企業の一言説明
TMHは半導体製造装置部品の販売・修理、および半導体製造装置の買取・売却支援を展開する半導体関連の専門商社です。独自の越境ECプラットフォーム「LAYLA」を運営し、グローバルに事業を拡大中のグロース市場上場企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 半導体市場の成長を背景とした独自の事業モデル: 半導体製造装置部品の販売・修理サービスに加え、ECプラットフォーム「LAYLA」を通じた効率的な流通、そしてエンジニアリング力を強みとし、半導体市場の拡大を追い風に成長を目指しています。中国子会社の設立や韓国への展開など、積極的な海外戦略も注目されます。
- 高い株主資本利益率(ROE)と健全な財務体質: ROEは22.57%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力に優れています。自己資本比率51.4%、流動比率207%と財務健全性も良好で、安定した事業基盤を築いています。
- 短期的な業績変動とバリュエーションの割高感、無配: 2026年11月期は売上高、純利益ともに減収・横ばいの予想となっており、短期的な業績変動リスクがあります。また、PBRは業界平均と比較して割高水準にあり、無配である点も考慮すべきでしょう。営業キャッシュフローが大幅なマイナスとなっている点も、利益の質として懸念されます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 想定成長 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | C | やや割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,445.0円 | – |
| PER | 21.38倍 | 業界平均21.2倍 |
| PBR | 3.75倍 | 業界平均2.8倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | 22.57% | – |
1. 企業概要
TMH Inc.は、半導体製造装置の部品販売、修理、および使用済み装置の買取・売却支援をグローバルに展開する企業です。ECサイト「LAYLA」を通じて国内外の顧客にサービスを提供し、効率的な取引とエンジニアリング技術を強みとしています。半導体サプライチェーンにおけるニッチながらも重要な役割を担い、部品調達やメンテナンスの課題解決に貢献しています。
2. 業界ポジション
TMHは、半導体産業の川下を支える専門商社として、ニッチながらも重要な市場に位置しています。主力事業である半導体製造装置部品の販売・修理において、ECプラットフォーム「LAYLA」を介した迅速な調達・供給体制と、高いエンジニアリング力で競合との差別化を図っています。卸売業に分類されますが、専門性とグローバル展開により、特定の分野で存在感を示しています。バリュエーション面では、PERが業界平均21.2倍とほぼ同水準の21.38倍である一方で、PBRは業界平均の2.8倍に対し、当社は3.75倍とやや割高な水準にあります。
3. 経営戦略
TMHは「半導体市場の成長を追い風に、エンジニアリング力とプラットフォーム(LAYLA等)を両輪に『半導体製造インテグレーター』へ進化」をビジョンとし、「Vision1000(売上高1,000億円)」の達成を中期的な目標に掲げています。主要な成長戦略は以下の4点です。
- 越境ECプラットフォーム「LAYLA」による部品・修理事業の拡大:グローバルネットワークとエンジニアリングを組み合わせ、効率的な部品供給と修理サービスを強化します。
- 装置販売・エンジニアリングによる既存収益基盤の強化:主力事業である装置販売と高度なエンジニアリングサービスをさらに発展させ、基盤を固めます。
- 装置代理店ビジネスの開始とM&Aによるポートフォリオ拡大:新たなビジネスモデルの導入と、非連続の成長を実現するためのM&Aを積極的に検討し、事業領域を拡大します。
- 韓国子会社設立等による海外展開の加速:中国に子会社を設立したのに続き、韓国にも拠点を設けることで、アジアを中心に海外市場でのシェア獲得と事業拡大を図ります。
直近では5,000万円を上限とする自社株買いを発表しており、株主還元への姿勢も示しています。一方で、2026年11月期の通期予想では前期比で売上高が約29%減の6,112百万円、純利益は250百万円と前期とほぼ横ばいの水準を見込んでおり、短期的な業績は変動する可能性があります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Fスコアは企業財務の健全性を9つの指標で評価するもので、9点満点中、高得点であるほど財務状況が良好とされます。TMHの総合スコアは6/9点であり、「A: 良好」と評価されます。全体的に健全な財務基盤を有しているものの、一部に改善の余地が見られます。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益やROAはプラスだが、営業キャッシュフローがマイナス |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、負債比率、株式希薄化の点で優良 |
