企業の一言説明

ローランドは、電子ピアノ、シンセサイザーなどの電子楽器、映像・音響機器の開発・製造を手がける、海外市場で高いシェアを持つ日本の電子楽器メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 盤石な財務基盤と高いキャッシュ創出力: Piotroski F-Scoreが8/9点でS評価を獲得する優れた財務健全性と、営業キャッシュフローの純利益に対する比率が6倍を超える高い利益の質が強みです。
  • 高水準の配当利回り: 会社予想配当利回りが4.22%と高く、安定したインカムゲインを求める投資家にとって魅力的です。
  • 収益性の改善とバリュエーションの割高感: 直近期は特別損失により純利益が大幅減少しROEも低水準ですが、2026年12月期は大幅な増益予想です。一方で、PBRが業界平均を大きく上回っており、割高感が指摘されます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや鈍化
収益性 B 普通
財務健全性 S 優良
バリュエーション D 割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,025.0円
PER 14.74倍 業界平均14.5倍
PBR 2.58倍 業界平均1.3倍
配当利回り 4.22%
ROE 4.96%

1. 企業概要

ローランド(証券コード:7944)は、1972年創業の日本の電子楽器メーカーです。主にデジタルピアノ、シンセサイザー、電子ドラムといった電子楽器や、ギター関連機器、映像・音響機器の開発、製造、販売を国内外で展開しています。特に電子楽器分野では世界的に高いシェアを持ち、長年にわたり培ってきた音響技術とデジタル技術を強みとしています。技術的独自性は、リアルな音色再現技術や操作性の高いデジタルインターフェースにあり、プロアマ問わず幅広いユーザー層に支持されています。

2. 業界ポジション

ローランドは世界の電子楽器市場において、高い技術力とブランド認知度を背景に、有力なプレイヤーとしての確固たる地位を確立しています。特にデジタルピアノや電子ドラムといった特定の製品群で高い市場シェアを誇り、ヤマハやカシオなどの国内外のメーカーと競合しています。PER(会社予想)14.74倍は業界平均14.5倍とほぼ同水準である一方、PBR(実績)2.58倍は業界平均1.3倍と比較して割高感があります。強みとしては、長年のブランド力と広範な販売ネットワーク、そして研究開発投資に裏打ちされた製品開発力です。弱みとしては、為替変動リスクや、景気変動による消費動向の影響を受けやすい点が挙げられます。

3. 経営戦略

ローランドは、中期経営計画において持続的な成長と収益性の向上を目指しています。2026年12月期は、売上高106,400百万円(前期比+5.4%)、営業利益10,000百万円(前期比+6.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益7,200百万円(前期比+232.1%)という増収増益予想を掲げており、前年度に計上された特別損失(減損損失3,860百万円)の非反復化による純利益の大幅回復を見込んでいます。主要な投資としては、2025年12月期に有形固定資産取得に約5,971百万円を投じており、これは前年の約4倍となり、生産能力強化や研究開発への積極的な姿勢が伺えます。今後のイベントとしては、2026年6月29日に配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。なお、決算短信には、経営陣のメッセージやQ&Aの具体的な内容までは記載されていません。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 良好
財務健全性 3/3 良好
効率性 2/3 良好

ローランドの財務品質はPiotroski F-Scoreで8/9点と「S:優良」判定であり、非常に健全性の高い財務体質を示しています。
収益性は3/3点と満点で、純利益・営業キャッシュフローともにプラスであり、ROAも良好です。
財務健全性も3/3点と満点で、流動比率は1.5以上、D/Eレシオは1.0未満、株式の希薄化もありません。
効率性は2/3点と良好で、営業利益率は10%を超えましたが、ROEが10%を下回ったため満点には至りませんでした。四半期売上成長率はプラスを維持しています。

【収益性】

  • 営業利益率(Operating Margin): 10.29%(過去12か月)。これは、売上高に対して約10%が本業の利益として残ることを示し、堅実な事業運営がうかがえます。
  • ROE(Return on Equity): 4.96%(実績)。株主資本利益率が5%未満と、ベンチマークの10%を下回っており、株主資本の利用効率には改善の余地があります。これは、直近期に大規模な特別損失を計上したことによる純利益の落ち込みが大きく影響しています。
  • ROA(Return on Assets): 7.06%(過去12か月)。総資産利益率がベンチマークの5%を上回っており、資産を効率的に活用して利益を生み出していると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 49.2%(直近四半期)。前期の56.8%からはやや低下しましたが、依然として50%に近い水準を維持しており、負債依存度が低く財務基盤は比較的安定しています。
  • 流動比率(Current Ratio): 2.91(直近四半期)。流動資産が流動負債の約2.9倍あり、短期的な債務返済能力は非常に高いと判断されます。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(Operating Cash Flow): 13,699百万円(過去12か月)。本業で安定してキャッシュを生み出しており、事業活動が順調であることを示しています。2024年12月期の11,717百万円から増加しました。
  • FCF(Levered Free Cash Flow): 5,980百万円(過去12か月)。営業活動で得たキャッシュから投資に必要な資金を差し引いた後の自由なキャッシュフローもプラスを維持しており、企業が自由に使える資金余力があることを示します。ただし、2024年12月期の10,524百万円から減少しています。これは、投資活動によるキャッシュアウトが増加したためです。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 6.31(13,699百万円 ÷ 2,168百万円)。1.0を大きく上回る6.31という高い比率は、「S:優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る)」と評価されます。これは、計上された純利益に対し、実態を伴うキャッシュフローが豊富であることを示しており、利益の質が極めて高いことを意味します。直近期における純利益の減少が一時的な特別損失によるものであることが、この高比率からも裏付けられます。

