企業の一言説明
クイックは、看護師やエンジニアといった専門職の人材紹介・派遣を中心に人材サービスを展開する、情報通信・サービスその他業界の有力企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高水準の収益性と堅牢な財務基盤: ROEは20%を超え、営業利益率も13%台と高い収益力を誇ります。自己資本比率71.0%、流動比率3.36倍と財務健全性も極めて高く、Piotroski F-Scoreも7/9点(S評価)と優良です。
- 安定的かつ高水準の株主還元: 会社予想配当利回り3.72%と高水準であり、配当性向も60%程度と株主還元にも積極的です。安定した収益基盤と豊富な現金保有により、将来的な配当継続性も期待されます。
- 人材サービス市場の好調と専門職ニーズ: DX推進などで専門職の人材ニーズは引き続き堅調であり、同社の強みである専門職特化型サービスは市場の追い風を受けています。一方、景気変動や市場競争激化、海外事業の不振には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | S | 優良 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | C | やや割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 932.0円 | – |
| PER | 14.14倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 2.75倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 3.72% | – |
| ROE | 21.11% | – |
1. 企業概要
クイック(Quick Co.,Ltd.)は、1980年に設立され、人材紹介、人材派遣、アウトソーシングなどの人材サービスを多角的に展開する企業です。特に、看護師やエンジニアといった高度な専門知識を要する職種に強みを持ち、ニッチな市場での深い専門性と顧客ネットワークが主力事業の収益基盤となっています。国内のみならず海外展開も手掛けており、HRプラットフォーム事業を通じたデジタル化推進も図っています。専門職領域における長年の事業運営により培われたノウハウと信頼が、同社の参入障壁として機能しています。
2. 業界ポジション
クイックは、人材サービス業界において、専門職種に特化した事業戦略を強みとしています。特に、高齢化社会における医療分野のニーズ高まりや、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴うITエンジニア需要の増加を背景に、強固な市場地位を築いています。市場全体では大手競合ひしめく中で、独自の専門領域に注力することで差別化を図っています。
財務指標では、PERが14.14倍と業界平均の17.0倍を下回る一方で、PBRは2.75倍と業界平均の1.8倍を大きく上回っており、市場からは業績に対する期待感はあるものの、純資産価値から見ると割高感がある評価を受けています。高いROEが評価されPBRが高くなっている可能性も考えられます。
3. 経営戦略
クイックの経営戦略の要点は、専門職特化型人材サービスの強化と、情報開示の充実を通じた投資家との対話促進にあります。2026年3月期の第2四半期決算説明会では、ログミーFinanceでの書き起こし記事公開を通じて、IR・SR活動の積極化を表明し、情報格差の是正と事業理解促進に努める姿勢が見られます。これは、株主・投資家基盤の強化を目指すものと推察されます。
直近の重要適時開示としては、2026年3月期第3四半期決算短信で、売上高・営業利益の前年同期比増を報告しており、特にリクルーティング事業や地域情報サービス事業が好調に推移しています。一方で、HRプラットフォーム事業および海外事業は売上・利益ともに前年同期比で減少しており、事業ポートフォリオにおける課題も浮き彫りとなっています。今後のイベントとして、2026年3月30日には配当権利落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
クイックのPiotroski F-Scoreは、総合で7/9点と高い評価を受け、財務が優良(S)であることを示しています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスで良好。営業キャッシュフローのデータはN/A。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率・D/Eレシオが優良で、株式希薄化もなし。 |
| 効率性 | 2/3 | ROEと四半期売上成長率がプラスで良好。営業利益率は10%未満。 |
各カテゴリの根拠として、収益性では純利益と総資産利益率(ROA)がプラスであり、事業活動から利益を生み出す力が確認されます。ただし、営業キャッシュフローのデータが提供されていないため、その点については評価から除外されています。財務健全性では、流動比率が3.36と高く短期的な支払い能力に優れ、有利子負債も極めて少なく(D/Eレシオ0.47%)、株式希薄化もないことから、長期的な安定性も盤石です。効率性においては、自己資本利益率(ROE)が21.11%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して収益を上げています。直近四半期の売上成長率もプラスですが、営業利益率が13.84%(損益計算書より算出)であるため満点には至りませんでした。これら主要指標が良好なことから、同社の財務体質は非常に堅固であると言えます。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
