企業の一言説明

エンは、転職・アルバイト情報サイト運営や人材紹介・派遣、教育評価サービスなどを展開するネット人材サービス大手の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 事業ポートフォリオ見直しによる構造改革推進: 主力事業である「エン転職」の再強化と、採用支援ツール「engage」事業のカカクコムへの譲渡を通じて、事業の選択と集中を図り、収益性の改善と新たな成長領域への投資を進めています。この構造改革が成功すれば、中長期的な企業価値向上に繋がる可能性があります。
  • 高い財務健全性: 自己資本比率65.0%(連結)と流動比率1.98倍を維持しており、Piotroski F-Scoreも5/9点(A:良好)と評価されるなど、非常に強固な財務基盤を持っています。これにより、不況期にも耐えうる体力と、戦略的な投資余力を有していると言えます。
  • 直近の業績減速と株価の軟調: 足元では、過去12か月期および2026年3月期第3四半期累計において、売上高・利益ともに減速傾向にあり、通期予想も減益の見込みです。これに伴い、複数の金融機関からレーティング引き下げや目標株価の下方修正が相次ぐなど、市場からの評価は厳しい状況です。株価は年初来安値圏で推移しており、構造改革の成果が見えるまでは株価の下押し圧力が続く可能性があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 B 普通
財務健全性 S 優良
バリュエーション C やや割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,180.0円
PER 22.73倍 業界平均17.0倍(約1.34倍)
PBR 1.43倍 業界平均1.8倍(約0.79倍)
配当利回り 2.03%
ROE 10.84%

1. 企業概要

エンは、2000年設立の東京都新宿区に本社を置く、ネット求人サービスの最大手の一角を占める企業です。転職情報サイト「エン転職」、女性向け転職支援「エン転職WOMAN」、若手・ミドル層向けサイトのほか、人材紹介・派遣サービス、従業員教育サービス「en COLLEGE」、適性テスト「3E TEST」など、多岐にわたる人材ソリューションを展開しています。収益源は主に求人広告掲載料と人材紹介手数料であり、長年培ったブランド力と多様なサービス展開が技術的独自性および参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

エンは国内の人材サービス業界において、特に転職支援領域で強みを発揮するリーディングカンパニーの一つです。「エン転職」は高い知名度とブランド力を持ち、幅広い年代・職種に対応するサービスラインナップで市場シェアを獲得しています。日本標準産業分類では「サービス業」に分類されます。業界平均との財務指標比較では、エンのPER(会社予想)は22.73倍で業界平均の17.0倍を上回っており、市場からの成長期待がある一方で、やや割高感も否めません。しかし、PBR(実績)は1.43倍で業界平均の1.8倍を下回っており、純資産価値から見れば比較的割安な水準にあります。

3. 経営戦略

エンは現在、経営課題として「構造改革」を掲げ、事業ポートフォリオの見直しとコスト削減を強力に推進しています。その中核をなすのは、主力サービスである「エン転職」の再強化に集中投資することです。50以上の改善プロジェクトが進行中であり、広告費や人件費等のコスト削減と並行して、教育・評価データ等を活用したM&Aや新規事業(backcheck株式会社買収など)による成長投資も選択的に継続しています。
特に重要な戦略的転換点として、採用支援ツール「engage」事業の吸収分割が挙げられます。この事業は2026年4月1日付で株式会社エンゲージへ承継された後、同社株式の一部(予定85.1%)を株式会社カカクコムへ譲渡することが決定されています。この譲渡により得られる資金は、中核事業への再投資や株主還元に充てる方針です。
今後ウォッチすべきイベントとしては、2026年3月30日の配当権利落ち日や、2026年5月13日の次期決算発表日などが挙げられます。これらのイベントを通じて、構造改革の進捗と業績への影響がさらに明確になると考えられます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益は確保され、ROAも健全ですが、営業キャッシュフローのデータが不足しています。
財務健全性 2/3 流動比率は高く、株式希薄化も抑制されていますが、D/Eレシオのデータが不足しています。
効率性 1/3 ROEは良好ですが、営業利益率が低く、四半期売上成長率がマイナスである点が課題です。

