企業の一言説明
グリッドは、電力、交通、物流などの社会インフラ分野向けに人工知能(AI)を用いた計画最適化システム「ReNom APPS」の開発・販売を展開する、高い成長性を持つAIソリューションプロバイダーです。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高成長性と高収益性: 電力、都市・交通分野における大型案件の順調な進捗と新規事業「エネルギーマネジメント」の台頭により、売上高は急成長を遂げ、高水準の営業利益率とROEを維持しています。特に2026年6月期第2四半期決算では、大幅な増益を達成し、通期予想に対する進捗も極めて良好です。
- 強固な財務基盤と高い品質: 自己資本比率約89.2%、流動比率約8.99倍という極めて高い財務健全性を誇り、Piotroski F-Scoreでも8/9点(S評価)を獲得しています。これは、安定した事業運営と将来成長への投資余力を示唆します。
- バリュエーションと市場リスク: 高い成長期待から現在のPERは41.72倍と業界平均と比較して割安感がありますが、グロース市場上場企業として将来の成長余地を織り込んでいると解釈できます。ただし、信用倍率が0.00倍であるものの、低出来高の状況下での変動性や一部顧客・大型案件への依存、そして新領域への先行投資に伴うキャッシュフローの状況は注視すべきリスク要因です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 極めて優良 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | B | 適正水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,458.0円 | – |
| PER | 41.72倍 | 業界平均66.2倍 |
| PBR | 2.83倍 | 業界平均3.5倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | 11.43% | – |
1. 企業概要
グリッド(GRID Inc.)は、人工知能(AI)を用いた計画最適化システムの開発・販売、コンサルティング、運用・保守サポートを提供する企業です。主力製品である「ReNom APPS」は、電力、交通、物流、サプライチェーンマネジメント(SCM)、スマートシティといった社会インフラ分野のフロントライン業務を最適化するSaaS型AIソリューションを展開しています。特にエネルギー分野における高度な数理最適化技術に強みを持ち、既存の非効率なプロセスをAIで効率化することで、顧客企業のコスト削減や生産性向上に貢献しています。
2. 業界ポジション
グリッドは、情報・通信業の中でも「Software – Infrastructure」セクターに属し、特に社会インフラ領域に特化したAI最適化ソリューションを提供するニッチな市場で存在感を放っています。電力、交通、物流といった基幹産業のデジタル変革を支えることで、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の加速と共に市場拡大の恩恵を受けています。PERは41.72倍、PBRは2.83倍であり、業界平均PER66.2倍、業界平均PBR3.5倍と比較すると、PERは業界平均よりも低く、PBRも業界平均よりやや低い水準にあります。これは、同社が現時点で業界平均に対して割安なバリュエーションで評価されている可能性を示唆しています。ただし、グロース市場上場企業として、今後の高い成長期待がすでに株価に織り込まれている側面も考慮する必要があります。
3. 経営戦略
グリッドの中期経営計画および成長戦略は、既存顧客への深耕と新規領域への拡大、そして将来技術への投資に重点を置いています。
短期戦略としては、既存顧客に対するアップセル(より高価格な製品・サービスへの移行)やクロスセル(関連製品・サービスの提案)を通じて顧客単価の向上とLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指しています。
中期戦略では、系統用蓄電池(蓄電所)の開発・運用におけるワンストップ提供体制の構築を掲げ、エネルギーマネジメント分野でのプレゼンス確立を狙っています。
長期戦略としては、海外展開を通じたグローバル市場への挑戦と、量子コンピュータを活用した最適化技術の社会実装に向けた研究開発を進めています。特に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の量子ハイブリッド研究フェーズへの移行は、同社の技術的優位性をさらに高める可能性を秘めています。
直近の2026年6月期第2四半期決算では、電力・鉄道などの大型案件が順調に進捗し、新電力・蓄電所関連案件の育成も進んだことにより、上期は計画を上回る業績で着地しました。経営陣は通期業績予想(売上高3,100百万円、営業利益450百万円)の達成に自信を示しており、採用計画も順調に進んでいます。注目製品として、「ReNom Railway(鉄道最適化)」、「ReNom VESSEL(配船最適化)」の本格運用開始、「GeNom for Energy(電力業界特化生成AI)」、「ReNom CHARGE(蓄電所需給管理)」といった新規ソリューションのリリース・展開が業績に寄与すると見込まれます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスで良好。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が非常に高く、株式希薄化も発生していないが、D/Eレシオのデータがないため満点ではない。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも高い水準にあり、効率的な経営がなされている。 |
