企業の一言説明

TOA(6809)は、放送・音響システムおよび防犯カメラシステムを展開する電機・精密業界におけるグローバル企業です。公共施設、商業施設、駅、空港など多様な場所で人々の「安心・安全」と「質の高いコミュニケーション」を支える製品・サービスを提供しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅調な事業成長と高い財務健全性: 売上高は着実に増加傾向にあり、営業利益も大幅に改善。自己資本比率72.1%、流動比率5.25倍と極めて高い水準を維持しており、Piotroski F-Scoreも7点(S判定)と財務基盤は非常に強固です。
  • 高水準の配当利回りと株主還元: 会社予想配当利回りは4.77%と高水準で、配当性向も50.9%と安定した株主還元姿勢を示しています。今後も業績連動型の配当政策が期待されます。
  • グローバル展開とM&Aによる成長戦略: 日本市場だけでなく、欧州・中東・アフリカ地域での売上高が21.8%増と特に好調であり、海外事業の拡充を積極的なM&A(PA‑Vox Holding B.V.との企業結合など)で推進しており、今後の成長ドライバーとなる可能性を秘めています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 着実な成長
収益性 A 良好な水準
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション A 割安感あり

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,783.0円
PER 19.59倍 業界平均24.2倍
PBR 1.11倍 業界平均1.6倍
配当利回り 4.77%
ROE 7.00%

1. 企業概要

TOA(6809)は、業務用放送設備、音響機器、セキュリティカメラシステムを中核事業とする日本の老舗企業です。空港、駅、商業施設、学校などの公共空間からレコーディングスタジオまで、幅広い分野で「音と映像」に関するソリューションを提供しています。主力製品は、構内放送設備、非常・業務放送設備、プロフェッショナル音響システム、ネットワークカメラシステムなど多岐にわたります。音声データ配信技術、音響解析・補正技術、セキュリティ映像解析アルゴリズムなどに強みを持ち、製品開発から設計、施工、保守まで一貫したサービス提供により、高い顧客満足度と参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

TOAは放送・音響システムおよびセキュリティ関連機器の分野で国内大手の一角を占め、グローバルにも事業展開を加速しています。特定の市場シェアはデータに示されていませんが、長年の実績と幅広い製品ラインナップにより、安定した顧客基盤を構築しています。主要な競合としては、国内外の電機メーカーやセキュリティシステムベンダーが挙げられます。財務指標を見ると、同社のPER(会社予想19.59倍)は業界平均(24.2倍)と比べて割安感があり、PBR(実績1.11倍)も業界平均(1.6倍)を下回っており、市場から過度に評価されているわけではないものの、健全な水準にあります。

3. 経営戦略

TOAは、グローバル市場での成長を重要戦略と位置づけています。2026年3月期の第3四半期決算短信では、特に欧州・中東・アフリカ地域で売上高が前年同期比21.8%増、セグメント利益が52.4%増と大きく伸長しており、海外事業の拡充が着実に進んでいることを示しています。また、2024年9月にはPA‑Vox Holding B.V.との企業結合を実施するなど、M&Aを通じて海外での事業基盤強化と市場拡大を図っています。国内では売上高・利益ともに堅調に推移している一方で、海外展開を加速することで、特定の地域経済への依存度を低減し、持続的な成長を目指す方針です。2026年3月30日には配当の権利確定日が予定されており、投資家への還元も重視しています。第三者割当による新株発行計画も発表されており、資金調達による事業拡大も視野に入れているものと推測されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益とROAは良好ですが、営業キャッシュフローのデータがシステムで取得できなかったため、スコアに影響を与えています。
財務健全性 3/3 流動比率が高く、D/Eレシオが低いことに加え、株式希薄化もないため、極めて健全です。
効率性 2/3 営業利益率は高いものの、ROEが基準(10%)を下回っているため、改善の余地があります。

