企業の一言説明

イワキポンプは、薬液用ケミカルポンプを中心に流体制御機器を展開する、多用途・多品種少量生産に強みを持つ日本の精密機械メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅固な財務基盤と高い収益性: 自己資本比率70.0%を誇る強固な財務体質と、ROE12.56%、営業利益率14.26%という高い収益性を両立しており、Piotroski F-Scoreも8/9と優良な評価を獲得しています。事業の安定性と成長性を支える財務の健全性は、長期的な投資において重要な要素となります。
  • 明確な成長戦略と株主還元方針: 中期経営計画「中計2027」および長期ビジョン「NEXT10」において、連結売上高1,000億円、連結営業利益率15%以上という明確な目標を掲げ、水処理・化学・医療機器分野を重点領域として成長戦略を推進しています。また、目標配当性向35%以上かつ下限配当70円を設定するなど、株主還元への意識も高いです。
  • 減益傾向と市場の警戒: 直近の四半期決算では、4-12月期累計経常利益が前年同期比3%減益、10-12月期単独では15%減益と、業績の減益傾向がニュースで取り上げられ、市場の警戒感を生んでいます。半導体・液晶市場の回復遅延や在庫調整による売上原価率の上昇、為替変動リスクなど、外部環境の変化が業績に影響を及ぼす可能性があり、今後の推移を慎重に見守る必要があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好な成長
収益性 A 良好な収益
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション B 妥当な水準

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,851円
PER 13.24倍 業界平均16.6倍
PBR 1.62倍 業界平均1.4倍
配当利回り 2.66%
ROE 12.56%

1. 企業概要

イワキポンプは、1956年に設立された流体制御機器メーカーであり、特に薬液用ケミカルポンプの開発、製造、販売を国内外で展開しています。主力製品は、磁気駆動ポンプや電磁定量ポンプ、空圧駆動ポンプなど多岐にわたり、Non-metal磁気駆動タービンポンプMDTシリーズや金属製遠心磁気駆動ポンプMPシリーズといった独自の製品を提供。水処理コントローラーなどのシステム製品も手掛け、多用途・多品種少量生産に強みを持っています。高度な技術と製品ラインナップにより、幅広い産業の流体移送ニーズに応え、高い参入障壁を構築しています。

2. 業界ポジション

イワキポンプは「機械」セクターに属し、ケミカルポンプという特定のニッチ市場で独自の地位を確立しています。多用途・多品種少量生産に対応できる技術力と製品群を強みとし、特定の産業分野における高い専門性を有している点が競合他社に対する優位性です。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、国内外での事業展開から、一定の市場プレゼンスを持つ企業であると推察されます。財務指標を見ると、PER(予想)は13.24倍で業界平均16.6倍を下回っており、相対的に割安感があります。一方、PBR(実績)は1.62倍で業界平均1.4倍をやや上回っており、資産価値に対しては市場から一定の評価がされていると言えます。

3. 経営戦略

イワキポンプは、中期経営計画「中計2027」および10年ビジョン「NEXT10」を掲げ、明確な成長戦略を推進しています。長期ビジョンでは「連結売上高1,000億円」「連結営業利益率15%以上」を2035年に目指す高目標を設定。直近の中期経営計画では、水処理・化学・医療機器分野を重点領域と定め、これらの分野での事業拡大を目指しています。
具体的には、在庫回転日数を193.8日から150日へと短縮する目標を設定し、サプライチェーン効率の改善に取り組んでいます。R&D投資は直近四半期累計で425百万円(前年比+7百万円)と継続して行われていますが、設備投資は412百万円(前年比▲850百万円)と一時的に減少しており、選択と集中を進めている可能性があります。株主還元については、配当性向35%以上を下限配当70円(2026年3月期~2028年3月期)として安定的な還元を重視する方針を示しています。
直近の進捗としては、2026年3月期第3四半期累計で売上高が前年同期比+1.8%と微増に留まり、営業利益は△5.1%の減益となりましたが、通期予想は据え置きとしています。これらの情報から、同社は長期的な成長を見据えつつ、足元の課題に対処しながら事業基盤の強化を図っていることがうかがえます。Q&Aに関する情報提供はありませんでした。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの項目で評価する指標です。スコアが高いほど財務の質が良好であることを示します。

