企業の一言説明

ゼンリンは住宅地図の全国展開とカーナビ向け3D高精度地図に強みを持つ、地図情報分野のリーディングカンパニーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 地図情報分野における圧倒的な地位と技術力: 住宅地図の整備・更新における独占的ともいえる地位と、自動運転など次世代モビリティに必要な高精度地図技術は、ゼンリンの最大の強みであり、安定的な収益基盤と将来の成長機会を提供します。
  • 高い財務健全性と魅力的な配当利回り: 自己資本比率が67.4%と極めて高く、安定した財務基盤を誇ります。また、配当利回りも4.14%と高く、株主還元への意識がうかがえ、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
  • 収益性の改善と市場の評価に課題: ROEが5.26%と低水準にあり、F-Scoreの効率性スコアも0点であることから、資本効率や利益創出能力の改善が喫緊の課題です。また、直近の経常利益予想の下方修正や、市場全体が好調な中で主要株価指数を下回るパフォーマンス、信用買残の高さにも注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 成長鈍化
収益性 C 改善余地大
財務健全性 A 良好
バリュエーション S 割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,014.0円
PER 18.04倍 業界平均23.2倍
PBR 1.13倍 業界平均2.3倍
配当利回り 4.14%
ROE 5.26%

1. 企業概要

ゼンリンは、日本全国の地番まで網羅した「住宅地図」の作成・販売を主力事業とし、その豊富な地図データを基盤に発展してきた企業です。カーナビゲーションシステム向け地図データベース、地図配信サービス、地理情報システム(GIS)ソリューション、Web地図サービスなど、多岐にわたる事業を展開しています。特に、自動運転を可能にする3D高精度地図データにおいては、先進的な技術力を持ち、モビリティ社会の進化に不可欠なインフラを提供しています。長年にわたる詳細な現地調査に基づいた地図情報収集・更新ノウハウと、それをデジタルデータとして管理・活用する技術が、同社の技術的独自性と高い参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

ゼンリンは日本の地図情報業界において、住宅地図市場で圧倒的な地位を確立しており、その市場シェアは極めて高いと考えられます。カーナビ向け地図データでも主要なプロバイダーの一つであり、特に高精度地図の分野では自動運転技術の発展と共にその重要性が増しています。競合他社としては、国土地理院のような公的機関が基礎地図を提供し、その他IT企業や自動車メーカーが地図データを活用したサービスを展開していますが、ゼンリンが持つ詳細な現地調査に基づいた住宅地図情報や、3D高精度地図データにおける技術的蓄積は差別化された強みです。業界平均と比較すると、ゼンリンのPER18.04倍は業界平均23.2倍よりも低く、PBR1.13倍も業界平均2.3倍を下回っており、バリュエーション面では割安感があると評価できます。

3. 経営戦略

ゼンリンは中期経営計画「ZGP2030」を推進しており、地図データの提供だけでなく、データを活用したソリューション提供や新規事業領域の開拓に注力しています。特にモビリティ分野においては、自動運転の進化に対応する高精度地図データの提供、「MaaS(Mobility-as-a-Service)」への貢献を目指しています。また、決算短信には第1四半期より中期経営計画に基づく事業区分(プロダクト、マーケティング、公共、インフラ、モビリティ)の見直しを行った旨が記載されており、これにより戦略の方向性がより明確化されます。今後の重要イベントとしては、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。直近のニュースでは、2026年3月期通期経常利益予想が対前週で9.7%下降しており、収益性に課題を残しつつ、構造改革と成長戦略の両面で今後の進捗が注目されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 4/9 B: 普通(複数の改善点あり)
収益性 2/3 良好(純利益、ROAはプラス)
財務健全性 2/3 良好(D/E比率低く、希薄化なし)
効率性 0/3 要改善(利益率・資本効率・成長率が低い)

F-Score詳細解説:

