企業の一言説明

朝日放送グループホールディングスは、テレビ・ラジオ放送を基盤とし、コンテンツ事業に加え、イベントや住宅展示場運営など多角的なライフスタイル事業を展開する西日本民放大手の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 割安なバリュエーションと安定基盤: PER 9.16倍、PBR 0.47倍と業界平均と比較して大幅に割安な水準にあり、企業価値評価が見直される可能性を秘めています。安定した放送事業の基盤と、多角化されたライフスタイル事業が収益を下支えしています。
  • 良好な2026年3月期業績予想と高配当: 2026年3月期は大幅な増益を予想しており、第3四半期時点での進捗率も非常に良好です。あわせて、配当利回り 3.34%と高水準を維持しており、株主還元への意識も高いと評価できます。
  • 収益性改善と事業構造変化への対応: ROE 6.49%、ROA 2.49%と、収益性を示す指標はベンチマークを下回っており、本業での収益力改善が課題です。また、放送業界は広告収入の変動性やネットメディアとの競争激化という構造的な変化に直面しており、これらに対する経営戦略の実行力が今後の成長を左右します。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞気味
収益性 B 普通
財務健全性 A 良好
バリュエーション S 優良

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 899.0円
PER 9.16倍 業界平均 23.2倍
PBR 0.47倍 業界平均 2.3倍
配当利回り 3.34%
ROE 6.49%

1. 企業概要

朝日放送グループホールディングスは、西日本を地盤とするテレビ朝日系列の民放大手です。主要事業は、テレビ・ラジオ放送、番組制作・販売などの放送・コンテンツ事業と、住宅展示場の運営、通信販売、イベント事業などを展開するライフスタイル事業の二本柱です。収益モデルは主に広告収入と事業収入で構成されます。長年にわたる放送インフラの構築とブランド力、コンテンツ制作で培ったノウハウが技術的独自性や参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

同社は、関西圏を中心に事業を展開する民放大手の一つであり、テレビ朝日ホールディングスを主要株主とするテレビ朝日系列に属します。全国的なキー局や他の準キー局と競合しますが、地域に根差した放送事業と多角的なライフスタイル事業で独自のポジションを築いています。各種指標を見ると、PER 9.16倍、PBR 0.47倍であり、業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。これは、同社の企業価値が市場で十分に評価されていない可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

朝日放送グループホールディングスは、放送・コンテンツ事業を基盤としつつ、ライフスタイル事業の拡大を通じて収益源の多様化を図っています。2026年3月期は、放送・コンテンツ事業のスポット広告・ローカルタイム収入の増加に加え、万博関連収入の貢献も見込まれています。また、固定資産や投資有価証券の売却益といった特別利益も今期の業績を大きく押し上げています。直近の2026年3月期 第3四半期決算短信では通期予想が据え置かれ、営業利益・最終利益ともに高い進捗率を達成しており、堅調な推移を示しています。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当権利落ち日を控えています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益と総資産利益率(ROA)がプラスであるため
財務健全性 3/3 流動比率が基準値を上回り、負債比率が健全で、株式希薄化もないため
効率性 1/3 四半期売上高成長率がプラスであるため

総合評価: 朝日放送グループホールディングスはPiotroski F-Scoreで6点/9点を獲得しており、「A: 良好」と評価されます。これは、収益性、財務健全性、効率性の観点から見て、全体的に健全な財務体質であることを示しています。特に財務健全性については満点であり、手元資金が豊富で負債が少ない、非常に安定した状態です。一方で、収益性と効率性については改善の余地があり、営業利益率や自己資本利益率(ROE)についてさらなる向上が期待されます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 9.15%
    • ベンチマーク10%には僅かに届かないものの、B判定(5-10%)の水準にあります。
  • ROE(過去12か月): 6.49%
    • 株主資本をどれだけ効率良く使って利益を生み出したかを示す指標です。一般的な目安とされる10%を大きく下回っており、資本効率には改善の余地があります。
  • ROA(過去12か月): 2.49%
    • 企業全体の資産をどれだけ効率良く使って利益を上げたかを示す指標です。一般的な目安とされる5%を大きく下回っており、資産効率も低い水準にあります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 59.6%
    • 総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務が安定しています。59.6%は非常に高い水準であり、財務基盤は強固であると評価できます。
  • 流動比率(直近四半期): 2.61倍
    • 短期債務に対する支払能力を示す指標で、200%以上が良好とされます。2.61倍(261%)と非常に高く、短期的な支払い能力に全く問題はありません。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(2025年3月期): 5,299百万円
    • 本業で得たキャッシュフローは安定的にプラスを維持しており、事業活動から健全に資金を創出していることを示します。
  • フリーキャッシュフロー(2025年3月期): 1,490百万円
    • 営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたもので、企業の自由に使える資金の目安です。プラスを維持しており、成長投資や株主還元に回せる余力があることを示しています。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 2.12倍
    • 純利益に対して、本業でどれだけキャッシュが伴っているかを示す指標です。1.0倍以上が健全とされます。同社は2.12倍と高く、利益の質は非常に健全であると評価できます。