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益はプラスでROAも良好ですが、営業キャッシュフローに関する情報が不足しています。しかし、それでも十分に高い収益性を示しています。
財務健全性 3/3 流動比率が高く、有利子負債も低水準であり、株式希薄化もないため、極めて健全な財務状態です。
効率性 3/3 営業利益率とROEが共に業界平均を上回り、四半期売上高も成長しており、資産の効率的な活用と事業の成長が評価できます。

イワキポンプのPiotroski F-Scoreは8/9点であり、「S: 優良」と評価されます。これは、同社が収益性、財務健全性、効率性のいずれの側面においても非常に優れた財務パフォーマンスを維持していることを意味します。特に財務健全性と効率性の項目では満点を獲得しており、会社の資金繰りと資産運用能力の高さが際立っています。収益性に関しては、営業キャッシュフローのデータが一部不足しているものの、純利益の黒字化と資産利益率(ROA)の良好な推移が認められます。

【収益性】

イワキポンプの収益性は、高水準で安定しています。

  • 営業利益率(過去12か月): 14.26%
    • 営業利益率はベンチマークの15%に迫る水準であり、業界全体と比較しても高い収益性を確保していることを示します。効率的な事業運営と製品への高い付加価値が背景にあると推測されます。
  • ROE(実績): 12.56%
    • ROEは「株主資本をいかに効率的に活用して利益を上げているか」を示す指標であり、一般的な目安とされる10%を上回っています。これは株主にとって魅力的な水準であり、同社の資本効率の良さを示唆します。
  • ROA(過去12か月): 6.55%
    • ROAは「総資産を使ってどれだけ効率的に利益を上げているか」を示す指標であり、ベンチマークの5%を上回っています。これは、資産全体を効率的に活用して事業活動が利益を生み出していることを表します。

【財務健全性】

強固な財務体質はイワキポンプの大きな特徴の一つです。

  • 自己資本比率(実績): 70.0%
    • 自己資本比率は「総資産のうち返済不要な自己資本が占める割合」を示す指標であり、70.0%という非常に高い水準を維持しています。これは、外部からの借入に依存しない安定した経営基盤があることを意味し、景気変動や予期せぬ事態に対しても強い抵抗力を持つことを示唆します。
  • 流動比率(直近四半期): 3.55倍 (355%)
    • 流動比率は「短期的な支払能力」を示す指標であり、200%以上が良好とされる中で355%という高い水準を誇ります。これは、1年以内に支払期限が来る負債に対し、十分な現金や売掛金などの流動資産を保有しており、短期的な資金繰りに全く問題がない極めて健全な状態であることを示します。

【キャッシュフロー】

イワキポンプのキャッシュフローは健全な状況にあり、安定した事業運営を裏付けています。

  • 営業キャッシュフロー(営業CF):
    • 2023年3月期: 1,914百万円
    • 2024年3月期: 2,564百万円
    • 2025年3月期: 3,463百万円
    • 営業活動によるキャッシュフローは過去3年間で順調に増加しており、本業で着実に現金を稼ぎ出していることを示します。これは企業が持続的に成長し、自己資金で投資や負債返済、株主還元を行える能力があることを意味します。
  • フリーキャッシュフロー(FCF):
    • 2023年3月期: 396百万円
    • 2024年3月期: 77百万円
    • 2025年3月期: 2,679百万円
    • フリーキャッシュフローは、営業活動で得られた現金から投資活動に必要な資金を差し引いた、企業が自由に使えるお金を示します。2025年3月期には大きく増加しており、企業の投資余力や株主還元余力が向上していることが分かります。
  • 現金等残高:
    • 2023年3月期: 8,692百万円
    • 2024年3月期: 6,773百万円
    • 2025年3月期: 7,941百万円 (直近四半期 Total Cash: 9,110百万円)
    • 現金等残高は2024年3月期に一時減少したものの、2025年3月期には回復し、直近では91億1,000万円と潤沢な手元資金を保有しています。これは企業の安全性を高め、将来の成長投資やM&Aなどの機会を捉える柔軟性を提供します。

