企業の一言説明
神姫バスは、兵庫県を地盤に路線バス、高速バスを展開する地域密着型の有力バス事業者です。自動車運送事業を核としつつ、不動産、車両物販・整備、レジャーサービス、介護・保育など多角的な事業展開により事業ポートフォリオを強化しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅調な多角化事業と地域経済成長への寄与: 運輸事業のコロナ禍からの回復に加え、不動産事業が業績を牽引。大阪・関西万博など地域開発進展が、今後も同社の安定成長を後押しする可能性があります。
- 優れた財務健全性による安定した経営基盤: 自己資本比率が73.7%と極めて高く、低負債体質を維持しており、長期的な安定経営が期待されます。Piotroski F-Scoreも「良好(A)」評価です。
- 低い市場流動性と高ボラティリティ: 出来高が少なく、信用取引の売買も低調であるため、短期間での株価変動リスクや売買しにくさ(流動性リスク)には注意が必要です。ベータ値は低いものの、年間ボラティリティは78.63%と高い水準にあります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | まずまず |
| 収益性 | C | やや課題 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | B | 適正 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,990円 | – |
| PER | 8.86倍 | 業界平均8.10倍(やや割高) |
| PBR | 0.47倍 | 業界平均0.50倍(ほぼ同等) |
| 配当利回り | 2.01% | – |
| ROE | 6.17% | – |
1. 企業概要
神姫バス(証券コード: 9083)は1927年設立、兵庫県姫路市に本社を置くバス事業を中核とする企業です。路線バス、高速バス、貸切バスの自動車運送事業を中心に、車両物販・整備、不動産、レジャーサービス、介護・保育、旅行業など多岐にわたる事業を展開しています。特に地域に密着したバス路線ネットワークと、多角的な事業からの安定収益確保が特徴です。近年は、地域経済の活性化や観光需要の回復に伴い、主力の運輸事業が堅調に推移しています。
2. 業界ポジション
神姫バスは、兵庫県内で強固な事業基盤を持つ老舗の陸運業者であり、特に姫路市周辺では圧倒的なプレゼンスを誇ります。高速バス事業にも強みを持つ一方で、不動産賃貸やレジャー施設運営、介護・保育サービスといった地域に根差した多様な事業を組み合わせることで、運輸事業単独では得にくい安定性を確保しています。
バリュエーション指標として、PER(株価収益率:株価が利益の何年分か)は8.86倍と業界平均の8.10倍をやや上回っていますが、PBR(株価純資産倍率:株価が純資産の何倍か)は0.47倍と業界平均の0.50倍とほぼ同等です。これは純資産に対しては業界並みの評価ながら、利益面ではやや割高に評価されている可能性を示唆しています。株価1倍未満は解散価値を下回る状態と解釈されますが、陸運業という特性上、資産価値が簿価に占める割合が高いことも影響しています。
3. 経営戦略
神姫バスは、大阪・関西万博など今後開催される地域イベントや、2024年10月の運賃改定が業績を牽引すると見込んでいます。特に運輸事業においては、路線・高速バスの増便や新路線開設、GLION ARENA KOBEでの対応、EXPO号の運行などを通じて輸送強化を図っています。また、不動産事業では賃料収入の安定化と建設物件の引き渡し、車両物販・整備事業では価格見直しを実施し、収益性の改善を目指しています。レジャーサービス事業での飲食店の新規出店など、多角化事業の強化も進められています。
組織体制としては、本社を姫路と神戸の2拠点とする「デュアルヘッドクォーター」制を導入し、地域連携を強化しています。
今後のイベントとして、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは優れている。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 負債が少なく、株式希薄化もないが、流動比率に改善余地あり。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率とROEは低いものの、増収を達成。 |
Piotroski F-Scoreの解説:
神姫バスのPiotroski F-Scoreは5点/9点で「良好(A)」と評価されます。これは企業の財務状況が全体的に健全であることを示しています。