クイックは高い収益性を維持しています。
- 営業利益率(過去12か月): 損益計算書から算出される営業利益率(営業利益 4,613,509千円 / 売上高 33,327,860千円)は13.84%です。これは一般的な目安である5-10%を大きく上回る高水準であり、本業でしっかりと利益を稼ぎ出せていることを示しています。
- ROE(実績): 自己資本利益率(Return on Equity)は20.92%(過去12か月は21.11%)と、ベンチマークの10%を大きく超える優良な水準です。これは、株主資本を効率的に利用して利益を生み出す力が非常に高いことを意味し、企業価値向上への貢献が期待されます。
- ROA(過去12か月): 総資産利益率(Return on Assets)は12.04%と、ベンチマークの5%を大きく上回る水準です。これは、総資産を効率的に活用して利益を生み出していることを示唆し、資産効率の良い経営がなされていると評価できます。
以上の指標から、クイックは資本効率および資産効率が非常に高く、高い収益力を有する企業であると判断できます。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
クイックの財務健全性は極めて高いレベルにあります。
- 自己資本比率(実績): 71.0%と、安定性の目安とされる40%を大きく超え、極めて健全な財務体質を示しています。借入依存度が低く、外部環境の変化や事業リスクに対する強さがあると言えます。
- 流動比率(直近四半期): 3.36倍と、目安とされる200%(2倍)を大幅に上回っています。短期的な負債の返済能力が非常に高く、資金繰りに余裕がある状態です。
また、総負債資本比率(Total Debt/Equity)は0.47%と極めて低く、有利子負債に対する依存度が低いことも、財務の安全性を高める要因となっています。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
クイックは安定したキャッシュフローを生み出しています。
- 営業キャッシュフロー(2025年3月期): 4,158百万円を創出しており、本業で堅実な現金収入があることを示しています。これは、安定した事業運営の基盤となります。
- フリーキャッシュフロー(2025年3月期): 3,934百万円と、営業キャッシュフローから投資活動による支出を差し引いても潤沢なキャッシュが残っています。このフリーキャッシュフローは、負債の返済、株主還元(配当、自社株買い)、または新規事業への投資など、企業の成長戦略や財務戦略に自由に活用できる資金源となります。
- 現金等残高(直近四半期): 135億2,000万円と、手元資金が豊富であり、企業の安定性を裏付けています。
【利益の質】営業CF/純利益比率
- 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 営業キャッシュフロー4,158百万円を純利益3,583百万円で割ると、1.16倍となります。この比率が1.0以上であることは、計上されている純利益が実質的な現金の流入を伴っており、利益の質が健全であることを示します。売上高や利益が架空のものではなく、しっかりと現金化されていると評価できます。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移
クイックの2026年3月期第3四半期累計期間の業績は、通期予想に対して営業利益と純利益が非常に高い進捗率を示しています。
- 通期進捗率(第3四半期累計):
- 売上高: 25,383百万円(通期予想 33,970百万円)で進捗率74.7%
- 営業利益: 4,212百万円(通期予想 4,570百万円)で進捗率92.2%
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 3,673百万円(通期予想 3,700百万円)で進捗率99.3%
特に営業利益と純利益の進捗率が第3四半期時点で9割以上に達しており、通期予想の達成、あるいは上方修正の可能性も示唆される好調な進捗です。売上高の進捗は比較的計画通りですが、利益面での効率的な運営が伺えます。
- セグメント別売上高・営業利益(第3四半期累計):
- 人材サービス: 売上高 17,757百万円(前年同期比 +5.0%)、営業利益 3,452百万円(前年同期比 +1.8%)。主力事業は堅調に成長。
- リクルーティング: 売上高 2,587百万円(前年同期比 +5.0%)、営業利益 763百万円(前年同期比 +23.1%)。利益の伸びが顕著。
- 地域情報サービス: 売上高 2,243百万円(前年同期比 +14.5%)、営業利益 444百万円(前年同期比 +45.8%)。最も高い成長率と利益率の改善を見せる。
- HRプラットフォーム: 売上高 894百万円(前年同期比 △10.5%)、営業利益 411百万円(前年同期比 △19.7%)。唯一、売上・利益ともに減少。デジタル分野での競争激化または投資フェーズにある可能性。
- 海外: 売上高 1,902百万円(前年同期比 +2.9%)、営業利益 152百万円(前年同期比 △37.6%)。売上は微増だが、利益は大幅減。上海クイック有限公司の再編・清算など、事業整理の影響が出ていると見受けられます。