| 効率性 | 1/3 | ROEは高い水準だが、営業利益率と売上成長率に課題 |
収益性に関する詳細:
- ✅ 純利益 > 0: 過去12ヶ月の純利益は2億2,599万5千円とプラスであり、企業が最終的に利益を上げられていることを示しています。
- ❌ 営業キャッシュフロー > 0: 過去12ヶ月の営業キャッシュフローは-23億7千万円と大きくマイナスとなっており、本業でのキャッシュ創出力には懸念があります。これは主に棚卸資産の増加(4億2,804万3千円)が影響していると推測されますが、詳細な要因分析が必要です。
- ✅ ROA(6.76%) > 0: 総資産利益率(ROA)は6.76%とプラスであり、資産を効率的に活用して利益を生み出していることを示唆しています。
財務健全性に関する詳細:
- ✅ 流動比率(2.07) >= 1.5: 流動比率は207%と150%を大きく上回っており、短期的な債務返済能力は非常に高い水準にあります。
- ✅ D/Eレシオ(0.26) < 1.0: 総負債対自己資本比率(D/Eレシオ)は26.17%と1.0(100%)を下回っており、借入への依存度が低く、財務基盤が安定していることを示しています。
- ✅ 株式希薄化なし: 発行済株式数に大きな変動はなく、既存株主の持ち株比率が保たれています。
効率性に関する詳細:
- ❌ 営業利益率(8.64%) > 10%: 過去12ヶ月の営業利益率は8.64%で、ベンチマークである10%にはわずかに届いていません。(決算短信の実績値は4.1%であり、利益率改善の余地があります。)
- ✅ ROE(22.57%) > 10%: 自己資本利益率(ROE)は22.57%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して収益を上げていることを示しています。
- ❌ 四半期売上成長率(-20.3%) > 0%: 直近四半期の売上高成長率は前年同期比で-20.30%とマイナスであり、短期的な売上成長の勢いに陰りが見られます。
【収益性】
TMHの収益性は、高いROEに支えられています。
- 営業利益率: 2025年11月期の実績は4.1%です。これは卸売業としては一般的な水準ですが、高収益企業と比較すると改善の余地があると言えます。決算説明資料では2026年11月期の営業利益率を6.0%と見込んでおり、今後の改善に期待が持てます。
- ROE(自己資本利益率): 過去12ヶ月の実績は22.57%と、一般的な目安とされる10%を大きく上回る非常に高い水準です。これは、株主から預かった資本を効率的に活用して利益を生み出す能力に極めて優れていることを示しています。
- ROA(総資産利益率): 過去12ヶ月の実績は6.76%と、一般的な目安とされる5%を上回っており、会社全体の資産を効率的に利用していることがうかがえます。
【財務健全性】
TMHは安定した財務基盤を有しています。
- 自己資本比率: 2025年11月期の実績で51.4%と、40%以上が望ましいとされる中で良好な水準です。これは負債が少なく、自己資金で事業を行う能力が高いことを示しており、外部環境の変化に対する耐性があると言えます。
- 流動比率: 直近四半期で207%と、200%以上が理想とされる中で非常に良好な水準です。これは短期的な負債を返済するための流動資産を十分に保有していることを意味し、資金繰りの安定性を示唆しています。
【キャッシュフロー】
キャッシュフローの状況には注意が必要です。
- 営業活動によるキャッシュフロー(営業CF): 過去12ヶ月で-23億7千万円と大幅なマイナスとなっています。通常、本業で稼ぐキャッシュフローはプラスであることが望まれますが、これは連結初年度における棚卸資産の大幅な増加(4億2,804万3千円)など、運転資本の変動が大きく影響していると見られます。会社の急速な成長や在庫戦略による一時的なものか、継続的な傾向かを見極める必要があります。
- フリーキャッシュフロー(FCF): 過去12ヶ月で-24億2千万円と、営業CFのマイナスに伴い、フリーキャッシュフローも大幅なマイナスです。事業の拡大期には投資を先行させるためにマイナスとなることもありますが、収益性の高い事業であるため、早期の黒字転換が望まれます。
【利益の質】
利益の質には懸念が必要です。
- 営業CF/純利益比率: 過去12ヶ月で-9.52という数値は、営業キャッシュフローが純利益を大きく下回る、つまり最終利益がキャッシュを伴っていない状況を示しており、利益の質としては「D: 要注意」と評価されます。PL上の利益がそのままキャッシュとして手元に残っていないため、資金繰りには常に注意を払う必要があります。棚卸資産や売上債権の増加が主な要因である可能性があります。