四半期連結キャッシュフロー計算書は作成されていないとの記載がありましたが、年度別の状況は良好です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率
    • (2025年3月期 営業CF 3,463百万円) / (2025年3月期 純利益 4,468百万円) = 約0.77倍
    • この比率は「企業が計上した利益と、実際に稼ぎ出した現金の割合」を示します。一般的に1.0倍以上が健全とされますが、0.77倍と1.0倍を下回っています。これは、会計上の利益の一部が現金として回収されていない、または売掛金の増加などが要因である可能性があります。例えば、売上が増加して売掛金が増えると、会計上の利益は増えても現金流入が遅れる場合があります。ただし、営業CF自体は増加傾向にあり、利益の質が著しく低いというレベルではありませんが、今後の推移は注視する必要があります。

【四半期進捗】

2026年3月期 第3四半期累計(4-12月)の業績進捗は、以下の通りです。

  • 売上高: 34,736百万円(通期予想48,439百万円に対する進捗率: 71.8%)
  • 営業利益: 4,443百万円(通期予想6,159百万円に対する進捗率: 72.1%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 3,665百万円(通期予想4,788百万円に対する進捗率: 76.6%)

進捗率はいずれも70%台にあり、第4四半期での挽回が必要ですが、純利益の進捗率が最も高く、期末に向けて良好な着地が見込まれる可能性も残されています。しかし、前年同期比では売上高が+1.8%と微増に留まり、営業利益は△5.1%の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益も△1.8%の減益となっています。これは、ニュース動向分析でも指摘されている通り、直近の業績に減益傾向が見られることを示しています。通期予想は修正なしですが、第4四半期で業績が回復するかどうかを注目する必要があります。

【バリュエーション】

イワキポンプの現在の株価は、業界平均と比較して異なる側面を見せています。

  • PER(会社予想): 13.24倍
    • 株価収益率(PER)は「株価が1株当たり利益の何倍か」を示し、業界平均PER16.6倍と比較すると割安な水準にあります。これは、企業の利益水準に対して現在の株価が相対的に低く評価されている可能性を示唆し、投資家によっては割安と判断されることがあります。
  • PBR(実績): 1.62倍
    • 株価純資産倍率(PBR)は「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示し、業界平均PBR1.4倍をやや上回っています。PBRが1倍を超えていることは、企業の解散価値より高い評価がされていることを意味しますが、業界平均より高いことから、資産価値に対しては適正かやや割高と見ることもできます。ただし、ROEが12.56%と高い水準を維持しているため、PBRが1倍を大きく超えていても説明は可能です。この場合、市場は同社の高い収益性と将来性に対して一定のプレミアムを払っていると解釈できます。

総合的に見ると、PERベースでは割安感がある一方で、PBRベースでは業界平均をやや上回る状況です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 56.05 / シグナルライン: 52.12 / ヒストグラム: 3.93 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 57.1% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.01% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +3.76% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +8.51% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +11.18% 長期トレンドからの乖離

MACDは中立とされていますが、MACD値がシグナルラインを上回っていることから、短期的な上昇モメンタムが形成されつつある状態とも解釈できます。RSIは57.1%と中立圏にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状況です。全ての移動平均線乖離率がプラスであることから、現在株価は短期・中期・長期の全ての移動平均線を上回っており、株価が上昇トレンドにあることを示唆しています。特に75日線や200日線に対する乖離が大きめであることから、中長期的な上昇トレンドが継続していることがうかがえます。

【テクニカル】

イワキポンプの現在の株価(2,851.0円)は、52週高値2,977.0円、52週安値1,579.0円の範囲内で、52週レンジ内位置は91.0%と高値圏にあります。これは過去1年間で株価が大きく上昇し、直近でピークに近い水準にあることを示しています。
移動平均線との関係では、現在の株価は全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回っています。これは、短期から長期にわたる全てのトレンドが上向きであることを示し、株価の上昇基調が強いことを裏付けています。特に株価が長期の移動平均線よりも上に位置していることは、長期的な視点での強気トレンドを示唆する重要なサインです。
直近1ヶ月間の株価推移を見ると、安値2,573.00円から高値2,977.00円の間で変動しており、現在の株価は概ねこの高値圏に位置しています。サポートラインは2,573円、レジスタンスラインは2,977円と見ることができます。直近1ヶ月リターンは+9.61%と好調です。