グリッドのPiotroski F-Scoreは8点/9点と非常に高く、「S: 財務優良」と評価されます。これは、収益性、財務健全性、効率性のいずれにおいても優れたパフォーマンスを示していることを意味します。特に純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、ROEも高い水準を維持していることから、効率的に収益を生み出す体質が評価されます。流動比率も高く、短期的な支払い能力も優れています。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率(過去12か月): 22.86%
- 非常に高い水準を維持しており、本業での稼ぐ力が強いことを示します。
- ROE(過去12か月): 11.43%(ベンチマーク: 10%)
- 株主資本に対する収益性を示すROEは、市場の目安とされる10%を上回っており、良好な水準です。
- ROA(過去12か月): 9.32%(ベンチマーク: 5%)
- 総資産に対する収益性を示すROAも、目安とされる5%を大きく超える9.32%と優良な水準です。
高い営業利益率、ROE、ROAは、同社が効率的に資産を活用し、株主価値を創造していることを裏付けており、収益性の面で非常に優れていると評価できます。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率(実績): 89.2%
- 自己資本比率は企業の安定性を示す重要な指標であり、非常に高い水準を誇ります。これは借入金に依存せず、財務基盤が極めて強固であることを示しています。
- 流動比率(直近四半期): 8.99倍 (899%)
- 流動比率は短期的な支払い能力を示す指標であり、一般的に150%-200%が健全とされます。グリッドの899%という水準は極めて高く、短期的な債務返済能力に全く問題がない優良な財務状態です。
自己資本比率も流動比率も非常に高い水準であり、財務健全性は特筆すべき優良な状態です。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 1億3,100万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): マイナス6,412万円
- 営業キャッシュフローはプラスですが、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは本業で現金を稼いでいるものの、設備投資や研究開発投資などが営業キャッシュフローを上回っていることを示唆します。成長戦略の推進に必要な先行投資が行われている段階であり、今後の売上成長と共にフリーキャッシュフローの黒字転換が期待されます。
- 現金及び現金同等物(中間期末): 29億5,900万円
中間期のキャッシュフローを見ると、営業CFはマイナス5,900万円、投資CFはマイナス1億7,410万円となっており、期中に現金及び現金同等物は減少しています。成長フェーズにある企業としては、事業拡大のための投資が先行し、短期的にフリーキャッシュフローがマイナスになることは珍しくありませんが、資金の外部調達については有利子負債は限定的であり、手元の現金残高も潤沢である点から、当面資金繰りの懸念は低いと考えられます。
【利益の質】営業CF/純利益比率
- 営業CF/純利益比率(過去12か月): 0.29倍
- 純利益4億4,555万円に対し、営業キャッシュフローは1億3,100万円と純利益よりも低い水準です。この比率が1.0を下回る場合、会計上の利益が現金として伴っていない状態を示唆し、利益の質に注意が必要です。要因として、売掛金や在庫の増加、または非現金支出項目(減価償却費など)が純利益に与える影響が考えられます。成長フェーズにおいて売上が急増し、それに伴い売掛金が増加している可能性があり、今後の売掛金回収状況を注視する必要があります。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移
- 2026年6月期 第2四半期(中間期)進捗状況
- 売上高進捗率: 約42.4%(通期予想3,100百万円に対し1,315百万円)
- 営業利益進捗率: 約61.8%(通期予想450百万円に対し278百万円)
- 純利益進捗率: 約66.4%(通期予想280百万円に対し186百万円)
- 売上高の進捗率は約半分弱ですが、営業利益と純利益の進捗率は通期予想に対して60%を超えており、上期時点で通期計画を大きく上回るペースで利益を積み上げています。これは、収益性の高い案件が先行して計上されたか、あるいは利益率改善が進んでいることを示唆しており、通期業績予想達成への期待が高まります。
- 直近5期の業績推移(年度末) (単位: 百万円)
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2022/6単 | 910 | 71 | 67 | 91 |
| 2023/6単 | 1,353 | 208 | 204 | 228 |
| 2024/6単 | 1,652 | 365 | 344 | 403 |
| 2025/6単 | 2,063 | 428 | 428 | 298 |
| 予2026/6単 | 3,100 | 450 | 440 | 280 |