【四半期進捗】

2026年3月期 第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗状況は以下の通りです。

  • 通期予想売上高 92,700百万円に対し、第3四半期累計で 72,000百万円(進捗率 77.7%)。
  • 通期予想営業利益 3,600百万円に対し、第3四半期累計で 3,595百万円(進捗率 99.9%)。
  • 通期予想純利益 4,100百万円に対し、第3四半期累計で 3,835百万円(進捗率 93.5%)。

営業利益と純利益は特に高い進捗率を示しています。これは固定資産売却益や投資有価証券売却益などの特別利益が大きく貢献しており、通期目標達成に向けて順調なペースで推移していることが伺えます。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 9.16倍
    • 株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標です。業界平均が23.2倍であることから、同社のPERは業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 0.47倍
    • 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。業界平均が2.3倍であることから、同社のPBRは業界平均と比較して非常に割安であり、企業の解散価値を下回る水準で取引されています。これは、潜在的な価値が市場で十分に評価されていない可能性を示唆しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD: 19.63 / シグナル: 14.89 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 57.2% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.30% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +4.30% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +6.18% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +16.71% 長期トレンドからの乖離

RSIが57.2%と買われすぎでも売られすぎでもない中立圏に位置しており、MACDも特段のトレンド転換シグナルは出ていません。

【テクニカル】

現在株価899.0円は、52週高値952.00円と安値588.00円の間で、高値圏(52週レンジ内位置: 85.4%)にあります。短期移動平均線である5日移動平均線(910.80円)は下回っていますが、25日移動平均線(861.96円)、75日移動平均線(846.68円)、200日移動平均線(773.49円)といった中長期の移動平均線を全て上回っています。これは、短期的な調整局面にあるものの、中長期的には上昇トレンドを継続していることを示唆しています。

【市場比較】

日経平均株価およびTOPIXとの相対パフォーマンスを見ると、直近1ヶ月および3ヶ月では両指数を上回るパフォーマンスを見せています。しかし、6ヶ月および1年といった中長期的期間では、両指数を下回るパフォーマンスとなっています。これは、短期的には注目を集めているものの、長期的な視点では市場全体の上昇トレンドに追いつけていない状況を示しています。

【注意事項】

信用倍率が0.36倍と低い水準にあります。これは信用売り残が信用買い残を大きく上回っている状態であり、将来的な買い戻しが株価を押し上げる可能性を秘めています。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 20.02%
    • 株価の年間変動率の目安です。仮に100万円投資した場合、年間で±20万円程度の変動が想定されます。
  • シャープレシオ: -0.69
    • リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標です。マイナス値は、リスクを負ったにもかかわらずリスクフリーレートを下回るリターンしか得られていないことを示しており、投資効率が低い状態です。
  • 最大ドローダウン: -36.88%
    • 過去の一定期間で最も大きな損失幅を示します。この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。

【事業リスク】

  • 広告収入の景気変動への依存: 朝日放送グループホールディングスの主要な収益源である放送事業は、広告収入に大きく依存しています。広告収入は景気変動の影響を受けやすく、経済状況の悪化は業績に直接的な影響を与える可能性があります。
  • ネットメディアとの競争激化とメディア環境の変化: 視聴者のメディア消費形態が多様化し、テレビ以外のネットメディアとの競争が激化しています。若年層のテレビ離れや広告予算のネットシフトは、放送事業の収益基盤を揺るがす構造的なリスクです。
  • 多角化事業の成長性と収益性: ライフスタイル事業の多角化を進めていますが、各事業の成長性や収益への貢献度には不透明な部分があります。新たな事業への投資が期待通りのリターンを生み出さない場合、グループ全体の収益性を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が397,000株であるのに対し、信用売残は1,093,300株と、売り残が買い残を大きく上回っており、信用倍率は0.36倍と低い水準です。これは、将来的に売り方が買い戻しに転じた際に、株価を押し上げる要因となる可能性があります。主要株主は朝日新聞社(14.88%)、テレビ朝日ホールディングス(9.27%)、公益財団法人香雪美術館(7.00%)と、上位の株主が安定しており、経営基盤は比較的安定していると言えます。