重要: Piotroski F-Scoreは、収益性、財務健全性、効率性の3つの観点から企業の財務状況を評価する指標です。9点満点で、高得点ほど財務優良と判断されます。
エンの総合スコア5/9点A(良好)と評価され、全体的に健全な財務状況を示しています。詳細を見ると、収益性においては「純利益がプラス(41億8,600万円)、ROAもプラス(6.29%)」であるため2点を獲得しています。財務健全性では「流動比率が1.98倍で基準をクリア、かつ株式の希薄化なし」で2点を獲得しています。一方、効率性においては「ROEが10.84%で基準をクリアしているものの、営業利益率が4.66%と低く、四半期売上成長率が-11.30%とマイナス」であるため1点にとどまります。特に成長性と利益効率の面で改善の余地があることを示唆しています。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 4.66%
    • エンの営業利益率は、過去5年間で2022年3月期の17.66%から、2025年3月期には8.97%に低下し、直近の過去12か月ではさらに4.66%まで落ち込んでいます。これは、ITエンジニア派遣における売上計上基準の変更や、市場環境の変化、あるいは広告宣伝費など費用の増加が影響している可能性があります。収益性の低下は喫緊の課題と言えるでしょう。
  • ROE(Return On Equity:株主のお金でどれだけ稼いだか)
    • ROE(過去12か月): 10.84%
    • ROEは株主資本を効率的に利用して利益を上げているかを示す指標で、一般的に10%以上が優良な目安とされます。エンの過去12か月のROEは10.84%と、この目安を上回っており、株主資本の利用効率は良好です。ただし、2025年3月期実績の22.19%からは大幅に低下しており、収益性悪化の影響が見られます。
  • ROA(Return On Assets:総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げているか)
    • ROA(過去12か月): 6.29%
    • ROAは総資産に対する利益の割合を示し、一般的な目安の5%を上回っていれば良好とされます。エンのROA6.29%は良好な水準にあり、企業全体の資産を効率的に活用して利益を生み出していると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 65.0%
    • 自己資本比率は、企業の財務安全性を測る上で最も重要な指標の一つであり、一般的に40%以上で健全とされます。エンの65.0%は極めて高い水準であり、有利子負債への依存度が低く、財務体質が非常に強固であることを示しています。これにより、景気変動や予期せぬ事態に対しても高い耐性を有していると言えます。
  • 流動比率(直近四半期): 1.98倍
    • 流動比率は、短期的な支払い能力を示す指標であり、200%(2倍)以上が望ましいとされます。エンの流動比率1.98倍(198%)は、概ね目安の水準を満たしており、短期的な債務返済能力に問題がないことを示しています。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(2025年3月期): 80億6,200万円
  • フリーCF(2025年3月期): 72億1,900万円
    • エンの営業キャッシュフローは、2023年3月期の44億4,700万円から2024年3月期の64億3,000万円、そして2025年3月期には80億6,200万円と、過去数年にわたり堅調に増加しており、本業で安定して現金を稼ぎ出せていることを示しています。フリーキャッシュフローも同様にプラスで推移しており、本業で稼いだ資金が企業の成長投資や負債返済に充てられる十分な余裕があることを示しています。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 営業CF 58億8,200万円 / 純利益 41億8,600万円 = 1.40倍
    • この比率は、会計上の純利益が、実質的な現金の流入(営業キャッシュフロー)によってどれだけ裏付けられているかを示す指標です。一般的に1.0倍以上であれば利益の質が健全であると判断されます。エンの比率は1.40倍と非常に高く、実質的な収益力が会計上の利益を上回っている、あるいはほぼ同等であり、利益の質は非常に健全であると言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計(2025年12月末時点)の業績は、前年同期比で減収減益となっていますが、通期予想(2026年3月期計画)に対する進捗は順調です。