特別利益として投資有価証券売却益など1,189百万円を計上しており、これが純利益の進捗率を押し上げた一因となっています。一方で、減損損失など特別損失も計上されていますが、特別利益がこれを上回る形です。全体としては、国内外での事業環境変化に対応しつつ、国内主力事業が業績を牽引している状況です。
【バリュエーション】PER/PBR
クイックの株価バリュエーションは、業界平均と比較して混合的な評価となっています。
- PER(会社予想): 14.14倍。これは「株価が1株当たり利益の何年分か」を示す指標で、業界平均の17.0倍と比較すると、割安感があります。現在の利益水準から見れば、妥当な水準か、やや割安と評価できます。
- PBR(実績): 2.75倍。これは「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示す指標で、業界平均の1.8倍を大きく上回っています。PBRが1倍未満であれば解散価値を下回る割安、1倍以上であれば純資産以上の評価を受けているとされます。クイックのPBRが高いのは、ROEが20%を超える高水準であるため、純資産を効率的に活用して稼ぐ能力が市場で評価されていると考えることもできますが、単純な比較では割高感があると言えます。
これらの指標を総合すると、PERでは割安感があるものの、PBRでは割高感が強い状況です。これは、同社の高い収益性が純資産の評価を押し上げているためと考えられます。業種平均PER基準の目標株価は929円と現在の株価(932円)に近く、業種平均PBR基準の目標株価は609円と現在の株価より大幅に低い結果となっています。投資家は、PERとPBRのどちらを重視するかで評価が分かれる可能性があります。
【テクニカルシグナル】
直近の株価動向を示すテクニカルシグナルは以下の通りです。
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 13.7 / シグナル値: 9.07 | 短期的な上昇トレンドが継続している可能性を示唆 |
| RSI | 中立 | 56.2% | 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な水準です |
| 5日線乖離率 | – | +0.50% | 株価は5日移動平均線をわずかに上回っています |
| 25日線乖離率 | – | +4.91% | 株価は短期的な移動平均線を上回る好調さを示唆 |
| 75日線乖離率 | – | +5.05% | 株価は中期的な移動平均線を上回り、良好なトレンド |
| 200日線乖離率 | – | +13.58% | 株価は長期的な移動平均線を大幅に上回り、力強い上昇トレンド |
MACD値がシグナルラインを上回っている(ゴールデンクロスに近い状態)ため、短期的な上昇トレンドの継続を示唆しています。RSIは中立圏にあり、株価が特定の方向に過熱している状況ではありません。各移動平均線乖離率が全てプラスであり、株価が全ての移動平均線を上回っていることから、短期的にも中長期的にも上昇トレンドにあると見ることができます。
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
クイックの株価は、直近のレンジでは高値圏に位置しています。
- 52週高値: 961.00円
- 52週安値: 555.00円
- 現在株価: 932.0円
現在株価は52週レンジ内において27.0%(0%=安値、100%=高値)の位置にあり、年初来の安値からは大幅に上昇しているものの、52週高値からはまだ少し離れています。直近の動向としては、比較的高い水準で推移しており、底堅さが感じられます。
- 移動平均線との関係:
- 株価は5日移動平均線(927.40円)を上回っており、短期的なモメンタムは良好です。
- 25日移動平均線(888.40円)、75日移動平均線(886.92円)、200日移動平均線(819.33円)を全て上回っています。これは、株価が短期・中期・長期の全てのトレンドで上昇基調にあることを示しており、市場からの期待が高い状況を示唆しています。長期的な移動平均線との乖離率も大きくなっており、トレンドの強さを裏付けています。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
クイックの株価パフォーマンスは、日本の主要株価指数である日経平均株価およびTOPIXと比較して、短期的には優位性を示していますが、長期的には課題が見られます。
- 1ヶ月リターン: 株式 +7.13% vs 日経平均 -2.88% → 10.01%ポイント上回る。
- 3ヶ月リターン: 株式 +9.91% vs 日経平均 +6.95% → 2.96%ポイント上回る。
- 1ヶ月リターン: 株式 +7.13% vs TOPIX -2.18% → 9.31%ポイント上回る。
- 3ヶ月リターン: 株式 +9.91% vs TOPIX +7.03% → 2.88%ポイント上回る。
直近1ヶ月および3ヶ月の期間では、クイックの株価は主要指数を明確に上回るパフォーマンスを見せており、市場内で注目を集めていることが伺えます。
しかし、より長い期間では異なる状況が見られます。
- 6ヶ月リターン: 株式 +20.67% vs 日経平均 +23.12% → 2.44%ポイント下回る。
- 1年リターン: 株式 -50.77% vs 日経平均 +37.90% → 88.66%ポイント下回る。
6ヶ月では日経平均に若干劣後し、1年では両指数を大幅に下回る結果となっています。この1年間での大幅なパフォーマンス悪化は、2025年11月27日に実施された3対1の株式分割に伴う株価調整や、市場全体のテーマから一時的に外れたことなどが影響している可能性があります。分割後の一株利益や配当金は調整されていますが、絶対株価が大きく下がったことで、見かけ上のパフォーマンスが悪化したように見える可能性もあります。高騰する市場において、相対的に下落した期間があったものの、直近では巻き返しを見せている状況です。
