企業の一言説明

小松マテーレは、高機能繊維製品の開発・製造・販売を主軸とし、スポーツ衣料から産業資材、建築材料まで多様な分野で事業を展開する、高い技術力を持つ繊維製品大手企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高い技術力と企画力に基づく高付加価値戦略: 長年にわたる繊維加工技術と独自開発力で、市場ニーズに応える高機能素材や差別化された製品を提供し、収益性の向上を目指しています。
  • 堅固な財務基盤と安定した株主還元: 自己資本比率が非常に高く、流動比率も良好なことから、強固な財務体質を維持しており、安定した配当利回りも魅力です。
  • 直近の純利益の減少と繊維業界特有のリスク: 第3四半期に投資有価証券評価損を計上し、純利益が大幅に減少しました。為替変動や原材料価格の変動、特定市場(中国)の需要減退など、繊維業界特有の外部環境リスクには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 緩やかな成長
収益性 B 一定の収益力
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 823.0円
PER 23.03倍 業界平均21.7倍
PBR 0.82倍 業界平均1.0倍
配当利回り 3.28%
ROE 7.58%

1. 企業概要

小松マテーレ(旧 小松精練)は、1943年設立の老舗繊維製品メーカーです。織編物・染色加工を主力とし、スポーツ衣料、ユニフォーム、インテリア、自動車内装材、医療・福祉、電気材料など幅広い分野に高機能ファブリックを提供しています。中核となる繊維事業に加え、Bellefomer(汚泥削減バイオ製剤)、CABKOMA(炭素繊維複合材)、Greenbiz(セラミック建材)などの環境・建築分野の新規事業も展開。高い企画開発力と独自の染色加工技術が強みで、東レ向けが主力の一つです。

2. 業界ポジション

国内繊維製品業界において、技術革新と高付加価値製品の提供に定評のある大手企業の一角を占めています。特に機能性素材分野では強みを持ち、競合他社に対する技術的優位性を確立しています。サプライヤーとしての企画提案力も高く評価されています。現在のPER 23.03倍 は業界平均の 21.7倍 をやや上回る一方、PBR 0.82倍 は業界平均の 1.0倍 を下回っており、純資産に対しては割安感がある状況です。

3. 経営戦略

小松マテーレは、収益体質の強化と事業領域の拡大に向けた戦略を推進しています。具体的には、高付加価値商品の継続導入による製品競争力の向上、鞄や日傘などの生活関連資材における差別化商品の強化を図っています。また、製品部門の連結子会社化を通じて事業拡大を進め、コスト削減や構造改革にも取り組んでいます。直近では連結子会社化による製品部門が売上高で前年同期比 84.1%増、営業利益で 105.7%増 と大きく成長を牽引しています。今後のイベントとしては、2026年3月30日 に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

当社のPiotroski F-Scoreは、以下の通りです。

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 詳細: 純利益とROAがプラスで良好
財務健全性 2/3 詳細: 流動比率が基準を上回り、株式希薄化なしで良好
効率性 1/3 詳細: 四半期売上成長があるものの、営業利益率とROEは改善途上

解説:
収益性に関しては、純利益が0より大きく、ROA 2.63% も0より大きい点を評価され、良好な状態です。財務健全性では、流動比率が 2.96倍 と基準の1.5倍を大きく上回り、株式の希薄化が見られない点で安定しています。効率性については、四半期売上成長率はプラスであるものの、営業利益率がベンチマークの10%を下回っており、ROEも同様に10%を下回っているため、効率性の改善が今後の課題と言えるでしょう。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 5.51%
  • ROE(実績): 7.58% (過去12か月: 2.62%
  • ROA(過去12か月): 2.63%

評価: ROEの一般的な目安は10%以上、ROAの一般的な目安は5%以上ですが、当社の実績はこれらのベンチマークを下回っています。これは、株主資本および総資産を活用した収益創出能力に改善の余地があることを示唆しています。特に過去12ヶ月のROEは 2.62% と低水準です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): (連)74.6%
  • 流動比率(直近四半期): 2.96倍

評価: 自己資本比率が74.6%と非常に高く、流動比率も2.96倍と安全水準とされる2倍を大きく上回っており、極めて堅牢な財務基盤を有しています。これは、外部からの資金調達圧力に強く、景気変動にも耐えうる体質であることを示しています。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2023.03 1,604百万円 1,818百万円 -214百万円 -1,808百万円 9,457百万円 19.89%
2024.03 2,885百万円 3,113百万円 -228百万円 -906百万円 11,565百万円 23.13%
2025.03 -900百万円 4,793百万円 -5,693百万円 -1,347百万円 9,430百万円 17.78%

評価: 営業キャッシュフローは堅調に推移し、事業から安定的に現金を創出できています。しかし、2025年3月期には5,693百万円の積極的な投資活動により、フリーキャッシュフローは-900百万円とマイナスに転じています。これは、成長に向けた設備投資などを積極的に行っていることを示唆していますが、継続的な投資が収益に結びつくか注視が必要です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 1.63倍 (営業CF 4,793百万円 / 純利益 2,934百万円)

