SCSK (9719) 企業分析レポート
最終更新日: 2026年2月25日
企業の一言説明
SCSKは、住友商事を主要株主とするITサービス大手で、システム開発・運用を主力事業とし、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やコンサルティングも展開、特に車載やAI分野に注力している企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅調な成長性と優れた収益性: 直近の四半期売上高成長率は前年同期比約44%と非常に高く、過去12ヶ月のROEは20%を超えるなど、成長性と収益性の両面で業界トップクラスのパフォーマンスを維持しています。親会社住友商事とのシナジー効果も期待できます。
- 積極的な事業拡大戦略: ネットワンシステムズの連結加算など、M&Aを通じて事業領域を拡大し、売上高を大幅に伸ばしています。AIや車載分野への注力も将来の成長ドライバーとして期待されます。
- 財務健全性の変化とバリュエーションの高さ: 直近年度で自己資本比率が大幅に低下し、負債が増加傾向にあります。Piotroski F-Scoreは高評価であるものの、流動比率や負債資本比率には注意が必要です。また、PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、割高感があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に高成長 |
| 収益性 | S | 非常に高水準 |
| 財務健全性 | B | 一部改善余地あり |
| バリュエーション | D | かなりの割高感 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 5,670円 | – |
| PER | 27.9倍 | 業界平均23.2倍より20.3%割高 |
| PBR | 5.59倍 | 業界平均2.3倍より143.0%割高 |
| 配当利回り | 0.83% | – |
| ROE | 15.17% | – |
1. 企業概要
SCSKは1969年設立、東京都江東区に本社を置く住友商事系のITサービス大手企業です。システム開発・運用を中核事業とし、製造、金融、流通、サービスなどの幅広い業界に対し、基幹システム、情報管理システム、サプライチェーンマネジメントシステム、顧客関係管理システムなどの各種ITソリューションを提供しています。独自のProActive ERPパッケージの開発や、SAP、Oracleの導入・運用保守、EC(電子商取引)やコンタクトセンター、BPOサービスも手掛けています。技術的独自性は、顧客の事業課題に合わせたオーダーメイドのシステムインテグレーション力と、データセンターやクラウドインフラを含むITプラットフォーム提供能力にあります。また、車載ソフトウェアやAI関連技術への注力も進めており、高度な専門性と包括的なサービス提供体制が参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
SCSKは日本のITサービス業界において、住友商事グループという強固な基盤を持つ大手システムインテグレーターとして確立された地位を築いています。特定の市場シェアの具体的なデータは提供されていませんが、幅広い事業セグメント(産業IT、金融IT、ITソリューション、ITプラットフォーム、ITマネジメントサービスなど)を展開していることから、多様な顧客基盤と安定した事業ポートフォリオを持っていると考えられます。競合に対する強みとしては、親会社である住友商事のグローバルネットワークを活かした事業展開や、長年にわたる顧客との信頼関係、またDX推進やクラウド化の流れの中で高まるシステム投資需要を捉える提案力などが挙げられます。一方で、他の大手システムインテグレーター(NTTデータ、富士通、日立など)と比較すると、規模やブランド力においては一定の差があるとも考えられます。
財務指標を業界平均と比較すると、現在の株価に対する業績評価には割高感が見られます。
- PER (株価収益率): SCSKは27.9倍であり、業界平均の23.2倍と比較して20.3%割高です。これは、市場がSCSKの将来の成長性に対して高い期待を抱いていることを示唆しています。
- PBR (株価純資産倍率): SCSKは5.59倍であり、業界平均の2.3倍と比較して143.0%も割高です。純資産に対して株価が大幅に高く評価されており、企業のブランド力、成長性、収益力に対する市場の期待が非常に高い状態にあると言えます。
3. 経営戦略
