企業の一言説明

ロジザードは、通販向け在庫管理システム「ロジザードZERO」をクラウドで提供する、物流・倉庫およびアパレル業界に強みを持つグロース市場上場のSaaS企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 安定的なSaaS収益モデルと高収益性: クラウドサービスが売上の約8割を占め、MRR(月次経常収益)は過去最高を更新し安定的な収益基盤を構築。高い営業利益率とROEを維持しており、効率的な事業運営を実現しています。
  • 中期的な成長戦略の展開: BtoB領域強化、オービックビジネスコンサルタントとの提携によるパートナー戦略、M&A・投資専任部門の新設、人材投資とAI導入による生産性向上を有機的に組み合わせ、2028年6月期に向けた売上高・営業利益・MRRの持続的成長を目指しています。
  • 足元の業績鈍化と低い流動性: 直近2026年6月期第2四半期は増収ながらも人件費等のコスト増により大幅減益で着地しており、通期予想も減益を見込むなど、成長軌道への再加速には時間がかかる可能性があります。また、発行済株式数や出来高が少なく、信用買残の存在は将来的な需給悪化リスクとなり得ます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 S 優良
財務健全性 S 優良
バリュエーション S 優良

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,065.0円
PER 13.35倍 業界平均66.2倍
PBR 1.53倍 業界平均3.5倍
配当利回り 1.69%
ROE 13.80%

1. 企業概要

ロジザードは、クラウド型倉庫管理システム(WMS)「ロジザードZERO」を中心に、物流・EC事業者向けのソリューションを提供するSaaS企業です。主力事業であるクラウドサービスは売上高の約8割を占め、継続的なストック収益が特徴です。ハンドヘルドバーコードスキャナ連携による在庫管理、多言語対応、複数倉庫・複数荷主管理機能などを持ち、特に通販、アパレル、物流倉庫事業者からの支持が厚いです。長年のSaaS運営実績とSOC2 Type2報告書取得による高いセキュリティ基準、そして近年ではローカルLLM(生成AI)導入を試行するなど、技術革新への積極的な取り組みを通じてサービス競争力を維持し、参入障壁を構築しています。

2. 業界ポジション

ロジザードは、EC市場の拡大と物流業界の深刻な人手不足を背景としたDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の高まりを受け、クラウド型WMS市場で事業を展開しています。同社はグロース市場に上場する情報・通信業の一員であり、Software – Infrastructureセクターに属します。競合としては、大手システムインテグレーターや他社クラウドWMSベンダーが存在しますが、通販・アパレル物流に特化した豊富な導入実績と「ロジザードZERO」のブランド力、SaaSモデルによる顧客定着率の高さが強みです。
財務指標を業界平均と比較すると、ロジザードのPER(会社予想)13.35倍は業界平均66.2倍を大幅に下回り、PBR(実績)1.53倍も業界平均3.5倍より低い水準にあります。これは、現状の株価が業界と比較して割安である可能性を示唆しています。ただし、業界平均が高い成長期待を織り込んでいる可能性もあり、ロジザードの足元の減益予想も織り込まれている点に留意が必要です。

3. 経営戦略

ロジザードは、中期的な持続的成長を目指し、以下の戦略を掲げています。
代表取締役社長の金澤茂則氏は、月次経常収益(MRR)が過去最高を更新し、通期予算への進捗も改善していることを強調し、今後の成長に意欲を示しています。

  • BtoB領域の強化とパートナー戦略: 大手システムインテグレーター(オービックビジネスコンサルタントなど)とのBSP契約締結を通じて、これまでリーチしにくかった企業群への販路拡大を目指します。共創型プラットフォームの構築も推進し、外部チャネル活用を強化します。
  • M&A・投資による外部成長: 専任部門を設置し、M&Aや戦略的投資を積極的に推進することで、事業領域の拡大や技術・顧客基盤の獲得を目指します。
  • 人材投資とAIによる生産性向上: 人材採用と育成に投資し、開発体制やサポート体制を強化。ローカルLLM(生成AI)の導入・試行を通じて業務効率化とサービス品質向上を図り、労働生産性の向上を実現します。
  • 中期経営目標: 2028年6月期までに、売上高3,110百万円(2025年比+43.0%)、営業利益530百万円(2025年比+31.8%)、MRR2.09億円(2025年比+40.5%)を目標としています。

直近の重要なイベントとしては、2026年6月29日の配当落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性がすべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスで、高水準の収益性を維持しています。
財務健全性 2/3 流動比率は非常に良好で株式希薄化もありませんが、D/Eレシオに関する具体的な評価データがないため、一部情報が未評価です。
効率性 3/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも高く、効率的な経営ができています。

ロジザードのPiotroski F-Scoreは8/9点と非常に高く、「優良」と判定されます。これは、同社が収益性、財務健全性、効率性のいずれにおいても優れた財務体質を持っていることを示唆しています。特に、営業キャッシュフローが純利益を上回っている点や、資本効率を示すROE、事業の収益性を示す営業利益率の高さは特筆すべき点です。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 20.80% (業界平均と比較して高水準であり、非常に効率的な事業運営ができています。)
  • ROE(実績): 13.80% (ベンチマーク10%を上回る優良な水準であり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しています。)
  • ROA(過去12か月): 12.48% (ベンチマーク5%を大幅に上回る優良な水準であり、総資産を効率的に活用して利益を上げています。)

