企業の一言説明

ヒロセ電機はコネクター専業大手として、産業機器、車載、スマートフォン向けなど幅広い分野で電子部品を製造・販売するグローバル企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高水準な収益性と盤石な財務基盤: 営業利益率20%超と非常に高く、自己資本比率88.8%、流動比率831%など、極めて健全な財務状態を誇ります。Piotroski F-Scoreも8点/9と優良評価です。
  • 多様な成長ドライバーと株主還元への積極姿勢: 一般産機や通信インフラ、自動車・モビリティ分野を新たな成長ドライバーと位置づけ、設備投資とM&Aによる事業強化を進めています。自己株式取得を継続的に実施するなど、株主還元にも積極的です。
  • 市場環境とバリュエーションの注意点: スマートフォン市場の需要変動や原材料価格の高騰リスクを抱えます。また、PER、PBRともに業界平均と比較してやや割高感があり、市場センチメントは一部ネガティブな評価も見られます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好
収益性 S 優良
財務健全性 S 優良
バリュエーション C やや不安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 22,985.0円
PER 25.32倍 業界平均24.2倍
PBR 2.01倍 業界平均1.6倍
配当利回り 2.13%
ROE 9.00%

1. 企業概要

ヒロセ電機は1937年創業のコネクター専業メーカーで、多極コネクタ、同軸コネクタを主力製品としています。スマートフォン、通信インフラ機器、車載機器、産業機器など幅広い分野に製品を供給し、高い技術力と品質でグローバル市場で存在感を示しています。国内では開発と営業に特化し、製造拠点を海外に展開することで効率的な事業運営を行っています。

2. 業界ポジション

電子部品業界において、ヒロセ電機はコネクター専業メーカーとして最大手の一角を占めています。特に小型・高精度なコネクター技術に強みを持ち、高い顧客基盤を築いています。競合には海外大手や国内メーカーが存在しますが、同社は多様な産業向けに幅広い製品ラインナップを持つことが強みです。PER(株価収益率)は25.32倍と業界平均24.2倍をやや上回り、PBR(株価純資産倍率)は2.01倍と業界平均1.6倍よりも高い水準にあり、市場からは一定の評価を受けているものの、割高感も指摘される可能性があります。

3. 経営戦略

ヒロセ電機は、一般産機、通信インフラ(特にAIサーバー関連)、自動車・モビリティ分野を主要な成長ドライバーと位置づけています。2025年7月には半導体テスト製品を展開する株式会社エス・イー・アールを連結子会社化し、事業領域の拡大と新たな収益源の確立を図っています。東北アドバンスト・テクノロジーセンターの増築により、設備開発体制も強化しています。株主還元策として自己株式取得を継続的に実施しており、資本効率の向上と株主価値の最大化を目指す方針です。2026年3月期も年間配当490円(中間245円、期末245円)を維持する見通しです。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、安定した収益力を示している。
財務健全性 3/3 流動比率が非常に高く、有利子負債が自己資本に対して極めて低い水準であることから、短期・長期ともに健全な財務状況にある。株式の希薄化も発生していない。
効率性 2/3 営業利益率は高い水準を維持し、四半期売上成長率もプラスを維持しているものの、ROEが10%のベンチマークを下回ったため、資本効率の面で改善の余地がある。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 22.09% は、高い収益性を維持していることを示します。
  • ROE(実績): 9.00% は、株主資本を効率的に活用できているかの指標です。一般的に10%以上が目安とされますが、僅かに下回っています。
  • ROA(過去12か月): 6.02% は、総資産を有効活用できているかの指標で、ベンチマークの5%を上回っており、良好な水準です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 88.8% は、企業の財務基盤の安定性を示す極めて高い水準です。外部負債への依存度が非常に低いことを意味します。
  • 流動比率(直近四半期): 8.31倍 は、短期的な支払い能力を示す指標で、200%以上が目安とされる中、その数倍に達しており、極めて安全性が高いと言えます。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 478億5,000万円 は、本業で安定して現金を稼ぎ出していることを示します。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 339億7,000万円 は、営業キャッシュフローから投資活動による支出を差し引いた後も、十分に手元に現金が残ることを示しており、事業の拡大や株主還元に回せる余力があることを意味します。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 1.58倍 (1.0以上は健全)
    • 本業で得たキャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、利益の質は非常に高いと評価できます。これは、会計上の利益だけでなく、実際に現金を伴う形で利益が計上されていることを示すため、極めて健全な状態です。