【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン
クイックの投資における定量的なリスク指標は以下の通りです。
- ベータ値(5Y Monthly): 0.39。ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の感応度を示します。1.0未満は市場全体より変動が小さいことを意味し、クイックの場合は市場全体が大きく変動しても株価の変動は比較的穏やかであると解釈できます。守りの特性を持つ銘柄と言えるでしょう。
- 年間ボラティリティ: 135.21%。これは株価の年間変動率の大きさを表します。一般的に20-30%程度が平均的なボラティリティとされる中で、135.21%という数値は極めて高いボラティリティを示しています。これは株価が非常に激しく変動する傾向があることを意味し、短期間での大きな価格変動リスクを伴います。
- 最大ドローダウン: -40.35%。これは過去のある時点から最も大きく株価が下落した際の損失率です。この程度の水準の下落が今後も起こりうるため、投資期間中に一時的に大きな評価損を抱える可能性を覚悟する必要があります。
- シャープレシオ: 0.61。リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。クイックのシャープレシオは0.61であり、リスクプレミアムに対して得られるリターンが相対的に低いことを示唆しています。
- 年間平均リターン: 82.92%。過去の高変動がリターンを押し上げている可能性があります。
これらの数値から、仮に100万円をクイックに投資した場合、年間で±135.21万円程度の株価変動が想定されます。ベータ値が低いにもかかわらずボラティリティが高いという特徴は、固有の事業リスクや市場の特定セクター変動が大きいことを示唆している可能性があります。投資にあたっては、この高い変動リスクを十分に理解し、許容できる範囲で投資を行う必要があります。
【事業リスク】
クイックの事業活動には、以下のような主要なリスク要因が存在します。
- 景気変動の影響: 人材サービス業界は景気変動に強く影響されます。景気回復期には人材需要が増加し業績が拡大する一方で、景気後退期には企業が採用を抑制するため、売上が落ち込む可能性があります。同社の業績は、マクロ経済の動向に左右される側面が大きいです。
- 競合の激化: 人材サービス業界は参入障壁が比較的高くなく、多くの企業が競い合っています。特に、IT化の進展によりオンラインプラットフォームやAIを活用したマッチングサービスが登場するなど、競争環境は常に変化しています。専門職特化型であるとはいえ、新たな競合の台頭や大手企業の攻勢により、市場シェアや収益性が圧迫されるリスクがあります。
- 法的・規制環境の変化: 労働基準法、労働者派遣法、職業安定法など、人材サービスを取り巻く法的・規制環境は頻繁に改正されます。これらの法改正は、事業運営コストの増加やサービス提供方法の見直しを余儀なくされる可能性があり、業績に影響を与えるリスクがあります。
7. 市場センチメント
クイックの市場センチメントは、需給面では比較的安定しており、ニュース面ではポジティブな注目を集めています。
- 信用取引状況: 信用買残が157,600株、信用売残が92,900株で、信用倍率は1.70倍です。一般的に信用倍率が1倍台は需給が引き締まっている状態とされ、将来の売り圧力が過度に高い状況ではありません。信用買残が減少している一方で信用売残が増加している点は、株価の上昇局面で買い戻しが入る可能性も示唆しています。
- 主要株主構成: (有)アトムプランニングが16.91%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が10.15%、BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンドが5.22%と、特定の法人や機関投資家が大株主として名を連ねています。創業者関連の安定株主が一定割合を占めていることで、経営の安定性が保たれていると考えられます。
- ニュース動向分析: 総合センチメントは「ポジティブ」であり、特に「高配当株」として投資家の注目を集めていることが示されています。利回り4.1%(ニュース記載時点)とPER12倍で、前期最高益を示す業績成長が評価されています。このようなポジティブなメディア報道は、個人投資家の関心を高め、株価に好影響を与える可能性があります。
8. 株主還元
クイックは株主還元に積極的な姿勢を示しています。
- 配当利回り(会社予想): 3.72%。現在の株価水準において、これは国内株式市場全体で見ても比較的高水準の配当利回りであり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
- 1株配当(会社予想): 34.67円。2025年3月期の32円から増配が予想されています。
- 配当性向(会社予想): 60.37%。配当性向は「利益の何%を配当に回しているか」を示す指標で、一般的には30-50%が目安とされる中で、60%を超える水準は株主還元への意欲の高さを示しています。ただし、利益の成長が鈍化した場合には、配当維持のために配当性向がさらに高まるリスクも伴います。
