企業の一言説明

東洋エンジニアリングは石油・ガス、化学プラント建設を主軸とする、三井化系の大手エンジニアリング企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 大型プロジェクト受注による潜在的成長力: 直近の受注高は大幅に増加しており、総受注残高も高水準で、今後の売上・利益への貢献が期待されます。
  • プラント建設ノウハウと技術力: 肥料、石油化学分野における長年の実績と、三井海洋開発との洋上設備に関する連携など、専門性の高い技術力が強みです。
  • 足元の業績悪化と財務健全性への懸念: 2026年3月期は大幅な赤字を予想しており、自己資本比率や流動比率も低水準で、財政基盤の強化が急務となっています。特にブラジル向けガス火力発電案件の工事損失追加計上が業績を圧迫しています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 成長見込み薄
収益性 D 収益力に懸念
財務健全性 D 要改善
バリュエーション D 割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,630円
PER 業界平均14.0倍
PBR 3.53倍 業界平均1.1倍
配当利回り 0.00%
ROE 3.26%

1. 企業概要

東洋エンジニアリングは、石油・ガス、石油化学、一般化学、肥料、電力、水処理といった多岐にわたる産業施設の研究開発支援から、設計、調達、建設、試運転、技術支援までを一貫して手掛ける、プラントエンジニアリング大手企業です。三井化学グループとの連携を基盤とし、特に肥料、石油化学分野において強い技術的優位性を持ち、三井海洋開発との協業による洋上設備への展開も進めています。その技術力とプロジェクト遂行能力は、高い参入障壁を形成しています。

2. 業界ポジション

東洋エンジニアリングは、日本のエンジニアリング業界において大手の一角を占めており、特に石油・ガス、石油化学プラント分野で堅固な顧客基盤と実績を確立しています。国内外で多数の大型プロジェクトを手掛け、グローバル市場での競争力を有しています。しかし、業界全体が大型プロジェクトのリスク管理やコスト競争力強化を求められる中、同社も収益性の確保が課題となっています。バリュエーションを比較すると、PBR(実績)は3.53倍であり、業界平均の1.1倍と比較して割高な水準にあります。PERは会社予想が赤字のため算出不能です。

3. 経営戦略

東洋エンジニアリングは、グローバルでの競争力を維持・強化するため、高付加価値分野への注力や、再生可能エネルギー分野、DXを活用した事業プロセスの変革を進めています。直近の決算短信では、受注高が1,656億2,800万円と前年同期比で61.0%の大幅増を達成し、総受注残高も5,669億円と高水準を維持しています。これは、今後の成長に向けた重要な基盤となります。しかし、ブラジル向けガス火力発電案件に係る工事損失追加計上という重大な特別損失が発生しており、これが足元の業績を圧迫し、2026年3月期は大幅な赤字転落を見込んでいます。今後のイベントとして、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日が設定されていますが、2026年3月期は無配を予想しています。経営陣は、既存の強みであるプラントEPC(設計・調達・建設)事業の効率化と、新興分野でのビジネスチャンス獲得を通じて、収益構造の安定化を図る戦略です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 1/9 C: やや懸念
収益性 1/3 ✅ ROA(0.7%) > 0
財務健全性 0/3 ❌ 流動比率(1.21) >= 1.5, ❌ D/Eレシオ(1.57) < 1.0, ❌ 株式希薄化なし
効率性 0/3 ❌ 営業利益率(-44.26%) > 10%, ❌ ROE(3.26%) > 10%, ❌ 四半期売上成長率(-54.8%) > 0%