ゼンリンのPiotroski F-Scoreは4/9点であり、「△普通」という判定です。
収益性では、過去12か月間で純利益がプラスであり、ROAも3.47%とプラスであるため2点獲得しています。ただし、営業キャッシュフローの項目は詳細データから算出できず、評価対象外となっています。
財務健全性では、負債比率が5.14%と極めて低い(D/Eレシオ < 1.0)ことと、過去1年間で株式の希薄化がないことから2点を得ています。しかし、流動比率が1.21と、健全性を示す目安である1.5を下回っています。
効率性に関しては、営業利益率(3.88%)が10%の基準を下回り、ROE(5.35%)も10%の基準を下回っているため0点、さらに四半期売上成長率が0.0%と成長が鈍化しているため、効率性のすべての項目で0点となっています。これは、同社が資産を効率的に活用して収益を上げる能力や、成長モメンタムにおいて課題を抱えていることを示唆しています。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

ゼンリンの収益性は、業界ベンチマークと比較して改善の余地があります。

  • 営業利益率(過去12か月): 3.88%
    • 損益計算書によると、2025年3月期(予想)の営業利益率は6.1%(営業利益3,923百万円 ÷ 売上高64,363百万円)と改善傾向にありますが、過去12か月の実績では3.88%に留まっています。
  • ROE(実績): 5.26% (過去12か月では5.35%)
    • 株主資本をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを示す指標です。一般的な目安である10%を大きく下回っています。
  • ROA(過去12か月): 3.47%
    • 総資産に対する利益率を示す指標です。目安の5%を下回っており、資産全体の効率的な活用に課題が見られます。

これらの指標から、同社は安定した事業基盤を持つものの、より高い収益性を追求していく必要があることが示唆されます。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

ゼンリンの財務健全性は概ね良好です。

  • 自己資本比率(実績): 67.4%
    • 総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務基盤が安定しているとされます。60%を超えるこの水準は非常に高く、強固な財務体質を示しています。
  • 流動比率(直近四半期): 1.21倍
    • 短期的な支払い能力を示す指標です。一般的に1.5倍~2倍以上が望ましいとされます。1倍は超えているものの、F-Scoreの基準や理想的な水準からはやや劣るため、短期的な資金繰りには一定の注意が必要です。

Total Debt/Equity(負債資本倍率): 5.14%

-   負債が自己資本に対して非常に低く、財務リスクが小さいことを示しています。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

ゼンリンのキャッシュフローは健全性を維持しています。

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) フリーCF(百万円) 現金等残高(百万円)
2023.03 6,541 -2,451 -6,744 4,090 13,965
2024.03 6,318 -4,155 -3,114 2,163 13,213
2025.03 9,640 -5,161 -3,840 4,479 13,906

過去3年間にわたり、営業キャッシュフローは一貫してプラスであり、2025年3月期には9,640百万円と大幅に増加しています。これは本業で着実に現金を稼ぎ出していることを示します。投資キャッシュフローは継続的にマイナスであり、事業拡大や設備投資に積極的に資金を投じていることがうかがえます。フリーキャッシュフロー(営業CFと投資CFの合算)も毎年プラスを維持しており、将来に向けた再投資と成長の余力を残しつつも、手元資金を着実に確保できている状況です。

【利益の質】営業CF/純利益比率

営業CF/純利益比率は、企業が稼ぎ出した利益が現金としてどれだけ入ってきているかを示す指標です。1.0以上であれば、利益が現金で裏付けられており健全と判断されます。

  • 2025年3月期(実績): 営業CF 9,640百万円 / 純利益(Net Income Common Stockholders) 2,606百万円 = 約3.70倍

この比率は3.70倍と非常に高く、ゼンリンの利益は会計上の調整が少なく、質の高い現金創出能力を持っていることを明確に示しています。これは財務の安定性において非常に好材料です。

【四半期進捗】2026年3月期第3四半期累計進捗

直近の2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 69.0%
    • 年度末に売上が集中する傾向を考慮すると、現時点では想定内の水準と判断できます。
  • 営業利益進捗率: 16.1%
    • 通期予想の4,300百万円に対し、第3四半期累計で692百万円と、かなり低い水準に留まっています。これは、第4四半期に大幅な利益計上が見込まれるか、あるいは通期予想の下方修正リスクがある可能性を示唆します。
  • 純利益進捗率: 17.0%
    • 営業利益と同様に、通期予想の3,000百万円に対し、第3四半期累計で509百万円であり、低い進捗となっています。

