企業の一言説明
サンコーは、自動車、事務機、デジタル家電向けにプレス部品、メカトロ部品、樹脂製品の製造販売を展開する、高い財務健全性と特定の加工技術を持つ中堅企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高水準の財務健全性と低PBR: 自己資本比率70.8%、流動比率277%と極めて堅固な財務基盤を誇ります。PBRは0.41倍と業界平均0.8倍を大きく下回り、資産に対して割安な水準にあります。
- 車載関連部品の安定需要と業績上方修正: 自動車安全部品や車載モニター向けヒンジなど、車載関連部品が売上高の大部分を占め、安定した需要に支えられています。直近では業績を大幅に上方修正しており、堅調な推移を示しています。
- 収益性の改善と市場流動性への課題: ROEが3.69%と低く、資本効率の向上が課題です。また、特定株主の保有割合が高く浮動株が少ないため、市場での流動性には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 平均水準 |
| 収益性 | C | 改善の余地 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | S | 非常に割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 746.0円 | – |
| PER | 13.79倍 | 業界平均12.9倍よりやや高め |
| PBR | 0.41倍 | 業界平均0.8倍より大幅に低い |
| 配当利回り | 2.68% | – |
| ROE | 3.69% | – |
1. 企業概要
サンコー(6964)は、プレス部品、メカトロ部品、樹脂製品の製造販売を主要事業とする総合精密部品メーカーです。主に自動車、デジタル家電、事務機などの分野で部品を提供しており、特に自動車安全部品の深絞り加工や、車載メーター用スライドユニット、多関節ヒンジなど、高度な技術を要する製品を強みとしています。受託一貫生産体制を敷いており、顧客のニーズに応じた製品開発から製造までを手掛けることで、特定の技術分野における参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
サンコーは電気機器業界に属し、多種多様な高精度部品を提供する中堅メーカーとして位置付けられています。特定の加工技術や製品群において強みを持つものの、市場シェア全体では大手競合には及ばない現状です。しかし、自動車関連部品を主力とすることで、安定した事業基盤を確保しています。PERは13.79倍で業界平均12.9倍と比較してやや高い水準にありますが、PBRは0.41倍と業界平均0.8倍を大きく下回っており、資産価値に対しては割安感が強いと評価できます。
3. 経営戦略
サンコーは、車載電装品やデジタル家電といった成長分野に注力することで、収益力の向上を目指しています。具体的な中期経営計画等の開示はデータにありませんが、2026年3月期の通期経常利益が38%上方修正されるなど、直近の業績は好調に推移しています。これは、特に自動車関連製品やデジタル家電関連製品の売上高が前年同期比で増加していることに起因しており、主力事業の堅調な成長が戦略の有効性を示唆しています。今後のイベントとしては、2026年3月30日に予定されている配当落ち日があります。
4. 財務分析
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益、ROAは良好 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率良好、株式希薄化なし |
| 効率性 | 1/3 | 売上成長は確認、営業利益率・ROEに改善余地 |
解説:
サンコーのPiotroski F-Scoreは5/9点で「良好」と評価されます。収益性では純利益とROAがプラスを維持しているものの、営業キャッシュフローのデータからは詳細な評価ができませんでした。財務健全性においては、流動比率が高く、株式の希薄化も発生していないことが評価されますが、有利子負債に関する詳細データはありません。効率性では、四半期売上高成長率は確認できたものの、営業利益率やROEが基準値に達しておらず、資本効率の改善が今後の課題と考えられます。
【収益性】
サンコーの収益性は以下の通りです。
- 営業利益率(過去12か月): 5.55%
- ROE(実績): 3.69% (過去12か月: 3.01%)
- ROA(過去12か月): 1.69%
ROEの一般的な目安が10%以上、ROAが5%以上とされる中、サンコーのROEとROAはともにベンチマークを大きく下回っています。営業利益率も5%台と、高いとは言えない水準であり、収益性の改善が重要な経営課題です。
【財務健全性】
サンコーの財務健全性は非常に高い水準にあります。
- 自己資本比率(実績): 70.8%
- 流動比率(直近四半期): 2.77倍(277%)
自己資本比率70.8%は、企業の安定性を示す非常に高水準な値であり、景気変動や事業リスクに対する強固な耐性があることを示します。流動比率も277%と、短期的な支払い能力に全く問題がない優良な状態です。
【キャッシュフロー】
直近のキャッシュフロー状況は以下のとおりです。
- 営業キャッシュフロー(2025年3月期): 294百万円
- フリーキャッシュフロー(2025年3月期): -570百万円
- 現金等残高(直近四半期): 51億
2025年3月期は営業キャッシュフローがプラスであるものの、積極的な投資活動(投資CF -864百万円)によりフリーキャッシュフローはマイナスに転じています。しかし、潤沢な現金等残高(51億円)を保有しており、短期的な資金繰りに懸念はありません。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 約0.52倍 (294百万円 ÷ 569百万円)
営業キャッシュフローが純利益の約52%に留まっており、現金が伴わない利益計上が一部に見られる可能性があります。この比率が1.0倍未満の場合、利益の質に注意が必要とされますが、設備投資による一時的な影響も考えられます。今後の推移を継続的に確認すべき指標です。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 77.5%
- 営業利益進捗率: 93.1%
- 当期純利益進捗率: 91.0%