収益性に関しては、過去12か月間の純利益が2,945百万円と黒字であり、ROA(総資産利益率)も3.94%と正の値であるため、収益力は確保されています。しかし、データ上で営業キャッシュフローの継続的な提供がない点は留意が必要です。
財務健全性では、総負債資本比率(D/Eレシオ)が0.0886と1.0を下回っており、有利子負債が極めて少ない健全な財務状況です。また、過去に株式の希薄化も発生していません。一方で、短期的支払い能力を示す流動比率は1.16と、理想とされる1.5倍をわずかに下回っており、短期的な資金繰りにおいては改善の余地があると言えます。
効率性に関しては、営業利益率が5.91%、ROE(自己資本利益率)が6.17%と、いずれも良好とされる水準(10%以上)には届いていません。これはバス事業の特性上、固定費や燃料費の負担が大きいことが背景にあると考えられます。しかし、直近の四半期売上高成長率が4.80%とプラスであり、事業規模が堅調に拡大している点はポジティブです。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率(過去12か月): 5.91%
- ROE(過去12か月): 6.17%(ROEは株主のお金でどれだけ稼いだかを示す指標で、一般に10%以上が良好な目安です。)
- ROA(過去12か月): 3.94%(ROAは企業が総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを示す指標で、一般に5%以上が良好な目安です。)
神姫バスの収益性は、業界の特性もありますが、一般的なベンチマークと比較するとやや課題が見られます。特にROEとROAは目安の値を下回っており、資本効率や資産活用効率の向上は今後の課題と言えるでしょう。ただし、過去5年間の営業利益は、2022年3月期に300百万円から2025年3月期には3,474百万円へと大幅に改善しており、収益力の回復傾向は顕著です。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率(実績): 73.7%
- 流動比率(直近四半期): 1.16倍
自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務が安定しているといえます)は驚異的な73.7%と極めて高く、非常に強固な財務基盤を有していることを示しています。これは、金融機関からの借り入れに依存せず、自己資金で事業運営が行われている証拠であり、外部環境の変化に強い耐性を持つと考えられます。
一方で流動比率(流動資産を流動負債で割った比率で、200%以上が理想とされます)は1.16倍であり、短期的には流動資産よりも流動負債が多い状態です。Piotroski F-Scoreの項目でも指摘された通り、短期的な資金繰りの健全性においてはやや改善の余地があるものの、高い自己資本比率と潤沢な現金(58億2,000万円)を考慮すると、直ちに懸念すべき状況とは考えにくいでしょう。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
神姫バスのキャッシュフローは、以下の通り推移しています。
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | フリーCF |
|---|---|---|---|
| 2023.03 | 3,497百万円 | -3,315百万円 | 182百万円 |
| 2024.03 | 3,664百万円 | -6,469百万円 | -2,805百万円 |
| 2025.03 | 4,704百万円 | -5,286百万円 | -582百万円 |
営業キャッシュフロー(事業活動から得られる現金で、本業の収益力を示す重要な指標です)は安定してプラスを計上し、年々増加傾向にあります。これは本業が堅調に推移し、着実に現金を創出していることを示しています。
一方、投資キャッシュフローは継続的に大きなマイナスとなっており、積極的な設備投資(有形固定資産が直近で約35億6,700万円増加)が行われていることが伺えます。これによりフリーキャッシュフロー(営業CFから投資CFを差し引いたもので、企業の自由に使える現金の余裕を示します)は、2024年3月期、2025年3月期と2期連続でマイナスとなっており、事業拡大のための投資が先行している状況が見て取れます。ただし、これらの投資が将来の収益基盤強化につながるかどうかが今後の注目点です。
【利益の質】営業CF/純利益比率
営業キャッシュフローを純利益で割った比率は、利益が現金としてどれだけ入ってきているかを示す重要な指標です。この比率が1.0以上であれば利益の質が健全であると判断されます。