セグメント別では「公共」が+38.5%と大きく成長している一方、「モビリティ」が△12.2%と減少し、「マーケティング」も減少しています。全体の売上は前年同期比で+1.8%と微増に留まり、営業利益は△5.3%と減益となっています。特別損益として投資有価証券売却益330百万円が計上されており、これが純利益を下支えしています。この低い利益進捗率は、今後の業績動向を注視する必要があることを示しています。

【バリュエーション】PER/PBR

ゼンリンのバリュエーションは業界平均と比較して割安感があります。

  • PER(会社予想): 18.04倍
    • 株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標です。業界平均の23.2倍と比較すると低く、割安と評価できます。これは、同社の利益水準に対して株価が比較的抑えられていることを意味します。
  • PBR(実績): 1.13倍
    • 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。業界平均の2.3倍と比較して大幅に低く、純資産の価値から見ても割安感があります。PBRが1倍をわずかに上回る水準であることから、企業の解散価値を大きく上回るほどのプレミアムが付いているわけではありません。

目標株価(業種平均PER基準)は1,297円、目標株価(業種平均PBR基準)は2,070円となっており、現在の株価1,014.0円から見ると、上昇余地があることを示唆しています。これは、市場がゼンリンの現在の利益水準や資産価値を十分に評価しきれていない可能性を指摘しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -6.46 / シグナル値: -7.74 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 47.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.30% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.11% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -2.00% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -4.07% 長期トレンドからの乖離

MACDはシグナルラインを上回っていますが、値がマイナス圏で推移しているため、明確な上昇トレンドへの転換とは言い切れません。RSIは47.4%と中立圏にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態です。

【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係

現在の株価1,014.0円は、52週高値1,225.0円と安値985.0円のレンジ内で、安値に近い15.6%の位置にあります。これは、過去1年間で見ると株価が低水準にあることを示唆します。
移動平均線との関係では、株価は5日移動平均線(1,011.0円)と25日移動平均線(1,012.84円)をわずかに上回っていますが、75日移動平均線(1,034.67円)と200日移動平均線(1,057.71円)を下回っています。これは、短期的な上抜きの兆候が見られるものの、中期および長期的なトレンドは下降基調にあることを示しており、上値の重さが意識されます。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

ゼンリンの株価は、主要な市場指数と比較して、長期的にアンダーパフォームしています。

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式+0.50% vs 日経+1.42%0.93%ポイント下回る
    • 1年: 株式+2.94% vs 日経+43.83%40.89%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式+0.50% vs TOPIX-0.00%0.50%ポイント上回る
    • 1年: 株式+2.94% vs TOPIX+8.85%11.53%ポイント下回る

特に1年間のパフォーマンスで見ると、日経平均に対しては大幅に、TOPIXに対しても大きく下回っており、市場全体の恩恵を十分に受けていない状況です。これは、同社の企業固有の課題、特に収益性の改善が市場から強く求められていることを示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が5.33倍と高水準です。これは、信用買いをしている投資家が将来的に利益確定や損失確定のための売り注文を出す可能性があるため、株価の上昇を抑制する、または下落圧力を強める要因となることに注意が必要です。