【四半期進捗】

2025年12月期の通期決算が発表されており、2026年12月期の通期予想が示されています。直近3四半期の売上高・営業利益の推移のデータは提供されていません。2025年12月期は売上高100,952百万円、営業利益9,412百万円、純利益2,168百万円でした。これに対し、2026年12月期の通期予想では、売上高106,400百万円、営業利益10,000百万円、純利益7,200百万円と、特に純利益の大幅な回復が期待されています。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 14.74倍。業界平均PER14.5倍とほぼ同水準であり、利益面から見ると株価は概ね適正な水準にあると言えます。株価が利益の約15年分であることを示します。
  • PBR(実績): 2.58倍。業界平均PBR1.3倍と比較して大幅に高い水準にあり、株価が純資産の約2.6倍で取引されていることを示します。これは市場が企業の将来性やブランド価値を評価しているとも解釈できますが、純資産と比較すると割高感があると言えます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD ゴールデンクロス MACD値: 60.45 / シグナル値: 59.3 短期的な上昇トレンド転換の可能性を示唆
RSI 中立 59.4% 売られすぎでも買われすぎでもない、中立的な状態
5日線乖離率 +0.80% 株価が短期移動平均線をわずかに上回っている状況
25日線乖離率 +3.43% 株価が短期トレンドからやや上方に乖離している状況
75日線乖離率 +8.81% 株価が中期トレンドから上方に乖離している状況
200日線乖離率 +17.37% 株価が長期トレンドから大きく上方に乖離している状況

MACDゴールデンクロスは、短期的な上昇トレンドへの転換を示唆するポジティブなシグナルです。RSIは中立域にあり、過熱感や売られすぎ感は見られません。各移動平均線からの乖離率は全てプラスであり、株価が各期間の移動平均線を上回って推移していることから、短期から長期にわたって上昇基調にあることを示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価4,025.0円は、52週高値4,065.0円に非常に近い位置(+0.98%低い)にあり、年初来のレンジでは96.7%(0%=安値、100%=高値)と高値圏で推移しています。5日、25日、75日、200日移動平均線を全て上回っており、株価は堅調な上昇トレンドにあると見ることができます。特に200日移動平均線を17.41%も上回っていることから、長期的な上昇が続いている状況です。

【市場比較】

ローランドの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全ての期間において、日経平均株価およびTOPIXのパフォーマンスを大きく下回っています。

  • 1ヶ月: 株式+5.09% vs 日経+10.34% → 5.25%ポイント下回る
  • 1年: 株式+7.62% vs 日経+50.32% → 42.70%ポイント下回る

これは、市場全体の強い上昇トレンドに乗れていないことを示唆しており、相対的なパフォーマンスでは劣後しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率3.64倍と、将来の清算売り圧力に注意が必要です。ただし、極端に高い水準ではありません。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.10。市場全体の値動きに対する相対的な変動の小ささを示します。非常に低いベータ値であり、市場全体の変動と比較して株価は安定性が高い傾向にあります。
  • 年間ボラティリティ: 27.92%。この銘柄の年間で株価がどれだけ変動するかを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±27.92万円程度の変動が想定され、中程度の価格変動リスクがあると言えます。
  • シャープレシオ: 0.30。リスクに見合ったリターンが得られているかを示しますが、1.0を下回っており、リスクを取っている割にリターンが十分ではない可能性を示唆しています。
  • 最大ドローダウン: -29.47%。過去に最も大きく下落した幅を示します。この程度の潜在的な下落リスクは今後も起こりうる可能性があります。

【事業リスク】

  • 為替変動リスク: ローランドは海外での売上高比率が高いため、為替レートの変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。円高は海外売上の円換算額を減少させ、収益を圧迫する要因となります。
  • 競争激化と技術革新: 電子楽器市場は常に技術革新が進み、国内外の競合他社との競争が激しい業界です。新製品開発の遅れや品質競争での劣勢は、市場シェアの低下や収益性の悪化に直結します。
  • 減損損失再発のリスク: 2025年12月期に3,860百万円の減損損失を計上しており、今後の事業環境や資産評価の結果次第では、同様の一時的な費用計上が再発する可能性があります。これは純利益を大きく圧迫する要因となります。