神姫バスの過去12か月の営業キャッシュフローは提供データに直接は記載されていませんが、2025年3月期の営業CFが4,704百万円、過去12か月の純利益が2,945百万円であることから計算すると、約1.60倍となります。これは、純利益を上回る営業キャッシュフローを生み出しており、利益の質は非常に健全であると評価できます。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 72.5%(通期予想55,700百万円)
- 営業利益進捗率: 53.3%(通期予想3,920百万円)
- 純利益進捗率: 56.0%(通期予想2,710百万円)
売上高は順調に進捗しているものの、営業利益と純利益の進捗率は第3四半期時点でやや低い水準にあります。ただし、第3四半期決算において、車両の減価償却方法を定率法から定額法へ変更したことにより、営業利益等が521百万円増加している点は考慮が必要です。これは非現金効果であり、利益の見た目を押し上げていますが、実質的なキャッシュフローには影響しません。
直近の四半期概況では、売上高が前年同期比で+7.0%、営業利益が+53.9%、純利益が+64.2%と大幅な増益を達成しており、特に自動車運送事業が前年同期の営業損失から黒字転換したことが主要因です。不動産事業も売上高+20.8%、営業利益+6.8%と好調を維持しています。この好調が続けば、通期目標達成への期待感は高まります。
【バリュエーション】PER/PBR
- PER(会社予想): 8.86倍(株価が利益の何年分かを示し、業界平均より低ければ割安の可能性が高いとされます。)
- PBR(実績): 0.47倍(株価が純資産の何倍かを示し、1倍未満は解散価値を下回る状態と解釈されます。)
- 業界平均PER: 8.10倍
- 業界平均PBR: 0.50倍
神姫バスのPERは8.86倍と、業界平均の8.10倍をやや上回っており、利益面から見ると相対的にやや割高と評価できます。
一方、PBRは0.47倍と、業界平均の0.50倍とほぼ同水準であり、純資産価値から見ると適正な評価を受けていると言えます。PBRが1倍を下回る状況は、同社が持つ純資産(解散価値)よりも市場評価が低いことを示唆しています。これは、陸運業という特性上、有形固定資産が多く、その簿価が市場価値と乖離している可能性や、将来の成長期待がバリュエーションに十分に織り込まれていない可能性が考えられます。総合的に判断すると、利益に対する評価はやや高めであるものの、純資産に対しては適正水準であり、極端な割安感や割高感はないと言えるでしょう。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -5.62 / シグナル値: 3.24 | 短期的なトレンドの方向性が明確ではない中立状態。 |
| RSI | 中立 | 42.8% | 売られすぎでも買われすぎでもない中立水準。 |
| 5日線乖離率 | – | -0.40% | 直近の株価が5日移動平均線をわずかに下回っている状態。 |
| 25日線乖離率 | – | -2.22% | 短期トレンドからやや下方向に乖離している状態。 |
| 75日線乖離率 | – | +0.53% | 中期トレンドの移動平均線をわずかに上回っている状態。 |
| 200日線乖離率 | – | +4.81% | 長期トレンドの移動平均線を上回っており、緩やかな上昇基調。 |
MACDとRSIはいずれも中立を示しており、短期的なトレンド方向に明確なシグナルは見られません。移動平均線を見ると、株価は5日線および25日線といった短期移動平均線を下回っていますが、75日線と200日線といった中期・長期移動平均線は上回っており、長期的な視点では上昇トレンドを維持している可能性があります。
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
現在の株価1,990円は、52週高値2,161円と52週安値1,675円の間、レンジ内64.8%の位置にあります(0%が安値、100%が高値)。これは、52週間の値動きの中で比較的高値圏に位置していることを示唆しています。
また、株価は5日移動平均線(1,998.00円)と25日移動平均線(2,035.24円)を下回って推移しており、直近の短期的な上昇モメンタムは弱まっている状況です。しかし、75日移動平均線(1,979.57円)と200日移動平均線(1,897.61円)は上回っており、中期・長期的な視点では依然として堅調な基調を維持していると解釈できます。短期的な調整局面にあるものの、長期的なサポートラインはしっかりしており、下値は堅い可能性もあります。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
神姫バスの株価パフォーマンスを主要な市場指数と比較すると、以下の通りです。
日経平均比