【市場比較】

イワキポンプの株価パフォーマンスを日経平均株価およびTOPIXと比較すると、以下の傾向が見られます。

日経平均比

  • 1ヶ月: +9.61% vs 日経+8.80% → 0.82%ポイント上回る
    • 直近1ヶ月では日経平均をわずかに上回るパフォーマンスです。
  • 3ヶ月: +19.09% vs 日経+20.70% → 1.61%ポイント下回る
    • 短期では日経平均とほぼ同水準の動きですが、やや劣後しています。
  • 6ヶ月: +13.77% vs 日経+34.01% → 20.25%ポイント下回る
    • 半年間の視点では、日経平均の大きな上昇に対して、イワキポンプの株価上昇は大きく劣後しています。
  • 1年: +26.43% vs 日経+50.35% → 23.92%ポイント下回る
    • 1年間で見ても、日経平均の大幅な上昇には及ばず、劣後する結果となっています。

TOPIX比

  • 1ヶ月: +9.61% vs TOPIX+5.88% → 3.73%ポイント上回る
    • 直近1ヶ月ではTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを見せています。
  • 3ヶ月: +19.09% vs TOPIX+11.83% → 7.26%ポイント上回る
    • 3ヶ月間でもTOPIXを大きくアウトパフォームしています。
  • 6ヶ月: +13.77% vs TOPIX+21.28% → 7.51%ポイント下回る
    • 6ヶ月ではTOPIXに劣後しています。
  • 1年: +26.43% vs TOPIX+29.23% → 2.80%ポイント下回る
    • 長期的にはTOPIXとほぼ同水準ですが、わずかに劣後しています。

これらのデータから、イワキポンプの株価は、日経平均が大きく上昇した局面では追随しきれなかったものの、TOPIXとの比較では、直近数ヶ月間は比較的良好なパフォーマンスを示していることが分かります。特にTOPIXを上回る傾向は、同社が特定のテーマやセクター内で評価されている可能性を示唆します。ただし、景気敏感株が多いとされる機械セクターにおいて、日経平均の大幅な上昇から置いていかれたのは、半導体・液晶市場の回復遅延などの事業リスクが意識された可能性もあります。

【定量リスク】

イワキポンプの定量的なリスク指標は以下の通りです。

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.12
    • ベータ値は「個別銘柄が市場全体の動きに対してどれだけ感応するか」を示す指標であり、0.12という非常に低い数値は、市場全体の変動に対して株価の動きが非常に小さいことを意味します。これは、市場全体が大きく変動しても、イワキポンプの株価は比較的安定している傾向にあることを示唆します。安定志向の投資家には魅力的ですが、市場全体の大きな上昇局面でアウトパフォームする可能性も低いと解釈できます。
  • 年間ボラティリティ: 46.36%
    • 年間ボラティリティは株価の変動の激しさを示します。46.36%という水準は、機械セクターとしては中程度からやや高い部類に入ります。
    • 仮に100万円投資した場合、年間で±46.36万円程度の変動が想定されることを意味します。このボラティリティは、株価が大きく動く可能性があるため、短期的な価格変動リスクを許容できる投資家向けといえます。
  • シャープレシオ: 0.06
    • シャープレシオは「リスク1単位あたりでどれだけ超過リターンが得られたか」を示す指標であり、数値が大きいほどリスクに対するリターン効率が良いとされます。0.06という低い数値は、過去のリターンがリスクに見合うほど効率的ではなかったことを示唆しています。
  • 最大ドローダウン: -44.41%
    • 最大ドローダウンは「過去の株価変動で最も大きく下落した期間の下落率」を示します。-44.41%という水準は、過去に一時的に株価が大きく下落した時期があったことを示します。投資を検討する際は、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。