【四半期進捗】
直近3四半期の売上高・営業利益の推移に関する具体的なデータは提供されていません。通期予想は2026年11月期のものであり、2025年11月期の決算短信によると売上高は8,628百万円に対し、2026年11月期予想は6,112百万円と約29%の減少、営業利益は355百万円に対し367百万円と微増の予想となっています。これは、成長戦略の実行を通じて利益率の改善を図りつつも、総売上高は一時的に調整局面を迎える可能性を示唆しています。
【バリュエーション】
現在の株価は、業界平均と比較してPBRが割高な水準にあります。
- PER(株価収益率): 会社予想ベースで21.38倍です。これは、株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、業界平均の21.2倍とほぼ同水準であり、利益面から見ると適正なバリュエーションと言えます。
- PBR(株価純資産倍率): 実績ベースで3.75倍です。これは、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、業界平均の2.8倍と比較すると約約34%割高の水準にあり、資産価値から見るとプレミアムが乗っている状態です。グロース市場上場企業として将来の成長期待が織り込まれている可能性が高いですが、割安感は乏しいと言えます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 23.55 / シグナル値: 33.22 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 49.4% | 売られすぎでも買われすぎでもない中立状態 |
| 5日線乖離率 | – | -2.01% | 直近のモメンタムはやや弱い |
| 25日線乖離率 | – | -1.60% | 短期トレンドからの乖離は小さい |
| 75日線乖離率 | – | +14.10% | 中期トレンドからの乖離は大きい(上方に乖離) |
| 200日線乖離率 | – | +11.92% | 長期トレンドからの乖離は大きい(上方に乖離) |
MACDはシグナルラインを下回っており、ヒストグラムもマイナス圏にありますが、絶対値は小さく中立的な状況を示しています。RSIも49.4%と中立圏にあり、売られすぎや買われすぎといった過熱感は現状見られません。移動平均線乖離率を見ると、株価は5日線と25日線をわずかに下回っており、短期的な調整局面にあります。しかし、75日線と200日線からは10%以上上方乖離しており、中長期的な上昇トレンドは維持されていることを示します。
【テクニカル】
現在の株価1,445.0円は、52週高値1,827円と安値871円の中間よりやや高値圏(52週レンジ内位置で63.8%)に位置しています。株価は直近で5日移動平均線(1,493.00円)と25日移動平均線(1,467.20円)を下回る水準にあり、短期的な上昇モメンタムの弱まりまたは小幅な調整局面を示唆しています。一方で、75日移動平均線(1,260.01円)と200日移動平均線(1,290.68円)を上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されていると判断できます。
【市場比較】
TMHの株価パフォーマンスを市場指数と比較すると、以下の傾向が見られます。
- 1ヶ月リターン: 株式は+0.28%、日経平均は-6.75%、TOPIXは-6.99%と、足元では市場全体が下落する中でTMHは約7%ポイント上回るパフォーマンスです。
- 3ヶ月リターン: 株式は+62.36%と、日経平均(+6.11%)およびTOPIX(+6.67%)を大幅にアウトパフォームしており、短期から中期にかけて強い上昇を見せました。
- 6ヶ月リターン: 株式は+13.78%ですが、日経平均の+26.23%には及ばず、約12%ポイント下回るパフォーマンスです。
- 1年リターン: 株式は+9.89%と、日経平均の+43.98%を大きく下回っおり、約34%ポイントのアンダーパフォームです。
これらのデータから、TMHの株価はIPO後に短期的に大きく上昇したものの、中長期では市場全体の勢いには乗り切れていない局面もあることがう分かります。しかし、直近1ヶ月と3ヶ月では市場を上回るパフォーマンスを見せており、再び注目が集まっている可能性もあります。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されているものの、信用買残が150,000株存在するため、将来的な潜在的な売り圧力には注意が必要です。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 66.59%と非常に高い水準です。これは、投資した資金が年間で大きく変動する可能性が高いことを示しています。仮に100万円投資した場合、年間で±約67万円程度の変動が想定され、投資家には高いリスク許容度が求められます。
