企業の一言説明

日置電機は電気計測器の開発・製造・販売を展開する中堅企業です。マルチメーターから高性能な自動試験装置まで幅広い製品を手掛け、世界中の様々な産業分野に貢献しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて強固な財務基盤と高い利益の質: 自己資本比率85.4%、Piotroski F-Score8/9点(S)、営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回る営業CF/純利益比率1.38と、盤石な財務体質と優れたキャッシュ創出力が最大の強みです。
  • 価格競争力のあるバリュエーション(PER基準): 予想PER16.74倍は業界平均の24.2倍と比較して割安感があり、安定した配当利回り2.70%(会社予想)も魅力で、投資妙味がある水準です。
  • 事業環境の課題と今後の業績回復シナリオ: 2025年12月期は減益となりましたが、2026年12月期には売上高+6.1%、営業利益+13.1%の増益を会社は予想しています。一方で、為替変動、原材料価格高騰、特定地域(韓国等)の需要低迷といった事業リスクには引き続き注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 S 優良
財務健全性 S 優良
バリュエーション B 普通

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 7,420.0円
PER 16.74倍 業界平均24.2倍
PBR 2.29倍 業界平均1.6倍
配当利回り 2.70%
ROE 13.03%

1. 企業概要

日置電機は、1935年創業の電気計測器メーカーです。マルチメーター、データロガー、LCRメーター、バッテリーテスター、電力品質アナライザーなど、多岐にわたる電気計測器の開発、製造、販売をグローバルに展開しています。モビリティ、バッテリー、エネルギー、電子部品、インフラ産業といった幅広い分野に計測ソリューションを提供しており、技術的な独自性と長年の経験に裏打ちされた製品開発力が強みです。収益源は製品販売が中心であり、製造から販売まで一貫して手掛けることで、品質と顧客ニーズへの対応力を高めています。

2. 業界ポジション

日置電機は、日本の電気計測器業界において中堅企業としての地位を確立しています。電子測定器や現場測定器の分野に強みを持ち、アジア地域を中心に海外販売を積極的に強化しています。競合他社と比較して、幅広い製品ラインナップと長年培ってきた計測技術、そして非常に強固な財務基盤が自社の競争優位性となっています。一方で、市場シェアの拡大には、グローバルな競争環境の中で継続的な技術革新と効率的な販売戦略が求められます。バリュエーション面では、予想PERが16.74倍と業界平均の24.2倍を下回る水準であり、割安感があると言えます。しかし、PBRは2.29倍と業界平均の1.6倍を上回っており、純資産価値から見るとやや割高に評価されています。

3. 経営戦略

日置電機は、2026年12月期に売上高430億円(前期比+6.1%)、営業利益76.8億円(同+13.1%)、当期純利益60億円(同+9.9%)の増収増益を予想しており、前期の減益からの回復を目指しています。2025年12月期には下方修正が行われましたが、2026年12月期の予想は修正されていません。前期は創業90周年関連費用やDX導入といった先行投資が販売費及び一般管理費を押し上げました。今後は価格改定やさらなる収益改善を通じて、利益率の向上を図る計画です。
今後の重要なイベントとしては、2026年6月29日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROA(10.6%)がすべてプラス。
財務健全性 2/3 流動比率(4.33)が基準値をクリアし、株式希薄化もないが、D/Eレシオデータが不足しているため2点。
効率性 3/3 営業利益率(17.94%)、ROE(13.03%)、直近の四半期売上成長率(+3.21%)がすべて基準値を満たしている。

Piotroski F-Scoreは8/9点と極めて高い評価であり、日置電機の財務品質が非常に優良であることを示しています。特に収益性と効率性については満点であり、健全な経営がなされていると判断できます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 17.94%
    • 計測器業界において高い水準を維持しており、効率的な事業運営がなされていることを示します。経営指標の2025/12連結では16.76%ですが、過去12か月データがより直近を反映しているため、こちらを採用します。
  • ROE(実績): 13.03%
    • 株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を示すROEは、一般的に優良とされる10%を大きく上回っています。
  • ROA(実績): 10.6%
    • 総資産に対する利益効率を示すROAも、優良とされる5%を大きく上回っており、資産を有効に活用した経営が行われています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 85.4%
    • 企業の安定性を示す自己資本比率は極めて高く、借入金に依存しない盤石な財務基盤を確立しています。
  • 流動比率(直近四半期): 4.33倍
    • 短期的な支払い能力を示す流動比率は、2倍を超えれば良好とされる中で4倍以上と非常に高く、短期債務の返済能力に全く問題がありません。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 75億2,000万円
    • 本業で安定してキャッシュを生み出しており、事業活動が順調であることを示します。
  • フリーキャッシュフロー(2025年12月期): 27億9,500万円
    • 設備投資を賄った後に残るキャッシュも十分に確保されており、事業の成長投資や株主還元に回せる余力があります。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 1.38
    • 純利益に対して営業キャッシュフローが大きく上回っており、S(優良)判定です。これは、会計上の利益が実態のキャッシュフローに裏付けられており、利益の質が極めて高いことを示しています。

