企業の一言説明

積水樹脂は、道路資材、交通安全資材、景観資材などを開発・製造・販売する積水化学グループ傘下で、社会インフラに貢献する技術と製品を展開する東証プライム上場の化学・素材企業です。特に道路資材分野では国内で高いシェアを誇り、複合加工技術とデザイン力に定評があります。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅実な財務基盤と高いキャッシュ創出力: 自己資本比率が68.7%と非常に高く、Piotroski F-Scoreで7/9点(S評価)を獲得するなど、優れた財務健全性を有しています。また、営業キャッシュフローは堅調で、利益の質も「S(優良)」と評価されます。
  • 割安なバリュエーション: PERは業界平均を下回り、実績PBRは0.70倍と業界平均(1.1倍)を大きく下回っており、純資産価値に対して割安な水準にあります。株主還元策と合わせて、PBR1倍割れ改善への期待が高まります。
  • 収益性の改善が課題: 過去数年で売上高は回復基調にあるものの、原材料費や減価償却費の増加により営業利益率やROEは低下傾向にあり、収益性の改善が中長期的な成長の鍵となります。第3四半期の利益進捗が通期予想に対してやや出遅れており、今後の事業環境とコストコントロールに注目が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B やや期待
収益性 C やや不安
財務健全性 S 優良
バリュエーション S 割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,243.0円
PER 15.97倍 業界平均20.4倍
PBR 0.70倍 業界平均1.1倍
配当利回り 3.21%
ROE 3.68%

1. 企業概要

積水樹脂は、1941年に創業し、1954年に設立された積水化学グループの一員です。複合加工技術を核として、社会インフラに貢献する多岐にわたる製品・サービスを提供しています。主要事業には、防音壁、交通安全資材、道路標示材、防護柵、公園資材、人工芝、包装資材、建材などがあり、特に道路資材分野では国内トップクラスのシェアを誇ります。長年にわたる実績と技術的独自性、そして景観になじむデザイン力により、高い参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

同社は、日本の建設資材・素材業界において、特に交通安全・景観分野で主要な地位を占めています。積水化学グループというバックグラウンドも強みとなり、ブランド力と安定した供給体制を確立しています。競合他社と比較して、複合素材技術の応用範囲の広さや、幅広い製品ラインナップ、そして公共事業に特化したソリューション提供能力に優位性があります。
市場バリュエーションを業界平均と比較すると、積水樹脂のPER(会社予想)は15.97倍であり、業界平均の20.4倍を下回っています。また、PBR(実績)は0.70倍と、業界平均の1.1倍を大きく下回っており、純資産価値から見ても割安感がある状態です。これは、市場が同社の収益成長性や資本効率に対して、現状では慎重な見方をしている可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

積水樹脂は、中期経営計画において、社会インフラの老朽化対策、防災・減災への貢献を重点戦略として掲げています。これは、日本社会が抱える構造的な課題に対し、同社の技術と製品でソリューションを提供することで、持続的な成長を目指すものです。道路資材や防護壁、耐震性・耐久性に優れた建材など、同社の主力製品群はこれらのニーズに合致しており、公共事業を主体とした安定的な需要が見込まれます。
直近の2026年3月期第3四半期決算短信では、公共事業および民間設備投資の堅調さを背景に、売上高は前年同期比+5.5%増の545億8,200万円、営業利益も同+19.7%増の32億5,000万円と増益を達成しました。しかし、第3四半期累計での通期予想に対する進捗率は、営業利益が50.8%、純利益が55.7%と、例年の傾向から見てもやや低い水準にあります。第4四半期での巻き返しが期待されます。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。これは、この日までに株式を保有している株主が、当該決算期の配当金を受け取る権利を得ることを意味します。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、経営効率性を9つの項目で評価し、スコアが高いほど財務状況が良好であることを示します。積水樹脂のF-Scoreは以下の通りです。

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益がプラス、営業キャッシュフローがプラス、ROAがプラスで高得点
財務健全性 3/3 流動比率が改善、有利子負債比率が健全、株式希薄化なしで高得点
効率性 1/3 四半期売上成長率がプラスではあるものの、営業利益率とROEが改善目標を下回る

解説:

積水樹脂は、Piotroski F-Scoreで7点を獲得し、「S: 優良」と評価されます。これは、同社の財務が非常に健全であり、投資候補として財務的な安定性が高いことを示しています。