- 最大ドローダウン: -43.51%です。過去の株価において、最高値から最低値まで約43.51%下落した期間があったことを示します。これは、今後も同様の大きな下落が発生する可能性があることを意味しており、投資家のリスク管理が重要です。
- シャープレシオ: 0.72です。リスク(ボラティリティ)1単位あたりでどれだけ超過リターンが得られたかを示す指標で、1.0以上が良好とされる中で、平均を下回る水準です。これは、TMHのリターンがリスクに見合っていない可能性があることを示唆しています。
【事業リスク】
- マクロ経済および半導体投資サイクルの変動: 半導体製造装置部品の販売・修理という事業の性質上、世界の半導体需要や設備投資サイクルに大きく業績が左右されます。景気後退や半導体市場の低迷期には、装置の需要が減少し、業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
- 一部大口顧客への依存: 2025年11月期の決算短信によると、主要顧客であるNew Eastech (Shanghai) Co., Ltd.への売上高が53億8,536万6千円と、総売上高86億2,837万2千円の約62%を占めています。特定の顧客への依存度が高いことは、その顧客の業績変動や取引関係の変化がTMHの業績に与える影響が大きくなるというリスクを伴います。
- 為替変動リスク: 国際的な取引が多く、特に海外からの部品輸入や海外顧客への売上が高いため、為替レートの変動が収益性に大きな影響を及ぼします。円安は輸入コストの増加を通じて収益を圧迫し、円高は海外売上の円換算額を減少させる可能性があります。
- 地政学的リスクと輸出規制: 中国をはじめとする海外市場での事業展開が積極的であるため、貿易摩擦や輸出規制、政治的な緊張などが事業運営に影響を与える可能性があります。特に半導体関連技術は戦略物資と見なされることもあり、地政学的リスクは無視できない要因です。
7. 市場センチメント
TMHの市場センチメントは、直近のニュース動向からはポジティブな傾向が見られます。自社株買いの発表は、株主還元への意欲と株価の下支え効果への期待から好意的に受け止められました。また、中国子会社設立は、経営陣の積極的な海外展開と成長戦略を示しており、将来的な業績拡大への期待を高める要因となっています。
信用取引状況を見ると、信用買残が150,000株ある一方で、信用売残が0株と発表されているため、計算上の信用倍率は0.00倍です。これは実質的な需給を示すものではないものの、信用買いの残高が積み上がっていることから、今後の動向によっては将来的な売り圧力が発生する可能性もあります。主要株主構成を見ると、ET Family Asset(株)が54.08%を保有しており、創業家による支配力が強い構造です。SBI・AI&Blockchain投資事業有限責任組合も6.76%を保有しており、機関投資家からの支援も得ています。
8. 株主還元
TMHは現在のところ、配当を行っていません。提示されたデータでは、配当利回り、1株配当、配当性向のいずれも0.00%となっています。これは、成長ステージにあるグロース市場の企業として、得られた利益を事業拡大への投資に優先的に充当しているためと考えられます。しかし、直近で4万株・5,000万円を上限とする自社株買いの実施を発表しており、株主への還元意識が芽生えつつあることを示しています。将来的に事業基盤が確立し、安定的な利益成長が見込めるようになれば、配当政策を見直す可能性もありますが、当面は成長投資が優先される方針と推測されます。
SWOT分析
強み
- 成長する半導体市場を事業基盤とし、独自のECプラットフォーム「LAYLA」とエンジニアリング力を持つ。
- 高いROE(22.57%)に示される資本効率の良さと、高水準の自己資本比率(51.4%)など財務健全性が良好。
弱み
- PBR(3.75倍)が業界平均と比較して割高であり、バリュエーションに割安感が乏しい。
- 無配であり、営業キャッシュフローが大幅なマイナス(-23.7億円)となっているため、利益の質に懸念がある。
機会
- 積極的な海外展開(中国・韓国子会社設立やM&A戦略)による市場シェア拡大と事業ポートフォリオ多様化。
- 半導体技術の進化とIoT、AI等の普及による半導体製造装置部品の需要増加。
脅威
- 半導体投資サイクルの変動やマクロ経済の悪化が、装置需要および部品需要に与える影響。
- 特定の主要顧客への高い売上依存度(約62%)と、地政学的リスクや為替変動リスク。
この銘柄が向いている投資家
- 半導体関連市場のグローバルな成長機会に投資したいと考える投資家。
- 高い株主資本利益率(ROE)と堅実な財務体質を評価し、長期的な成長を期待する投資家。
- 高い株価変動リスク(ボラティリティ66.59%)を許容できる、積極的なグロース株投資家。
