企業の一言説明
ブシロードはトレーディングカードゲーム(TCG)を主力に、デジタルゲーム、ライブエンタメ、プロレスなど多角的なIP戦略を展開するエンタテインメント企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 業界トップクラスのIP創出力と多角的なメディアミックス戦略: TCGを核に、アニメ、ゲーム、ライブ、スポーツ(プロレス)へと展開するIP戦略は、安定した収益源を確保しつつ、新たなファン層を獲得する強みです。特に近年はデジタルゲームと海外展開を強化しています。
- 極めて堅実な財務基盤と高い収益性: Piotroski F-Scoreで8/9点(S評価)と非常に優良な財務健全性を誇ります。過去12ヶ月のROEは19.13%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して利益を創出する能力に優れています。
- 信用倍率の高さと株価下落トレンド: 信用買残が信用売残の20倍以上と非常に高く、将来的な需給悪化による売り圧力には注意が必要です。また、株価は移動平均線を下回り、テクニカル分析からは下落トレンドが示唆されています。新作ゲームの売上動向やイベント集客の不確実性など、エンタテインメント事業特有の変動リスクも抱えています。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | A | 良好 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 262.0円 | – |
| PER | 13.17倍 | 業界平均16.8倍(約21.6%割安) |
| PBR | 1.34倍 | 業界平均1.7倍(約21.2%割安) |
| 配当利回り | 0.95% | – |
| ROE | 19.13% | – |
1. 企業概要
ブシロード([7803])は、トレーディングカードゲーム(TCG)を主力事業とする日本のエンタテインメント企業です。人気IP(知的財産)を軸に、デジタルゲーム(モバイル・コンソール)、アニメ・コミック制作、音楽コンテンツ、ライブイベント、プロレス興行、グッズ販売など、多角的なメディアミックスを展開しています。特に「カードファイト!! ヴァンガード」や「ヴァイスシュヴァルツ」、「BanG Dream!」といった強力な自社IPを擁し、企画から開発、製造、販売、イベント運営までを一貫して手掛けることで、独自の顧客体験を提供し、強固なファン基盤を築いています。収益源はTCGの継続的な販売、新作ゲームのヒット、多様なコンテンツ展開からのライセンス収入、グッズ販売が主要な柱です。これにより、単一コンテンツへの依存リスクを低減しつつ、IP価値の最大化を図るビジネスモデルを構築しています。
2. 業界ポジション
ブシロードは、日本のアニメ・ゲーム・エンタテインメント業界において、多角的なIP展開に強みを持つユニークな存在です。特にTCG市場では大手の一角を占め、国内外に展開するネットワークを持っています。競合としては、バンダイナムコホールディングス、タカラトミー、コナミグループ、カプコンなどの大手エンタメ企業が挙げられますが、ブシロードはゲーム、アニメ、音楽、ライブ、そしてプロレス事業までを自社グループ内で完結させる独特のサプライチェーンとIP創出力で差別化を図っています。
財務指標面では、現在のPERは13.17倍(業界平均16.8倍)、PBRは1.34倍(業界平均1.7倍)と、業界平均と比較して約2割割安なバリュエーションで取引されています。これは、過去の業績不振や成長鈍化への市場の懸念が背景にある可能性がありますが、裏を返せば、今後の成長戦略が奏功すれば大きく再評価される潜在的な余地があるとも解釈できます。
3. 経営戦略
ブシロードは、「IPディベロッパー戦略」を中核に据え、持続的な成長を目指しています。この戦略は大きく分けて以下の3点に集約されます。
- 既存IPの強化と新規IPの創出: 「カードファイト!! ヴァンガード」や「ヴァイスシュヴァルツ」といった主力TCGの継続的な展開に加え、新IP「ZERO RISE」の舞台化・アニメ化など、新たな人気コンテンツの育成に注力しています。
- デジタルゲーム事業の強化: モバイルゲームとコンソールゲームを「BUSHIROAD GAMES」ブランドで展開し、収益多角化を図っています。特に「HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR」のような大型モバイルゲームの世界同時リリースは、グローバル市場での存在感向上を目指すものです。
- 多角的なメディアミックスと海外展開の加速: TCG、デジタルゲーム、アニメ、音楽ライブ、マーチャンダイジング(MD)、スポーツ事業(プロレスなど)を横断的に連携させ、IPの価値を最大化しています。また、株式会社GENDAとの業務提携などにより、海外チャネルの拡大を積極的に推進し、グローバル市場での成長機会を追求しています。