  • 売上高進捗率: 70.3%(通期予想 622億円に対し437.2億円)
  • 営業利益進捗率: 111.0%(通期予想 28億円に対し31.0億円)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益進捗率: 111.7%(通期予想 20.7億円に対し23.1億円)

特に、営業利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は、既に通期予想を上回って着地しており、このまま好調を維持すれば、来期の通期決算発表時に通期予想の上方修正を行う可能性があります。これは、保守的な業績予想やコスト削減、事業構造改革の効果が想定以上に寄与している可能性を示唆します。
セグメント別では、主力のメディア事業が売上・営業損益ともに減少している一方で、人材紹介サービスであるエージェント事業や採用サービスその他、教育・評価サービス、そして海外事業は堅調な増収を達成しています。特に海外事業は営業損益を104.5%増加させており、メディア事業の不調を他事業が一部吸収し、事業ポートフォリオの変化が進行している様子がうかがえます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 22.73倍
    • PER(Price to Earnings Ratio:株価が利益の何年分か) は、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す指標であり、業界平均より低いほど割安とされます。業界平均が17.0倍であるのに対し、エンのPERは22.73倍約1.34倍に達しています。これは業界平均と比較するとやや割高と評価でき、市場がエンに対して一定の成長期待を織り込んでいる可能性も考えられますが、直近の業績減速を考慮すると、現在の株価は割高感があると言えます。
  • PBR(実績): 1.43倍
    • PBR(Price Book-value Ratio:株価が純資産の何倍か) は、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。1倍未満は解散価値を下回る状態とされます。業界平均のPBRが1.8倍であるのに対し、エンは1.43倍約0.79倍に留まっており、業界平均と比較すると純資産価値に対して比較的割安と判断できます。PERとPBRで評価が異なるのは、企業の利益創出力が一時的に変動している一方で、ストックとしての純資産は堅固に維持されているためと考えられます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -45.65 / シグナル値: -56.55 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 38.6% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.52% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.92% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -15.73% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -24.46% 長期トレンドからの乖離

MACDは中立のシグナルを示していますが、MACD値がシグナルラインを上回っていることから、ごく短期的な下落圧力は弱まっている兆候が見られます。RSIは38.6%と売られすぎとされる30%に接近しており、株価が調整局面にあることを示唆しています。
移動平均乖離率を見ると、5日線から200日線まですべての移動平均線を下回っており、特に75日線および200日線からの乖離率が大きいことから、中期から長期にかけて明確な下降トレンドが継続していることがわかります。

【テクニカル】

現在の株価1,180.0円は、52週高値2,125円と比較して大幅に約44.5%下落し、52週安値1,131円に極めて近接した水準で推移しており、52週レンジ内での位置は6.9%(0%が安値、100%が高値)と年初来安値圏にあることを示しています。
移動平均線との関係を見ると、現在株価は5日移動平均線(1,186.20円)をわずかに下回り、さらに25日移動平均線(1,215.48円)、75日移動平均線(1,400.31円)、200日移動平均線(1,562.03円)を大きく下回っています。これは、短期から長期にわたる期間で、株価が明確な下降トレンドの中にあることを示しており、市場の強力な売り圧力が継続している状況です。特に200日移動平均線からの乖離率が-24.46%と大きいことは、長期的な下落トレンドの深刻さを示唆しています。当面のサポートラインは直近の安値である1,131円付近、レジスタンスラインは25日移動平均線がある1,215円前後が意識されるでしょう。

【市場比較】

エンの株価パフォーマンスは、市場全体と比較して非常に軟調です。

  • 日経平均株価との相対パフォーマンスでは、過去1ヶ月間で2.08%ポイント、過去3ヶ月間で28.66%ポイント、過去6ヶ月間で60.94%ポイント、そして過去1年間では77.86%ポイントも日経平均を下回る結果となっています。特に過去1年では日経平均が+46.50%と力強く上昇する中で、エンの株価は-31.36%と大幅に下落しており、市場全体の恩恵を受けられず、個別の要因による強い下落圧力が作用していることが明らかです。
  • TOPIXとの相対パフォーマンスでも同様に、過去1ヶ月から1年までの全期間でTOPIXを下回っています。過去1年間ではTOPIXが+36.31%上昇する中で、エンの株価は大幅に下落しており、57.67%ポイントも下回る結果です。