【事業リスク】

決算説明資料や企業概要から読み取れる主要な事業リスク要因は以下の3点です。

  • 市場の回復遅延: 半導体・液晶市場、特に中国市場の回復遅延は、同社の主要顧客の一部に属するため、売上高や利益に直接的な影響を及ぼす可能性があります。これは、同社の製品が半導体製造プロセスや液晶ディスプレイ製造において利用されるため、これらの市場の動向が業績を左右する重要な要因となります。
  • 為替変動リスク: イワキポンプは国内外で事業を展開しており、為替レートの変動は海外売上高や輸入コストに影響を与えます。決算説明資料ではUSD 148.00円、EUR 162.00円、CNY 21.30円を前提としているため、想定よりも円高に振れた場合、輸出採算の悪化や海外子会社の業績換算価値の低下による減益リスクがあります。
  • 在庫調整と売上総利益率の低下: 直近の決算説明資料で「在庫調整による売上原価率上昇で売上総利益率低下」がリスク要因として挙げられています。これは、過剰在庫の解消のために販売価格を引き下げたり、在庫評価損を計上したりすることで、一時的に利益率が悪化する可能性があります。会社の目標として在庫回転日数の短縮を掲げていますが、その過程で利益率へのプレッ沢が続く可能性があります。

信用取引状況

  • 信用買残: 22,700株
  • 信用売残: 8,500株
  • 信用倍率: 2.67倍

信用倍率2.67倍は、信用買い残が信用売り残の約2.67倍あることを示します。これは、将来の株価上昇を期待して信用買いをしている投資家が多い状況を意味しますが、同時に、株価が下落した場合には信用買いの投げ売りが発生し、売り圧力が強まる可能性も秘めています。直近で信用買残が前週比+9,100株と増加傾向にあり、投資家の買い意欲の高まりが見られる一方で、将来的な調整があれば下落を加速させる要因となり得ます。

主要株主構成

イワキポンプの主要株主には、創業者一族や関連企業が多く名を連ねており、安定株主が多数を占めています。
上位3社の株主は以下の通りです。

  • シャロン・ファイナンス: 13.64%
  • 藤中ホールディングス: 12.00%
  • 藤中茂 (代表者): 8.26%

これらの上位株主の保有割合が高いことは、経営の安定性につながる一方で、市場に流通する株式(浮動株)が比較的少なくなる傾向があり、出来高が少ない場合には株価の変動が大きくなる可能性があります。また、インサイダー(役員・大株主)による保有割合が52.65%と過半数を占めている点も特徴です。

8. 株主還元

イワキポンプは、株主還元に対して積極的な姿勢を示しています。

  • 配当利回り(会社予想): 2.66% (Forward Annual Dividend Yield: 2.89%)
    • 現在の株価に対する配当利回りは2.66%であり、これは機械セクターの銘柄としては魅力的な水準です。
  • 1株配当(会社予想): 76.00円
    • 2026年3月期の年間配当予想は76.00円であり、前年度の70.00円から増配の見込みです。
  • 配当性向: 35.16% (Yahoo Japanでは34.6%)
    • 配当性向は「利益の何%を配当に回しているか」を示す指標であり、30-50%が一般的とされます。イワキポンプの配当性向は35.16%であり、企業の成長投資と株主還元のバランスが取れた健全な水準です。
  • 株主還元戦略: 中期経営計画「中計2027」において、配当性向35%以上、下限配当70円(2026/3期~2028/3期)を明示しており、今後も安定的な株主還元が期待できる方針です。
  • 自社株買い: データなし

自社株買いに関するデータは提供されていませんが、配当による安定的な還元方針を明確にしていることから、定期的な自社株買いの実施は現時点では確認できません。今後は、更なる企業価値向上の一環として自社株買いを検討する可能性もあります。

SWOT分析

強み

  • ケミカルポンプ市場における技術的優位性と多品種少量生産体制による高い参入障壁。
  • 極めて堅固な財務基盤(自己資本比率70.0%、高流動比率)と高い収益性(ROE12.56%、営業利益率14.26%)。