評価: 一般的に1.0倍以上であれば利益の質は健全とされます。当社の比率は1.63倍であり、会計上の純利益が実質的なキャッシュフローを伴っていることから、利益の質は健全であると言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期 第3四半期(12月末時点)の通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高: 30,601百万円(通期予想 41,000百万円) → 進捗率 74.7%
  • 営業利益: 1,920百万円(通期予想 2,650百万円) → 進捗率 72.4%
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 764百万円(通期予想 1,400百万円) → 進捗率 54.6%

評価: 売上高と営業利益の進捗率は概ね順調に推移しているものの、純利益の進捗率は 54.6% と遅れが見られます。これは、第3四半期に計上された1,232百万円の投資有価証券評価損を含む特別損失 1,282百万円 の影響が大きいと考えられます。この影響がなければ、純利益の進捗も良好な水準にあったと推測できます。
直近3四半期の売上高・営業利益の推移(前年同期比):
2026年3月期第3四半期の売上高は 30,601百万円(前年同期比 +3.6%)と増加傾向にありますが、営業利益は 1,920百万円(前年同期比 △0.8%)と微減しています。これは、売上増にもかかわらず、コスト増などが影響している可能性があります。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): (連)23.03倍
  • PBR(実績): (連)0.82倍
  • 業界平均PER: 21.7倍
  • 業界平均PBR: 1.0倍

評価: PER 23.03倍 は業界平均 21.7倍 をやや上回り、収益面から見るとやや割高に見えます。しかし、PBR 0.82倍 は業界平均 1.0倍 を下回っており、純資産価値から見れば割安感があります。これは、同業他社と比較して効率的な資本活用が評価されにくいか、純資産に占める含み資産の割合が高い可能性を示唆しています。目標株価(業種平均PER基準)816円、目標株価(業種平均PBR基準)1,007円と比較すると、現在の株価 823.0円 はPER基準では適正水準に近く、PBR基準では上昇余地がある状態です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -13.76 / シグナル値: -9.83 トレンド転換の明確なシグナルなし
RSI 中立 40.0% 買われすぎでも売られすぎでもない
5日線乖離率 -0.99% 短期的な下落モメンタム
25日線乖離率 -5.35% 短期トレンドからの乖離がやや大きい
75日線乖離率 -4.27% 中期トレンドからの乖離がやや大きい
200日線乖離率 +1.31% 長期トレンドはポジティブ維持

解説: MACDは中立状態であり、RSIも 40.0% で過熱感や売られすぎの兆候は見られません。しかし、株価は5日移動平均線(MA)、25日MA、75日MAを下回っており、短期から中期にかけて下落基調にあることを示唆しています。一方で、200日MAは上回っているため、長期的なトレンドはまだポジティブです。

【テクニカル】

現在の株価 823.0円 は、52週高値 929.0円 と安値 690.0円 のちょうど中間(55.6%)に位置しています。移動平均線を見ると、短期・中期線(5日MA 831.20円、25日MA 869.48円、75日MA 859.68円)は現在株価よりも上にあり、株価はこれらのラインを下回っている状態です。これは短期的な売り圧力が継続していることを示します。一方で、200日移動平均線 814.05円 は現在の株価よりも下にあり、長期トレンドはまだサポートされている可能性があります。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式 -6.90% vs 日経 -5.65%1.25%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式 +0.73% vs 日経 +4.99%4.25%ポイント下回る
    • 6ヶ月: 株式 -1.67% vs 日経 +22.81%24.48%ポイント下回る
    • 1年: 株式 +2.62% vs 日経 +44.69%42.07%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式 -6.90% vs TOPIX -4.05%2.85%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式 +0.73% vs TOPIX +5.42%4.69%ポイント下回る

評価: 直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数を大きくアンダーパフォームしています。これは、市場全体の上昇モメンタムに乗れていないことを示しており、個別の銘柄要因による株価軟調さが指摘できます。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.28
  • 年間ボラティリティ: 26.59%
  • 最大ドローダウン: -31.43%
  • 年間平均リターン: 2.41%

分析:
ベータ値が0.28と1.0を大きく下回っており、市場全体の動きに対する株価の連動性が低い(市場全体が動いても比較的安定している)ことを示します。年間ボラティリティが26.59%であるため、仮に100万円を投資した場合、年間で±26.59万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-31.43%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして考慮する必要があります。シャープレシオ 0.07 は、リスクに見合うリターンが十分に得られていないことを示唆しています。

