企業の一言説明

三ッ星はゴム電線・キャブタイヤケーブルの国内最大手であり、高機能チューブなどの合成樹脂製品や電熱線の製造販売も手掛ける老舗企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 国内最大手の地位と安定した事業基盤: 電線事業は国内で確固たる地位を確立し、高い自己資本比率や流動比率に裏打ちされた健全な財務体質を有しています。
  • 今期業績の大幅な改善と保守的な会社予想: 直近の第3四半期決算では営業利益が前年同期比で104.3%増益となり、通期予想を既に超過していますが、会社予想は据え置かれており、保守的な見通しまたは上方修正の余地がある可能性が考えられます。
  • バリュエーションの乖離と需給の偏り: PBRは業界平均を下回る割安水準であるものの、PERは業界平均を大きく上回る割高水準にあります。また、信用買残が非常に高水準にあり、将来的な需給悪化リスクには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 成長変動あり
収益性 C 改善の余地
財務健全性 A 良好
バリュエーション C やや割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,024.0円
PER 22.32倍 業界平均14.5倍
PBR 0.51倍 業界平均0.7倍
配当利回り 1.66%
ROE 3.24%

1. 企業概要

三ッ星(Mitsuboshi Co., Ltd.)は、1919年創業の長い歴史を持つ日本の製造業です。主要事業は、ゴム電線やキャブタイヤケーブル、ビニル電線などの電線製品、各種高機能チューブを扱う合成樹脂製品(ポリマテック)、そして家庭用から産業用まで幅広く利用される電熱線製品の製造販売です。特にゴム電線・キャブタイヤケーブル分野では国内最大手の地位を確立しており、産業インフラから家電製品まで多岐にわたる分野に製品を供給しています。高度な技術力と品質管理を強みとしています。

2. 業界ポジション

三ッ星は、電線業界、特にゴム電線・キャブタイヤケーブル分野において国内最大手のポジションを占めています。これにより、安定した顧客基盤とブランド力を有しており、市場での競争優位性を保持しています。しかし、国内市場の成熟化や多様な競合の存在により、安定した地位を維持しつつも新たな成長領域の開拓が課題となっています。財務指標では、PER(会社予想22.32倍)は業界平均(14.5倍)と比較して割高ですが、PBR(実績0.51倍)は業界平均(0.7倍)を下回る水準にあります。これは、市場が同社の将来の収益性を高く評価している一方で、純資産に対する評価は低いことを示唆している可能性があります。

3. 経営戦略

三ッ星は、中期経営計画の具体的な内容は提供されていませんが、既存事業の強化と収益性改善に取り組んでいます。直近の2026年3月期第3四半期決算では、売上高が前年同期比+4.4%増の8,569百万円、営業利益が同+104.3%増の283百万円と大幅な増益を達成しました。特に電線事業がセグメント利益を牽引していますが、ポリマテックおよび電熱線事業は損失を計上しており、これらの事業の改善が今後の課題です。会社は通期予想(売上11,176百万円、営業利益230百万円、純利益158百万円)を据え置いていますが、すでに第3四半期累計で営業利益および純利益が通期予想を上回っているため、今後の上方修正の可能性も視野に入れることができます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

当社の財務品質をPiotroski F-Scoreで評価しました。

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 詳細: 純利益が黒字、ROAがプラス。営業CFのデータは未提供。
財務健全性 3/3 詳細: 流動比率が基準値を上回り、D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化もないため優良。
効率性 1/3 詳細: 四半期売上成長率はプラスだが、営業利益率とROEが低水準。

Piotroski F-Scoreが6/9点A(良好)判定であることから、全体的に健全な財務状況を示しています。特に財務健全性に関する項目は満点であり、安全性の高さが評価されます。一方で、収益性と効率性については改善の余地があることが示されています。具体的には、営業利益率とROEが低いため、資本を効率的に活用し、より高い収益を生み出すための施策が求められます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月):6.40%
  • ROE(過去12か月):3.45%(ベンチマーク10%に対し低い)
  • ROA(過去12か月):1.37%(ベンチマーク5%に対し低い)

当社のROEおよびROAは、一般的な目安とされる水準を下回っており、資本効率の改善が課題です。営業利益率は、過去の推移を見ると低い水準ですが、直近の第3四半期では大幅に改善しており、今後の動向が注目されます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績):52.3%
  • 流動比率(直近四半期):2.18倍

自己資本比率は50%を超えており非常に高く、流動比率も2倍を上回るため、短期・長期ともに安定した財務基盤を有しています。これは、急な資金需要や景気変動にも対応できる強固な財務体質を示しています。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
連2023.03 139百万円 104百万円 35百万円 414百万円 1616百万円 14.76%
連2024.03 -315百万円 113百万円 -428百万円 384百万円 1674百万円 13.17%
連2025.03 99百万円 154百万円 -55百万円 276百万円 2039百万円 16.02%