これらの状況は、エンの株価が市場のトレンドから大きく取り残されており、外部環境の不透明感や構造改革に伴う短期的な業績見通しの厳しさ、アナリスト評価の引き下げなどが投資家心理に大きく影響していることを強く示唆しています。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.59
    • ベータ値は、市場全体(例: 日経平均やTOPIX)が1%変動した際に、特定の銘柄の株価が平均して何%変動するかを示す指標です。0.59という値は、エンの株価が市場全体に比べて変動しにくい、比較的安定性の高い銘柄であることを示します。市場の大きな動きに対して、株価が受ける影響は限定的であると考えられます。
  • 年間ボラティリティ: 36.66%
    • 年間ボラティリティは、株価の年間における価格変動の大きさ(リスク)を表します。エンの36.66%という値は、過去1年の株価が平均してこの範囲で変動したことを示唆しており、比較的高い水準です。これは、株価が一年間で上下に大きく振れる可能性があるため、短期的な投資家にとってはリスクが高いと感じられるかもしれません。
  • 最大ドローダウン: -21.89%
    • 最大ドローダウン(過去最悪の下落率) は、過去のある期間において、株価がピークから最も下落した際のパーセンテージを示します。エンの場合、-21.89%という値は、仮に過去100万円投資した場合、最悪の局面で約21.89万円の損失を経験する可能性があったことを意味します。この程度の急落は今後も起こりうるリスクとして、投資を検討する際に留意すべきです。
  • シャープレシオ: 1.35
    • シャープレシオ(リスクに見合うリターンが得られているか) は、投資のリスク(ボラティリティ)1単位あたりに得られた超過リターンを示す指標です。一般的に1.0以上が良好とされます。エンの1.35という値は、過去の実績において、投資したリスクに対して比較的良好なリターンが得られていることを示しており、投資効率は悪くないと評価できます。ただし、この指標は過去のデータに基づくものであり、将来のリターンを保証するものではありません。

【事業リスク】

  • 採用市場の景況変動: エンの事業は、企業の採用活動と密接に連動しています。国内経済の景気後退や企業の採用ニーズの冷え込みが生じた場合、求人広告の出稿数の減少や人材紹介・派遣の需要低迷により、エンの売上高や収益性が直接的に悪化するリスクがあります。特に、経済の先行き不透明感が高まる局面では、このリスクはより顕著になります。
  • 競合環境による競争激化: 人材サービス業界は、大手からスタートアップまで多くの企業が参入し、競争が非常に激しい分野です。他社による強力なプロモーション活動、新しい採用プラットフォームの登場、サービス内容の拡充などが進むと、エンの市場シェアや収益性が圧迫される可能性があります。特に、オンライン求人媒体の分野では、集客力やマッチング精度の向上が常に求められます。
  • 構造改革と戦略的転換に伴う不確実性: engage事業のカカクコムへの譲渡は、事業の選択と集中を進める上で重要な戦略的転換ですが、短期的な業績への影響は不透明な部分があります。譲渡益が発生する一方で、当該事業からの継続的な収益が失われ、ポートフォリオ全体の構造が変わるため、その適応期間やシナジー効果の発現には時間を要する可能性があります。また、主力事業「エン転職」の再強化策も、市場回復のタイミングや施策の効果発現までには不確実性が伴います。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が110,800株であるのに対し、信用売残は208,400株と信用売残が信用買残を大きく上回っています。この結果、信用倍率は0.53倍と低い水準にあります。一般的に信用倍率が低い、特に1倍を下回る場合は、将来の株価下落を見込む売り方が多いことを示唆しており、市場全体としてエンの株価に対してはやや弱気なセンチメントが強い可能性を表しています。しかし、信用売残が多い状態は、株価上昇時に買い戻し(ショートカバー)の需要が発生し、株価を押し上げる要因となる可能性も秘めています。
主要株主構成では、自社(自己株口)が15.71%、日本マスタートラスト信託銀行が9.01%、代表者の越智通勝氏が8.82%を保有しており、安定株主が一定程度存在しています。
ニュース動向分析では、総合センチメントが明確にネガティブと診断されており、複数のアナリストがレーティングを引き下げ、目標株価を下げている状況が報告されています。これは、個人投資家を含め、市場全体の期待値が低下していることを示唆しており、短期的な株価上昇には強い追い風が必要な状況と言えます。