弱み

  • 中国を中心とした半導体・液晶市場の回復遅延による業績への影響。
  • 足元の減益傾向と、それに伴う市場の警戒感(直近四半期決算のネガティブなニュース)。

機会

  • 水処理・化学・医療機器分野を重点領域とした成長戦略の推進。
  • 長期ビジョン「NEXT10」に基づく持続的成長機会と、それに伴う企業価値向上。

脅威

  • 為替変動(特に円高)が海外事業収益に与える悪影響。
  • 在庫調整に伴う売上原価率の上昇と売上総利益率の低下圧力。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と明確な成長戦略を重視する長期投資家: 高い自己資本比率とF-Scoreに裏打ちされた財務の安定性、そして明確な中長期目標は、企業の持続可能性を重視する投資家にとって魅力的です。
  • インフラ関連やニッチ産業の優良企業を志向する投資家: ケミカルポンプというニッチながらも幅広い産業分野で不可欠な製品を提供しており、景気変動に対する耐性も一定程度期待できます。
  • 安定配当と増配傾向を評価する投資家: 安定した配当性向と下限配当を明示しており、着実な配当収入を求める投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の減益傾向とその要因の注視: 市場の回復遅延や在庫調整が業績に与える影響が一時的なものか、より構造的な問題なのかを継続的に確認する必要があります。
  • 株価バリュエーションのバランス: PERは割安感がありますが、PBRは業界平均をやや上回っています。株価上昇に伴ってバリュエーションが過熱しないか、収益成長とのバランスを慎重に判断することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとの売上高・営業利益の推移と通期予想達成度: 特に減益傾向が続くのか、通期予想に向けて回復するのかを注視する必要があります。
  • 在庫回転日数と売上総利益率の改善状況: 在庫調整が経営目標の一つに掲げられているため、その進捗が収益性にどう影響するかをモニタリングすることが重要です。
  • 重点分野(水処理・化学・医療機器)の受注状況と成長率: 中期経営計画で掲げた成長戦略の実行状況と成果を測る上で重要な指標となります。

10. 企業スコア

イワキポンプの企業スコアを以下の4観点で詳細に評価します。

成長性: A (良好な成長)

  • 評価根拠: 過去5年間(2021年3月期から2026年3月期予想まで)の売上高年平均成長率(CAGR)は約11.45%であり、これは評価基準のA(10-15%)に該当します。直近の四半期売上高成長率は4.10%とやや落ち着いていますが、中長期的な売上高の右肩上がりのトレンドと、連結売上高1,000億円を目指す長期ビジョンから、良好な成長余力を有すると判断しました。

収益性: A (良好な収益)

  • 評価根拠: 実績ROE12.56%は基準A(10-15%)の範囲内であり、過去12か月の営業利益率14.26%も基準A(10-15%)に該当します。これは、株主資本および本業からの稼ぐ力が業界平均と比較しても優れており、効率的な経営体制と製品の競争力を反映していると言えます。ベンチマークのROE10%および営業利益率10%をいずれも上回っており、良好な収益性を維持しています。

財務健全性: S (極めて優良)

  • 評価根拠: 自己資本比率70.0%は基準S(60%以上)を大きく上回り、流動比率355%も基準S(200%以上)を大幅にクリアしています。加えて、Piotroski F-Scoreも8/9点と「S:優良」判定を得ており、貸借対照表の質が極めて高いことを示しています。有利子負債も低く、短期・長期ともに資金繰りの懸念はほとんどなく、非常に強固な財務体質であることが明確です。

バリュエーション: B (妥当な水準)

  • 評価根拠: PER(会社予想)13.24倍は業界平均PER16.6倍の約79.7%であり、基準A(80-90%)に近い割安感を示します。一方でPBR(実績)1.62倍は業界平均PBR1.4倍の約115.7%であり、基準C(110-130%)に該当しやや割高な印象を与えます。PERとPBRで評価が分かれるため、両者のバランスを考慮し、総合的に「B: 妥当な水準」と評価しました。特にROEが高いことを考慮するとPBRの高さもある程度説明できますが、業界平均との比較では過度な割安感は見られないため、適正な評価水準と判断できます。

企業情報

銘柄コード 6237
企業名 イワキポンプ
URL http://www.iwakipumps.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,851円
EPS(1株利益) 216.07円
年間配当 2.66円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.6% 15.2倍 3,922円 6.7%
標準 2.8% 13.2倍 3,277円 2.9%
悲観 1.7% 11.3倍 2,639円 -1.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,851円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,636円 △ 74%割高
10% 2,043円 △ 40%割高
5% 2,579円 △ 11%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日機装 6376 2,420 1,674 12.87 0.99 8.2 2.06
帝国電機製作所 6333 3,390 572 14.45 1.70 11.3 3.24
タクミナ 6322 1,586 122 9.96 0.99 11.9 3.15

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By ジニー

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