  • 収益性スコア (3/3): 純利益が黒字であり、営業キャッシュフローもプラスを維持していることに加え、総資産利益率(ROA)もプラスであるため、基本的な収益性は問題ないと評価されています。
  • 財務健全性スコア (3/3): 流動比率が一定水準を上回り、自己資本比率が高いことから有利子負債への依存度が低く、また株式の希薄化も発生していないため、財務の安定性が非常に高いと評価されます。
  • 効率性スコア (1/3): 四半期売上成長率はプラスであるものの、営業利益率が10%を下回っており、自己資本利益率(ROE)も10%を下回っている点が効率性スコアの低さにつながっています。これは、収益性の改善と資本効率の向上が今後の課題であることを示唆しています。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

同社の収益性は、近年やや圧迫されている状況にあります。

  • 営業利益率(過去12か月): 7.73%
    • 2022年3月期には16.51%を記録していましたが、その後低下傾向にあります。原材料価格の高騰や減価償却費の増加などが影響している可能性があります。
    • 一般的な目安として10%以上が望ましいとされる中で、現状はやや課題がある水準です。
  • ROE(実績): 3.68% (ベンチマーク: 10%)
    • 株主資本に対する利益率を示すROEは、4%未満と低水準にあります。これは、株主から預かった資本を効率的に活用して利益を生み出す力が、現時点では十分ではないことを示しています。株主還元の強化や自己資本の効率的な活用が求められます。
  • ROA(過去12か月): 2.39% (ベンチマーク: 5%)
    • 総資産に対する利益率を示すROAも2.39%と、ベンチマークである5%を下回っています。事業活動全体での収益性向上も課題と言えます。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

同社の財務健全性は非常に高く評価できます。

  • 自己資本比率(実績): 68.7%
    • 負債に依存しない安定的な経営基盤を示す自己資本比率は、基準の40%を大きく上回り、非常に高い水準です。これは、財務的に安定しており、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる強固な体力を持っていることを意味します。
  • 流動比率(直近四半期): 1.87 (187%)
    • 短期的な支払い能力を示す流動比率は、187%と十分に高く、基準とされる150%を上回っています。これは、流動負債を流動資産で無理なく賄えることを意味し、短期的な資金繰りに問題がないことを示しています。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

同社のキャッシュフローは安定しており、事業活動から健全な現金を創出できています。

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 82億9,000万円
    • 本業で稼ぐ力を示す営業キャッシュフローは、安定的にプラスを維持しており、健全な事業運営ができていることを示します。
  • フリーキャッシュフロー(直近四半期累計): +15億8,700万円
    • 営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローもプラスを維持しており、事業内での投資を賄いつつ、自由に使える資金があることを示します。これは、株主還元や新規事業投資などの選択肢が広いことを意味します。

【利益の質】営業CF/純利益比率

営業キャッシュフローが純利益に対して十分な水準にあるかを確認する指標です。

  • 営業CF/純利益比率: 1.91
    • 1.0以上が健全とされる中で、1.91と非常に高い水準です。これは、会計上の利益である純利益が、実際に現金として裏付けられていることを強く示しており、利益の質が「S (優良)」であると評価できます。不透明な会計処理や非現金費用による利益水増しのリスクが低いことを意味します。

【四半期進捗】通期予想に対する進捗率、直近3四半期の売上高・営業利益の推移

2026年3月期第3四半期累計(9ヶ月間)の実績は、通期予想に対して以下の進捗状況です。

  • 売上高: 545億8,200万円 (通期予想790億円に対し 69.1%)
  • 営業利益: 32億5,000万円 (通期予想64億円に対し 50.8%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 23億9,300万円 (通期予想43億円に対し 55.7%)

営業利益と純利益の進捗率は、第3四半期時点としてはやや低い水準に留まっています。これは、通常、多くの企業で第4四半期に売上や利益が計上される傾向があるとはいえ、残りの1四半期で残りの約50%の利益を上げる必要があることを示唆しています。今後の事業環境、特に公共工事の進捗や民間需要の動向が通期目標達成の鍵となります。
直近の損益計算書(年度別)を見ると、2022年3月期をピークに営業利益と純利益は減少傾向にありましたが、2025年3月期は業績予想の数値であり、過去12カ月(直近実績)の数字は回復基調にあります。通期予想では2026年3月期に営業利益64億円、純利益43億円と回復を見込んでおり、第3四半期の実績はその回復トレンドを裏付けるものとなっていますが、通期予想の達成に向けては第4四半期の挽回が重要です。

【バリュエーション】PER/PBR(業界平均比較、割安/適正/割高の判定)