TOAのPiotroski F-Scoreは7/9点で「S: 財務優良」と判定されており、企業の財務状況が非常に健全であることを示しています。各カテゴリの詳細を見ると、財務健全性は満点(3/3)であり、自己資本比率の高さと有利子負債の少なさ、流動性の高さが評価されています。収益性については、純利益とROA(総資産利益率)はプラスを維持しているものの、システムのデータ取得上の理由で営業キャッシュフローに関する項目が評価対象外となっています。ただし、後述のキャッシュフロー分析では実質的に健全であることが確認されています。効率性に関しては、営業利益率は良好であるものの、ROE(自己資本利益率)が10%の目安を下回っており、資本の利用効率に若干の改善余地があることを示唆しています。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

  • 営業利益率(過去12か月): 12.57%
    • 経営の効率性を示す指標で、売上高に対する営業利益の割合です。TOAの12.57%という営業利益率は、同社の事業が十分な収益を生み出していることを示しており、一般的な優良企業の水準(10%以上)を上回る良好な水準です。これは、コスト管理の適切性や製品・サービスの競争力によるものと評価できます。
  • ROE(実績): (連)4.92%
  • ROE(過去12か月): 7.00%
    • 「Return on Equity(自己資本利益率)」は、株主から預かったお金(自己資本)をいかに効率的に使って利益を上げたかを示す指標です。一般的に10%以上が良好な目安とされますが、TOAの直近12か月のROEは7.00%と、この目安をやや下回っています。Piotroski F-ScoreでもROEが10%未満であることが効率性スコアの減点要因となっており、資本効率のさらなる向上が課題と言えます。
  • ROA(過去12か月): 4.37%
    • 「Return on Assets(総資産利益率)」は、会社の全ての資産(自己資本と負債)を使ってどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標です。一般的に5%以上が良好な目安とされる中、TOAの4.37%は目安に近い水準であり、資産を有効活用して収益を上げていると評価できます。しかし、もう少し改善の余地があると言えるでしょう。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

  • 自己資本比率(実績): (連)72.1%
    • 「自己資本比率」は、総資産に占める自己資本の割合で、企業の長期的な安定性・安全性を測る指標です。一般的に40%以上が健全とされますが、TOAの72.1%という水準は極めて高く、経営基盤が非常に安定していることを示しています。借入金への依存度が低く、外部環境の変化や不測の事態にも強い体質と言えます。
  • 流動比率(直近四半期): 5.25倍
    • 「流動比率」は、短期的な負債(流動負債)を短期的な資産(流動資産)でどれだけカバーできるかを示す指標です。200%(2.0倍)以上が目安とされる中で、TOAの5.25倍という水準は非常に高く、短期的な支払い能力に全く問題がないことを示しています。手元に潤沢な現金や換金性の高い資産を保有しており、資金繰りの心配はほとんどありません。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

  • 営業キャッシュフロー: 2025年3月期実績 5,619百万円
    • 「営業キャッシュフロー(営業CF)」は、本業でどれだけの現金を稼ぎ出したかを示す指標です。TOAは2025年3月期に5,619百万円の営業CFを創出しており、過去数年間も安定してプラスを維持しています。本業による稼ぎが潤沢であり、事業活動から継続的に現金を獲得できる優れた体質であることが伺えます。
  • フリーキャッシュフロー: 2025年3月期実績 3,216百万円
    • 「フリーキャッシュフロー(FCF)」は、営業CFから設備投資などのために使った現金を差し引いたもので、企業が自由に使えるお金を指します。TOAは2025年3月期に3,216百万円のFCFを生み出しており、過去実績も安定してプラスを維持しています。これは、企業の成長投資、借入金の返済、配当、自社株買いなどに充てられる資金が豊富にあることを意味し、財務の柔軟性が高いことを示しています。