【四半期進捗】

  • 通期予想に対する四半期ごとの進捗データは提供されていません。

【バリュエーション】

  • 予想PER: 16.74倍
    • 業界平均24.2倍と比較すると、利益に対して株価が割安に評価されている可能性があります。
  • 実績PBR: 2.29倍
    • 業界平均1.6倍と比較すると、純資産に対して株価が割高に評価されている可能性があります。しかし、日置電機は自己資本比率が極めて高く、ROEも高水準であるため、純資産を効率的に活用している企業としてPBRが高く評価される傾向があるとも考えられます。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 9,750円
    • PER基準では現在の株価7,420円に対して上昇余地があります。
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 5,195円
    • PBR基準では現在の株価に対して割高感を示唆しています。この差は、同社の高い財務健全性と高収益性が株価に反映されている結果と解釈できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 182.09 / シグナルライン: 234.86 短期トレンドに明確な方向性を示すシグナルは出ていません。
RSI 中立 52.2% 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な水準です。
5日線乖離率 -1.59% 短期的な売られすぎを示唆する可能性があります。
25日線乖離率 -0.25% 短期トレンドに対する乖離は小さいです。
75日線乖離率 +11.90% 中期トレンドに対して株価が上昇していることを示しています。
200日線乖離率 +20.94% 長期トレンドに対し株価が大きく上昇していることを示しています。

【テクニカル】

現在の株価7,420円は、52週高値8,190円(レンジの79.4%水準)に近く、年初来安値5,260円からは大きく上昇しています。
短期の移動平均線(5日、25日)を下回っていますが、中期(75日移動平均線: 6,626.27円)および長期(200日移動平均線: 6,140.65円)の移動平均線を大きく上回っており、長期的には堅調な上昇トレンドにあることが示唆されます。直近は短期的な調整局面にある可能性があります。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 直近1ヶ月および3ヶ月では、日経平均をそれぞれ11.04%ポイント17.66%ポイント上回るパフォーマンスを示し、アウトパフォームしています。
    • しかし、6ヶ月および1年では日経平均をそれぞれ0.97%ポイント41.20%ポイント下回っており、約1年のスパンで見ると市場全体の大きな上昇トレンドには乗り切れていない状況です。
  • TOPIX比:
    • 直近1ヶ月および3ヶ月では、TOPIXをそれぞれ9.44%ポイント17.22%ポイント上回っており、日経平均と同様に短期・中期では良好な相対パフォーマンスです。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率0.62倍と信用売残が買残を大きく上回っているため、将来的にまとまった買い戻しが発生し、株価の上昇圧力となる可能性があります。

【定量リスク】

  • ベータ値(5年月次): 0.52
    • 市場全体の動きに対して比較的穏やかな値動きをする傾向があります。市場が1%変動した時に、日置電機の株価は約0.52%変動すると想定されます。
  • 年間ボラティリティ: 34.73%
    • 株価の変動幅は比較的大きく、仮に100万円投資した場合、年間で±34.7万円程度の変動が想定されます。
  • 最大ドローダウン: -32.39%
    • 過去の市場環境において、最大で約32%の下落を経験しています。将来的に同様の下落が起こる可能性も考慮に入れる必要があります。

【事業リスク】

  • 為替変動リスク: 日置電機はグローバルに事業を展開しているため、為替レートの変動は海外売上高や収益認識に大きな影響を与え、円高は業績を圧迫する可能性があります。
  • 原材料価格上昇リスク: 製品の製造には多様な原材料が必要であり、その価格が上昇した場合、製造コスト増加により利益率が悪化する可能性があります。
  • 特定地域での需要低迷リスク: 決算短信で言及されている特定地域(特に韓国)などにおける需要の低迷が、今後の業績に影響を与える可能性があります。販売地域への過度な依存はリスクとなり得ます。