- 自社株買いの状況: データとして具体的な自社株買いの発表はありませんが、保有株式数に「自社(自己株口) 3,500株」の記載があり、過去に取得実績があることを示唆しています。しかし、直近の動向としては確認できません。
SWOT分析
強み
- 専門職(看護師、エンジニア等)に特化した人材サービスにおける長年の実績とネットワーク、深い専門的知見。
- 自己資本比率71.0%、流動比率3.36倍と極めて堅固な財務基盤と高い収益性(ROE 21.11%)。
弱み
- HRプラットフォーム事業および海外事業の売上・利益伸び悩み、または減少傾向。
- PBRが業界平均と比較して高く、純資産価値からの割高感が指摘される可能性。
機会
- DX推進や少子高齢化に伴う専門職人材ニーズの構造的な高まり。
- IR活動の積極化による投資家との対話強化と企業価値評価の向上。
脅威
- 景気変動(特に景気後退時)による企業の人材採用抑制や求人数の減少。
- 人材サービス業界における競合激化と、技術革新による新たな競合の台頭。
この銘柄が向いている投資家
- 安定配当を求める長期投資家: 高い配当利回りと堅実な財務基盤は、安定したインカムゲインを重視する長期投資家にとって魅力的です。
- 堅実な成長と収益性を評価する投資家: 専門職向け人材という景気に左右されにくいとされるニッチ市場での安定した収益性と、高いROE・ROAを評価する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- PBRの割高感: 業界平均と比較してPBRが高いため、純資産価値からの割高感をどう評価するかがポイントです。高PBRを高い成長期待や収益効率への対価と見なせるか検討が必要です。
- 海外事業の動向: 海外事業およびHRプラットフォーム事業の利益率改善が今後の成長を左右する可能性があります。これら不振事業の立て直し状況を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の推移: 専門職特化の優位性を今後も維持し、競争激化の中で利益率を確保できるか。目標値として15%以上の維持を期待します。
- 海外事業の回復: 上海クイック有限公司の整理後の海外事業戦略と、その収益改善の兆候。具体的な目標としては、海外セグメントの営業利益率が5%以上への回復を目指すべきです。
10. 企業スコア
- 成長性: C
- 根拠: 2025年3月期から2026年3月期(予想)の年間売上成長率は約4.5%、過去12ヶ月の売上高成長率は約2.5%と、5%未満の成長に留まっています。直近の四半期売上成長率も5.3%であり、成長性の評価基準である5-10%のB評価には届かず、やや鈍化傾向が見られるためC評価としました。
- 収益性: S
- 根拠: ROEは実績で20.92%(過去12ヶ月は21.11%)と15%以上を大きく上回る優良な水準です。損益計算書から算出される営業利益率も13.84%と10%以上を維持しており、収益性において非常に優れているためS評価としました。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率は71.0%と60%以上を大きく上回り、流動比率も3.36倍(200%以上)と極めて高い水準です。さらにPiotroski F-Scoreも7/9点と優良な評価であり、財務の安定性は非常に高いためS評価としました。
- バリュエーション: C
- 根拠: PER(会社予想14.14倍)は業界平均(17.0倍)の約83%であり、PER基準では良好な部類に入ります。しかし、PBR(実績2.75倍)は業界平均(1.8倍)の約153%と大幅に上回っており、純資産価値から見ると割高感があります。PERとPBRのバランスを考慮し、PBRの割高感が影響を与えるためC評価としました。
企業情報
| 銘柄コード | 4318 |
| 企業名 | クイック |
| URL | https://919.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 932円 |
| EPS(1株利益) | 65.93円 |
| 年間配当 | 3.72円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 1.4% | 16.3倍 | 1,148円 | 4.6% |
| 標準 | 1.1% | 14.1倍 | 983円 | 1.5% |
| 悲観 | 1.0% | 12.0倍 | 833円 | -1.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 932円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 498円 | △ 87%割高 |
| 10% | 622円 | △ 50%割高 |
| 5% | 785円 | △ 19%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| エス・エム・エス | 2175 | 1,707 | 1,494 | 23.00 | 3.17 | 13.8 | 1.72 |
| ジェイエイシーリクルートメント | 2124 | 883 | 1,461 | 17.01 | 6.25 | 38.4 | 4.30 |
| エン | 4849 | 1,198 | 595 | 23.81 | 1.45 | 6.7 | 2.00 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.31)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。