企業の一言説明
川上塗料は、塗料の製造・販売を展開する塗料業界中堅で、特に二輪車用分野で最大手の企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 強固な財務健全性と高い利益の質: Piotroski F-Scoreが「S: 優良」と評価されるなど、収益性と財務健全性が高く、営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回る質の高い利益体質を持っています。
- 回復基調の業績見通しと安定的な株主還元姿勢: 2025年11月期は一時的な減益となりましたが、2026年11月期は主力事業の回復により大幅な増収増益を見込んでおり、安定的な配当を継続する方針を示しています。
- バリュエーションの割安さと信用取引残高の高さ: PBRが0.55倍と業界平均を下回り割安感がある一方、信用倍率は530.00倍と非常に高く、将来の需給悪化による売り圧力には注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 利益減速 |
| 収益性 | C | やや低水準 |
| 財務健全性 | B | まずまず良好 |
| バリュエーション | S | 非常に割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,855.0円 | – |
| PER | 10.15倍 | 業界平均15.9倍より低い |
| PBR | 0.55倍 | 業界平均0.7倍より低い |
| 配当利回り | 2.43% | – |
| ROE | 2.20% | – |
1. 企業概要
川上塗料は、1901年創業の歴史ある塗料メーカーです。自動車、建築、機械など幅広い用途の塗料を製造・販売しており、特に二輪車用塗料においては国内で最大手の地位を確立しています。熱遮蔽塗料や超低温粉体塗料、水性塗料など、環境配慮型や高機能な特殊塗料の開発にも力を入れています。収益モデルは主にBtoBでの塗料供給であり、三井物産グループとの連携も特徴です。
2. 業界ポジション
国内塗料業界において中堅メーカーとしての地位を占めており、二輪車用塗料市場では高いシェアを誇ります。競合としては、日本ペイントホールディングスや関西ペイントといった大手企業が存在しますが、川上塗料はニッチな専門分野での強みと、三井物産系のネットワークを生かして差別化を図っています。現在の株価指標を業界平均と比較すると、PERは10.15倍と業界平均の15.9倍を下回り、PBRも0.55倍と業界平均の0.7倍を下回っており、割安感があります。
3. 経営戦略
川上塗料は、主力の塗料事業を基盤とし、持続的な成長を目指しています。2025年11月期は、原材料価格の高騰や需要鈍化の影響を受け、営業利益、経常利益、純利益ともに前年比で減益となりました。特に、前期に計上された投資有価証券売却益9,754万円の剥落も純利益を大きく押し下げています。しかし、2026年11月期については、売上高63億3,400万円(対前期比+6.8%)、営業利益2億700万円、当期純利益1億8,200万円と、大幅な増収増益の達成を予想しており、収益の回復を見込んでいます。今後注目されるイベントとしては、2026年11月27日に予定されている「Ex-Dividend Date」(配当権利落ち日)があります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性が良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラスで優良 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率1.58倍で健全、D/Eレシオ0.57倍で低く、株式希薄化なしで優良 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率とROEはベンチマーク未達だが、四半期売上成長率はプラス |
Piotroski F-Scoreは7/9点と「S:優良」と評価され、同社の財務品質は非常に良好です。特に収益性と財務健全性において満点評価を受けており、キャッシュフローや自己資本基盤の安定性が示されています。一方で、効率性スコアが1/3点と低いのは、営業利益率(過去12ヶ月3.86%)とROE(過去12ヶ月2.20%)が低水準であるためです。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): 3.86%。ベンチマークとされる10%を大きく下回り、低い水準です。2025年11月期は0.91%にまで低下しました。
- ROE(実績): 2.20%。株主資本を効率的に活用できているかを示す指標であり、一般的な目安とされる10%を大幅に下回っています。
- ROA(実績): 0.39%。資産全体でどれだけの利益を上げているかを示す指標で、一般的な目安とされる5%を大きく下回る低水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 38.4%。会社の安定性を示す指標で、一般的に30%を超えると健全とされます。高い水準ではありませんが、一定の健全性は保たれています。
- 流動比率(直近四半期): 1.58倍。短期的な支払い能力を示す指標で、2倍以上が理想とされますが、1.5倍以上であれば比較的安心できる水準です。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12ヶ月): 2億8,300万円。本業で安定してキャッシュを生み出せており、健全な状態です。