売上高は年々増加傾向にあり、特に2026年6月期は大幅な成長が予想されています。利益面も増加傾向ですが、2025年6月期と2026年6月期の当期利益は、売上高や営業利益の伸びと比較してやや抑制されており、税金費用や特別損益の変動、あるいは先行投資の影響が考えられます。
【バリュエーション】PER/PBR
- PER(会社予想): 41.72倍
- 業界平均PER66.2倍と比較すると割安に見えますが、これは情報・通信業全体の平均値であり、グロース市場上場企業や特定のソフトウェア業界の企業とは比較対象が異なる場合もあります。高成長企業としては、将来の成長期待が株価に織り込まれているため、PERが高くなる傾向があります。現在の水準は成長期待を考慮した上では適正と考えられます。
- PBR(実績): 2.83倍
- 業界平均PBR3.5倍と比較するとやや割安な水準です。PBRは株価が純資産の何倍かを示す指標で、1倍を上回るのは一般的に企業が将来にわたって生み出す収益に対する期待が高いことを意味します。現在のPBRは、同社の資産価値に対して市場が適度な評価を与えていると解釈できます。
- 目標株価
- 業種平均PER基準(EPS 58.91円 × 業界平均PER 66.2倍): 5,616円
- 業種平均PBR基準(BPS 867.56円 × 業界平均PBR 3.5倍): 3,037円
これらの目標株価はあくまで参考値であり、市場全体のトレンドや企業の個別要因によって変動する可能性があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -20.8 / シグナル値: -35.69 | MACDがシグナルラインを上回っていますが、過去の推移から「ゴールデンクロス」と判断するには時期尚早であり、中立的な動きと解釈されます。 |
| RSI | 中立 | 51.7% | RSIが51.7%であり、買われすぎ(70%以上)でも売られすぎ(30%以下)でもない、中立的な水準を示しています。 |
| 5日線乖離率 | – | +1.84% | 株価は短期移動平均線よりやや上に位置し、直近の上昇モメンタムを示唆します。 |
| 25日線乖離率 | – | +1.58% | 短期トレンドからの乖離は小さいです。 |
| 75日線乖離率 | – | -5.37% | 中期トレンドからの乖離はマイナスで、中期的な下落圧力がある可能性を示唆します。 |
| 200日線乖離率 | – | -4.60% | 長期トレンドからの乖離もマイナスで、長期的な下落トレンドの中に株価があることを示唆します。 |
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
現在の株価2,458.0円は、52週高値3,205.0円と52週安値1,778.0円のちょうど中間に近い位置(47.7%)にあります。これは、過去1年間で株価が大きく変動した後、現状は中間的な水準で推移していることを示します。
- 50日移動平均線: 2,497.58円(株価は下回り、-1.6%)
- 200日移動平均線: 2,579.71円(株価は下回り、-4.7%)
株価は短期の5日移動平均線(2,413.60円)と25日移動平均線(2,419.88円)を上回っていますが、中期・長期の移動平均線である75日移動平均線(2,597.57円)と200日移動平均線(2,579.71円)を下回っている状態です。これは短期的な持ち直しは見られるものの、中長期的な株価トレンドは依然として下向きである可能性を示唆しています。このため、今後の株価動向を判断するには、中長期移動平均線を上抜けるかどうかが重要なポイントとなります。
【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 株式+0.61% vs 日経-5.69% → 6.31%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式-12.56% vs 日経+6.12% → 18.68%ポイント下回る
- 6ヶ月: 株式+2.37% vs 日経+24.83% → 22.46%ポイント下回る
- 1年: 株式-0.32% vs 日経+43.51% → 43.84%ポイント下回る
直近1ヶ月では日経平均を上回るパフォーマンスを見せましたが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では、市場と比べて劣後していることがわかります。
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 株式+0.61% vs TOPIX-5.02% → 5.64%ポイント上回る
- 3ヶ月: 株式-12.56% vs TOPIX+7.02% → 19.58%ポイント下回る
TOPIXとの比較でも、中長期では市場平均を大きく下回っています。これは、グロース市場における個別株の特性や、市場全体の環境変化による影響を受けている可能性があります。
【注意事項】
⚠️ 高ボラティリティかつ低出来高:現在の出来高は13,400株と少なく、市場での売買時に価格変動リスクが高い状態です。信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であるため計算上の値です。実際には信用買残が111,400株あり、将来的な売り圧力となる可能性を秘めていることに注意が必要です。
【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン
- ベータ値(5年月次): 0.76