Piotroski F-Scoreの総合スコアは1/9点と「C: やや懸念」の評価です。このスコアは、企業の財務状況が全体的に厳しい状況にあることを示唆しています。
収益性スコアは1/3点と低水準ですが、これは過去12か月のROAがプラスであったことによるものです。
財務健全性スコアは0/3点であり、流動比率、D/Eレシオ(負債比率)、株式希薄化のすべての項目で基準を満たしておらず、特に財務面での弱さが顕著です。
効率性スコアも0/3点で、営業利益率、ROE、四半期売上成長率のいずれもが基準に達しておらず、効率的な経営ができていない現状を示しています。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): -44.26% (D判定)。極めて低い水準であり、本業での収益創出に大きな課題を抱えています。
  • ROE(実績): (連)3.26% (D判定)。株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力が低いことを示します。一般的な目安である10%を大きく下回っています。
  • ROA(実績): 0.7% (F-Score根拠より)。総資産に対する純利益の割合を示すROAも低く、資産全体の効率的な活用ができていない状況です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): (連)20.9% (D判定)。安全性の目安とされる40%を大きく下回っており、財務基盤は脆弱であると言えます。
  • 流動比率(直近四半期): 1.21倍 (C判定)。短期的な支払い能力を示す流動比率は、目安とされる200%を大きく下回っており、短期的な資金繰りに課題を抱える可能性があります。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(2025年3月期): -23,094百万円。本業で現金を稼ぎ出す力がマイナスとなっており、資金繰りの悪化を示唆します。
  • フリーキャッシュフロー(2025年3月期): -42,866百万円。事業活動で自由に使える現金が大幅なマイナスであり、経営活動に制限がかかる可能性があります。
  • 現金預金(直近四半期): 97,673百万円。保有現金は比較的豊富ですが、マイナスの営業CFが継続すると、やがて減少傾向に転じる恐れがあります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率:過去12か月の純利益と営業キャッシュフローがいずれもマイナスであるため、比率の算出は困難ですが、利益が数値上も実質上も発生していない状況を示しています。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期決算短信によると、売上高は1,319億200万円(前年同期比△35.8%)、営業利益は△209億9,500万円と大幅な赤字を計上しています。通期予想(売上高1,850億円、営業利益△200億円、当期純利益△150億円)に対する進捗率は、売上高で71.3%ですが、営業利益は通期予想を超える赤字となっています。これはブラジル向けガス火力発電案件に係る工事損失追加計上が大きく影響しているためです。直近3四半期を通じて業績は悪化傾向にあります。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): — 倍。赤字予想のため算出不能です。
  • PBR(実績): (連)3.53倍。株価が純資産の3.53倍であることを示します。業界平均の1.1倍と比較すると大幅に割高と判断されます。これは、市場が過去の収益性や将来の回復期待を織り込んでいる可能性もありますが、足元の財務状況と業績予想を鑑みると、注意が必要です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値 -473.81 / シグナル値 -226.22 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 42.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +11.69% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -26.47% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -4.08% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +61.25% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDは中立状態にあり、株価トレンドの明確な方向性は示されていません。RSIは42.4%で、買われすぎでも売られすぎでもない中立域にあります。5日線乖離率がプラスであることから、直近では株価が短期的に上昇しているものの、25日線、75日線からは乖離しており、短期・中期的な方向感に不安定さが見られます。一方で200日移動平均線に対しては非常に高い乖離率を示しているため、長期的な上昇トレンドは維持されています。

【テクニカル】

株価(3,630円)は52週高値8,760円の37.7%の位置にあり、高値からは大きく下落しています。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(3,250.20円)を上回っていますが、25日移動平均線(4,936.44円)と75日移動平均線(3,784.60円)は下回っており、短期から中期的には下落圧力が継続している可能性があります。200日移動平均線(2,251.20円)を大きく上回っているものの、株価は最近急激な変動を見せており、不安定な状態です。

【市場比較】

過去1年間での株価リターンは+426.09%と、日経平均(+50.32%)およびTOPIX(データなし)を大幅に上回るパフォーマンスです。しかし、直近1ヶ月では株価が-39.30%と大幅に下落しており、日経平均、TOPIXいずれも大きく下回っています。これは、大型プロジェクトの工事損失計上による業績悪化懸念が市場に強く意識された結果と考えられます。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 72.47%。株価の変動幅が非常に大きいことを示します。
  • シャープレシオ: -0.71。リスクに見合うリターンが得られていないことを示します。マイナス値は、リスクを取ったにもかかわらず収益がマイナスであったことを意味します。
  • 最大ドローダウン: -92.66%。過去には最大で92.66%の株価下落があったことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±72.47万円程度の価格変動が想定され、過去には最大で92.66万円の損失を経験する可能性があったことを示唆しており、非常に高いリスクを伴う銘柄と言えます。