SCSKは、DX(デジタルトランスフォーメーション)需要の拡大を背景に、顧客の事業変革を支援するITサービス提供に注力しています。特に、車載システムやAIといった先進テクノロジー領域への投資を強化し、将来の成長機会を追求する方針です。
最近の重要な経営戦略としては、ネットワンシステムズの連結加算が挙げられます。これは、ITプラットフォーム事業の売上高及び営業利益を大幅に押し上げ、SCSK全体の業績に大きく貢献しています。M&Aを通じた積極的な事業領域の拡大は、同社の成長戦略の要として位置づけられています。
しかし、決算短信には重要な注記として「上場廃止手続き(公開買付けに伴う)により情報開示頻度・株主還元方針が変化する可能性あり」との記載があります。これは親会社である住友商事による完全子会社化に向けた動きを示唆しており、今後の経営方針や上場廃止が実現した場合の株主価値に大きな影響を及ぼす可能性があります。投資家は、この点について継続的に情報を確認する必要があります。
今後のイベント:
- 2026年3月30日(UTC): 配当落ち日 (Ex-Dividend Date)
- 2026年4月30日午前6時30分(UTC): SCSKの決算発表予定日 (Earnings Date)
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 優良 |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てポジティブで堅調な収益力を示す。 |
| 財務健全性 | 1/3 | 流動比率がベンチマークを下回り、D/Eレシオが1.0を超えているため、財務レバレッジに注意が必要。 |
| 効率性 | 3/3 | 株式希薄化がなく、営業利益率、ROE、四半期売上成長率も良好な水準を維持している。 |
SCSKのF-Scoreは総合スコア7/9と「S: 優良」評価であり、全体的な財務品質は高いと言えます。特に「収益性」と「効率性」の項目で満点評価を得ており、利益を創出する力や経営の効率性が優れていることを示しています。純利益、営業キャッシュフロー、ROAはいずれもポジティブであり、営業利益率やROEも高く、事業活動から安定して利益を生み出している現状を裏付けています。また、株式希薄化がない点や売上成長率も良好で、効率的な経営と成長の両立が図られています。「財務健全性」においては1/3と評価が低くなっています。これは流動比率がベンチマーク1.5を下回り、D/Eレシオ(負債資本比率)が1.0を超えているためですが、後述するようにM&Aによる負債増加の影響が大きいと考えられます。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): 11.11%
- 競合と比較して高く、ITサービス業界としては比較的良好な水準を維持しており、効率的な事業運営を示しています。
- ROE(実績): (連)15.17% (評価: 優良)
- 株主資本を効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標で、一般的な目安である10%を大幅に上回っており、非常に優良な水益性を誇ります。過去12ヶ月では20.60%とさらに高水準。
- ROA(過去12ヶ月): 6.66% (評価: 良好)
- 会社の総資産をどれだけ効率的に利用して利益を上げているかを示す指標で、一般的な目安である5%を上回っており、良好な資産効率を示しています。
SCSKは、ROEおよびROAともにベンチマークを大きく上回る高い収益性を維持しており、株主資本および総資産を効率的に活用して利益を創出できていると評価できます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): (連)32.9%
- 会社の総資産のうち自己資本が占める割合で、企業の安定性を示す指標です。一般的に40%以上が良好とされますが、サービス業では設備投資負担が少ないため30%台でも一定の健全性は保てます。しかし、過去の60%台から大幅に低下しており、この急激な変化はM&Aなどによる負債増加が影響していると考えられます。
- 流動比率(直近四半期): 1.08
- 短期的な支払能力を示す指標で、一般的に200%以上が望ましいとされます。100%は下回っていないものの、ベンチマークと比較するとやや低い水準であり、短期的な資金繰りには注意が必要です。
自己資本比率の低下と流動比率の低さは、積極的なM&A戦略に伴う借入増加が主因と考えられます。これにより、財務レバレッジは上昇していますが、高収益性によって返済能力はある程度担保されていると言えます。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12ヶ月): 906億8,000万円