【四半期進捗】

  • 2026年3月期の通期予想(修正後)に対する第3四半期累計の進捗率は以下の通りです。
    • 売上収益: 76.4%
    • 営業利益: 79.3%
    • 親会社帰属当期利益: 81.3%
  • 利益面での進捗が特に高く、通期目標達成に向けて順調に推移していると判断できます。直近3四半期の売上高・営業利益の単体推移のデータは提供されていませんが、累計進捗から安定した業績が推察されます。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): 25.32倍 (会社予想) は、株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標です。業界平均24.2倍と比較して、やや評価が高い水準にあります。
  • PBR(株価純資産倍率): 2.01倍 (実績) は、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。業界平均1.6倍と比較して、純資産に対して株価が割高に評価されている可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 1390.39 / シグナル値: 1192.75 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 69.2% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.92% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +14.56% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +25.25% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +25.72% 長期トレンドからの乖離
  • RSIは69.2%と、70%に近づいており、買われすぎの水準に接近しつつあることを示唆しています。
  • MACDは中立とされていますが、MACD値がシグナル値を上回りヒストグラムがプラス圏にあることから、緩やかな上昇モメンタムは維持されていると考えられます。

【テクニカル】

現在の株価22,985.0円は、52週高値24,035円に近く(52週レンジ内位置は88.9%)、高値圏で推移しています。
移動平均線との関係を見ると、現在株価は5日移動平均線をわずかに下回っていますが、25日、75日、200日の各移動平均線を大幅に上回っており、中長期的な上昇トレンドが持続していることを示しています。短期的にやや調整局面に入っている可能性があります。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月リターンは+34.18%と日経平均の+8.81%を25.37%ポイント上回り、超過リターンを達成しています。
    • 3ヶ月リターンは+28.98%と日経平均の+19.31%を9.67%ポイント上回り、良好なパフォーマンスを示しています。
    • しかし、6ヶ月および1年リターンでは日経平均を下回っており、長期では市場全体に比べて見劣りするパフォーマンスとなっています。
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月リターンは+34.18%とTOPIXの+10.27%を23.91%ポイント上回っており、直近の市場比パフォーマンスは非常に良好です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.01 と非常に低く、市場全体の動き(日経平均など)に対する株価の連動性が極めて低いことを示しています。これは、市場全体が変動しても株価が大きく影響されにくい、安定した特性を持つ銘柄と言えます。
  • 年間ボラティリティ: 31.68% は、株価の年間変動性が比較的大きいことを示しています。
  • 最大ドローダウン: -38.40% は、過去の一定期間で最も大きな損失率を意味します。
  • 仮に100万円投資した場合、年間で±31.68万円程度の変動が想定され、過去には最大で38.40万円程度の損失が発生した可能性があることを示唆しています。

【事業リスク】

  • 原材料価格の変動: 製造に必要な金属材などの原材料価格が上昇した場合、原価率が悪化し、収益を圧迫する可能性があります。価格転嫁が難しい場合、利益率への影響は避けられません。
  • 為替変動リスク: グローバルに事業を展開しているため、為替レートの変動が業績に大きく影響します。特に円高は海外売上の円換算額を減少させ、業績を悪化させる要因となります。
  • 主要市場の需要変動: スマートフォン市場は同社の主力市場の一つであり、その需要変動は売上高に直接的な影響を与えます。地域ごとの市場特性や技術トレンドの変化もリスク要因となります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残10,300株に対し、信用売残は14,300株であり、信用倍率は0.72倍となっています。信用売残が買残を上回っている状態であり、将来の買い戻し需要が発生する可能性があり、売り圧力が相対的に低いことを示唆しています。
  • 主要株主構成: 上位株主には日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、公益財団法人ヒロセ財団、日本カストディ銀行(信託口)といった安定株主や機関投資家が名を連ねています。自社(自己株口)も上位にあり、安定した株主構成と言えます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.13% は、平均的な水準です。
  • 1株配当(会社予想): 490.00円 を予定しており、中間・期末でそれぞれ245円が支払われる見込みです。
  • 配当性向:配当性向は53.40%(過去12ヶ月)および会社予想50.2%と、利益の半分程度を配当に回す方針であり、株主への利益還元に積極的な姿勢が見られます。
  • 自社株買いの状況: 決算説明資料によると、自己株式取得を継続して実施しています。2025年~2028年の600億円枠の一部として150億円を既に実行済みであり、資本効率の向上と株主還元を重視する経営方針を明確に示しています。

