企業の一言説明
ファンペップは機能性ペプチドを用いた医薬品などの研究開発事業を展開する、大阪大学発のグロース市場上場バイオベンチャー企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 皮膚潰瘍治療薬候補のSR-0379や乾癬治療薬候補のFPP003など、複数のパイプラインが進行中の有望な機能性ペプチド創薬を手掛けています。
- 自己資本比率や流動比率は高水準を維持しており、大規模な研究開発投資を支える財務的な土台は一部整っています。
- 製品上市には至っておらず大規模な赤字が継続しており、将来の事業化の成功に投資リスクが集中します。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 損失拡大 |
| 収益性 | D | 大幅赤字 |
| 財務健全性 | C | やや懸念 |
| バリュエーション | D | 割高感ある |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 104.0円 | – |
| PER | — | — |
| PBR | 2.93倍 | 業界平均5.1倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -96.05% | – |
1. 企業概要
ファンペップは2013年に設立された、大阪大学発のバイオベンチャー企業です。機能性ペプチドを活用した医薬品、機能性化粧品、医療機器の研究開発を主要事業としています。主力パイプラインには、皮膚潰瘍治療薬候補のSR-0379、乾癬および強直性脊椎炎治療薬候補のFPP003(豪州で乾癬、日本で強直性脊椎炎を対象に臨床第II相試験進行中)、花粉症治療薬候補のFPP004Xなどがあります。これらのペプチドは、特定の生体機能に作用することで疾患の治療を目指す独自の技術が基盤となっており、新規性の高い創薬を展開しています。収益は主に共同開発契約やライセンス契約から発生する可能性がありますが、現時点では製品上市に至っておらず、大規模な研究開発投資が先行する事業モデルです。
2. 業界ポジション
ファンペップは医薬品業界の中でも、特にバイオテクノロジー分野の創薬ベンチャーに位置付けられます。数多くの欧米大手製薬企業や国内のバイオベンチャーが競合となりますが、同社は特定の機能性ペプチドに特化した独自の技術を有しています。現在開発中のパイプラインは国内外で臨床試験段階にあり、製品の上市には至っていないため、収益はほぼ発生していません。このため、売上高は低く、継続的な研究開発投資により大幅な赤字を計上しています。財務指標を見ると、PERは赤字のため算出不能ですが、PBRは2.93倍で、業界平均の5.1倍と比較すると低い水準にあります。これは、現状の収益性の低さと事業化リスクが株価に織り込まれている可能性を示唆しています。
3. 経営戦略
ファンペップの経営戦略は、独自の機能性ペプチド技術を基盤とした医薬品開発の加速と、早期の事業化実現に注力することにあります。特に、臨床第II相試験が進行中のFPP003(乾癬、強直性脊椎炎)や、機能性ペプチドSR-0379(皮膚潰瘍)の研究開発に重点を置いています。2025年12月期には研究開発費が1,296百万円と前期比で約140%の大幅増となり、将来の収益源となるパイプライン育成への積極的な先行投資を行っています。しかしながら、2026年通期の業績予想は「合理的に算定困難」として開示されておらず、短中期的な収益の不確実性が高い状況です。今後の重要なイベントとしては、各パイプラインの臨床試験の進捗状況や、大手製薬企業との提携契約の締結などが挙げられます。これらの進展が、同社の収益基盤確立に向けた大きな転換点となるでしょう。
4. 財務分析
ファンペップの財務状況は、研究開発型バイオベンチャー企業特有の特性が明確に表れています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 2/9 | C: やや懸念 |
| 収益性 | 0/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てマイナス |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率良好、株式希薄化なし |
| 効率性 | 0/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率全てマイナスまたは基準以下 |
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
- 収益性項目では、純利益、営業キャッシュフロー、ROAの全てがマイナスまたはゼロのため、0点/3点となっています。これは、現状で利益を生み出す事業活動がほとんどなく、コストが先行している状況を反映しています。