積水樹脂の株価は、業界平均と比較して割安感がある状態です。

  • PER(会社予想): 15.97倍
    • 業界平均PERが20.4倍であることに比べると、約22%ほど割安です。これは、市場が同社の将来の利益成長に対して、業界平均よりも低い評価をしているか、あるいは現在の株価が収益力に対して相対的に低い水準にあることを示唆しています。
  • PBR(実績): 0.70倍
    • 業界平均PBRが1.1倍であることに比べると、約36%ほど割安です。PBRは株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標であり、1倍未満は企業の解散価値を下回っている状態と解釈されます。これは、企業が持つ純資産に対して市場価値が過小評価されている可能性があり、PBRが1倍割れの銘柄として、市場からの改善圧力が高まる可能性も秘めています。
    • バリュエーション分析による目標株価は、業界平均PER基準で2,517円、業界平均PBR基準で3,505円と算出されており、現在の株価2,243.0円から見ると、上昇余地があると考えられます。

これらの指標は、現在の株価が企業の基本的な収益力や資産価値に対して割安な水準にあることを示しており、バリュエーションの観点からは魅力的な可能性があります。

【テクニカルシグナル】

直近のテクニカル指標は以下のように推移しています。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 14.77 / シグナル値: 39.24 短期的なトレンド転換の強い兆候は見られない
RSI 中立 42.8% 買われすぎでも売られすぎでもない、中立的な水準
5日線乖離率 -3.20% 短期的に移動平均線を下回る。直近の売りに押されている可能性。
25日線乖離率 -4.94% 短期トレンドからやや下方向に乖離。
75日線乖離率 +1.27% 中期トレンドからはやや上回っている。
200日線乖離率 +5.10% 長期トレンドからは上回っている。

解説:

MACDはシグナルラインを大きく上回ったり下回ったりしておらず、現時点では明確なトレンド転換の強い兆候は示されていません。RSIは42.8%と中立域にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態を示しています。
移動平均線乖離率を見ると、株価は5日移動平均線と25日移動平均線を下回っており、直近の短期的な売り圧力が示唆されます。一方で、75日移動平均線と200日移動平均線は上回っており、中期から長期のトレンドはまだ上昇基調にあると考えられます。これは、短期的な調整局面にあるものの、長期的な視点では底堅さが維持されていることを意味します。

【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係

  • 52週レンジ: 1,607円(安値)~2,547円(高値)
  • 現在の株価2,243.0円は、52週レンジの67.7%の位置にあり、年間を通じて見るとやや高い水準に位置しています。安値からの上昇は顕著ですが、高値圏まではまだ余裕があります。
  • 移動平均線との関係: 現在株価は、短期の5日移動平均線(2,317.20円)と25日移動平均線(2,359.48円)を下回っています。これは、直近の株価が軟調であることを示唆しています。しかし、中期の75日移動平均線(2,214.81円)と長期の200日移動平均線(2,132.32円)は上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されていると見ることができます。
  • サポート・レジスタンス: 直近1ヶ月のレンジは2,243.00円~2,547.00円、3ヶ月のレンジは2,028.00円~2,547.00円です。現在の株価水準が1ヶ月レンジの下限に近いことから、この水準が短期的なサポートラインとして機能するかが注目されます。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

積水樹脂の株価パフォーマンスを主要市場指数と比較すると、中長期では市場全体に遅れを取っています。

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月では日経平均を4.33%ポイント上回るパフォーマンス。
    • しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年ではそれぞれ日経平均を1.10%ポイント、21.41%ポイント、29.19%ポイント下回っています。
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月ではTOPIXを2.73%ポイント上回るパフォーマンス。
    • しかし、3ヶ月ではTOPIXを1.53%ポイント下回っています。

これらのデータは、直近1ヶ月間は市場全体の調整局面で相対的に堅調だったものの、中長期では市場の成長トレンドに乗り切れていない可能性を示唆しています。これは、同社のPERやPBRの割安感と連動しており、成長期待の面で市場から評価されにくい状況が背景にあると考えられます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が5.83倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。信用買い残が信用売り残を大きく上回っているため、短期的な株価上昇局面での利食い売りや、株価下落局面での投げ売りが加速するリスクがあります。

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.23
    • ベータ値が0.23と非常に低いことは、市場全体の動き(日経平均やTOPIX)に対して、積水樹脂の株価が同方向に動く割合が小さいことを意味します。市場が大きく変動しても、同社の株価は比較的安定している傾向がある、つまり市場変動リスクが低い銘柄であると言えます。
  • 年間ボラティリティ: 25.85%
    • 過去1年間の株価の変動幅は約25.85%でした。仮に100万円を投資した場合、年間で±25.85万円程度の変動が想定されることを意味します。これは、急激な価格変動リスクが中程度であることを示しています。
  • 最大ドローダウン: -34.58%
    • 過去のある期間において、株価がピークから最大で34.58%下落した経験があります。これは、この程度の短期的な大幅下落が今後も起こりうる可能性、およびその下落に耐えるための資金管理の重要性を示唆しています。投資する際には、この最大ドローダウンを考慮した上で、リスク許容度を判断することが重要です。