SWOT分析

強み

  • 高品質・高精度のコネクター技術力とコネクター市場でのグローバル大手ポジション
  • 圧倒的な自己資本比率と流動比率に裏打ちされた盤石な財務健全性

弱み

  • スマートフォン市場の需要変動による業績への影響
  • 直近の通期予想における営業利益の減少見込み

機会

  • 一般産機、通信インフラ、自動車・モビリティ分野における市場成長と製品需要の拡大
  • M&Aによる事業領域の拡大と新たな収益成長機会の獲得(例: エス・イー・アール子会社化)

脅威

  • 原材料価格の高騰や為替変動による収益性の悪化
  • グローバル市場での競合激化と価格競争

この銘柄が向いている投資家

  • 中長期の成長性を重視する投資家: 産業機器や自動車、通信インフラといった成長分野への積極投資により、今後の事業拡大が期待できるため。
  • 安定した財務基盤と株主還元を重視する投資家: 非常に健全な財務体質と、安定配当および自社株買いによる株主還元姿勢が明確であるため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均を上回っており、投資妙味を見極める上で株価水準の検討が必要です。
  • 市場動向と業績変動: スマートフォン市場の需要変動や、為替、原材料価格の動向が業績に影響を与える可能性があるため、これらの外部環境要因を注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 各セグメント別売上高の成長率: 特に一般産機、通信インフラ、自動車・モビリティ関連の売上動向を定期的に確認し、成長戦略の進捗を判断する。
  • 営業利益率の推移: 為替変動や原材料価格の高騰に対する価格転嫁の状況、生産効率の改善状況が営業利益率にどう反映されるかを注視する。

10. 企業スコア

  • 成長性: A (良好)
    • 過去12ヶ月の売上高成長率が9.30%、2026年3月期の売上収益も前年比8.2%増と堅調な伸びが予測されます。営業利益は一時的に減少予測ですが、一般産機や通信インフラ、自動車分野での成長戦略やM&Aによる事業拡大の機会を考慮し、今後の成長余地は良好と評価します。
  • 収益性: S (優良)
    • 過去12ヶ月の営業利益率が22.09%と非常に高く、業界内でもトップクラスの収益力を誇ります。ROEは9.00%とベンチマーク10%には届かないものの、ROAは6.02%と良好であり、総じて優れた収益力を維持していると判断します。
  • 財務健全性: S (優良)
    • 自己資本比率88.8%、流動比率8.31倍、Piotroski F-Scoreが8点/9と、全ての指標において極めて高い水準を示しており、盤石な財務基盤を有しています。これは、外部環境の変化にも強い安定した経営基盤を意味します。
  • バリュエーション: C (やや不安)
    • PER(会社予想)が25.32倍、PBR(実績)が2.01倍であり、それぞれ業界平均24.2倍、1.6倍と比較すると、PERはやや、PBRは相対的に割高な水準にあります。このため、現在の株価水準での投資には慎重な検討が求められます。

企業情報

銘柄コード 6806
企業名 ヒロセ電機
URL https://www.hirose.com/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 22,985円
EPS(1株利益) 907.64円
年間配当 2.13円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 21.8% 28.9倍 70,308円 25.1%
標準 16.8% 25.2倍 49,521円 16.6%
悲観 10.1% 21.4倍 31,323円 6.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 22,985円

目標年率 理論株価 判定
15% 24,630円 ○ 7%割安
10% 30,760円 ○ 25%割安
5% 38,815円 ○ 41%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日本航空電子工業 6807 2,669 1,876 31.28 1.28 4.4 2.24
イリソ電子工業 6908 3,815 933 19.44 1.07 6.7 3.93
SMK 6798 3,455 248 31.90 0.71 2.6 2.89

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.28)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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