8. 株主還元

エンの株主還元策として、配当と自社株買いが挙げられます。

  • 配当利回り(会社予想): 2.03%
    • 2026年3月期の年間配当予想は24.00円であり、現在の株価1,180.0円に対する配当利回りは2.03%です。これは市場全体の平均と比較して特段高い水準ではありませんが、ゼロ配当ではない安定的な還元姿勢を示しています。
  • 配当性向(会社予想): 47.4%
    • 配当性向(利益の何%を配当に回しているか) は、会社予想の1株当たり当期純利益(EPS)50.66円に対し、47.4%です。一般的に配当性向は30-50%が健全な水準とされており、エンはこの範囲内に収まっています。過去の配当性向を見ると、2023年3月期には115%と一時的に高くなっていますが、これは業績が落ち込んだ際にも配当を維持しようとした結果と推察されます。
  • 自社株買いの状況:
    • 決算説明資料によると、エンは過去に3,171,700株、取得価額合計49億9,988万5,400円の自社株取得を実施しており、平均取得単価は1,576円です。現在の株価が1,180.0円であることを考慮すると、過去の自社株買い価格よりも大幅に低い水準で株価が推移していることになります。これは、会社が株主価値を意識した経営を行っていることの表れであり、将来的な株価浮揚への期待感を示唆するものでしたが、現状の株価低迷はこれまでの自社株買いの評価を困難にしています。

SWOT分析

強み

  • 強固な財務基盤: 自己資本比率65.0%、流動比率1.98倍と極めて健全な財務体質を持ち、Piotroski F-Scoreも良好な評価を得ています。これにより、安定した事業運営とM&Aなどの戦略的投資を可能にしています。
  • 高いブランド力と多様なサービスポートフォリオ: 「エン転職」を中核とする強いブランド力と市場認知度を持ち、人材紹介・派遣、教育・評価など多角的なサービスを展開することで、顧客ニーズに幅広く対応できる強みがあります。

弱み

  • 直近の業績減速と収益性低下: 過去12か月期および直近の四半期決算では、売上高および営業利益が悪化しており、特に営業利益率は4.66%と低水準です。これはIT派遣の会計基準変更や市場環境の変化、あるいは競争激化による費用増などが要因と推察されます。
  • 構造改革に伴う短期的な不確実性: engage事業の譲渡や「エン転職」の再強化といった構造改革は中長期的な成長に繋がる可能性がありますが、短期的な業績への影響や、新しい事業体制への移行に伴う組織的・戦略的不確実性が存在します。

機会

  • engage事業譲渡による資金活用と選択と集中: engage事業譲渡によって得られる資金を、主力事業である「エン転職」のさらなる強化や、新たな成長領域(M&Aや新事業)への投資に活用することで、企業の成長ドライバーを再構築する機会が得られます。
  • DX推進による市場拡大と新たなニーズ: 労働市場におけるDX推進は、オンラインでの採用活動や人材管理ツールの需要を高めています。エンの持つ評価・教育ノウハウやデータ、新しいテクノロジーを活用することで、新たなサービス提供や市場の深掘りが期待できます。