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.06
    • 市場全体の動きに対する株価の感応度を示します。0.06という極めて低いベータ値は、市場全体の変動に対してゼンリンの株価がほとんど影響を受けない、非常に安定性の高い銘柄であることを意味します。他の銘柄と比べ、日々の市場の動きに左右されにくい特性があると言えます。
  • 年間ボラティリティ: 21.36%
    • 株価の年間変動率を示します。比較的低い水準ですが、市場全体の変動と比較すると多少のリスクは存在します。
  • シャープレシオ: -0.20
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標です。マイナスの値であるため、リスクを取ったにもかかわらず、リスク無し資産(無リスクレート)のリターンを下回っていることを意味し、投資効率が低い状況を示しています。
  • 最大ドローダウン: -33.91%
    • 過去の特定期間における最大の下落率を示します。仮に100万円投資した場合、過去の最悪ケースでは約33.9万円の損失が発生する可能性があったことを意味します。この程度の価格変動は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • 年間平均リターン: -3.74%
    • 過去のデータでは年間平均リターンがマイナスであり、長期的に見てキャピタルゲインを得ることが難しかった時期があることを示唆しています。

【事業リスク】

  • デジタル地図市場の競争激化と技術革新への対応: 自動運転技術の進化や、Google Maps、Apple MapsといったグローバルIT企業の地図サービス拡充により、データ収集、更新、解析技術において常に先行投資と競争が求められます。特に高精度地図の分野では、技術水準の維持・向上と開発コストのバランスが課題となります。
  • モビリティ・MaaS関連事業の収益化の遅れ: 次世代モビリティ社会の実現に向けた先行投資は積極的ですが、その収益貢献が計画通り進まない場合、財務への負担となる可能性があります。特に、競争の激しい自動車業界の動向や、MaaSビジネスモデルの確立には不確実性が伴います。
  • 地図情報の信頼性維持とサイバーセキュリティリスク: 地図情報は社会インフラとしての重要な役割を担っており、データの正確性・網羅性の維持は生命線です。また、大量の機密性の高い地理情報や、サービス提供に関わるシステムへのサイバー攻撃、データ漏洩などのリスクは、企業の信用失墜や事業中断に繋がりかねません。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況:
    • 信用買残: 259,100株(前週比+17,600株
    • 信用売残: 48,600株(前週比+13,300株
    • 信用倍率: 5.33倍
    • 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率が5.33倍と高水準です。これは株価上昇時に将来的な売り圧力となる可能性があり、上値の重さにつながる可能性があります。
  • 主要株主構成:
    • (有)サンワ: 9.20%
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 8.19%
    • トヨタ自動車: 7.46%
    • NTT: 7.33%
    • 自社(自己株口): 6.32%
      上位株主には、安定株主と考えられる信託銀行や、事業提携の可能性が高いトヨタ自動車、NTTといった事業会社が名を連ねています。トヨタ自動車やNTTの存在は、モビリティ分野や情報通信分野における協業の可能性を示唆しており、事業戦略上の安定性や成長期待につながる要因と言えます。

8. 株主還元

ゼンリンは、株主還元に対して比較的積極的な姿勢を示しています。

  • 配当利回り(会社予想): 4.14%
    • 現在の株価に対して4.14%という配当利回りは高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
  • 1株配当(会社予想): 42.00円(前期実績35.00円から増配)
  • 配当性向: 73.33%
    • 利益の73.33%を配当に回しており、一般的な目安である30-50%と比較して高い水準です。これは、利益が安定していること、または株主への還元意欲が高いことを示しますが、一方で企業内部の成長投資に回せる資金の余地が少ない可能性も示唆します。
  • 自社株買いの状況: データなし(提供された情報では記載なし)

SWOT分析

強み

  • 住宅地図市場における圧倒的なブランド力と独占的ともいえる市場地位。
  • 自動運転に必要な高精度地図データに関する先進的技術力とノウハウ。
  • 非常に高い自己資本比率(67.4%)に裏打ちされた強固な財務基盤。

弱み

  • ROE(5.26%)など収益性指標が低水準にあり、資本効率の改善が課題。
  • F-Scoreの効率性スコアが0点であり、効率的な利益創出能力に改善の余地がある。
  • 長期的に見て市場指数に対してアンダーパフォームしており、成長力が市場に評価されにくい傾向。

機会

  • 自動運転システムやMaaS(Mobility-as-a-Service)の普及・拡大による高精度地図データ需要の増加。
  • スマートシティやIoT分野における地理空間情報活用の多様化と新たなソリューション提供機会。
  • 海外市場への高精度地図データやGISソリューションの展開による事業領域拡大。