- 本業で稼ぎ出すキャッシュフローは堅調に推移しており、事業活動が順調であることを示しています。
- 投資CF(過去12ヶ月の損益計算書に基づく推計): 損益計算書から直接的な投資CFは抽出できませんが、レバーフリーキャッシュフローを考慮すると、FCFが631億9,000万円であることから、営業CFから相応の投資が行われていることが伺えます。特に2025年3月期の投資CFは▲2,754億8,800万円と大幅なマイナスとなっており、これは大規模なM&A(ネットワンシステムズの連結加算など)による投資支出が大きく影響していると見られます。
- FCF(過去12ヶ月): 631億9,000万円
- 営業活動で得られた資金から投資活動に必要な資金を差し引いたもので、企業の自由に使えるキャッシュを示します。プラスであることから、本業で稼いだ資金で投資を賄い、なお余剰資金がある健全な状態です。しかし、2025年3月期は▲2,074億5,100万円と大幅なマイナスとなっており、M&Aのような大型先行投資の影響が強く出ています。
全体的に営業キャッシュフローは安定していますが、大規模なM&A活動が投資キャッシュフローを大きく変動させていることが特徴です。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 1.38 (評価: S – 優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))
- 営業キャッシュフローが純利益を上回っており、会計上の利益が実質的なキャッシュとして伴っていることを示唆しています。これは利益の質が非常に高い状態であり、粉飾決算などのリスクが低い健全な財務状況にある裏付けとなります。
【四半期進捗】
提供されたデータには通期予想に対する四半期進捗率は記載されていませんが、2026年3月期第3四半期決算短信では以下の実績が報告されています。
- 売上高:563,092百万円(前年同期比+46.3%)
- 営業利益:62,913百万円(前年同期比+46.7%)
特に「ITプラットフォーム」セグメントでは売上高、営業利益ともに大幅な増加(前年同期比+139.9%)を記録しており、ネットワンシステムズの連結加算が全体の業績を大きく牽引していることがわかります。通期予想は記載されていませんが、この高い成長率を考慮すると、堅調な業績進捗が期待されます。
【バリュエーション】
- PER (実績): 27.9倍
- 業界平均23.2倍と比較して割高です。市場がSCSKの将来の成長性に対して高い期待を織り込んでいることを示唆しています。
- PBR (実績): 5.59倍
- 業界平均2.3倍と比較して大幅に割高です。純資産価値に対して株価が非常に高く評価されており、収益力やブランド価値がプレミアムとして乗っている状態です。
SCSKのPERとPBRはどちらも業界平均を大きく上回っており、現在の株価水準は割高感があると言えます。市場は同社の成長性や収益性を高く評価しているため、プレミアムが乗っていると考えられますが、投資する際にはそのプレミアムに見合う成長が継続するかどうかの見極めが重要です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 3.3 / シグナル値: 5.3 | 短期トレンド方向を示す(現在の値からは明確なトレンドなし) |
| RSI | 中立 | 54.6% | 70以上=買われすぎ、30以下=売られすぎ(現在は中立圏) |
| 5日線乖離率 | – | +0.07% | 直近のモメンタムは安定している |
| 25日線乖離率 | – | +0.03% | 短期トレンドからの乖離は小さい |
| 75日線乖離率 | – | -0.04% | 中期トレンドからの乖離は小さい |
| 200日線乖離率 | – | +15.96% | 長期トレンドに対し大幅に上回っている |
| シグナル | デッドクロス | 25日線が75日線を下抜け | 短期的な下降トレンド転換の可能性を示唆 |
現在のMACDとRSIは中立圏にあり、短期的な過熱感や売られすぎ感はありません。しかし、移動平均線ではデッドクロスが発生しており、25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けました。これは短期的に株価が軟調に推移する可能性を示唆するシグナルです。一方で、株価は5日線、25日線をわずかに上回っており、直近のモメンタムは比較的安定しているものの、75日線に対してはわずかに下回っています。200日移動平均線に対しては15.96%も上回っており、長期的な上昇トレンドは継続していると見られます。