7. 市場センチメント

信用買残は19,300株、信用売残は5,300株で、信用倍率は3.64倍です。前週比では信用買残が4,500株減少し、信用売残が200株増加していることから、需給バランスはやや改善傾向にあると言えます。
主要株主構成を見ると、ノーザン・トラスト(AVFC)リ15PCTが23.72%、ミネルバ・グロース・キャピタルが16.38%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が7.61%を保有しており、機関投資家が主な大株主となっています。これは、企業の安定性に対する一定の信頼を示唆する一方、機関投資家の動向が株価に影響を与える可能性もあります。

8. 株主還元

ローランドは、2025年12月期の年間配当を170円(中間85円、期末85円)とし、2026年12月期も同額の170円を予想しています。現在の株価(4,025.0円)に基づく配当利回りは4.22%と高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。2025年12月期の配当性向は、一時的な特別損失による純利益の大幅減少で208.0%と非常に高い水準になっていますが、2026年12月期予想では純利益の回復に伴い、より健全な水準(EPS273.24円に対して約62%)に戻る見込みです。自社株買いに関する直近のデータは提供されていません。

SWOT分析

強み

  • グローバルなブランド力と高い技術力に基づいた製品群(電子楽器、映像・音響機器)
  • Piotroski F-Scoreが8/9点と評価される盤石な財務健全性と高い利益の質

弱み

  • 直近期(2025年12月期)における特別損失による大幅な純利益減少と低ROE
  • 業界平均と比較して割高なPBRと市場指数に対するアンダーパフォーム

機会

  • デジタル音楽制作・配信市場の拡大と、ホームエンターテイメント需要の高まり
  • 音響・映像技術の融合による新たな製品・サービス開発の可能性

脅威

  • 原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱によるコスト上昇リスク
  • 為替変動リスクや世界経済の景気後退が消費動向に与える影響

この銘柄が向いている投資家

  • 高配当を重視する投資家: 会社予想配当利回り4.22%は魅力的であり、安定的なインカムゲインを期待できます。
  • 財務の安定性を重視する投資家: F-ScoreでS評価を獲得する優れた財務健全性は、長期保有のリスクを低減したい投資家向きです。
  • 市場の回復と業績改善に期待する投資家: 2025年12月期の純利益減少を一時的なものと捉え、2026年12月期以降の業績回復と収益性改善に期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • PBRの割高感: PBRが業界平均を大きく上回っており、株価が企業の実態価値に対し割高と評価される可能性があります。
  • 短期的な利益変動リスク: 過去に大規模な特別損失を計上した実績があり、一時的な要因による利益変動リスクには注意が必要です。
  • 市場全体のトレンドとの乖離: 直近1年間で日経平均やTOPIXを大きく下回るパフォーマンスが継続しており、市場全体の上昇トレンドに乗り遅れる可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • ROEの改善: 2026年12月期の純利益予想に基づき、ROEがベンチマークの10%に近づくか。
  • 営業利益率の安定: 持続的に10%以上の営業利益率を維持できるか。
  • 特別損益の有無: 今後の決算で、再び大規模な特別損失が計上されないか。

成長性: C (やや鈍化)

2025年12月期の売上高前年比は+1.5%、直近四半期の売上高成長率は+5.20%であり、2026年12月期予想でも売上高成長率は+5.4%と5-10%の範囲に留まります。過去の業績推移を見ると成長率が鈍化傾向にあるため、「C:やや鈍化」と評価します。

収益性: B (普通)

ROEは4.96%とベンチマークの10%を下回っており、CまたはD評価に値しますが、営業利益率が10.29%とA評価の基準を満たしているため、総合的に「B:普通」と評価します。特に2025年12月期の純利益は特殊要因により大幅に減少していますが、営業利益率は堅調に推移しています。

財務健全性: S (優良)

自己資本比率49.2%は「A:良好」基準(40-60%)を満たし、流動比率2.91は「S:優良」基準(200%以上)を大きく上回っています。さらに、Piotroski F-Scoreが8/9点と「S:優良」と評価されており、これらを総合して「S:優良」と判断します。

バリュエーション: D (割高)

PER(会社予想)14.74倍は業界平均14.5倍とほぼ同水準であり、「B:普通」に該当しますが、PBR(実績)2.58倍は業界平均1.3倍の約198%と大幅に高く、「D:割高」基準(130%以上)を大きく上回っています。PBRの割高感が強いため、総合的に「D:割高」と評価します。


企業情報

銘柄コード 7944
企業名 ローランド
URL https://www.roland.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,025円
EPS(1株利益) 273.01円
年間配当 4.22円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 17.0倍 4,628円 2.9%
標準 0.0% 14.7倍 4,024円 0.1%
悲観 1.0% 12.5倍 3,595円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,025円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,011円 △ 100%割高
10% 2,512円 △ 60%割高
5% 3,170円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ヤマハ 7951 1,211 6,091 25.38 1.13 5.3 2.14
河合楽器製作所 7952 2,974 268 32.68 0.57 1.8 3.19

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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