脅威

  • Googleなど巨大IT企業による地図サービスやデータ提供の強化による競争激化。
  • 地理空間情報技術の急速な進歩とオープンソース地図データの普及による価格競争圧力。
  • 為替変動、経済状況の変化、国内外の法規制変更が事業環境に与える影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した配当収入を求める投資家: 高い配当利回り(4.14%)と強固な財務基盤は、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
  • 地図情報インフラの将来性と低リスクを重視する長期投資家: 自動運転やMaaSといった次世代領域での同社の技術優位性に着目し、長期的な視点でセクターの成長を期待する投資家。ベータ値が極めて低い(0.06)ため、市場全体の変動リスクを避けたい投資家にも適しています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性の改善および成長戦略の具体化: 低いROEや営業利益率の改善へ向けた具体的な施策とその進捗を注視する必要があります。特に、新たな事業区分における収益貢献の度合いが重要となります。
  • 信用倍率の推移: 高水準の信用倍率が株価の上値を抑え、将来的に売り圧力となる可能性があるため、その動向を継続して確認することが賢明です。
  • モビリティ事業の回復状況: 直近の決算でモビリティ事業の売上高が減少しているため、今後の回復と成長が期待通りに進むかを確認する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 特に2026年3月期第4四半期の営業利益が通期予想の達成にどれだけ貢献するか。目標値としては、中長期的に10%以上への改善が期待されます。
  • 中期経営計画「ZGP2030」における新規事業およびモビリティセグメントの成長率: 新たな収益の柱となる事業の具体的な牽引力を見極める必要があります。
  • Piotroski F-Scoreの効率性スコアの改善: ROEや営業利益率の改善を通じて、資本効率が向上しているかを監視することが重要です。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 売上高は緩やかな微増傾向にありますが、利益は過去数年にわたり変動が大きく、直近の四半期売上高成長率は0.0%と伸び悩んでいます。2026年3月期の通期予想も前年度比で売上高+1.8%、営業利益+9.6%と堅調ではあるものの、第3四半期累計の利益進捗率が16.1%と低い点が懸念材料であり、高い成長は見込みにくいと評価できます。
  • 収益性: C
    • 過去12か月の実績ROEが5.35%、営業利益率が3.88%と、一般的な目安(ROE 10%以上、営業利益率 10%以上)を大きく下回っています。F-Scoreの収益性スコアは2/3と一部健全なものの、効率性スコアが0/3であることからも、資本効率や利益創出力に改善の余地が大きいと判断されます。
  • 財務健全性: A
    • 自己資本比率は67.4%と非常に高く、強固な財務基盤を誇ります。総負債を自己資本で割った負債資本倍率(Total Debt/Equity)も5.14%と極めて低く、長期的な安定性があります。流動比率1.21倍はF-Scoreの基準(1.5倍)を下回りますが、全体の健全性を示す指標は良好です。F-Scoreの財務健全性スコアも2/3と評価は良好です。
  • バリュエーション: S
    • PER(18.04倍)およびPBR(1.13倍)は、それぞれ業界平均(PER 23.2倍、PBR 2.3倍)と比較して大幅に割安な水準にあります。目標株価も現在の株価を大きく上回っており、市場が同社の価値を十分に評価しきれていない可能性を示唆しています。このため、現在の株価は非常に割安であると評価できます。

以上
(分析日時: 2026年3月12日 01:45 UTC)


企業情報

銘柄コード 9474
企業名 ゼンリン
URL http://www.zenrin.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,014円
EPS(1株利益) 56.20円
年間配当 4.14円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 1.6% 21.6倍 1,315円 5.7%
標準 1.2% 18.8倍 1,123円 2.5%
悲観 1.0% 16.0倍 945円 -1.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,014円

目標年率 理論株価 判定
15% 569円 △ 78%割高
10% 711円 △ 43%割高
5% 897円 △ 13%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
昭文社ホールディングス 9475 543 98 65.42 0.74 1.1 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.31)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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