【テクニカル】
株価5,670円は、52週高値5,700円に非常に近い位置(98.8%)にあり、年初来高値圏で推移しています。これは、過去1年間で株価が大きく上昇したことを示しており、強い上昇モメンタムがあったことを意味します。
直近では5日移動平均線(5,666.00円)、25日移動平均線(5,668.44円)をわずかに上回る水準で推移しており、短期的な支持線付近での攻防が見られます。ただし、75日移動平均線(5,672.00円)をわずかに下回っており、中期的なトレンドはやや弱含んでいる可能性があります。一方、200日移動平均線(4,885.82円)を大きく上回っているため、長期的な視点では依然として上昇トレンドが継続しています。
【市場比較】
SCSKの株価は、直近1年間のリターンが+56.72%と非常に高く、日経平均(+47.73%)を8.99%ポイント、TOPIX(データなし)を上回っていました。これは、SCSKが過去1年間で市場全体をアウトパフォームしていたことを示します。しかし、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の期間では、日経平均やTOPIXを下回るパフォーマンスとなっています。これは、短期的に市場全体の急速な上昇と比較してSCSKの株価が足踏みしている状況を示しており、特に直近のリターンが平坦であることから、一時的な調整局面にある可能性もあります。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.23
- 市場全体の動きに対する銘柄の感応度を示す指標で、1.0より小さい場合、市場全体の変動に比べて株価の変動が小さいことを意味します。0.23という低いベータ値は、SCSKの株価が市場全体の値動きに対して非常に安定性が高く、景気変動の影響を受けにくい特性を持つことを示唆しています。
- 年間ボラティリティ: 32.06%
- 株価の年間変動率の目安。仮に100万円投資した場合、年間で約±32万円程度の変動が想定されることを意味します。これはITサービス企業としては中程度のボラティリティと言えます。
- シャープレシオ: -0.97
- リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナス値は、リスクを負ったにもかかわらず、リスクフリーレートを下回るリターンであったことを示しており、過去のある期間に株価が大幅に下落した時期があった可能性を示唆しています。ただし、直近1年のリターンは高いため、これは過去の長期的なデータに起因する可能性があります。
- 最大ドローダウン: -58.30%
- 過去の株価のピークから底までの最大下落率です。仮に100万円投資した場合、過去には最大で約58.3万円の含み損が発生する期間があったことを意味します。将来もこの程度の下落が起こる可能性は考慮しておく必要があります。
- 年間平均リターン: -30.46%
- 過去の年間平均リターンがマイナスであることは、シャープレシオと同様に、直近1年の好調とは異なる長期的なパフォーマンスの難しさを示すものです。これは、過去の特定の期間が非常に厳しかったことを示唆しているため、長期投資を検討する上では慎重な視点が必要です。
【事業リスク】
- 市場競争と技術革新リスク: ITサービス業界は競争が激しく、技術革新のスピードも速いため、常に新しい技術トレンドに対応し、競合優位性を維持するための継続的な投資と人材育成が不可欠です。対応が遅れれば、市場シェアの低下や収益性の悪化につながる可能性があります。
- 人材確保と人件費上昇リスク: ITエンジニアの需要は高く、優秀な人材の確保は常に課題です。人件費の上昇はコスト増となり、収益を圧迫する可能性があります。
- 親会社による上場廃止リスク: 決算短信に記載された「上場廃止手続き(公開買付けに伴う)により情報開示頻度・株主還元方針が変化する可能性あり」という注記は、株主にとって大きなリスクです。公開買付けの価格や条件によっては、市場価格が維持されず、投資家にとって不利益となる可能性も考慮する必要があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況:
- 信用買残: 9,900株
- 信用売残: 2,200株
- 信用倍率: 4.50倍
信用倍率4.50倍は、信用買い残の方が信用売り残より多い状態ですが、一般的に「需給が悪化する」とされる水準(例: 10倍超)には達しておらず、現状では株式需給に大きな偏りがあるとは言えません。しかし、信用買残が将来の売り圧力となる可能性は常に考慮する必要があります。