【事業リスク】

  • 大型プロジェクトのリスク: プラント建設は工期が長く、契約規模が大きいため、建設コストの増加、為替変動、資材価格高騰、地政学的リスク、予期せぬトラブルなどにより、巨額の損失が発生する可能性があります。特に、ブラジル向けガス火力発電案件の追加損失計上は、このリスクの具体例として顕在化しています。
  • 海外依存度: 事業の大部分を海外プロジェクトが占めるため、各国の政治・経済情勢、為替変動(円高)、法規制変更などの影響を大きく受けます。
  • 業界競争と収益性: エンジニアリング業界は競争が激しく、特に低価格入札競争が収益性を圧迫する可能性があります。また、資機材価格の高騰が利益率を圧迫するリスクも常に存在します。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が337万1,700株、信用売残が252万8,600株で、信用倍率は1.33倍です。信用買い残が増加傾向にあり(前週比+1,105,700株)、将来的に買い方の手仕舞いによる売り圧力が生じる可能性があります。
  • 主要株主構成: 上位株主には三井物産 (22.7%) や日本カストディ銀行(三井化学退職給付信託口) (13.33%) など、関連の深い企業や金融機関が名を連ねています。これは経営の安定性につながる一方で、市場での流動性が限定される可能性もあります。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 0.00%。2026年3月期は無配を予想しています。
  • 1株配当(会社予想): 0.00円。
  • 配当性向(2025年3月期): 72.5%。過去には配当を出していますが、現在の業績悪化により、2026年3月期は無配となる見込みです。今後の業績回復が配当再開の鍵となります。
  • 自社株買い: データなし。

SWOT分析

強み

  • 石油・ガス、化学、肥料プラントにおける高度な技術力と実績、グローバルなプロジェクト遂行能力
  • 三井グループとの強固な連携による安定した事業基盤と情報ネットワーク

弱み

  • 大型プロジェクト特有のリスク(特に損失発生時の業績への影響)
  • 低い収益性と財務健全性(自己資本比率、流動比率の低さ)

機会

  • 新興国におけるインフラ需要、化学プラント需要の継続的な成長
  • 脱炭素化、再生可能エネルギー関連プロジェクトへの参入機会

脅威

  • グローバル市場での激しい競争と価格圧力
  • 景気変動、資源価格の変動、為替変動(円高)リスク
  • 地政学的リスクやサプライチェーンの不安定化

この銘柄が向いている投資家

  • 長期的な業界回復と新規事業による成長を期待する投資家: 短期的な業績悪化や財務リスクを理解し、長期的な視点で企業の変革と回復に賭けられる投資家。
  • 高リスク・高リターンを許容する投資家: 現在の株価は乱高下しており、許容できる損失範囲を明確に持っている投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 足元の業績大幅悪化と無配: 2026年3月期の赤字予想と無配は、投資判断において重要なマイナス要因です。今後の業績回復の道筋を慎重に見極める必要があります。
  • 財務健全性の低さ: 自己資本比率20.9%は非常に低く、流動比率も課題です。大型損失計上リスクと相まって、財務基盤の安定化が喫緊の課題であり、資金調達動向などに注意が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 新規受注高と受注残高: 今後の売上と利益の源泉となるため、受注状況の推移を注視する必要があります。特に採算性の高い案件の獲得が重要です。
  • ブラジル案件の進捗および更なる損失計上の有無: 仲裁・回収次第で継続性があるとの記載があり、この案件の行方が業績に与える影響は大きいため、動向を継続して確認する必要があります。
  • 自己資本比率の改善: 財務健全性向上のための具体的な施策と、その効果の進捗。

10. 企業スコア

  • 成長性: D
    • 2026年3月期は売上高で前年比-33.5%の減収、営業利益・経常利益・純利益で大幅な赤字を予想しており、成長性が著しく損なわれる見込みであるためです。
  • 収益性: D
    • 過去12ヶ月の営業利益率は-44.26%、ROE(実績)は3.26%と、企業体力や株主資本に対する利益率が極めて低い水準にあります。収益構造に根本的な課題を抱えています。
  • 財務健全性: D
    • 自己資本比率が20.9%と低く、流動比率1.21倍も短期的な支払い能力に懸念があります。Piotroski F-Scoreも1/9点と、複数の財務健全性指標で問題が見られるため、財務基盤は脆弱と言わざるを得ません。
  • バリュエーション: D
    • PBR(実績)が3.53倍と業界平均1.1倍を大きく上回っており、現在の業績と財務状況を考慮すると、株価は割高であると判断されます。PERは赤字予想のため算出不能ですが、割安感は薄いと言えます。

企業情報

銘柄コード 6330
企業名 東洋エンジニアリング
URL http://www.toyo-eng.com/jp/ja/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日揮ホールディングス 1963 2,477 6,435 20.17 1.39 7.6 1.61
千代田化工建設 6366 1,323 3,444 4.30 12.62 337.4 0.00

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.26)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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