【利益の質】営業CF/純利益比率

  • 営業CF/純利益比率 (2025年3月期営業CF / 過去12か月Net Income Avi to Common): 5,619百万円 / 3,310百万円 = 1.69倍
    • この比率は、会計上の利益(純利益)がどれだけ実際の現金(営業キャッシュフロー)を伴っているかを示す指標です。1.0倍以上が健全とされ、TOAの1.69倍という高い数値は、利益の質が非常に高く、見せかけの利益ではない強固な稼ぐ力を示しています。これは、売上債権の回収が適切に行われているなど、健全な経営がなされている証拠です。

【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移

2026年3月期第3四半期(12月末)までの累計決算短信によると、売上高、営業利益、純利益ともに前年同期比で大幅な増益を達成しており、通期予想に対する進捗も極めて順調です。

  • 売上高進捗率: 70.9%(38,637百万円 / 通期予想54,500百万円)
  • 営業利益進捗率: 68.6%(3,087百万円 / 通期予想4,500百万円)
  • 純利益進捗率: 81.4%(2,239百万円 / 通期予想2,750百万円)

純利益の進捗率が特に高く、通期予想の達成に強い蓋然性があることを示唆しています。
セグメント別では、欧州・中東・アフリカ地域が売上高前年同期比+21.8%、セグメント利益+52.4%と特に好調に推移しており、グローバル展開が全体業績を牽引していることが分かります。日本国内も売上高+8.0%、セグメント利益+17.1%と堅調です。このように、地域間のバランスを取りながら着実に収益を拡大している状況がうかがえます。

【バリュエーション】PER/PBR(業界平均比較、割安/適正/割高の判定)

  • PER(会社予想): 19.59倍
    • 「Price Earnings Ratio(株価収益率)」は、株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標です。一般的に、業界平均や過去平均と比較して低いほど割安とされます。TOAのPER 19.59倍は、業界平均24.2倍と比べて約19%低く、相対的に割安感があると言えます。これは、同社の利益水準に対して株価が過度に上昇しているわけではなく、将来的な株価評価の改善余地がある可能性を示唆しています。
  • PBR(実績): 1.11倍
    • 「Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)」は、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。1倍未満は解散価値を下回る状態とされ、一般的に1倍を大きく超えていない方が割安とされます。TOAのPBR 1.11倍は、業界平均1.6倍と比べて約30%低く、こちらも割安と判断できます。純資産価値に対して市場が適正、あるいはやや低い評価をしている可能性があり、高い自己資本比率と合わせて考えると、底堅いバリュエーションと言えます。
  • 目標株価: 業種平均PER基準で2,463円、業種平均PBR基準で2,576円
    • これらの目標株価は、現在の株価(1,783.0円)と比較して大幅な上昇余地を示唆しており、現時点でのTOAの株価が、業界標準の評価基準から見ると割安である可能性が高いことを裏付けています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD: 20.46 / シグナル: 31.38 MACDがシグナルラインを下回っており、短期的な下降トレンドまたは調整局面を示唆する可能性があります。
RSI 中立 52.1% RSIは52.1%と中立域(30~70%)に位置しており、買われすぎでも売られすぎでもない状態です。
5日線乖離率 -0.17% 現在株価が5日移動平均線をわずかに下回っており、短期的なモメンタムはやや弱い状態です。
25日線乖離率 +0.19% 現在株価が25日移動平均線をわずかに上回っており、短期トレンドは比較的中立です。
75日線乖離率 +5.56% 現在株価が75日移動平均線を5%以上上回っており、中期的な上昇トレンドが継続しています。
200日線乖離率 +32.53% 現在株価が200日移動平均線を大幅に上回っており、長期的な上昇トレンドは非常に強い状態です。

直近のテクニカルシグナルを見ると、MACDは中立であり、短期的なトレンドの方向性については明確なシグナルが出ていません。RSIも52.1%と中立圏にあり、売買の過熱感は低いと言えます。しかし、移動平均線との乖離率では、5日線と25日線に対しては中立的な位置にあるものの、75日線や200日線といった中長期の移動平均線を大きく上回っており、力強い上昇トレンドが継続していることが示唆されています。