- ベータ値が1.0未満であるため、市場全体の動き(日経平均やTOPIX)に対して、相対的に株価変動が小さい「低ベータ」銘柄と判断されます。市場全体が大きく変動する局面では、比較的安定した値動きが期待できる一方で、市場全体が大きく上昇する局面では、その恩恵を受けにくい傾向があります。
- 年間ボラティリティ: 65.58%
- 年間ボラティリティが65.58%と非常に高い水準です。これは、株価が短期間で大きく変動する可能性が高いことを示しており、投資家にとってはリスクが高いと認識されます。
- 最大ドローダウン: -63.92%
- 過去に最大で63.92%の大幅な下落を経験しています。仮に100万円を投資した場合、年間で±65.58万円程度の変動が想定され、過去には最大で63.92万円の評価損が発生する可能性があったことを示唆します。この程度の価格変動は今後も起こりうるため、投資には慎重なリスク管理が求められます。
- シャープレシオ: 0.42
- シャープレシオはリスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。グリッドのシャープレシオは0.42と低く、リスクに見合うほどのリターンが得られていない可能性があります。
【事業リスク】
- 顧客集中および大型案件の進捗リスク:
電力や鉄道分野における大型案件が売上を大きく牽引しているため、これらの案件の進捗遅延や受注喪失は業績に大きな影響を与える可能性があります。また特定の顧客への依存度が高まることで、交渉力や収益の安定性に影響が生じる可能性も考慮すべきです。 - 新領域(系統用蓄電池等)の実行リスク:
「系統用蓄電池(蓄電所)の開発・運用ワンストップ提供」といった新規事業は大きな成長機会ですが、先行投資が必要であり、技術開発の遅延や市場環境の変化、競合他社の参入などにより、計画通りの収益貢献が得られない可能性があります。 - 人材確保の難易度:
AI技術者は需要が高く、確保が難しい人材です。同社の成長戦略達成には優秀なエンジニアや営業・管理部門の人材確保が不可欠であり、採用難易度の上昇や人件費の高騰は収益性を圧迫するリスクとなります。人員構成はエンジニア79名に対し、営業・管理が41名と、技術開発に重点を置いていることが伺えます。
7. 市場センチメント
ニュース動向分析から、グリッドの市場センチメントは「中立」と評価されています。直近の上期経常利益が大幅な増益を達成したことはポジティブな材料として好感されており、企業の成長性が注目されています。一方で、大株主である関電工による株式売り出しが報じられており、これにより市場に出回る株式数が増加し、需給悪化による株価下落圧力が懸念されるといったネガティブな側面も存在します。
信用取引状況としては、信用買残が111,400株あるものの、信用売残が0株であるため、計算上の信用倍率は0.00倍となります。信用売残がない状態は、株価の需給バランスが一方的になる可能性を示唆するため、注意が必要です。
主要株主構成(上位3社):
- (株)We: 54.85% (2,608,000株)
- 日本カストディ銀行(信託口): 12.38% (588,800株)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 5.17% (245,600株)
筆頭株主である(株)Weが54.85%と過半数を保有しており、安定株主が株式の大部分を占めている状態です。その他の機関投資家も上位に名を連ねており、長期的な視点での保有が多いと推察されます。浮動株比率が低くなるため、市場での流動性が低い可能性があります。
8. 株主還元
グリッドは、現在のところ配当を実施していません。配当利回り、1株配当ともに0.00%であり、配当性向も0.00%です。これは、成長フェーズにある企業が、得られた利益を事業拡大や研究開発への再投資に充てることで、将来の企業価値向上を目指す戦略と考えられます。そのため、配当によるインカムゲインを期待する投資家には向かない銘柄ですが、中長期的な株価上昇によるキャピタルゲインを狙う投資家にとっては、成長への積極投資はポジティブな要素となり得ます。自社株買いの状況についてもデータ上、見受けられません。
SWOT分析
強み
- 社会インフラに特化したAI最適化ソリューションという独自性の高い事業モデル。
- 極めて高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた盤石な財務健全性。
弱み
- 特定顧客や大型案件に依存する売上構造による業績の不確実性。
- 利益の質を示す営業CF/純利益比率が低い点。
機会
- DX推進やエネルギーインフラ高度化といった社会トレンドによるAIソリューション市場の拡大。
- 蓄電所事業など新規事業育成による収益源の多角化と成長ドライバー創出。
脅威
- AI領域における技術革新の加速と競合他社の参入。
- 低出来高における株価のボラティリティの高さと需給バランスの不安定さ。
この銘柄が向いている投資家
- 成長株を狙う積極的な投資家: AI市場の成長と、同社の技術力・事業戦略に将来性を感じる投資家。短期的な株価変動リスクを許容できる方。
- 中長期的な視点で企業の成長を見守る投資家: 現在は無配ですが、将来的な事業拡大と収益成長による株価上昇に期待できる投資家。
- 財務の安定性を重視する投資家: 非常に高い自己資本比率と流動比率により、企業の安定性を重視する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- バリュエーションの妥当性: 高成長を期待するにしても、現在のバリュエーションが将来の成長余地を十分に織り込んでいるか、慎重な検討が必要です。
- キャッシュフローの改善: 営業CF/純利益比率の改善やフリーキャッシュフローの黒字転換が、本業の稼ぐ力が強化されている証拠として重要です。