- 短期的な利益還元よりも、事業拡大と企業価値向上を重視する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 短期的な業績変動と来期予想の減収: 2026年11月期の売上高は前期比で大きく減少する予想であり、四半期ベースでも売上成長率がマイナスとなっています。これは短期的な成長に陰りが見える可能性があり、事業の成長ペースを慎重に評価する必要があります。
- バリュエーションの割高感と無配: PBRが業界平均と比較して割高であること、そして現状無配であることを考慮すると、足元での投資妙味は限定的かもしれません。成長戦略が着実に利益に繋がり、株主還元へと繋がるかを見極めることが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 四半期ごとの売上高成長率と営業利益率: 特に2026年11月期予想の減収傾向を覆せるか、利益率改善が進むかを注視し、経営戦略の進捗度を測ります。
- 営業キャッシュフローの黒字転換とフリーキャッシュフローの改善: 現在大幅なマイナスとなっているキャッシュフローが改善し、本業で安定してキャッシュを生み出せる体質になるかを確認することは、企業の財務安定性と利益の質の向上を示す重要なシグナルとなります。
- 海外事業の拡大状況とM&A戦略の具体化: 中国や韓国での事業展開がどれだけ加速し、具体的な成果(売上・利益)に結びつくか、またM&A戦略がどのように事業ポートフォリオを強化していくかをモニタリングします。
成長性:B (想定成長)
TMHは過去数年で売上高を大きく伸ばしてきましたが、2025年11月期実績の売上高+43.4%に対し、2026年11月期の会社予想では売上高が約29%減となる見込みであり、直近の四半期売上成長率も-20.30%とマイナスです。利益面では前期実績の純利益2億4,924万4千円に対し、今期予想は2億5,000万円と横ばいです。グロース市場上場企業として積極的な成長戦略(Vision1000)を掲げていますが、短期的な業績変動や減収予想があるため、「B」評価とします。
収益性:A (良好)
株主資本利益率(ROE)は過去12ヶ月の実績で22.57%と、一般的な目安とされる10%を大きく上回る非常に高い水準にあり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力に秀でています。総資産利益率(ROA)も6.76%と5%の目安を超えており資産活用も良好です。一方で、営業利益率は4.1%と、収益性基準の「S」評価である15%以上には届かないため、「A」評価とします。
財務健全性:A (良好)
自己資本比率は51.4%と40%以上の目安を満たし、流動比率も207%と200%以上の目安をクリアしており、短期・中長期の財務状況は非常に良好です。F-Scoreも6/9点と「良好」な評価を得ています。借入への依存度も低いことから、安定した経営基盤を確立していると評価し、「A」評価とします。
バリュエーション:C (やや割高)
株価純資産倍率(PBR)は3.75倍であり、業界平均の2.8倍と比較すると約34%割高です。一方で、株価収益率(PER)は21.38倍で、業界平均の21.2倍とほぼ同じ水準です。成長企業に対する期待がPBRに織り込まれていると考えられますが、相対的な割高感があるため、「C」評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 280A |
| 企業名 | TMH |
| URL | https://www.tmh-inc.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,445円 |
| EPS(1株利益) | 67.60円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 21.1% | 23.5倍 | 4,143円 | 23.4% |
| 標準 | 16.3% | 20.4倍 | 2,933円 | 15.2% |
| 悲観 | 9.8% | 17.4倍 | 1,869円 | 5.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,445円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,458円 | ○ 1%割安 |
| 10% | 1,821円 | ○ 21%割安 |
| 5% | 2,298円 | ○ 37%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 萩原電気ホールディングス | 7467 | 3,695 | 373 | 10.38 | 0.72 | 7.0 | 5.00 |
| 新光商事 | 8141 | 1,103 | 342 | 34.25 | 0.60 | 1.9 | 1.13 |
| Cominix | 3173 | 989 | 67 | 12.34 | 0.84 | 7.0 | 3.53 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。