- 財務健全性項目では、流動比率が3.75倍と良好な水準を維持しており、また株式の希薄化もなかったため、2点/3点を獲得しています(D/Eレシオ、負債資本比率はデータなし)。
- 効率性項目では、営業利益率、ROE、四半期売上成長率(-100.0%)の全てがマイナスまたは基準値に達していないため、0点/3点となっています。収益化に至っていないため、資本や売上を効率的に活用できているとは言えません。
【収益性】
- 営業利益率: 0.00%です。売上高が極めて低いかゼロであるため、大規模な研究開発費や販管費が損失として計上されています。直近12か月では-1,416百万円の営業損失を計上し、2025年12月期には-1,648百万円と損失幅がさらに拡大しています。
- ROE(自己資本利益率): 実績で-96.05%(過去12か月では-95.31%)です。ROEは「株主のお金(自己資本)でどれだけ稼いだか」を示す指標で、大幅な赤字により非常に低い水準です。一般的な目安である10%を大きく下回っています。
- ROA(総資産利益率): 過去12か月で-40.47%です。ROAは「会社の総資産でどれだけ稼いだか」を示す指標で、こちらも赤字により大幅なマイナスです。一般的な目安である5%を大きく下回っています。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 実績で72.8%です。会社の総資産のうち自己資本が占める割合で、財務の安定性を示します。70%を超える高い水準を維持しており、当期純損失により前期(81.6%)から減少はしましたが、現時点での倒産リスクは低いと言えます。
- 流動比率: 直近四半期で3.75倍(375%)です。流動比率は「短期的な支払能力」を示す指標で、100%以上が健全とされます。300%を超える非常に高い水準であり、短期的な流動性には問題がない状態です。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(営業キャッシュフロー): 過去12か月で-13億9,000万円(2025年12月期では-1,388百万円)と、本業による資金の増減を示し、大幅なマイナスが継続しています。これは、製品が未上市で売上がほとんどなく、研究開発費用が大部分を占めているためです。
- FCF(フリーキャッシュフロー): 過去12か月で-7億9,900万円(2025年12月期では-1,388百万円)と、企業の自由に使える資金を表します。こちらも大幅なマイナスで、本業で資金を創出できていない状況です。
- 財務CF(財務キャッシュフロー): 2025年12月期では+8億1,000万円とプラスを維持しています。主に株式発行による資金調達で、研究開発費を賄うための資金を外部から確保している状況です。現金及び現金等残高は17億6,800万円(2025年12月期末)と前期(2,346百万円)比で約24.6%減少しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 純利益が大幅なマイナスであるため、比率は算出できませんが、営業CFも大幅なマイナスであることから、利益の質はD(要注意)と評価されます。本業によるキャッシュ創出能力は現状ありません。
【四半期進捗】
- 2026年通期の業績予想は未提示のため、通期予想に対する進捗率は評価できません。
- 直近の損益計算書を見ると、売上高は低水準で推移し、営業利益も毎年多額の損失を計上しており、損失幅は拡大傾向にあります。これは、継続的な研究開発投資が成果に結びつくまでの期間が長期にわたるバイオベンチャーの一般的な状況と言えます。
5. 株価分析
【バリュエーション】
- PER(株価収益率): 赤字企業であるため、PERは算出できません。PERは「株価が利益の何年分か」を示す指標であり、利益が出ていない場合は評価不能となります。
- PBR(株価純資産倍率): 2.93倍です。PBRは「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、一般的に1倍を下回ると解散価値を下回るとされます。同社のPBRは業界平均の5.1倍と比較すると低い水準にありますが、これは研究開発型バイオベンチャー特有のリスクや収益の不確実性が株価に織り込まれていると考えられます。赤字企業であり、実質的な割安感には注意が必要です。目標株価(業種平均PBR基準)は184円と算出されていますが、あくまで機械的な計算結果であり、現在の企業の実態を反映しているとは限りません。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 4.87 / シグナル値: 4.55 | 短期的な変動を示唆する明確なトレンドは確認されません。 |