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 84.5% (非常に高い水準であり、財務基盤が極めて強固です。外部負債への依存度が低く、安定性に優れています。)
  • 流動比率(直近四半期): 6.90倍 (ベンチマークである2倍を大きく上回る極めて高い水準であり、短期的な支払い能力に全く問題ありません。)

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 2億6,800万円 (安定的にプラスであり、本業でしっかりと現金を稼ぐ力があります。)
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 2億2,262万円 (プラスであり、事業活動から生み出された現金で投資活動を賄ってもなお余剰があり、企業の健全な成長余力を示しています。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 1.10 (比率1.0以上で良好とされ、ロジザードは1.10とキャッシュフローが利益を上回っており、非常に高品質な利益であると評価できます。)

【四半期進捗】

2026年6月期第2四半期決算は、売上高1,157,262千円(前年同期比+4.6%)で増収を達成したものの、営業利益は174,497千円(前年同期比△33.4%)、当期純利益125,085千円(前年同期比△35.7%)と大幅な減益で着地しました。これは、人件費など販管費の増加が主な要因です。通期予想(売上高2,439,000千円、営業利益355,000千円、当期純利益258,000千円)に対する第2四半期進捗率は、売上高47.5%、営業利益49.2%、当期純利益48.5%であり、おおむね計画通りに推移しており、会社は通期予想に変更はありません。決算説明資料では第1四半期から第2四半期にかけての進捗率が大幅に改善したと報告されており、下期での巻き返しが期待されます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 13.35倍 (業界平均PER66.2倍と比較して非常に低く、株価は利益に対して割安であると判断されます。)
  • PBR(実績): 1.53倍 (業界平均PBR3.5倍と比較して低く、株価は純資産に対して割安であると判断されます。PBRが1倍を超えているため、解散価値は上回っています。)

これらの指標は、同社の事業内容や成長性を加味すると、他のSaaS企業と比較しても相対的に割安感があることを示唆しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD ゴールデンクロス -16.86 / -16.89 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 41.5% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.11% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.79% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -4.72% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -11.23% 長期トレンドからの乖離

MACDゴールデンクロスは、短期的な上昇トレンド転換の可能性を示唆していますが、RSIは中立圏にあり、相場の過熱感や売られすぎ感は強くありません。株価は全ての移動平均線を下回っており、短期から中長期にかけて下落トレンドが続いている状況です。

【テクニカル】

現在の株価1,065.0円は、52週高値1,633円と比較して約8.7%の水準にあり、年初来安値1,011円に近接しています。5日、25日、75日、200日の全ての移動平均線(それぞれ1,066.20円、1,095.52円、1,117.79円、1,200.09円)を下回っており、上値の重い展開が続いています。特に200日移動平均線からの乖離率が-11.26%と大きく、長期的な下降トレンドにあることを示しています。

【市場比較】

ロジザードの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数を下回るパフォーマンスとなっています。特に6ヶ月、1年では日経平均比でそれぞれ50%ポイント以上、TOPIX比でも15%ポイント以上大きく下回っており、市場全体の上昇トレンドに乗れていない状況です。これは、同社の足元の業績鈍化やグロース株への市場の資金流入減などが影響している可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 1.01 (市場全体とほぼ同じ変動幅を持つことを示します。市場が1%変動すると、この銘柄も平均して約1.01%変動する傾向があります。)
  • 年間ボラティリティ: 41.93% (年間で株価が約41.93%変動する可能性があることを示します。比較的高いボラティリティです。)
  • 最大ドローダウン: -41.91% (過去のデータ上、一時的に最大で約41.91%の下落を経験したことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±41.9万円程度の変動が想定され、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。)
  • シャープレシオ: 0.59 (リスクに見合うリターンが十分に得られていないことを示します。1.0以上が良好とされる中で、0.59は改善の余地があると言えます。)

【事業リスク】

  • 事業環境の変化と競争激化: EC市場や物流業界の動向、特に人手不足によるWMS需要増は追い風ですが、競合他社の類似サービスや新規参入により競争が激化するリスクがあります。
  • M&A・投資戦略の実行リスク: 企業成長のためにM&A・投資を強化する方針ですが、適切なM&A対象の選定、取得後の統合プロセス(PMI)の失敗、期待通りのシナジー効果が得られないリスクがあります。
  • 人材確保とコストコントロール: 積極的な人材投資やAI導入を進めていますが、優秀な人材の確保難や人件費の高騰は、収益性を圧迫する要因となる可能性があります。直近の減益も人件費増加が影響しており、コストコントロールが課題です。