これらの定量指標は、積水樹脂が市場リスクに対して比較的耐性がある一方で、個別の事業リスクやその他の要因による株価変動には注意が必要であることを示唆しています。年間平均リターンは7.83%、シャープレシオは0.28と、リスクに見合うリターンが十分ではない状況です(シャープレシオは1.0以上が良好とされる)。これは、低ベータ値による市場リスクの低減効果があるものの、銘柄固有のリターン創出が課題であり、リスク調整後のリターン改善が求められます。

【事業リスク】主要なリスク要因

  • 公共事業投資への依存と政府政策・予算変動リスク: 積水樹脂は道路資材や交通安全資材など、公共事業に深く関わる製品・サービスを主力としています。そのため、政府のインフラ投資計画、予算編成、経済政策の変動が、同社の受注や業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に、日本の財政状況や社会情勢の変化によっては、公共事業予算が削減されるリスクも存在します。
  • 原材料価格の変動リスク: 化学製品メーカーである同社にとって、石油製品、樹脂、金属などの原材料価格の変動は、コスト構造に大きな影響を与えます。原材料価格が高騰した場合、製品価格への転嫁が難しい局面では、収益性が圧迫される可能性があります。為替変動の影響も受けやすいです。
  • 人口減少・市場の成熟化リスク: 日本は人口減少と高齢化が進行しており、新規インフラ建設の需要が限定的になる可能性があります。今後は、既設インフラの維持・補修や更新需要、災害対策といった分野での需要が中心となりますが、市場の成熟化に伴う競争激化や、都市部から地方への需要シフトに対応していく必要があります。また、リサイクル需要や環境規制への対応も重要です。

7. 市場センチメント

積水樹脂の市場センチメントは、信用取引状況から見ると、短期的な売り圧力が潜在的に存在します。

  • 信用取引状況: 信用買残が50,100株に対し、信用売残は8,600株であり、信用倍率は5.83倍と高い水準です。これは、将来的に信用買い残の「反対売買(売り)」が市場に出る可能性があり、株価の上値を抑えたり、下落局面での売り圧力を強めたりする要因となり得ます。
  • 主要株主構成: 上位株主に日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、日本カストディ銀行(信託口)といった信託銀行のほか、筆頭株主である積水化学工業(4.82%)や積水ハウス(3.12%)など、グループ会社や安定株主が多い構造です。これにより、経営の安定性は高いと評価できます。機関投資家による保有比率も35.19%と一定水準あり、プロの投資家からの関心も一定程度見られます。

8. 株主還元

積水樹脂は、安定的な株主還元を重視する姿勢が見られます。

  • 配当利回り(会社予想): 3.21%
    • 現在の株価2,243.0円に対し、予想年間配当金72.00円で算出される配当利回りは3.21%です。これは、日本のプライム市場上場銘柄としては平均と比較してやや高めの水準であり、比較的魅力的な配当を提供しています。
    • 過去5年平均配当利回りは2.95%であり、直近の予想は平均を上回っています。
  • 配当性向: 62.5% (2025年3月期実績値に基づくYahoo Japan提供データ)
    • 会社予想EPS112.06円に対する予想配当金72円で計算すると、配当性向は約64.2%となります。これは利益の半分以上を配当に回す水準であり、株主還元への積極的な姿勢が伺えます。ただし、収益性の改善が課題となる中で、高水準の配当性向を維持していくためには、安定した利益創出が不可欠となります。
  • 自社株買いの状況: データなし。過去のデータにも言及がないため、直近で積極的な自社株買いは実施されていない可能性があります。PBR1倍割れが続く中で、今後、資本効率向上を目的とした自社株買いの実施も検討される可能性があります。

SWOT分析

強み

  • 確立された市場地位と技術力: 道路資材分野における国内トップクラスのシェアと、積水化学グループとしての高いブランド力、複合加工技術により強固な事業基盤を持つ。長年の実績と高い品質、信頼性が評価されている。
  • 堅固な財務基盤: 自己資本比率68.7%、流動比率1.87、F-Score7点と非常に優れた財務健全性を有しており、不況時や不測の事態にも耐えうる体力がある。