- 主要株主構成:
- 1位: 住友商事 (50.49%) – SCSKの親会社であり、過半数の株式を保有しています。
- 2位: 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (8.80%)
- 3位: 日本カストディ銀行(信託口) (4.70%)
住友商事が過半数の株式を保有しているため、経営の安定性は非常に高い一方で、独立性は低く、親会社の方針が経営に大きく影響します。また、信託銀行が上位に入るのは、年金基金や機関投資家からの信託資産運用の一環として保有されているためであり、安定株主としての側面が強いです。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 0.83%
- 最新の株価と会社予想配当金に基づくと、配当利回りは0.83%となります。これは、類似企業や市場全体と比較して控えめな水準です。
- Forward Annual Dividend Yield: 1.66%
- 提供データには二つの配当利回りに関する数値が存在し、Yahoo Japanのデータおよび会社予想が0.83%である一方で、別のデータとして1.66%というForward Annual Dividend Yieldが提示されています。投資家はどちらの数値が正しいか確認が必要です。本レポートでは会社予想の0.83%を基本としますが、将来の配当政策によっては変動する可能性があります。
- 配当性向: 49.3%
- 利益に対する配当金の割合で、過去の推移を見ると40%台で安定しています。比較的高めの配当性向であり、利益を積極的に株主還元に回す姿勢が見られます。一方で、更なる大型投資が必要な局面では、この配当性向が見直される可能性もあります。
- 自社株買いの状況:
- 株主構成に「自社(自己株口): 0.11%」との記載があることから、過去に自社株買いが実施され、一部が自己株式として保有されていることが伺えます。ただし、直近の具体的な自社株買いのアナウンスや計画に関するデータは提供されていません。
SWOT分析
強み
- S1. 堅実な事業基盤と高い収益力: 住友商事グループという強固な後ろ盾を持ち、多様なITサービスセグメントで安定した収益を上げています。特にROE20%超、営業利益率11%超と高い収益性を誇ります。
- S2. 積極的な成長戦略とM&A実績: ネットワンシステムズの連結加算に代表されるようにM&Aを積極的に活用し、事業領域と売上規模を拡大しています。AIや車載分野への注力も将来の成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
弱み
- W1. 財務健全性の変化: 自己資本比率が過去に比べて大幅に低下し、総負債が大きい水準にあります。流動比率も短期的な支払能力の目安を下回っており、M&Aに伴う財務レバレッジの上昇は一定のリスク要因です。
- W2. 高いバリュエーション: PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、現在の株価は相当の成長期待を織り込んだ割高な水準であるため、今後の成長が期待値に届かない場合、株価の調整リスクがあります。
機会
- O1. DXとデジタル化需要の拡大: 企業におけるDX推進やクラウド移行の加速は、SCSKが提供するITサービスやソリューションに対する需要を継続的に高める大きな機会となります。
- O2. 親会社との連携強化と非競争分野への展開: 親会社である住友商事のグローバルネットワークや事業基盤を活かし、国内外での新たな事業機会創出や、グループシナジーによる効率化が期待できます。
脅威
- T1. 業界の競争激化と技術革新の加速: ITサービス業界は競合が多く、新技術(クラウド、AIなど)の登場により、常に差別化が求められます。技術動向への対応遅れは競争優位性の喪失につながる可能性があります。
- T2. 親会社による上場廃止リスク: 住友商事による公開買付けの可能性が示されており、これに伴う上場廃止は、現在の株価形成原則や株主還元方針に大きな変更をもたらす可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 成長志向の投資家: 直近の高い売上高・利益成長率、積極的なM&A戦略、AI・車載分野への注力に魅力を感じる、中長期的な成長に期待する投資家。