- 1ヶ月リターン: 株式-2.45% vs 日経-6.65% → 4.19%ポイント上回る
- 3ヶ月リターン: 株式+4.13% vs 日経+6.40% → 2.27%ポイント下回る
- 6ヶ月リターン: 株式+4.60% vs 日経+28.33% → 23.73%ポイント下回る
- 1年リターン: 株式+14.37% vs 日経+42.43% → 28.07%ポイント下回る
TOPIX比
- 1ヶ月リターン: 株式-2.45% vs TOPIX-5.87% → 3.42%ポイント上回る
- 3ヶ月リターン: 株式+4.13% vs TOPIX+7.23% → 3.10%ポイント下回る
直近1ヶ月では、日経平均およびTOPIXが下落する中で、神姫バスは相対的に堅調に推移し、市場をアウトパフォームしています。これは、市場全体の地合いが悪化する中でも、同社が持つ防衛的な事業特性や堅実な財務体質が評価されている可能性があります。しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期的な視点で見ると、主要市場指数の大きな上昇と比較して、神姫バスの株価上昇は遅れを取っており、市場全体をアンダーパフォームしている状況です。これは、特定の成長テーマに乗りにくい業種であることや、後述する流動性の低さなどが影響している可能性も考えられます。
【注意事項】
⚠️ 高ボラティリティかつ低出来高です。売買時に価格変動リスクや流動性リスクに注意が必要です。
【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン
- ベータ値(5年月次): 0.08 (ベータ値が1.0未満だと市場全体の動きに比べて株価変動が小さい、すなわち市場との連動性が低いことを示します。)
- 年間ボラティリティ: 78.63% (これは株価の年間変動率の目安です。仮に100万円投資した場合、年間で±78.63万円程度の変動が想定され、投資リスクが非常に高い状況を示します。)
- 最大ドローダウン: -20.00% (過去のある期間において、株価がピークから最も下落した割合です。この程度の短期間での下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。)
- シャープレシオ: 0.61(シャープレシオは、リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされますが、0.61はリスクに対してリターンがやや低いことを示唆します。)
ベータ値が0.08と非常に低いことから、神姫バスの株価は市場全体の変動にほとんど左右されない特性を持っているといえます。これは、陸運業というディフェンシブな業種特性を反映していると考えられます。しかし、年間ボラティリティが78.63%と極めて高く、これは市場連動性とは異なる固有の要因による株価の大きな変動リスクを抱えていることを意味します。主な要因としては、Avg Vol (3 month) 6,300株、Avg Vol (10 day) 9,550株と極めて出来高が少ない(低流動性)ことが挙げられます。出来高が少ないと、わずかな売買注文でも株価が大きく動きやすいため、意図しない価格で取引が成立するリスク(スリッページ)が高まります。最大ドローダウンも-20.00%と、短期間で大きな下落を経験する可能性を示しており、投資家はこうした高い固有リスクを認識しておく必要があります。
【事業リスク】主要なリスク要因
- 運転士不足と人件費高騰: 陸運業界全体で深刻化している運転士不足は、バス路線の維持や新規サービス展開に影響を与える可能性があります。働き方改革関連法による労働時間規制強化も、運行体制に圧力をかけ、人件費高騰の要因となります。これは、同社の主要事業である自動車運送事業の収益性を圧迫する可能性があります。
- 燃料価格の変動: バス事業は燃料費が主要な運行コストの一つであり、国際的な原油価格の変動は収益に直接影響します。特に急激な燃料価格の高騰は、運賃改定で補いきれない場合に収益性を悪化させるリスクがあります。
- 不動産賃貸事業の変動: 多角化事業の柱の一つである不動産事業は、賃料収入や稼働率によって収益が変動します。大規模な賃貸物件の解約や空室率の上昇、市況の悪化は、安定収益源である不動産事業にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
神姫バスの信用取引状況は、信用買残が17,500株、信用売残は0株です。信用売残が0のため、信用倍率(買い残を売り残で割った比率)は計算できません。信用買残が比較的少ないことと売残がないことから、将来的な売り圧力は限定的であると考えられますが、出来高が極めて少ない(直近10日平均9,550株)ため、流動性が低い点には引き続き注意が必要です。