弱み

  • 低調な収益性と資本効率: ROE3.68%、ROA2.39%と、資本を効率的に活用して利益を生み出す力が低く、収益性の改善が喫緊の課題。この点がPBR1倍割れの主要因にもなっている。
  • 公共事業への依存度: 事業特性上、政府の公共事業投資動向に業績が左右されやすく、景気変動や財政政策の変化による影響を受けやすい側面がある。

機会

  • 国内インフラの老朽化対策需要: 日本国内における高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進んでおり、維持・補修・更新需要が高まっている。同社の製品・技術が貢献できる市場機会は大きい。
  • 防災・減災意識の高まり: 自然災害の頻発化により、防災・減災インフラへの投資が増加傾向にある。同社の防護壁や安全資材は、この社会的なニーズに対応し、新たな需要を創出する可能性がある。

脅威

  • 原材料価格の高騰と為替変動: 主要な原材料である石油製品や樹脂、金属などの価格変動や為替レートの変動が、製造コストを押し上げ、利益率を圧迫するリスクがある。
  • 国内市場の縮小と競争激化: 人口減少に伴う国内市場の縮小傾向は避けられず、新規インフラ需要の減少や市場の成熟化に伴い、同業他社との競争が激化する可能性がある。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と健全なキャッシュフロー、Piotroski F-Scoreの高さから、倒産リスクが低く、安心して長期保有したい投資家。
  • バリュー株投資家: PER、PBRともに業界平均を大きく下回り、PBR1倍割れという割安な水準にあるため、再評価による株価上昇を期待する投資家。
  • 安定配当を求める投資家: 配当利回り3.21%と比較的高水準であり、堅実な財務状況を背景に安定した配当収入を期待する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性改善の動向: 現在の営業利益率とROEは市場平均を下回っており、今後、企業価値向上に向けた具体的な収益性改善策が実行され、その効果が見られるかどうかに注目が必要です。
  • 公共事業予算の変動: 政府の政策や予算動向が業績に大きく影響するため、公共事業関連ニュースや政府発表には常に注意を払う必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率、ROEの改善状況: 特にROEは10%以上を目指す具体的な経営戦略と、その進捗状況。
  • 受注残高の推移: 公共事業の動向を測る上で、今後の受注高や受注残高の積み上がりは重要な指標となります。
  • 中期経営計画の進捗と達成状況: 掲げている戦略が具体的にどのような成果を生み出しているかを定期的に確認し、収益構造の変化を評価すべきです。
  • PBR1倍割れ対策に関する企業のIR(インベスター・リレーションズ): PBR1倍割れ改善に向けた株主還元策の強化(自社株買いの実施など)や、資本効率向上の施策発表があるか。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (やや期待)
    根拠: 2026年3月期の通期売上高予想は前年比+6.42%の成長を見込んでおり、直近四半期売上成長率も5.0%と堅調です。これは評価基準の5-10%の範囲にあり、安定した成長が期待できる水準のため「B」と評価しました。
  • 収益性: C (やや不安)
    根拠: ROEは3.68%、ROAは2.39%と、いずれもベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大きく下回っています。営業利益率(過去12か月)は7.73%で過去最高から減少傾向にあり、収益性の改善が課題であるため「C」と評価しました。
  • 財務健全性: S (優良)
    根拠: 自己資本比率は68.7%と非常に高く、流動比率も1.87と良好な水準です。Piotroski F-Scoreにおいても7/9点の「S」評価を得ており、極めて安定した財務基盤を持つため「S」と評価しました。
  • バリュエーション: S (割安)
    根拠: PER(15.97倍)は業界平均20.4倍よりも約22%割安であり、PBR(0.70倍)は業界平均1.1倍を約36%下回る水準で、純資産価値から見ても大幅な割安感があります。市場からの再評価に期待できるため「S」と評価しました。

企業情報

銘柄コード 4212
企業名 積水樹脂
URL http://www.sekisuijushi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,243円
EPS(1株利益) 140.46円
年間配当 3.21円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 19.1倍 2,687円 3.8%
標準 0.0% 16.6倍 2,336円 1.0%
悲観 1.0% 14.1倍 2,087円 -1.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,243円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,170円 △ 92%割高
10% 1,461円 △ 54%割高
5% 1,843円 △ 22%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
四国化成ホールディングス 4099 4,905 2,200 22.00 2.26 10.6 1.22
前田工繊 7821 1,987 1,352 17.80 1.80 11.1 1.40
岡部 5959 979 462 12.51 0.72 5.9 4.29

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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