| RSI | 中立 | 52.2% | 買われすぎでも売られすぎでもない、中立的な状態を示しています。 |
| 5日線乖離率 | – | -5.28% | 直近の株価は5日移動平均線を下回っており、短期的な調整局面を示唆します。 |
| 25日線乖離率 | – | +4.46% | 株価は短期トレンドを示す25日移動平均線を上回っています。 |
| 75日線乖離率 | – | +15.52% | 株価は中期トレンドを示す75日移動平均線を大きく上回っています。 |
| 200日線乖離率 | – | +3.21% | 株価は長期トレンドを示す200日移動平均線を上回っています。 |
- テクニカル: 現在株価104.0円は、52週高値163円、安値75円に対し、42.6%の位置にあります。短期的には5日移動平均線(109.80円)を下回っていますが、25日移動平均線(99.56円)、75日移動平均線(90.03円)、200日移動平均線(100.77円)は上回っており、中長期的には上昇トレンドに転換する可能性も示唆しています。
【市場比較】
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 直近1ヶ月および3ヶ月では、同社の株価リターンは日経平均やTOPIXを14~16%ポイント上回っています。
- しかし、直近6ヶ月および1年では、日経平均やTOPIXを32~66%ポイント大きく下回っています。これは、短期的には反発が見られるものの、中長期的に見れば市場全体を大きく下回るパフォーマンスであり、非常に高いボラティリティがあることを示唆しています。
6. リスク評価
【注意事項】
⚠️ 信用倍率0.00倍は、信用売残が0株のため計算上このような表示となっていますが、信用買残は6,075,400株に達しており、将来的な売り圧力に注意が必要です。また、製品未上市の赤字企業であるため、バリュートラップの可能性にも留意すべきです。
【定量リスク】
- ベータ値: 0.87(5年マンスリー)。市場全体の動きに対する相対的な変動の度合いを示し、1.0より小さいことから、市場全体と似た動きをするものの、やや市場平均より変動が小さいと解釈できます。
- 年間ボラティリティ: 65.60%です。これは、株価が年間で65.60%もの大きな幅で変動する可能性を示しており、非常に高いリスク水準と言えます。
- 最大ドローダウン: -50.42%。過去最悪の期間で、投資元本が半分以下に減少した経験があることを示します。この程度の大きな下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。
- 仮に100万円投資した場合、年間で±65万6,000円程度の変動が想定される可能性があります。シャープレシオは0.74と、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない水準です。年間平均リターンは48.72%と高いですが、これは非常に高いボラティリティを伴うものであることに注意が必要です。
【事業リスク】
- 開発リスク: 医薬品の研究開発は非常に長く、成功確率が低いことが特徴です。同社のパイプラインも臨床試験段階にあり、失敗、承認遅延、上市後の販売不振など、予期せぬ事態が発生する可能性があります。
- 資金調達リスク: 大規模な研究開発費が継続的に必要となるため、製品上市前の段階では定期的な資金調達が不可欠です。市場環境の変化や開発の遅延により資金調達が困難になるリスクがあります。
- 競争リスク: 他社による類似薬の開発や、より効果的・安価な競合製品の登場により、開発品の競争優位性が失われる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況としては、信用買残が6,075,400株と潤沢にありますが、信用売残が0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、将来的な信用買いの解消売りが集中した場合、株価に大きな下落圧力がかかる可能性を示唆しています。主要株主構成を見ると、塩野義製薬(6.61%)、楽天証券(4.45%)、SBI系投資事業有限責任組合(2.93%)などが上位に名を連ねており、製薬会社やベンチャーキャピタル、証券会社など、幅広い投資家層が同社の将来性に期待を寄せていることがうかがえます。ニュース動向分析では全体的に中立なセンチメントであり、特に製品開発の進展に注目が集まっていますが、現時点では株価に明確な方向性を与えるほどの強い材料にはなっていません。
8. 株主還元