脅威

  • 景気変動と採用市場の停滞: 国内外の景気動向は企業の採用意欲に直結するため、景気後退期には求人数の低迷や採用単価の下落が予測され、エンの業績に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 激化する競合とマーケットシェア争い: 人材サービス業界は、大手から新興企業まで多くの競合が存在し、常にサービスの差別化と価格競争に晒されています。特に有料求人媒体や人材紹介の分野では、他社の台頭によりマーケットシェアを奪われるリスクがあります。

この銘柄が向いている投資家

  • 企業の構造改革による中長期的な成長を期待する投資家: engage事業譲渡を戦略的な転換点と捉え、主力事業への集中投資と新たな成長戦略の成果を長期的な視点で評価できる投資家に向いています。
  • 財務健全性を重視し、安定性を求める投資家: 極めて高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを背景とした企業の安定性を重視する投資家にとって、投資リスクが比較的低い魅力的な選択肢となり得るでしょう。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 構造改革の実効性と業績への反映: engage事業譲渡後の主力事業への集中投資が、実際にどの程度の期間で業績回復や収益性向上に繋がるのか、その進捗を継続的に評価する必要があります。短期的な業績が期待を下回る可能性も考慮すべきです。
  • 市場評価と株価トレンド: 直近の株価は下降トレンドにあり、市場からの評価も厳しい状況です。現在の株価が底値圏にあるのか、あるいは構造改革の成果が見えるまでにさらなる下落リスクがあるのかを検討し、慎重な投資タイミングを見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 「エン転職」のKPI(求人数、会員数、有料求人化率、マッチング率): 主力事業の回復と強化を示す具体的な経営指標。これらが改善傾向にあるかを確認することが重要です。
  • 四半期ごとの業績進捗率と通期予想の修正有無: 構造改革の成果が業績にどのように反映され、市場の当初予想に対してどれだけ進捗しているか、特に営業利益の改善状況を注視します。
  • 新たな成長投資計画とM&Aの進捗: engage事業譲渡によって得られた資金が、今後の成長ドライバーとしてどのような事業領域に、どれだけ具体的に、そして効率的に投資されるか。

10. 企業スコア

以下の4観点で S, A, B, C, D の5段階評価を行い、根拠を1-2文で説明します。

  • 成長性: C (やや不安)
    • 過去12ヶ月の四半期売上成長率が-11.3%とマイナスであり、2026年3月期の通期予想も減収減益を見込んでいるため、直近の成長性には懸念があります。構造改革の成果が本格化するまで、一時的に成長が停滞する可能性があります。
  • 収益性: B (普通)
    • ROE(過去12か月)は10.84%と良好な水準ですが、営業利益率(過去12か月)が4.66%と低く、過去の水準と比較して大幅に低下しているため、「普通」と評価します。収益性の改善が今後の課題です。
  • 財務健全性: S (優良)
    • 自己資本比率が65.0%、流動比率が1.98倍と非常に高く、Piotroski F-Scoreも5点(A:良好)であることから、極めて強固な財務基盤を確立しており、優良と評価します。
  • バリュエーション: C (やや割高)
    • PER(会社予想)が22.73倍と業界平均17.0倍を大きく上回っており、現在の業績見通しを考慮すると市場平均に対してはやや割高であると判断します。ただし、PBRは業界平均を下回っています。

企業情報

銘柄コード 4849
企業名 エン
URL https://corp.en-japan.com/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,180円
EPS(1株利益) 51.92円
年間配当 2.03円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 15.0% 25.2倍 2,625円 17.5%
標準 11.5% 21.9倍 1,959円 10.8%
悲観 6.9% 18.6倍 1,348円 2.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,180円

目標年率 理論株価 判定
15% 981円 △ 20%割高
10% 1,225円 ○ 4%割安
5% 1,546円 ○ 24%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
リクルートホールディングス 6098 6,554 102,498 20.06 5.90 29.7 0.38
パーソルホールディングス 2181 234 5,336 13.01 2.51 21.6 4.69
ビジョナル 4194 6,834 2,748 16.86 3.58 24.2 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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