合、年間で±46万4,600円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-38.98%であり、この程度の下落が今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオが0.09と低い水準であり、リスクに見合ったリターンが十分に得られているとは言えない状況です。

【事業リスク】

  • 為替・原燃料価格の変動: 主要な原材料価格やエネルギーコスト、各国通貨の為替レートの変動は、建材や化成品事業の収益に直接的な影響を与える可能性があります。
  • 建設需要の変化: 住宅着工件数、非住宅投資など、国内外の建設需要の動向は、主力である建材事業の業績を大きく左右する要因となります。
  • 設備投資の遅延と競争激化: CO2リサイクル製品の商業化に向けた設備投資が計画通りに進まない場合や、セラミックス・化成品市場での競合他社との競争が激化した場合、事業計画の達成が困難になる可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残387,500株に対し、信用売残23,300株。信用倍率は16.63倍と、信用買いが非常に積み上がっている状態です。これは株価上昇時に将来的な売り圧力となるリスクを抱えています。
  • 主要株主構成: 上位株主はDOWAホールディングス(9.12%)、自社従業員持株会(8.67%)、日本カストディ銀行(信託口)(4.77%)などであり、安定株主が一定数存在します。しかし、個別株主の保有割合は分散しており、特定の株主が経営に強い影響力を持つ状況ではありません。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.54%
  • 1株配当(会社予想): 46.00円
  • 配当性向(会社予想): 27.8%

解説: 配当利回り2.54%は市場平均と比較して魅力的な水準であり、配当性向27.8%は利益の安定的な還元姿勢を示しています。利益成長に伴い配当も増加傾向にあり、安定した株主還元策と言えます。自社株買いに関するデータは提供されていません。

SWOT分析

強み

  • CO2リサイクル製品の商業化による環境技術と持続可能性への貢献。
  • 不燃内外装建材における高付加価値製品の提供と事業多角化。

弱み

  • 流動比率が100%を下回るなど、短期的な資金繰りに潜在的な懸念。
  • 産業別平均と比較して割高なバリュエーション。

機会

  • CO2排出量削減ニーズの高まりによる環境対応型製品の市場拡大。
  • セラミックス事業での新素材開発や、グローバル市場での化成品シェア拡大。

脅威

  • 原燃料価格の高騰や為替変動によるコスト増加リスク。
  • 建設需要の低迷や米国関税政策など、外部環境の変化による事業への影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 環境関連技術やSDGs投資に関心の高い投資家: CO2リサイクル製品による環境負荷低減への取り組みは、長期的な視点での社会的価値創造に期待できます。
  • 中期的な成長と安定配当を志向する投資家: 新製品投入による成長戦略と、安定した配当実績の両方に魅力を感じる投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用倍率が高水準であり、将来的な売り圧力が株価に影響を与える可能性があります。
  • 流動比率の低さや、先行投資による一時的なフリーキャッシュフローの悪化など、財務状況の動向を注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • CO2リサイクル製品の売上高進捗: 新製品の市場浸透状況と、通期の業績への貢献度を定期的に確認することが重要です。
  • 流動比率の改善状況: 設備投資の消化と同時に、短期的な資金繰りの健全性を示す流動比率が100%以上に改善するかを注視すべきです。

10. 企業スコア

  • 成長性: A (良好)
    • 過去12か月の四半期売上高成長率が15.30%と高く、2026年4月期の営業利益予想も+23.2%と大幅な増益を見込んでいます。中期経営計画におけるCO2リサイクル製品の商業化も、将来的な成長ドライバーとして期待されます。
  • 収益性: A (良好)
    • ROEは実績で11.58%と良好な水準を維持しており、株主資本を効率的に活用しています。F-Scoreの収益性スコアも満点であり、本業で安定して利益を稼ぐ力があります。しかし、営業利益率が過去12か月で2.61%と低い点は留意が必要です(予想は8.75%)。
  • 財務健全性: C (やや不安)
    • 自己資本比率42.0%は良好ですが、流動比率が約90.9%と100%を下回っており、短期的な負債に対する資金繰りに懸念があります。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアが1/3と低い点も、この懸念を裏付けています。D/Eレシオも1.8161と高く、負債依存度が高い傾向にあります。
  • バリュエーション: D (懸念)
    • PER10.97倍、PBR1.21倍は、それぞれ業界平均PER7.3倍、PBR0.7倍と比較して大幅に割高な水準にあります。市場の期待は高いものの、現在の株価は割高感があり、投資検討には慎重な評価が必要です。

企業情報

銘柄コード 4026
企業名 神島化学工業
URL http://www.konoshima.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,807円
EPS(1株利益) 165.29円
年間配当 2.54円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 1.6% 12.6倍 2,263円 4.7%
標準 1.3% 11.0倍 1,931円 1.5%
悲観 1.0% 9.3倍 1,620円 -2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,807円

目標年率 理論株価 判定
15% 967円 △ 87%割高
10% 1,207円 △ 50%割高
5% 1,523円 △ 19%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
アイカ工業 4206 3,887 2,627 13.68 1.36 11.0 3.55
エーアンドエーマテリアル 5391 1,426 110 7.92 0.56 7.5 4.20
セフテック 7464 1,731 34 13.31 0.41 3.5 3.46

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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