2026年6月期第2四半期決算説明資料によると、第1四半期に続き第2四半期まで各事業は順調に推移しています。しかし、通期業績予想は据え置きとされています。これは、第3四半期にTCGの仕様変更に伴う費用や、新IP・新作ゲームのプロモーション費用増を見込んでいるため、一時的に軟調な推移を想定しているという経営陣のメッセージが反映されたものです。
今後のイベントとしては、2026年6月29日に配当落ち日が予定されています。また、2025年12月23日には自己株式6,000,000株(発行済株式総数の約4.19%)を消却しており、これは株主還元への積極的な姿勢を示すものとして評価できます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務状況を収益性、財務健全性、効率性の9つの観点から評価する指標で、ブシロードの総合スコアは8/9点と極めて優良であり、非常に健全な財務体質を示しています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 良好 |
| 財務健全性 | 3/3 | 良好 |
| 効率性 | 2/3 | 良好 |
F-Score各カテゴリの根拠:
- 収益性 (3/3点): 過去12ヶ月間の純利益がプラスであり、営業キャッシュフローもプラス、そして総資産利益率(ROA)もプラスであることから、企業が本業で着実に利益とキャッシュを生み出す能力があることが確認されます。特に株主資本利益率(ROE)は19.13%と高い水準です。
- 財務健全性 (3/3点): 直近四半期の流動比率は2.43倍(243%)と短期の支払い能力に問題がなく、有利子負債比率を示すD/Eレシオも0.41倍と低く負債依存度が低い健全な財務構造です。また、新株発行による既存株主の株式希薄化もない点が評価されます。
- 効率性 (2/3点): 株主資本利益率(ROE)は19.13%で目標の10%を大きく上回り、直近四半期の売上高成長率も4.6%とプラス成長を維持しています。しかし、過去12ヶ月の営業利益率8.82%が評価基準目標の10%にはわずかに届いていないものの、堅実な水準にあると言えます。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 8.82%
- 業界平均との比較は難しいですが、一般的に10%以上が望ましいとされる中で8.82%は堅実な水準です。特に2024年6月期の1.91%から大幅に改善しており、収益力の回復傾向が顕著です。今後、新作ゲームのヒットやTCGの効率的な展開により、さらなる改善が期待されます。
- ROE(実績、過去12か月): 19.13%
- 「株主のお金でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的な目安である10%を大きく上回る優良な水準です。これは、ブシロードが株主資本を非常に効率的に活用し、高い利益を生み出す能力があることを明確に示しています。
- ROA(実績、過去12か月): 7.69%
- 「会社の総資産でどれだけ稼いだか」を示す指標で、一般的な目安である5%を上回る良好な水準です。企業が総資産全体を効率的に活用して利益を上げていることを裏付けています。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 47.7%
- 企業の安定性を示す指標で、業種にもよりますが、40%以上が目安とされる中で47.7%は良好な水準であり、倒産リスクが低い安定した財務基盤を示します。直近四半期ではさらに改善し52.2%となっています。
- 流動比率(直近四半期): 2.43倍(243%)
- 短期的な支払い能力を示す指標で、200%以上が理想とされます。243%という水準は非常に高く、短期的な債務返済能力に全く問題がないことを示しており、資金繰りの安心感が高いと言えます。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 61億2,000万円
- 本業で多額の現金を安定して創出できており、事業活動が順調であることを示します。キャッシュフロー計算書(年度別)では、2025年6月期に58億1,800万円と大幅に改善しており、その流れを継続しています。
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): 40億4,000万円
- 営業キャッシュフローから投資活動に必要な資金を差し引いた、企業が自由に使えるお金を示します。40億円以上のプラスであり、事業の成長投資や株主還元に充てる十分な資金的余力があることを示しています。これは、2024年6月期が-4億800万円であったことから大きく改善しており、財務的な自立度が高まっています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 1.29倍