- 安定性を重視しつつある程度のリスクを取れる投資家: 住友商事という大企業グループの傘下であることからの事業の安定性と、低いベータ値による市場変動への抵抗力は魅力ですが、財務健全性の変化やバリュエーションの高さ、上場廃止リスクを理解し、許容できる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 財務健全性の継続的なモニタリング: 自己資本比率の低下や負債の増加傾向がM&Aの一過性のものであるか、あるいは恒常的なものになるか、今後の決算発表で注意深く確認する必要があります。
- 上場廃止に関する情報収集: 親会社による公開買付けや上場廃止に関する今後の動向は、株価や投資戦略に大きな影響を与えるため、関連する適時開示情報には常に注目する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 四半期ごとの売上高・営業利益成長率: 特にネットワンシステムズ連結後の成長が持続可能か(目標値: 前年同期比10%以上)。
- 自己資本比率の推移と負債資本比率: M&A後の財務体質が安定しているか、財務レバレッジが過度にならないか(目標値: 自己資本比率35%以上、負債資本比率100%未満)。
- 配当政策および株主還元の変化: 上場廃止リスクが顕在化した場合の配当政策や自社株買いの方針変更(目標値: 現行の配当性向維持または上方修正)。
10. 企業スコア
- 成長性: S (非常に高成長)
- 過去12ヶ月の売上高は7,743億2,000万円、Quarterly Revenue Growth(前年比)は43.90%と非常に高い伸びを示しています。また、2026年3月期の通期予想売上高7,900億円は前年予想比で約32%増となり、高い成長期待があるためS評価とします。
- 収益性: S (非常に高水準)
- ROE(実績)は15.17%(過去12ヶ月では20.60%)とベンチマークの10%を大きく上回ります。営業利益率(過去12ヶ月)も11.11%とベンチマークの10%を超える水準を維持しており、収益性は非常に高いと評価できるためS評価とします。
- 財務健全性: B (一部改善余地あり)
- Piotroski F-Scoreは7/9とS判定ですが、F-Scoreの詳細において流動比率がベンチマーク(1.5以上)を下回り、負債資本比率が1.0を超えている点が指摘されています。自己資本比率(実績)32.9%は「B」の基準(30-40%)を満たしますが、過去(60%超)から大幅に低下しており、流動比率1.08は「C」の基準に該当します。M&Aに伴う負債増加によるものではありますが、これらの指標の改善が今後の課題となるため、総合的にB評価とします。
- バリュエーション: D (かなりの割高感)
- PER 27.9倍は業界平均23.2倍を約20%上回っています。PBR 5.59倍は業界平均2.3倍を約143%も上回る水準です。高い成長性や収益性を織り込んでいるとはいえ、業界平均と比較して相当な割高感があるためD評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 9719 |
| 企業名 | SCSK |
| URL | http://www.scsk.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 5,670円 |
| EPS(1株利益) | 196.18円 |
| 年間配当 | 0.83円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10.5% | 31.3倍 | 10,116円 | 12.3% |
| 標準 | 8.1% | 27.2倍 | 7,872円 | 6.8% |
| 悲観 | 4.9% | 23.1倍 | 5,748円 | 0.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 5,670円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 3,917円 | △ 45%割高 |
| 10% | 4,891円 | △ 16%割高 |
| 5% | 6,172円 | ○ 8%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 野村総合研究所 | 4307 | 3,561 | 20,698 | 19.90 | 4.07 | 23.9 | 2.07 |
| TIS | 3626 | 2,924 | 6,907 | 13.24 | 1.99 | 14.6 | 2.59 |
| BIPROGY | 8056 | 4,378 | 4,407 | 14.94 | 2.48 | 17.1 | 2.74 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。