ファンペップは現在、研究開発に注力する段階であるため、配当政策はとっていません。配当利回り、1株配当ともに0.00%であり、配当性向も0.00%です。現状では株主還元の中心は企業価値の向上と将来的なキャピタルゲインに期待が寄せられており、自社株買いの状況もデータに記載はありません。
SWOT分析
強み
- 機能性ペプチド創薬に特化した独自の技術と複数の有望なパイプライン(例: SR-0379, FPP003)。
- 自己資本比率72.8%、流動比率3.75倍と、現在のところ財務基盤は高い健全性を維持しています。
弱み
- 製品が未上市であるため、収益がほぼなく、大規模な研究開発費により大幅な赤字とキャッシュフローの悪化が継続しています。
- 利益の創出が不確実であるため、PERは算出できず、ROEやROAも非常に低い水準です。
機会
- 進行中の臨床試験(特にFPP003、SR-0379)の成功は、早期事業化や大手製薬企業との提携収入獲得の大きなチャンスとなります。
- 機能性ペプチド医薬品市場の成長は、将来的な事業拡大の機会を提供します。
脅威
- 臨床試験の失敗、承認遅延、あるいは予期せぬ副作用の発生により、パイプライン価値が急速に失われるリスクがあります。
- 継続的な莫大な研究開発費を賄うための資金調達の困難さや、既存株主の希薄化リスクが伴います。
この銘柄が向いている投資家
- 高リスク・高リターンを許容できるベンチャー投資家: 創薬ベンチャー特有の大きな不確実性を理解し、製品上市成功による株価の飛躍的な上昇を期待できる投資家。
- 長期的な視点で創薬の成功を期待できる投資家: 短期的な業績や株価変動に一喜一憂せず、数年先を見越した研究開発の進捗に注目できる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 開発ステージにある企業のため、各パイプラインの臨床試験の進捗状況に関する適時開示が株価に大きく影響する可能性が高く、情報の継続的な確認が必要です。
- 大規模な赤字が継続しているため、上場維持基準への影響や、追加の資金調達動向、それによる株式の希薄化リスクに十分に注意する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 各パイプラインの臨床試験結果(特にFPP003、SR-0379)とそのフェーズ移行の進捗。
- 大手製薬企業との共同開発やライセンス契約に関する適時開示。
- 現金及び現金同等物の残高、営業キャッシュフローの動向(改善傾向が見られるか)。
10. 企業スコア
成長性:D
売上高がほぼゼロの状況が継続し、毎年多額の営業損失・当期純損失を計上しており、その損失幅も拡大傾向にあります。2026年通期の業績予想も提示されていないことから、現時点での成長性は極めて低いと評価せざるを得ません。
収益性:D
実績ROEは-96.05%、過去12か月の営業利益率は0.00%、ROAは-40.47%と、全ての収益性指標が大きくマイナスです。これは、製品が未上市で収益基盤が確立されておらず、先行する研究開発投資がそのまま損失につながっているためです。
財務健全性:C
自己資本比率72.8%、流動比率3.75倍と、単体で見れば非常に高い水準を維持しており、短期的な倒産リスクは低いと言えます。しかし、Piotroski F-Scoreが2点/9点(C: やや懸念)と評価されている点、および本業で資金が生み出せず、営業キャッシュフローが恒常的に大幅なマイナスである点を考慮すると、中長期的な資金繰りには継続的なモニタリングが必要です。
バリュエーション:D
赤字企業であるためPERは算出できません。実績PBRは2.93倍であり、業界平均の5.1倍と比較すると低いものの、製品が未上市で大規模な赤字が継続している現状を考慮すると、このPBR水準をもって割安と判断することは困難です。将来の成功期待がすでに織り込まれていると解釈できる一方で、事業化リスクの高さを鑑みると、現在の株価は高いと評価せざるを得ません。
企業情報
| 銘柄コード | 4881 |
| 企業名 | ファンペップ |
| URL | https://www.funpep.co.jp |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ペプチドリーム | 4587 | 1,197 | 1,556 | 51.83 | 3.00 | 5.8 | 0.00 |
| ステムリム | 4599 | 296 | 185 | – | 3.64 | -34.9 | 0.00 |
| モダリス | 4883 | 58 | 50 | – | 1.82 | -83.5 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
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