- 市場流動性と株価変動リスク: 低出来高のため、大きな金額を売買する際には注意が必要であり、株価の急激な変動に備える必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 主力案件の受注状況と進捗: 電力、都市・交通分野における大型案件の継続的な獲得と順調な進捗。
- 新規事業(エネルギーマネジメント)の収益貢献: 系統用蓄電池関連事業の立ち上がり状況と売上・利益への寄与度。特に下期(特に4Q)に収益寄与見込みとされているため、その状況。
- 営業キャッシュフローの改善: 投資が先行する成長フェーズにあるため、営業キャッシュフローの拡充とフリーキャッシュフローの黒字化に向けた動向。
- 従業員数(特にエンジニア)の推移: 成長戦略の実行において、人材確保は生命線となるため、計画通りの採用進捗、特に人材を確保できているかどうかが重要。
成長性:S(極めて優良)
- 評価基準: S(15%以上) / A(10-15%) / B(5-10%) / C(0-5%) / D(マイナス)
- 根拠: 直近12か月の売上高が24億8,852万9千円で、前年同期比の四半期売上高成長率が61.30%と非常に高く、通期予想売上高も前年比で大幅な増加が見込まれています(2025年6月期20億6,300万円→予2026年6月期31億0,000万円で約50%増)。主力事業の順調な進捗と新規事業の育成が寄与しており、高い成長軌道を維持していることから「S」と評価します。
収益性:A(良好)
- 評価基準: S(ROE15%以上かつ営業利益率15%以上) / A(ROE10-15%または営業利益率10-15%) / B(ROE8-10%または営業利益率5-10%) / C(ROE5-8%または営業利益率3-5%) / D(ROE5%未満かつ営業利益率3%未満)
- 根拠: ROE(過去12か月)は11.43%と10%を上回る水準であり、営業利益率(過去12か月)は22.86%と15%を大きく上回っています。ROEはS評価の基準にはわずかに届かないものの、営業利益率が非常に高く、本業で安定して高い利益を生み出す能力があることから「A」と評価します。
財務健全性:S(極めて優良)
- 評価基準: S(自己資本比率60%以上・流動比率200%以上・F-Score7点以上) / A(自己資本比率40-60%・流動比率150%以上・F-Score5-6点) / B(自己資本比率30-40%・F-Score3-4点) / C(自己資本比率20-30%・F-Score1-2点) / D(自己資本比率20%未満・F-Score0点)
- 根拠: 自己資本比率は89.2%、流動比率は8.99倍 (899%)とそれぞれ非常に高い水準を保っており、Piotroski F-Scoreも8/9点で「優良」と判定されています。これらの指標はすべてS評価の基準を大きく上回っており、極めて強固な財務基盤を有していることから「S」と評価します。
バリュエーション:B(適正水準)
- 評価基準: S(PER/PBR業界平均の70%以下) / A(80-90%) / B(90-110%) / C(110-130%) / D(130%以上)
- 根拠: PERは41.72倍で業界平均66.2倍の約63%、PBRは2.83倍で業界平均3.5倍の約80%です。PERは業界平均の70%を下回りますが、これは同社が属する特定セクターであるAIソリューションの平均PERが高めに推移している可能性や、グロース市場の特性によるものです。PBRは業界平均の80%の水準であり、これらの複合的な要因を考慮すると、高い成長期待はあるものの、全体として「適正水準」である「B」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 5582 |
| 企業名 | グリッド |
| URL | https://gridpredict.jp |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,458円 |
| EPS(1株利益) | 58.91円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 14.6% | 56.4倍 | 6,578円 | 21.8% |
| 標準 | 11.3% | 49.1倍 | 4,926円 | 14.9% |
| 悲観 | 6.8% | 41.7倍 | 3,406円 | 6.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,458円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,449円 | △ 0%割高 |
| 10% | 3,059円 | ○ 20%割安 |
| 5% | 3,860円 | ○ 36%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| データセクション | 3905 | 1,533 | 456 | 38.03 | 3.05 | 51.8 | 0.00 |
| ヘッドウォータース | 4011 | 2,397 | 92 | 63.58 | 6.92 | 17.3 | 0.00 |
| Ridge-i | 5572 | 2,113 | 91 | 53.62 | 2.71 | 7.7 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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