信用取引状況

  • 信用買残: 165,400株
  • 信用売残: 0株
  • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残が0株のため計算上0倍となります。信用買い残は165,400株存在しており、浮動株138万株と比較すると約12%を占めます。これは、将来的にこれらの買い残が市場で売却されることで、株価の上値を抑える要因となる可能性があります。)

主要株主構成

  • フューチャー: 27.12% (894,500株)
  • 金澤茂則 (代表者名): 11.05% (364,500株)
  • 創歩人ホールディングス: 4.68% (154,500株)

上位株主には、筆頭株主であるフューチャーなどの事業会社や、代表者である金澤氏の保有割合が高く、安定した株主構成と言えます。インサイダー保有比率が50.55%と高いことも特徴です。これは、経営陣が株価を意識した経営を行うインセンティブがある一方で、浮動株比率が低くなることで流動性が低下する要因にもなります。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.69% (直近の株価1,065.0円に対し、1株配当18.00円の予想です。)
  • 配当性向(会社予想): 20.92% (利益の約2割を配当に回しており、安定した配当方針と言えます。過去数年間の配当性向もほぼ20%台で推移しており、株主還元への意識は一定程度存在します。)
  • 自社株買いの状況: データなし。

同社は、継続的な増配傾向にあり、持続的な株主還元を目指しています。

SWOT分析

強み

  • クラウド型WMS「ロジザードZERO」を主力とする安定的なSaaS収益モデルと、MRRの継続的な成長。
  • 高い自己資本比率(84.5%)と流動比率(6.90倍)、F-Score8点/9点に裏付けられた極めて強固な財務健全性。

弱み

  • 直近の業績が減益で推移しており、通期予想も減益を見込むなど、短期的な成長性の不透明感。
  • 市場流動性の低さ(発行済株式数・出来高が少ない)や信用買残の存在が、将来的な株価の重しとなる可能性。

機会

  • EC市場の拡大と物流業界の深刻な人手不足を背景とした、WMS導入・DX推進需要の継続的な高まり。
  • 大手システムインテグレーターとのパートナー戦略やM&Aを通じた、新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大。

脅威

  • 競合他社によるクラウドWMS市場での提供サービス強化や価格競争激化。
  • 人件費高騰やシステム開発コスト増加が、中長期的な収益性を圧迫するリスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 中長期的な視点でSaaSビジネスの成長と安定性を重視する投資家: クラウド型WMSの需要増とサブスクリプションモデルによる安定収益、強固な財務基盤に魅力を感じる方。
  • 割安感を重視するバリュー投資家: 業界平均と比較してPER、PBRが大幅に割安な水準にあり、中期的な業績回復や成長戦略の実現による株価再評価を期待する方。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の決算で大幅減益となっている点、および今期通期予想が減益である点に着目し、今後の業績回復動向を慎重に見極める必要があります。特にコストコントロールが課題となる可能性があります。
  • 出来高が少なく、市場流動性が低い点に留意が必要です。まとまった売買がしにくいことや、株価の変動が大きくなる可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • MRR(月次経常収益)の成長率: SaaSビジネスの成長性を示す最も重要な指標であり、中期目標達成に向けた進捗を測る上で核となります。目標値:2028年6月期で2.09億円。
  • 新規顧客獲得数と解約率: サービス導入企業数の推移は、今後の売上成長の源泉となります。特に、BtoB領域での新規獲得状況に注目。
  • 営業利益の回復とコスト管理: 人件費負担増や投資先行による減益が一時的なものか、あるいは慢性的なものかを見極めるため、四半期ごとの営業利益の推移と販管費の内訳に注目。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 直近の四半期売上高成長率は+8.7%と堅調なものの、2026年6月期の通期営業利益は減益予想。中期的な成長戦略はあるものの、足元の業績悪化が懸念されます。
  • 収益性: S
    • ROE(実績)13.80%はベンチマーク10%を上回り、営業利益率(過去12か月)20.80%も高水準を維持しています。SaaSビジネスモデルの優位性が発揮され、非常に高い収益性を示しています。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率84.5%、流動比率6.90倍、そしてF-Scoreが8/9点と、非常に優れた財務体質を誇ります。負債が少なく、短期・長期ともに支払い能力に全く問題ありません。
  • バリュエーション: S
    • PER13.35倍、PBR1.53倍は、SaaS企業が属する情報・通信業の業界平均PER66.2倍、PBR3.5倍を大幅に下回っており、現在の株価は利益と資産に対して極めて割安であると評価されます。

企業情報

銘柄コード 4391
企業名 ロジザード
URL https://www.logizard.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,065円
EPS(1株利益) 79.77円
年間配当 1.69円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 10.9% 15.4倍 2,056円 14.2%
標準 8.4% 13.3倍 1,594円 8.5%
悲観 5.0% 11.3倍 1,157円 1.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,065円

目標年率 理論株価 判定
15% 798円 △ 34%割高
10% 996円 △ 7%割高
5% 1,257円 ○ 15%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
アイル 3854 2,356 590 15.73 5.19 33.2 2.54
チームスピリット 4397 426 70 21.95 4.15 19.8 0.00
メタリアル 6182 534 58 64.33 2.97 4.6 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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