主要株主構成を見ると、大株主には阪神電気鉄道(9.56%)、日本カストディ銀行(山陽電気鉄道退職給付信託口)(7.13%)、自社従業員持株会(2.48%)などが名を連ねています。これは、安定株主が一定割合を占めており、経営の安定性が確保されている一方で、浮動株比率(Float 958万株)は総株式数1,208万株に対して比較的高いですが、機関投資家の保有割合は2.29%と低い水準です。これは、個人投資家の動向や地域経済ニュースが株価に影響を与えやすい環境である可能性を示唆しています。ニュース動向は「中立」で、業務拡大の動きは見られないと評価されており、市場全体の注目度は現状では高くないようです。
8. 株主還元
神姫バスは、株主還元策として配当を実施しており、「Forward Annual Dividend Rate 4: 40円」の予想配当で、現在の株価に対する配当利回りは2.01%です。これは、安定したインカムゲインを期待する投資家にとって魅力的な水準と言えるでしょう。
配当性向は14.33%(過去12か月)と低水準にあり、利益に対する配当の比率がまだ低いことから、将来的に配当余力がある可能性を示唆しています。一般的に配当性向は30%~50%が目安とされるため、今後の増配余地も考えられます。
同社は2025年10月1日付で1株を2株とする株式分割を実施しています。これは株式の流動性向上や投資単位の引き下げを目的としており、より多くの投資家が投資しやすくなる効果が期待されます。直近の決算短信では、年間配当は分割後60円(中間40円、期末20円)と発表されていましたが、最新の会社予想配当は40円と示されています。これはEPS224.72円に対する約17.8%の配当性向に相当し、事業への再投資と株主還元のバランスを考慮したものです。自己株買いについては、「自社(自己株口)」として2.18%の自己株式を保有していますが、積極的な自社株買いプログラムについては現状発表されていません。
SWOT分析
強み
- 地域密着型の強固な事業基盤と兵庫県内での高いブランド力。
- 運輸事業に加え、不動産、車両物販、レジャー、介護など多角的な事業展開による安定した収益構造。
- 自己資本比率73.7%と極めて高い財務健全性を維持しており、経営の安定性が高い。
- 大阪・関西万博など地域開発進展による事業機会の拡大が期待できる。
弱み
- ROE6.17%、営業利益率5.91%と、資本効率・収益性が業界平均や理想的なベンチマークを下回る。
- 出来高が少なく、市場流動性が低いことによる株価の不安定性(高ボラティリティ)。
- 運転士不足や燃料価格変動など、運輸事業特有の外部環境リスク。
- 会計方針変更(減価償却方法)による一時的な利益押し上げがあり、実質的な収益改善度が分かりにくい。
機会
- 大阪・関西万博やインバウンド観光需要の本格的な回復による運輸・レジャー事業の活性化。
- 運賃改定やサービス強化による自動車運送事業の収益性改善。
- 地域密着型の強みを生かした、高齢化社会に対応する介護・福祉事業のさらなる拡大。
- 安定した不動産収益基盤を活用した地域開発への貢献と収益拡大。
脅威
- 深刻な人手不足(特に運転士)によるサービス供給能力の制約と人件費の継続的な上昇。
- 国際情勢の不安定化に伴う燃料価格の急激な高騰リスク。
- 賃貸物件の空室率上昇や地価下落など、不動産市場の変動による収益悪化。
- 少子高齢化に伴う公共交通機関の利用者減少傾向と、それに伴う運輸事業の構造的課題。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 非常に高い自己資本比率と健全なPiotroski F-Scoreは、長期的に安心して投資できる財務的安定性を提供します。
- 地域経済の成長を享受したい投資家: 兵庫県を地盤とする同社は、大阪・関西万博などの地域活性化策やインバウンド需要の回復から恩恵を受ける可能性があります。
- ディフェンシブな特性を求める投資家: ベータ値が非常に低く、市場全体の変動に左右されにくい特性があるため、相場変動への耐性を求める層に適しています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 低い流動性による売買リスク: 出来高が極めて少ないため、希望する価格で売買が成立しない可能性や、売買が株価に与える影響が大きくなる可能性があります。
- 高いボラティリティへの意識: ベータ値は低いものの、年間ボラティリティは高く、株価の乱高下も起こりえます。短期間の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要です。