通期予想に対して営業利益および当期純利益が順調に進捗しており、通期での達成が見込まれます。特に営業利益、当期純利益ともに90%を超える高い進捗率であり、直近の業績は堅調と言えます。
直近3四半期の売上高・営業利益の推移(2026年3月期 第3四半期決算短信より抜粋、連結累計)
- 売上高: 13,800百万円(前年同期 12,419百万円、+11.1%)
- 営業利益: 540百万円(前年同期 472百万円、+14.4%)
売上高および営業利益は前年同期比で二桁の成長を示しており、特に営業利益の伸びが目立ちます。主力の自動車関連製品が12.5%増、デジタル家電関連製品が18.3%増と好調に推移しています。
5. 株価分析
【バリュエーション】
サンコーの株価バリュエーションは以下の通りです。
- PER(会社予想): 13.79倍
- PBR(実績): 0.41倍
業界平均PER12.9倍に対し、サンコーのPER13.79倍はやや高めの水準です。しかし、業界平均PBR0.8倍に対し、サンコーのPBR0.41倍は非常に低い水準にあり、企業の純資産価値と比較すると割安であると判断されます。資産価値と比べると株価が低い「バリュー株」としての側面が強いと言えます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | 26.83 / 22.94 | 短期的な変動を示す |
| RSI | 買われすぎ | 76.5% | 70%以上で過熱感があり、短期的な調整に注意 |
| 5日線乖離率 | – | +2.28% | 直近のモメンタムは強い |
| 25日線乖離率 | – | +10.19% | 短期トレンドからの乖離が大きい |
| 75日線乖離率 | – | +20.31% | 中期トレンドからの乖離が大きい |
| 200日線乖離率 | – | +26.39% | 長期トレンドからの乖離が大きい |
RSIが76.5%と買われすぎの状態を示しており、短期的な加熱感がうかがえます。移動平均線乖離率も全てプラスで、特に75日線や200日線からの乖離が大きいため、短期的な調整が入る可能性に注意が必要です。
【テクニカル】
現在の株価746.0円は、52週高値759.00円に非常に近く、レンジ内で94.7%の位置にあります。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回って推移しており、強い上昇トレンドが示唆されます。特に最近の株価は上昇基調にあり、短期および中期的に好調なパフォーマンスを見せています。
【市場比較】
サンコーの株価は、日経平均株価およびTOPIXと比較して、直近では良好なパフォーマンスを発揮しています。
日経平均比
- 1ヶ月: 株式+15.30% vs 日経+8.80% → 6.51%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式+29.74% vs 日経+20.70% → 9.04%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+31.34% vs 日経+34.01% → 2.68%ポイント下回る
- 1年: 株式+27.96% vs 日経+50.35% → 22.39%ポイント下回る
TOPIX比
- 1ヶ月: 株式+15.30% vs TOPIX+5.88% → 9.42%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式+29.74% vs TOPIX+15.48% → 14.26%ポイント上回る
- 6ヶ月: 株式+31.34% vs TOPIX+20.70% → 10.64%ポイント上回る
- 1年: 株式+27.96% vs TOPIX+29.74% → 1.78%ポイント下回る
直近1ヶ月および3ヶ月では日経平均とTOPIXの両方を上回るパフォーマンスを見せていますが、6ヶ月および1年といった中長期では、市場全体の上昇ペースにはやや追いつけていない状況です。これは、特定の事業分野に強みを持つ企業が市場全体の追い風をフルに受けるのが難しい側面があることを示唆しているかもしれません。しかし、直近の好調な業績修正が株価を押し上げている動きが見られます。
6. リスク評価
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 22.48%
- シャープレシオ: -0.65
- 最大ドローダウン: -34.52%
- ベータ値(5Y Monthly): 0.16
サンコーの年間ボラティリティは22.48%と、中程度の株価変動リスクを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±22.5万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-34.52%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておくべきです。シャープレシオがマイナスであることは、取得したリターンがリスクに見合っていないことを示唆していますが、これは直近のパフォーマンスによる短期的な要因も考えられます。ベータ値0.16は市場全体の動きとの連動性が低いことを示しており、市場の変動に対して比較的安定した値動きを期待できます。
【事業リスク】
- 自動車産業の景気変動と構造変化: 売上の大部分を自動車関連部品が占めるため、自動車生産台数の変動や、EV化など自動車産業の構造変化が事業に大きな影響を与える可能性があります。新技術への対応が今後の成長を左右します。
- 原材料価格の変動: 主要材料である金属や樹脂の国際的な価格変動が、製品原価に直接影響を与え、収益性を圧迫するリスクがあります。
- 為替変動リスク: 製品の輸出入や海外での生産活動がある場合、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況
- 信用買残: 83,400株
- 信用売残: 0株
- 信用倍率: 0.00倍 (信用売残がないため、計算上は0倍となりますが、信用買残がある点は留意が必要です。)
信用売残が0であるため、信用倍率は計算上0.00倍となっています。信用買残は83,400株あるものの、発行済株式数9,000,000株に対しては限定的な水準であり、大きな将来の売り圧力とは直ちには判断されません。
主要株主構成
| 株主名 | 保有割合 | 保有株式数 |
|---|---|---|