7. 市場センチメント

信用取引状況は、信用買残が27,800株、信用売残が45,000株であり、信用倍率は0.62倍です。信用売残が信用買残を上回る「売長」の状態であり、将来的な信用買い戻しによる株価上昇圧力が期待できるため、需給面ではポジティブな兆候と見られます。
主要株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が10.18%、自社社員持株会5.97%、日置恒明氏が5.63%と続き、機関投資家や安定株主が多い構成となっています。これは、株価の安定性や長期的な企業価値向上への期待を示すものと考えられます。

8. 株主還元

日置電機は株主還元を重視する方針を示しており、2026年12月期の配当予想は年間200円であり、現在の株価に対する配当利回りは2.70%です。2025年12月期の実績配当性向は49.61%で、会社の目標とする40%を上回っています。これは、利益を積極的に株主に還元しようとする姿勢の現れと評価できます。また、会社は期中に小規模な自社株買いも実施しており、資本効率の改善にも努めています。

SWOT分析

強み

  • 自己資本比率85.4%、Piotroski F-Score8/9点と極めて強固な財務体質。
  • ROE13.03%、営業利益率17.94%と高い収益性と、キャッシュ創出力。

弱み

  • 2025年12月期の減益と、特定の地域における需要低迷リスク。
  • PBRが業界平均より割高な水準にあること。

機会

  • 2026年12月期の業績回復予想と、価格改定・収益改善策の実行。
  • DX導入や創業90周年を通じた企業価値向上と新たな事業機会の創出。

脅威

  • グローバル経済の不確実性による為替変動、原材料価格の高騰。
  • 地政学リスクや国際的な競争激化による事業環境の悪化。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と配当を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と安定した配当方針、利益の質は長期保有に適しています。
  • 割安感のある高収益企業を探す投資家: PER基準での割安感と高い収益性は、バリュー投資家にとって魅力的なポイントです。
  • グローバルな電気計測器市場の成長に期待する投資家: 幅広い産業分野に貢献する主要事業は、産業全体の成長恩恵を受けやすいでしょう。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 2025年12月期の減益からの回復がいかに進むか、2026年12月期の会社予想達成には注視が必要です。
  • 為替変動、原材料価格の動向、そして特定の海外市場における需要状況が業績に与える影響を継続的に確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 2026年12月期の売上高および営業利益の進捗率: 特に自動試験装置や電子測定器の成長見込みと実績を追う必要があります。
  • 営業利益率の推移: 設備投資やDX投資の効果が利益率改善に繋がるか、継続的に監視すべきです。

成長性: C (やや不安)

2025年12月期の売上高は微増に留まり、営業利益および純利益は減益となりました。2026年12月期は増益を予想していますが、直近の四半期売上成長率3.21%(年率換算ではないものの参考として)を考慮すると、積極的な高成長と評価するには至りません。

収益性: S (優良)

ROEは13.03%、営業利益率は17.94%と、いずれも一般的な優良基準(ROE10%以上、営業利益率15%以上)を大きく上回る非常に高い水準を維持しています。これは、効率的な経営と高い製品競争力を示しており、優れた収益体質であると評価できます。

財務健全性: S (優良)

自己資本比率85.4%、流動比率4.33倍、そしてPiotroski F-Scoreも8/9点と、全ての主要な財務健全性指標において極めて優良な水準を確保しています。借入金への依存度が低く、短期的な資金繰りにも全く問題がない盤石な財務基盤が強みです。

バリュエーション: B (普通)

予想PER16.74倍は業界平均24.2倍と比較して割安感がある一方で、実績PBR2.29倍は業界平均1.6倍より割高です。PER基準とPBR基準で評価が分かれるものの、高い収益性と財務健全性を考慮すると、総合的には適正な評価水準にあると判断できます。
このレポートは2026年3月21日時点のデータに基づき作成されています。


企業情報

銘柄コード 6866
企業名 日置電機
URL http://www.hioki.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 7,420円
EPS(1株利益) 443.17円
年間配当 2.70円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 20.5倍 9,102円 4.2%
標準 0.0% 17.9倍 7,915円 1.3%
悲観 1.0% 15.2倍 7,071円 -0.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 7,420円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,942円 △ 88%割高
10% 4,923円 △ 51%割高
5% 6,212円 △ 19%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
チノー 6850 1,547 286 14.32 1.17 9.1 2.74
菊水ホールディングス 6912 2,158 189 13.00 1.18 10.3 2.91
リーダー電子 6867 436 19 35.73 0.55 1.7 3.44

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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