営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業で着実に現金を創出していることがうかがえます。フリーキャッシュフローは2024年3月期にマイナスとなりましたが、2025年3月期にはプラスに転じており、投資活動と本業からの収入のバランスが改善しています。現金等残高も増加傾向にあり。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(2025年3月期実績):0.71(営業CF 154百万円 / 純利益 215百万円)

営業CF/純利益比率が1.0未満であるため、会計上の利益と実際の現金の流れとの間に乖離があり、利益の質については確認が必要です。これは、減価償却費などの非現金費用や一時的な会計処理が利益に影響を与えている可能性があります。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計実績(2025年4月1日~2025年12月31日)

  • 売上高:8,569百万円(通期予想11,176百万円に対する進捗率: 76.7%
  • 営業利益:283百万円(通期予想230百万円に対する進捗率: 123.0%
  • 純利益(親会社株主帰属):194百万円(通期予想158百万円に対する進捗率: 122.8%

直近の第3四半期決算では、売上高は順調に進捗していますが、営業利益と純利益は既に通期予想を大幅に超過しています。これは通期予想が保守的であった可能性を示しており、今後の上方修正の期待が高まります。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想):22.32倍
  • PBR(実績):0.51倍
  • 業界平均PER:14.5倍
  • 業界平均PBR:0.7倍

当社のPERは業界平均と比較して割高であり、株式市場が先行きの利益成長に一定の期待を寄せていることを示唆しています。一方でPBRは業界平均を下回り、純資産に対しては割安な評価となっています。しかし、低いROEと組み合わせると、PBRの割安さが将来の株主価値向上に直結しにくい「バリュートラップ」のリスクも考慮する必要があります。業種平均PER基準の目標株価は747円、業種平均PBR基準の目標株価は1391円と、算出基準によって大きく異なります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 96.46 / シグナル値: 75.69 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 66.9% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -3.05% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +24.42% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +44.36% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +43.32% 長期トレンドからの乖離

RSIは66.9%と買われすぎ水準である70%に近づいており、直近の株価上昇による過熱感を示唆可能性があります。MACDは中立状態ですが、MACD値がシグナル値を上回っているため、上昇傾向にあることを示します。

【テクニカル】

現在の株価1,024.0円は、52週高値1,299円から約21%低い水準にあります。年初来安値610円からは大きく上昇しており、52週レンジ内位置は60.1%に位置しています。移動平均線を見ると、現在の株価は5日移動平均線を下回っていますが、25日、75日、200日といった中長期の移動平均線は大幅に上回っており、直近の急騰を経て、短期的な調整局面にあるものの、良好な中期・長期トレンドにあることが見て取れます。特に25日移動平均線は747.68円、200日移動平均線は712.10円と、株価との乖離が大きくなっています。

【市場比較】

最近の株価は大幅な上昇を見せており、1ヶ月および3ヶ月リターンでは日経平均とTOPIXを大きくアウトパフォームしています。

  • 1ヶ月リターン: 株式+48.41% vs 日経平均+1.64%46.76%ポイント上回る)
  • 3ヶ月リターン: 株式+56.57% vs 日経平均+12.81%43.76%ポイント上回る)

一方で、1年リターンでは株式+1.89%に対し日経平均+43.44%と、大きくアンダーパフォームしており、これは最近の急騰がそれまでの低調な推移を補った形と見られます。

【注意事項】

⚠️ 高ボラティリティかつ低出来高。売買時に価格変動リスクに注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly):0.91(市場全体とほぼ同程度の変動性)
  • 年間ボラティリティ:54.17%
  • シャープレシオ:0.69(リスクに見合うリターンがやや低い)
  • 最大ドローダウン:-44.95%

年間ボラティリティが54.17%と非常に高く、株価の変動が大きい銘柄です。仮に100万円を投資した場合、年間で±54万円程度の変動が想定され、高値掴みには特に注意が必要です。最大ドローダウン-44.95%は、過去に経験した最悪の下落率を示しており、この程度の株価下落が今後も起こりうるリスクがあることを意味します。シャープレシオは0.69であり、リスクに見合ったリターンが十分得られているとは言えない水準です。

【事業リスク】

  • 原材料価格の変動リスク: 電線や合成樹脂製品の主要原材料である銅、ゴム、樹脂などの市況価格の変動は、製造コストに直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。
  • 景気変動および設備投資動向の影響: 主要顧客である産業界の設備投資やインフラ関連需要は景気変動に左右されやすく、経済状況の悪化が売上高および利益に影響を及ぼす可能性があります。
  • ポリマテック・電熱線事業の収益性改善遅延: 電線事業が好調な一方で、ポリマテック及び電熱線事業は現状として損失を計上しています。これらの事業の収益改善が計画通りに進まない場合、企業全体の利益圧迫要因となるリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が488,500株と非常に高水準にあり、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、将来の売り圧力となる可能性のある買いが一方的に積み上がっている状況を示唆しており、需給面での注意が必要です。主要株主は自社(自己株口)が9.33%、スイス・プランツ有限責任事業組合が6.32%、ミツワ樹脂工業が5.66%と続き、機関投資家の保有割合は0.00%です。