【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価1,783.0円は52週レンジ(安値797円~高値1,874円)の91.7%の位置にあり、52週高値に非常に近い水準で推移しています。これは過去1年間の最高値圏で取引されていることを示しており、強い上昇モメンタムを反映しているとも言えます。
  • 移動平均線との関係: 現在株価は、5日移動平均線(1,786.00円)をわずかに下回っていますが、25日移動平均線(1,779.60円)、75日移動平均線(1,689.13円)、200日移動平均線(1,344.42円)の全てを上回っています。特に75日線と200日線から大きく乖離していることは、中長期的な上昇トレンドが継続していることを強く裏付けています。このことから、過去1年で株価が大きく上昇したことがわかります。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

TOAの株価は、中長期的に日経平均株価およびTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを見せています。

  • 1ヶ月リターン: 日経平均を5.31%ポイント、TOPIXを5.01%ポイント上回る
  • 3ヶ月リターン: 日経平均を5.79%ポイント、TOPIXを4.32%ポイント下回る
  • 6ヶ月リターン: 日経平均を24.91%ポイント、TOPIXを大きく上回る
  • 1年リターン: 日経平均を42.48%ポイント、TOPIXを大きく上回る

特に6ヶ月および1年間の期間では、市場を大きくアウトパフォームしており、同社の株価に対して強い買いが継続していることを示しています。これは、企業の安定した業績成長と高い株主還元への評価が市場に反映されている結果と捉えられます。ただし、直近3ヶ月は市場平均を下回るパフォーマンスとなっていますが、これは単に市場全体の急騰に比しての相対的なものと捉えることもできます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が7.93倍と高水準です。将来的な売り圧力に注意が必要です。信用買い残が解消される際に、株価の調整要因となる可能性があります。

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.30
    • 「ベータ値」は、市場全体(ここでは日経平均やTOPIX)の動きに対して、当該銘柄の株価がどれくらい変動するかを示す指標です。0.30という低いベータ値は、市場全体の変動よりもTOAの株価が連動しにくい、つまり市場全体が大きく動いてもTOAの株価の変動幅は小さい傾向にあることを示します。これは、市場全体のリスクが低い局面では相対的なリターンの鈍化を意味しますが、市場の変動が大きい局面では安定性が高いと評価できます。
  • 年間ボラティリティ: 31.83%
    • 「年間ボラティリティ」は、年間の株価の変動幅の大きさを百分率で示したものです。31.83%という数値は比較的高い水準であり、一日に大きく株価が変動することがあることを示唆しています。
  • 最大ドローダウン: -57.17%
    • 「最大ドローダウン」は、過去のある期間において、株価が最も大きく下落した割合を示します。TOAの過去実績における最大ドローダウンは-57.17%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±31.83万円程度の変動が想定され、過去には最大で57.17万円が一時的に減少した局面があったことを意味します。この程度の大きな下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • シャープレシオ: -0.62
    • 「シャープレシオ」は、リスク(ボラティリティ)1単位あたりにどれだけ超過リターンが得られたかを示す指標です。1.0以上が良好とされる中で、-0.62という値は、過去の一定期間において、リスクに対して十分なリターンが得られていなかった可能性を示唆しています。ただし、これは計測期間やリスクフリーレートの設定によって大きく変動するため、一概にネガティブな評価と断じるべきではありません。特に、過去1年間の株価が大きく上昇しているため、過去の長期的なリターン計算と直近の市況に差異がある可能性があります。
  • 年間平均リターン: -19.26%
    • 過去の年間平均リターンがマイナスになっているのは、計測期間にリーマンショックやコロナショックなど大きな市場調整が含まれているか、あるいは直近の好調なパフォーマンスがまだ長期的平均に反映されていないためと考えられます。しかし、投資を検討する上では、株価が大きく変動し、長期的に市場平均を下回る時期もあったことを認識しておくべきでしょう。