- 会計方針変更の影響の理解: 減価償却方法の変更が一時的に利益を押し上げているため、実質的な収益改善とその持続性について慎重な評価が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- 自動車運送事業の収益性改善: 運賃改定効果やイベント需要を通じた黒字化の定着と利益率向上を注視。
- 不動産事業の収益安定性: 賃貸物件の稼働率や新規開発の進捗、それに伴う賃料収入の推移。
- 燃料費および人件費の動向: コスト管理能力が収益性に直結するため、これらの変動と対策。
- フリーキャッシュフローの改善: 積極的な投資が続く中で、FCFがプラスに転じ持続するかが重要。
成長性
- スコア: B (まずまず)
- 根拠: 直近12か月の売上高は54,956百万円で前年比約3.8%増、2026年3月期の通期売上高予想も前年比+5.2%と堅調な増収傾向にあります。EPS(1株当たり利益)の会社予想も前年比+9.7%と好調ですが、指定の基準(S: 15%以上/A: 10-15%/B: 5-10%)を厳密に適用すると、大きな飛躍は見られないため「まずまず」の評価となります。自動車運送事業の黒字転換や多角化事業の貢献はポジティブな要素ですが、全体としての成長率は「良好」の基準にはあと一歩届きません。
収益性
- スコア: C (やや課題)
- 根拠: ROE(過去12か月)は6.17%、営業利益率(過去12か月)は5.91%であり、いずれもベンチマークであるROE10%以上および営業利益率10%以上には達していません。特にROEは、株主から預かった資本をどれだけ効率良く使って利益を上げられているかを示す重要な指標であり、この点が改善されれば株主価値向上に大きく寄与するでしょう。陸運業のビジネスモデル上、高収益を出すことが難しい側面もありますが、資本効率の改善は今後の課題です。
財務健全性
- スコア: A (良好)
- 根拠: 自己資本比率は73.7%と非常に高く、極めて安定した財務基盤を誇ります。Piotroski F-Scoreも5点/9点で「良好」と評価されており、負債の少なさや株式希薄化がない点で強みを持っています。ただし、流動比率が1.16倍と一時的に短期的支払能力に懸念があるものの、潤沢な現金(58億2,000万円)と高い自己資本比率がそのリスクを十分にカバーしていると判断できます。総合的には、事業継続性に対する不安は極めて低いと言えます。
バリュエーション
- スコア: B (適正)
- 根拠: PER(会社予想)は8.86倍で業界平均8.10倍をやや上回っており、この指標だけを見るとわずかに割高感があります。しかし、PBR(実績)は0.47倍で業界平均0.50倍とほぼ同水準であり、純資産に対しては適正に近い評価を受けています。全体として極端な割安や割高とは言えず、現在の業績や財務状況を鑑みて市場から妥当な水準で評価されていると判断し「適正」と評価しました。PBRが1倍を下回る状況は、市場が同社の持つ純資産価値を十分に評価しきれていない可能性も示唆しています。
企業情報
| 銘柄コード | 9083 |
| 企業名 | 神姫バス |
| URL | http://www.shinkibus.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,990円 |
| EPS(1株利益) | 224.51円 |
| 年間配当 | 2.01円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.9% | 10.2倍 | 4,009円 | 15.1% |
| 標準 | 9.1% | 8.9倍 | 3,080円 | 9.2% |
| 悲観 | 5.5% | 7.5倍 | 2,208円 | 2.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,990円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,538円 | △ 29%割高 |
| 10% | 1,921円 | △ 4%割高 |
| 5% | 2,423円 | ○ 18%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 神奈川中央交通 | 9081 | 3,540 | 446 | 13.12 | 0.68 | 5.8 | 2.54 |
| 新潟交通 | 9017 | 2,090 | 80 | 7.34 | 0.40 | 5.7 | 0.47 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.31)」によって自動生成されました。
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