8. 株主還元

配当利回りは会社予想で1.66%、1株配当は年間17.00円を予定しています。配当性向は31.87%と、利益の約3割を配当に回しており、比較的健全な水準と言えます。同社は自己株口として9.33%の株式を保有しており、間接的な株主還元策として機能しています。2026年3月期の配当予想は前期から変更がありません。

SWOT分析

強み

  • ゴム電線・キャブタイヤケーブル分野での国内最大手の地位と実績。
  • 自己資本比率52.3%、流動比率2.18倍と極めて堅固な財務健全性。

弱み

  • ROE3.45%、ROA1.37%、営業利益率6.40%と収益性が低い。
  • ポリマテック事業・電熱線事業が赤字で、企業全体の利益を圧迫。

機会

  • 老朽化したインフラ設備の更新需要による電線製品の安定的な需要。
  • 高機能・環境配慮型製品への市場ニーズの高まり。

脅威

  • 主要原材料(銅、ゴム、樹脂など)の価格変動リスク。
  • 国内市場の縮小傾向と海外競合の台頭による競争激化。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤を重視する投資家: 高い自己資本比率と流動比率から、財務の安全性を重視する投資家には安心材料となります。
  • 高ボラティリティを許容できる投資家: 株価の変動が大きいため、短期的なリスクを取れる方や、長期的な視点で事業改善を待てる投資家。
  • 保守的な会社予想の上方修正期待を持つ投資家: 第3四半期で既に通期予想を上回る利益を達成しており、今後の上方修正を期待できるため、その発表を材料として捉える投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュエーションのミスマッチ: PBRは割安ですが、PERは業界平均と比較して割高であり、収益性の低さを考慮すると、一概に割安とは判断できない可能性があります。
  • 信用買残の多さと将来の売り圧力: 信用買残が積み上がっている現状は、将来的に株価の上昇を抑制する売り圧力となる可能性があります。
  • 収益性の改善: 電線事業は堅調ですが、赤字のポリマテック・電熱線事業の改善が企業全体の利益成長に不可欠です。

今後ウォッチすべき指標

  • ポリマテック・電熱線事業のセグメント利益: これらの事業が黒字転換できるか。
  • 営業利益率とROEの推移: 企業全体の収益効率が改善しているかを示す重要指標。
  • 通期業績予想の上方修正: 第3四半期実績に対する会社の見解と、上方修正の有無。
  • 信用買残の推移: 需給悪化のリスクを判断するための指標。

10. 企業スコア

  • 成長性: B(成長変動あり)
    過去の売上高は緩やかに増加基調にあるものの、営業利益や純利益の推移には年度ごとに変動が見られます。直近の四半期売上高成長率は+5.4%と堅調ですが、利益の安定的な成長という点ではまだ課題が残ります。
  • 収益性: C(改善の余地)
    ROEは3.45%、ROAは1.37%と、いずれも一般的な目安(ROE 10%、ROA 5%)を大きく下回っています。営業利益率も6.40%と決して高い水準ではなく、資本を効率的に活用し、より高い収益を生み出すための改善が求められます。
  • 財務健全性: A(良好)
    自己資本比率52.3%、流動比率2.18倍と、非常に強固な財務体質を有しており、短期・長期ともに高い安全性を確保しています。Piotroski F-Scoreも6/9点(A:良好)と評価されており、財務の安定性に優れています。
  • バリュエーション: C(やや割高)
    PER(会社予想)は22.32倍と業界平均PER14.5倍を大きく上回る水準にあり、利益水準に対しては割高と評価されます。PBRは0.51倍と業界平均PBR0.7倍を下回るものの、低いROEを考慮すると、PBRの割安さだけでは投資判断が難しい状況です。

企業情報

銘柄コード 5820
企業名 三ッ星
URL http://www.kk-mitsuboshi.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,024円
EPS(1株利益) 45.87円
年間配当 1.66円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 16.5% 24.3倍 2,397円 18.7%
標準 12.7% 21.1倍 1,765円 11.7%
悲観 7.6% 18.0倍 1,191円 3.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,024円

目標年率 理論株価 判定
15% 883円 △ 16%割高
10% 1,103円 ○ 7%割安
5% 1,392円 ○ 26%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
平河ヒューテック 5821 4,125 727 21.07 1.41 8.9 1.13
オーナンバ 5816 1,700 213 11.23 0.74 6.8 4.11
JMACS 5817 1,860 107 35.90 1.91 5.7 0.53

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.31)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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