【事業リスク】

  • 為替変動リスク: 海外展開も行っているため、米ドル(USD)やユーロ(EUR)などの為替レートの変動が、原材料調達コストや製品の輸出競争力、海外事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。
  • 地域別需要変動リスク: 特に中国市場の需要減少が指摘されており、地域ごとの景気動向や消費者嗜好の変化が売上高に影響を与える可能性があります。
  • 原材料価格変動リスク: 繊維製品の原材料は原油価格や国際商品市況に連動して変動する可能性があり、価格高騰は製造コストを押し上げ、収益性を圧迫する恐れがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が 42,900株、信用売残が 45,200株 であり、信用倍率は 0.95倍 と、売り残が買い残を上回っています。これは、将来的に買い戻しによる株価上昇圧力に繋がり得る一方、短期的な需給の偏りには注意が必要です。
主要株主は、自社(自己株口)が 9.09%、SFPバリュー・リアライゼーション・マスターファンドが 8.84%、東レが 8.69% を保有しており、安定株主と機関投資家が一定の割合を占めています。

8. 株主還元

配当利回りは 3.28% (会社予想 27.00円)と比較的高水準です。配当性向は、2026年3月期の会社予想EPSに基づくと 71.87% と算出され、利益に対する配当の割合がやや高い傾向にあります。ただし、2025年3月期実績EPSに対する配当性向は 34.1% と健全な水準です。自社株買いに関する直近のデータは提供されていません。

SWOT分析

強み

  • 高い技術力と企画力に裏打ちされた高付加価値製品・サービスの提供能力
  • 自己資本比率が高く、流動比率も良好な極めて堅牢な財務基盤

弱み

  • ROE、ROAが業界平均やベンチマークを下回っており、資本効率に改善の余地がある
  • 直近で投資有価証券評価損を計上し、四半期純利益が大幅に減少した

機会

  • 高機能素材や環境配慮型素材への市場ニーズの高まり
  • 生活関連資材や製品部門(連結子会社化)の成長による事業拡大と収益多角化

脅威

  • 為替変動、原材料価格の高騰によるコスト上昇と収益圧迫
  • 特定市場(中国など)の需要低迷や競合激化

この銘柄が向いている投資家

  • 安定配当を求める長期投資家: 堅固な財務基盤に支えられた安定的な配当実績と、比較的高い配当利回りを重視する投資家。
  • バリュー投資家: PBRが業界平均を下回っており、純資産価値に比べて株価が割安であると評価する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の純利益の減少要因: 第3四半期の純利益が大幅に減少した主因が「投資有価証券評価損」であるため、一過性の要因かどうか、また今後同様のリスクがないかを精査する必要があります。
  • 成長戦略の進捗と収益性の改善: 高付加価値製品の導入や生活関連資材の拡大、製品部門の成長が、ROAやROEといった収益性指標の改善にどれだけ寄与するかを継続的に確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移と改善目標: 競争優位性を収益に直結させ、安定的な利益成長を実現できるか。
  • ROEおよびROAの向上: 資本効率改善に向けた具体的な施策とその進捗を注視し、最低でもROE 10%を目指せるか。
  • フリーキャッシュフロー(FCF)の安定化: 積極的な投資が終了し、FCFが安定的にプラスに転じるか。
  • 生活関連資材および製品部門の成長率: 新たな成長ドライバーとして期待されるこれらの事業が、全体の業績を牽引できるか。

10. 企業スコア

  • 成長性: C (緩やかな成長)
    • 根拠:過去12ヶ月の売上高は増加傾向にありますが、通期予想の売上高成長率は+3.7%程度と緩やかです。PERも業界平均をやや上回っているものの、非常に高い成長期待を反映しているとは言えないため、「緩やかな成長」と評価します。
  • 収益性: B (一定の収益力)
    • 根拠:ROE 7.58%、営業利益率 5.51% と、ベンチマーク(ROE 10%、営業利益率10%)には満たないものの、黒字計上は継続しており、一定の収益力は保持しているため、「一定の収益力」と評価します。
  • 財務健全性: S (極めて優良)
    • 根拠:自己資本比率が74.6%、流動比率が2.96倍と非常に高く、Piotroski F-Scoreも5点/9点で良好な水準にあることから、極めて堅牢な財務基盤を有していると評価できるため、「極めて優良」と評価します。
  • バリュエーション: A (割安感あり)
    • 根拠:PBR 0.82倍 は業界平均 1.0倍 を下回っており、純資産に対しては割安感があります。ただし、PER 23.03倍 は業界平均 21.7倍 をやや上回るため、総合的には「良好」と判断します。

企業情報

銘柄コード 3580
企業名 小松マテーレ
URL https://www.komatsumatere.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 繊維製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 823円
EPS(1株利益) 35.74円
年間配当 3.28円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 10.0% 26.3倍 1,510円 13.2%
標準 7.7% 22.8倍 1,181円 7.9%
悲観 4.6% 19.4倍 869円 1.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 823円

目標年率 理論株価 判定
15% 598円 △ 38%割高
10% 746円 △ 10%割高
5% 942円 ○ 13%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
セーレン 3569 3,150 2,035 12.80 1.21 11.1 2.41
倉敷紡績 3106 8,760 1,489 12.94 1.11 9.5 3.21
東海染工 3577 1,011 36 24.36 0.41 2.0 2.47

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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