【事業リスク】

  • グローバル経済の変動と為替リスク: TOAは海外売上高比率が高く、各国の景気動向や為替レートの変動が業績に直接影響を与えます。特に円安はプラスに働くこともありますが、急激な変動は予測を困難にし、部材調達コストの増加を招く可能性もあります。
  • M&Aにおける統合リスク: 積極的なM&Aによる成長戦略は魅力的ですが、買収した企業の統合(PMI – Post Merger Integration)が計画通りに進まない場合、シナジー効果が得られず、財務負担や組織の混乱を招くリスクがあります。PA-Vox Holding B.V.との企業結合も、その統合プロセスが今後の課題となる可能性があります。
  • 市場競争と技術革新の加速: 放送・音響、セキュリティ業界は技術革新が速く、国内外の競合他社との競争が激化しています。AI、IoT、クラウド技術などの導入が急速に進む中で、常に最先端の技術を取り入れた製品・サービスを開発し続ける必要があります。これが遅れた場合、市場での競争力を失う可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が153,000株に対し、信用売残が19,300株と、信用買残が信用売残を大きく上回る状態です。信用倍率は7.93倍と高水準であり、将来的に信用買いの返済売りが発生した場合、株価にとって売り圧力となる可能性があります。ただし、信用買残(前週比-2,300株)と信用売残(前週比-300株)ともに減少しており、短期的な需給はやや改善傾向にあるとも言えます。
  • 主要株主構成: 上位株主には、自社(自己株口)が11.84%、自社取引先持株会が8.44%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が7.85%と、安定株主が多い構造となっています。これに加え、公益財団法人や金融機関も上位に名を連ねており、市場に流通する浮動株は比較的少ない可能性があります。インサイダー保有比率が32.88%、機関投資家保有比率が18.82%となっており、経営陣や関連企業が株価の安定に一定の影響力を持っていると考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 4.77%
    • 現在の株価1,783.0円に対し、会社予想1株配当85.00円に基づく配当利回りは4.77%と、日本のプライム市場上場企業の中でも非常に高い水準にあります。これは、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的なポイントとなり得ます。
  • 配当性向: 50.9%
    • 「配当性向」は、企業が当期純利益のうちどれだけの割合を配当に回したかを示す指標です。TOAの配当性向は50.9%と、利益の半分強を株主還元に充てる積極的な姿勢を示しています。一般的な企業では30%~50%が目安とされる中で、この水準は安定した利益分配への意識の高さを示すものです。
  • 自社株買いの状況: 株主構成に「自社(自己株口)」が11.84%とあることから、過去に自社株買いを実施して自己株式を保有していることが伺えます。自社株買いは、発行済み株式数を減らすことで1株当たりの価値を高め、株主還元の一つとなる効果があります。今後の具体的な自社株買い計画についてはデータに明記されていませんが、これまでの株主還元実績や財務健全性から、引き続き積極的なIR政策が期待されます。

SWOT分析

強み

  • 高い財務健全性: 自己資本比率72.1%、流動比率5.25倍、F-Score7点と非常に強固な財務基盤を持つ。
  • 着実なグローバル展開: 欧州・中東・アフリカ地域を中心に海外売上・利益が好調で、M&Aによる事業拡大も推進。

弱み

  • ROEの課題: 自己資本利益率ROEが7.0%と、資本効率の改善余地がある。
  • 市場における知名度: BtoBビジネスが中心であり、一般消費者からの認知度が比較的低い。

機会

  • 高度化するセキュリティ需要: テロ対策や自然災害への備えから、防災・防犯カメラシステムの需要増加が見込まれる。
  • スマートシティ化の進展: 都市インフラにおける音響・映像・情報伝達システムの高度な連携ニーズが高まる。