- フリーキャッシュフロー(過去12ヶ月): -4,450万円。企業が自由に使えるキャッシュのことで、設備投資などが営業キャッシュフローを上回ったためマイナスとなっています。ただし、キャッシュフローの推移では2025年11月期にプラス転換する傾向も見られます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 3.93倍。純利益に対して営業活動によるキャッシュフローが大幅に上回っており、利益の質は「S:優良」と評価できます。会計上の利益が適切に現金として裏付けられていることを示唆します。
【四半期進捗】
直近四半期(2025年11月期)は通期実績とほぼ同じため、個別の四半期進捗データはありません。ただし、会社は2026年11月期の大幅な業績回復を予想しています。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 10.15倍。「株価が利益の何年分か」を示す指標で、業界平均の15.9倍と比較すると割安感があります。
- PBR(実績): 0.55倍。「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、業界平均の0.7倍を下回っており、純資産価値から見ても割安と言えます。PBR1倍割れである点は、企業価値向上の余地があることを示唆しています。
- 目標株価: 業界平均PER基準では1,156円、業界平均PBR基準では2,344円と乖離が大きく、どちらの指標を重視するかで評価が分かれます。PBR基準では現在の株価1,855円より高い水準を示唆しています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値:-31.58 / シグナル値:-19.14 | MACDはシグナルラインを下回っており、下落圧力が継続している可能性を示唆するも、提供データでは中立と判定。 |
| RSI | 中立 | 36.2% | 70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎと判断される中で、中立圏に位置。 |
【テクニカル】
現在の株価1,855.0円は、52週高値2,600円に対して35.8%(安値に近い水準)の位置にあります。移動平均線との関係では、5日移動平均線(1,852.20円)をわずかに上回っていますが、25日(1,946.80円)、75日(1,979.96円)、200日(1,949.89円)の各移動平均線を下回っており、短期的にはやや強含みがあるものの、中期・長期的な上昇トレンドは形成されていません。
【市場比較】
過去1ヶ月では日経平均やTOPIXを上回るパフォーマンスを見せましたが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期スパンでは、市場平均(日経平均、TOPIX)に対して劣後する結果となっています。これは、同社の株価が市場全体の勢いに乗り切れず、独自の要因で動いている可能性を示唆しています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が530.00倍と高水準で、将来の売り圧力に注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値: -0.29。市場全体(日経平均など)の動きに対し、逆相関に近い動きを示す傾向があることを意味します。市場全体が大きく変動する局面でも、同社の株価は異なる動きをするディフェンシブな性質を持つ可能性があります。
- 年間ボラティリティ: 29.33%。この数値は株価の変動の大きさを表します。仮に100万円投資した場合、年間で±29.33万円程度の変動が想定されることを意味します。
- シャープレシオ: 0.02。リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされる中で、この数値はリスクに対するリターンが非常に低いことを示唆しています。
- 最大ドローダウン: -44.05%。過去のデータにおいて、最も悪い時期に投資した場合、資産が最大で44.05%下落したことを意味します。今後も同程度の損失が発生する可能性を考慮する必要があります。
【事業リスク】
- 原材料・エネルギー価格の高騰: 塗料の製造には石油化学製品などが不可欠であり、これらの価格変動が収益を圧迫する可能性があります。価格転嫁が難しい場合、利益率への影響は避けられません。
- 国内需要の低迷と競争激化: 国内市場は少子高齢化や成熟化により、長期的に需要が伸び悩む可能性があります。また、塗料業界内の競争激化も収益性の圧迫要因となります。
- 為替変動および地政学リスク: 海外からの原材料調達や輸出が限定的とはいえ、為替変動は輸入コストに影響を与えます。また、国際情勢の不安定化は、原材料供給やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が53,000株に対し、信用売残は100株と極めて少なく、信用倍率は530.00倍と非常に高い水準にあります。これは、将来的に信用期日到来に伴う売り圧力が強まる可能性を示唆しており、需給面での注意が必要です。主要株主構成では、(株)サイブリッジ、自社共栄会、三井物産ケミカルなどが上位株主として名を連ね、インサイダー(内部関係者)による持ち株比率が53.85%と高い水準にあることから、経営陣や関連企業による安定株主が多い構造が伺えます。
8. 株主還元
川上塗料の配当利回りは、会社予想ベースで2.43%(年間配当45円)となっており、これは市場平均と比較してもまずまずの水準です。
配当性向は、2025年11月期の実績で60.6%でした(年間配当44円に対し、EPS72.65円)。これは、利益の大部分を配当に回す株主還元に対する積極的な姿勢を示しています。なお、2026年11月期の会社予想EPS182.83円、予想配当45円で計算すると、配当性向は約24.6%となります。これは、業績の大幅な回復を見込む上で、配当を維持する方針が反映されていると考えられます。自社株買いについては、データがありませんでした。
SWOT分析
強み