8. 株主還元

同社は株主還元に積極的な姿勢を示しています。

  • 配当利回り(会社予想): 3.34%
    • 現在の株価に対して、年間で30.00円の配当を予定しており、魅力的な水準です。
  • 配当性向(会社予想): 21.7%
    • 利益の21.7%を配当に回す計画であり、一般的な目安とされる30-50%と比較して低めですが、成長投資と株主還元のバランスを考慮した水準であると見られます。
  • 自社株買いの状況: データなし

SWOT分析

強み

  • 安定的な放送事業基盤と関西圏での高いブランド力。
  • ライフスタイル事業による収益源の多角化と財務健全性の高さ。

弱み

  • 放送事業における広告収入依存度と業界全体の構造的変化。
  • ROE、ROAといった収益性指標が業界平均やベンチマークを下回る。

機会

  • 大阪万博関連など、イベント事業の活性化による収益機会。
  • コンテンツ制作能力を活かしたデジタル配信や海外展開の可能性。

脅威

  • テレビ視聴率の低下や広告費のネットシフト加速。
  • 競合するネットメディアの台頭と視聴者獲得競争の激化。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と配当を重視するバリュー投資家:
    PBRが0.47倍1倍を割る割安水準にあり、自己資本比率も59.6%と非常に高く財務基盤が安定しているため、安心感のある投資を求める投資家に向いています。
  • 今後の事業変革による企業価値向上に期待する長期投資家:
    放送業界の変革期において、多角化戦略が成功し、収益性改善や企業価値向上を長期的な視点で見守ることに期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 本業の収益性改善と事業ポートフォリオの最適化:
    現在の高進捗は特別利益に依存する部分があり、持続的な成長のためには本業である放送・コンテンツ事業とライフスタイル事業の双方における収益性向上策が重要です。
  • メディア環境の変化への対応力:
    ネットメディアの台頭により、視聴者や広告主の行動は変化しています。これに対して、同社がどのような戦略で対応し、視聴者や広告収益を確保していくのかを注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: ROE改善のためにも、本業での収益力の回復を示す営業利益率が継続的に10%以上を維持できるか。
  • ライフスタイル事業の売上高成長率と営業利益貢献度: 多角化戦略の成否を測る上で、各事業の詳細な進捗と収益性への寄与度。
  • 株主還元方針の維持: 配当性向や自社株買いの継続的な実施、さらなる強化の可能性。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (停滞気味)
    直近12か月の売上高成長率は0.40%、2025年3月期から2026年3月期予想の売上高成長率も0.84%と、5%を下回る低成長に留まっています。事業規模の拡大は限定的であり、成長性には懸念があります。
  • 収益性: B (普通)
    ROE(過去12か月)が6.49%とベンチマーク10%を下回りますが、営業利益率(過去12か月)は9.15%と一般的な目安5-10%の範囲内にあります。ROAが2.49%と低い点も課題ですが、現在のところ収益性は「普通」と評価できます。
  • 財務健全性: A (良好)
    自己資本比率が59.6%と高く、流動比率も2.61倍と非常に優れています。Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアでは3/3点を獲得しており、財務基盤は非常に強固で安定していると評価できます。
  • バリュエーション: S (優良)
    PERは9.16倍、PBRは0.47倍と、それぞれ業界平均であるPER 23.2倍、PBR 2.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。特にPBRが1倍を大きく下回っていることから、現在の株価は企業の持つ純資産価値に対して著しく低評価であると判断でき、「優良」と評価されます。

企業情報

銘柄コード 9405
企業名 朝日放送グループホールディングス
URL https://corp.asahi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 899円
EPS(1株利益) 98.16円
年間配当 3.34円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 10.5倍 2,425円 22.2%
標準 14.3% 9.2倍 1,754円 14.6%
悲観 8.6% 7.8倍 1,153円 5.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 899円

目標年率 理論株価 判定
15% 885円 △ 2%割高
10% 1,105円 ○ 19%割安
5% 1,394円 ○ 36%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
テレビ朝日ホールディングス 9409 3,235 3,510 12.53 0.69 6.2 2.16
テレビ東京ホールディングス 9413 4,100 1,130 14.68 1.01 7.5 2.43

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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