脅威

  • 原材料費の高騰や為替変動: グローバルサプライチェーンにおけるコスト上昇や、急激な為替変動が利益を圧迫するリスク。
  • 激烈な国際競争: 世界各国の電機・セキュリティ企業との技術開発競争および価格競争。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定的な高配当を求める長期投資家: 4.77%という高い配当利回りと積極的な配当性向は、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な選択肢です。
  • 財務健全性を重視する保守的な投資家: 自己資本比率が高く、流動性も非常に優れており、財務リスクを低く抑えたい投資家には安心感があります。
  • グローバル成長と安心・安全投資テーマに関心がある投資家: 海外展開を加速し、防災・防犯といった社会インフラに貢献する事業内容に関心がある投資家にも適しています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用倍率の高止まり: 信用買残が多く、短期的に株価が調整局面を迎える可能性があります。信用需給の動向は継続的にウォッチする必要があります。
  • ROEの改善動向: 収益性の一部に改善の余地があるため、経営戦略がどのように資本効率の向上につながるか、今後の決算発表で注視が必要です。
  • 市場の急騰局面における相対的パフォーマンス: ベータ値が低い特性上、市場全体が過熱する局面では、相対的にリターンが劣後する可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外事業の成長率: 特に欧州・中東・アフリカ地域での売上高および利益成長率が持続するか。
  • M&A戦略の進捗状況と統合効果: PA-Vox Holding B.V.などM&A対象企業の事業とのシナジー創出と、それに伴う業績貢献度。
  • ROEおよび営業利益率の改善: 資本効率を向上させるための具体的な施策と、その成果。
  • 信用需給の改善: 信用倍率が低下し、将来的な売り圧力が減少するか。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (着実な成長)
    • 2026年3月期第3四半期の売上高は前年同期比7.7%増、通期予想売上高も7.65%増と、年間5%~10%の成長を見込んでいます。これは、評価基準に照らすと「B: 5-10%」に該当し、爆発的な成長ではないものの、安定して売上を伸ばす着実な成長フェーズにあると評価できます。特に海外市場での成長が顕著であり、今後の持続的な成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
  • 収益性: A (良好な水準)
    • 過去12ヶ月の営業利益率は12.57%と、評価基準の「A: 営業利益率10-15%」に該当する良好な水準です。一方で、ROE(過去12ヶ月)は7.00%と、基準の10%には届いていません。ただし、高い営業利益率が収益性を全体として押し上げており、効率性スコアでROEの項目が減点されているものの、事業の本質的な稼ぐ力は良好と判断し、総合的にA評価とします。
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    • 自己資本比率は72.1%と評価基準「S: 自己資本比率60%以上」を大きく上回り、流動比率も5.25倍(基準S: 200%以上)と極めて高い水準です。Piotroski F-Scoreも7点(基準S: 7点以上)を獲得しており、全ての主要な財務健全性指標においてS評価に該当します。借入金も少なく、資金繰りの心配がほとんどない、極めて安定した財務基盤を誇ります。
  • バリュエーション: A (割安感あり)
    • 会社予想PER19.59倍は業界平均24.2倍の約81%の水準であり、PBR1.11倍も業界平均1.6倍の約69%の水準です。評価基準「A: 業界平均の80-90%」または「S: 業界平均の70%以下」を考慮すると、現在の株価は純資産や利益に対して比較的割安に評価されていると判断できます。特にPBRは業界平均から大きく乖離しており、株価上昇のポテンシャルを秘めている可能性があります。

企業情報

銘柄コード 6809
企業名 TOA
URL http://www.toa.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,783円
EPS(1株利益) 91.01円
年間配当 4.77円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 10.9% 23.3倍 3,565円 15.1%
標準 8.4% 20.3倍 2,763円 9.4%
悲観 5.0% 17.2倍 2,006円 2.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,783円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,389円 △ 28%割高
10% 1,735円 △ 3%割高
5% 2,189円 ○ 19%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
パナソニック ホールディングス 6752 2,498 61,314 25.54 1.16 5.1 1.60
JVCケンウッド 6632 1,203 1,972 12.73 1.23 12.3 1.49
アイホン 6718 2,863 505 20.20 0.68 3.7 4.54

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.30)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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