- 二輪車用塗料市場における国内トップシェアというニッチな優位性。
- Piotroski F-Score「S」評価に裏付けられた強固な財務健全性と高い利益の質。
弱み
- ROE、ROA、営業利益率が低く、収益性効率の改善が課題。
- 売上高の多くが国内に依存しており、海外市場への展開が限定的。
機会
- 環境規制強化に伴う環境配慮型塗料(水性、熱遮蔽など)の市場拡大。
- 提携先である三井物産グループとの連携による新たな事業機会の創出や海外展開の可能性。
脅威
- 原材料価格の高騰やエネルギーコスト上昇による原価圧力。
- 国内塗料市場の縮小傾向と、既存および新規参入企業による競争激化。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤とニッチ市場での強みに着目する中長期投資家:高F-Score、低PBRといった財務的堅実性と、特定の市場での競争優位性を評価する投資家。
- 市場変動リスクを抑制したいディフェンシブ投資家:ベータ値がマイナスであり、市場全体の値動きとは異なる独立した動きを期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 信用倍率の高さ: 信用買残が積み上がっており、将来的に需給が悪化し、株価下落の圧力となる可能性があります。
- PBR1倍割れの長期化: 継続的なPBR1倍割れは、市場からの評価が低いことを示唆しており、企業価値向上の取り組みに注目が必要です。
- 2026年予想の達成可能性: 2025年11月期の大幅減益から大幅な回復を見込んでいるため、この業績予想が確実に達成されるか、四半期ごとの進捗を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 2026年11月期の営業利益、当期純利益の進捗: 会社予想の達成度合いを確認し、業績回復が本物であるかを見極める。
- 原材料価格の動向と価格転嫁の進捗: コストコントロールと適切な価格設定が可能か。
- ROEおよび営業利益率の改善状況: 資本効率と収益性の向上が実現できるか。
10. 企業スコア
- 成長性: D
- 根拠: 2025年11月期の売上高は前年比+0.3%とほぼ横ばいで推移しましたが、営業利益は-41.6%、当期純利益は-57.6%と大幅な減益となりました。Quarterly Revenue Growth (前年比)は+5.0%を示していますが、利益の落ち込みは大きく、単年で見るとマイナス成長に近いため、成長性には懸念があります。ただし2026年11月期は大幅な利益回復予想が発表されています。
- 収益性: C
- 根拠: ROEは2.20%、ROAは0.39%といずれも一般的な目安(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に下回っています。営業利益率も過去12ヶ月で3.86%、2025年11月期実績では0.91%と低水準で推移しており、収益性に課題を残しています。Piotroski F-Scoreの収益性スコアは満点ですが、これは絶対値ではなく、プラスであることや前期比の改善を評価するためであり、現在の利益率は依然として低いと判断されます。
- 財務健全性: B
- 根拠: 自己資本比率は38.4%と30%を上回るまずまずの水準ですが、S評価基準の60%以上には達していません。流動比率1.58倍もA評価基準の200%以上には届かないものの、一般的な目安である1.5倍をクリアしており、短期的安全性は確保されています。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアは3/3点と非常に高い評価ですが、具体的な指標値に基づき「B」と判定します。
- バリュエーション: S
- 根拠: PERは10.15倍で業界平均15.9倍の約64%、PBRは0.55倍で業界平均0.7倍の約79%と、業界平均を大きく下回っており、株価は非常に割安な水準にあると評価できます。特にPBRが1倍を大きく下回っている点は、解散価値より低い評価を受けていることを意味し、強い割安感があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4616 |
| 企業名 | 川上塗料 |
| URL | http://www.kawakami-paint.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,855円 |
| EPS(1株利益) | 182.83円 |
| 年間配当 | 2.43円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 11.7倍 | 2,134円 | 3.0% |
| 標準 | 0.0% | 10.2倍 | 1,856円 | 0.1% |
| 悲観 | 1.0% | 8.6倍 | 1,658円 | -2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,855円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 929円 | △ 100%割高 |
| 10% | 1,160円 | △ 60%割高 |
| 5% | 1,464円 | △ 27%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| イサム塗料 | 4624 | 3,890 | 77 | 12.15 | 0.41 | 3.7 | 1.28 |
| アトミクス | 4625 | 841 | 60 | 7.52 | 0.42 | 7.8 | 2.37 |
| 神東塗料 | 4615 | 126 | 42 | 28.63 | 0.31 | 1.1 | 0.00 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。