| 田村商事 | 50.5% | 4,545,000株 |
| 田村正則 | 5.56% | 500,000株 |
| インタラクティブ・ブローカーズ | 5.01% | 451,000株 |
上位株主は田村商事と田村正則氏で全体の過半数を占めており、特定株主による支配色が強い構成です。これにより、浮動株(市場で取引される株式)の比率が低くなる傾向があり、株価の流動性に影響を与える可能性があります。機関投資家の保有割合は1.69%と低い水準です。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.68%
- 1株配当(会社予想): 20.00円
- 配当性向: 33.71%
サンコーは、配当性向30%台を維持しており、安定した株主還元を目指していると考えられます。配当利回り2.68%は、一般的な水準と比較して魅力的であると言えるでしょう。2026年3月期の年間配当予想も20円と安定しており、株主還元への姿勢が見られます。自社株買いの状況については、データがありません。
SWOT分析
強み
- 自己資本比率70.8%、流動比率277%と極めて高い財務健全性を誇る。
- 自動車関連部品を主力とし、特定の深絞り加工技術やヒンジなどのメカトロニクス技術に強みを持つ。
弱み
- ROE3.69%と収益性が低く、資本効率の改善が喫緊の課題。
- PBR0.41倍と低水準にあり、企業価値評価が市場から低いとの見方がある。
機会
- 車載電装品市場の拡大や、自動車のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に対応する新技術や製品需要の増加。
- 既存の精密加工技術を応用した新たな事業領域への展開や製品開発の可能性。
脅威
- 自動車業界の電動化・IT化の加速による部品サプライチェーンの大幅な変化。
- 原材料価格の高騰や国際情勢の不安定化によるコスト増。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤と割安性を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と低PBRは、企業の本質的価値を重視する投資家にとって魅力的です。
- 配当収入を求める投資家: 2%台後半の配当利回りは、安定的なインカムゲインを期待する投資家にとって検討に値するでしょう。
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性改善への具体的な取り組み: 低いROEや営業利益率に対する経営陣の戦略や目標達成状況を注視する必要があります。
- 低PBR是正に対する企業の方針: 低PBRは放置されがちな課題ですが、企業がどのようにPBR向上に取り組むかをIR情報などで確認することが重要です。
- 市場流動性: 浮動株比率が低く、一部の大株主に株式が集中しているため、売買がしにくい、または特定株主の動向が株価に影響を与えやすい可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- ROEと営業利益率の四半期ごとの推移: 経営計画における具体的な目標値とその進捗。
- PBR改善に向けた方針や株主還元強化策: 中期経営計画などで示される可能性のある事業再編やIR活動。
- 営業キャッシュフローの安定的な創出とフリーキャッシュフローの改善: 投資が一段落した後のキャッシュフローの動向。
10. 企業スコア
- 成長性: B (平均水準)
- 過去の売上高は増加傾向にありますが、直近の2025年3月期は微減益予想であり、年率平均で10%を超えるような高成長は見られません。しかし、前年同期比の四半期売上高成長率は21.4%と高い進捗を見せており、安定的な成長は期待できるため「B」評価としました。
- 収益性: C (改善の余地)
- ROE3.69%(過去12ヶ月3.01%)、営業利益率5.55%といずれも低い水準にあり、収益性に関する一般的なベンチマーク(ROE10%以上、営業利益率10%以上)を大きく下回っています。ROEが5%未満ではあるものの、営業利益率が3%以上であるため「C」評価としました。
- 財務健全性: S (極めて優良)
- 自己資本比率70.8%および流動比率277%と、いずれも極めて高水準を維持しており、財務基盤は非常に強固です。Piotroski F-Scoreも5/9点と良好であり、十分な財務的な安全性を有していると評価し「S」としました。
- バリュエーション: S (非常に割安)
- PERは業界平均とほぼ同水準ですが、PBR0.41倍と業界平均0.8倍を大きく下回る水準にあり、資産価値に対して著しく株価が割安であると判断されます。低いPBRが大きな割安感を示唆し、将来的な調整圧力が低いと見込まれるため「S」としました。
企業情報
| 銘柄コード | 6964 |
| 企業名 | サンコー |
| URL | http://www.sko.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 746円 |
| EPS(1株利益) | 54.09円 |
| 年間配当 | 2.68円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6.9% | 15.9倍 | 1,200円 | 10.3% |
| 標準 | 5.3% | 13.8倍 | 968円 | 5.7% |
| 悲観 | 3.2% | 11.7倍 | 742円 | 0.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 746円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 489円 | △ 53%割高 |
| 10% | 611円 | △ 22%割高 |
| 5% | 771円 | ○ 3%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ムトー精工 | 7927 | 2,417 | 187 | 10.68 | 0.82 | 9.5 | 4.17 |
| アドバネクス | 5998 | 2,082 | 86 | 8.64 | 0.88 | 8.0 | 0.96 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。
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