- 純利益に対して営業キャッシュフローが1.0倍以上である場合、利益の質が健全であると判断されます。1.29倍という高い比率は、ブシロードの利益が会計上の操作よるものではなく、本業で実際に現金として生み出されている信頼性の高いものであることを示しており、S(優良)評価に値します。
【四半期進捗】
2026年6月期 第2四半期(中間期)決算短信によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 49.7%(通期予想56,000百万円)
- 中間期として概ね目標通り順調な推移を示しています。
- 営業利益進捗率: 64.6%(通期予想4,500百万円)
- 通期予想に対して非常に高い進捗率であり、今期は事業構造の改善や効率化により、収益性が大きく回復・改善していることを強く示唆しています。
- 親会社株主に帰属する中間純利益進捗率: 95.5%(通期予想2,700百万円)
- 中間期で既に通期純利益予想の約95%を達成しており、通期予想が非常に保守的であるか、あるいは第3四半期以降に多額の費用増加を見込んでいる可能性が高いです。決算説明資料では、第3四半期にTCGの仕様変更に伴う費用や、新IP・新作ゲームのプロモーション費用増を想定しているとの言及があり、これが通期予想据え置きの背景にあると考えられます。
直近3四半期の売上高・営業利益の推移(損益計算書より、概算):
| 決算期 | 売上高(推計) | 営業利益(推計) |
|---|---|---|
| 過去12か月(2026年3月) | 58,283百万円 | 6,050百万円 |
| 2025年6月期(通期) | 56,175百万円 | 4,868百万円 |
| 2024年6月期(通期) | 46,262百万円 | 882百万円 |
過去12ヶ月の損益計算書データと2026年6月期 第2四半期決算短信のデータを組み合わせると、ブシロードの業績は、昨年(2024年6月期)の落ち込みから2025年6月期にかけて大幅に回復し、さらに2026年6月期も堅調に推移していることが確認できます。特に、営業利益は前年同期比で68.5%増、純利益は107.4%増と大幅に改善しており、事業の収益基盤が強化されていることが伺えます。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 13.17倍
- 「株価が利益の何年分か」を示す指標で、業界平均PERの16.8倍と比較して、約21.6%割安な水準です。これは、株価が企業が将来稼ぎ出すと予想される利益に対して、相対的に低く評価されている可能性を示唆します。
- PBR(実績): 1.34倍
- 「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、業界平均PBRの1.7倍と比較して、約21.2%割安な水準です。現在の株価が企業の純資産に対して相対的に低く評価されていることを示しており、企業の解散価値を上回ってはいますが、業界平均を下回ることで割安感が存在します。
- 目標株価(業種平均基準):
- 業種平均PER基準で算出した目標株価は578円、業種平均PBR基準では339円です。これらの目標株価と比較すると、現在の株価262.0円は割安と判断できます。特にPER基準では大幅な上値余地が存在する可能性があり、株価の本格的な回復があれば、目標株価への収斂が期待されます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | デッドクロス | MACD値: -2.79 / シグナル値: -2.07 | 現在は短期的な下落トレンドへの転換の可能性を示唆 |
| RSI | 中立 | 40.4% | 70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎとされる中、中立圏にあり、やや売りが優勢な水準 |
| 5日線乖離率 | – | -2.96% | 直近の株価が短期移動平均線の下に位置し、短期的な下落モメンタムを示唆 |
| 25日線乖離率 | – | -3.96% | 短期トレンドから株価が下方乖離している状態 |
| 75日線乖離率 | – | -9.62% | 中期トレンドから株価が下方乖離している状態 |
| 200日線乖離率 | – | -17.62% | 長期トレンドから株価が大きく下方乖離しており、強い下落トレンドを示唆 |
テクニカル分析では、MACDのデッドクロスが発生しており、短期的な下落トレンドへの転換の可能性を示唆しています。RSIは40.4%と中立圏にあり、過熱感はありませんが、売られすぎの水準からはやや遠い位置です。すべての移動平均線から株価が下方に乖離しており、短期から長期にわたって下落基調にあることが読み取れます。特に200日移動平均線からの乖離率が大きいことは、長期的な視点での弱気相場を示唆しており、買い手は慎重な姿勢を示す可能性があります。
【テクニカル】
現在の株価262.0円は、52週高値402.0円から大きく下落し、52週安値220.50円に比較的近い位置(52週レンジ内位置: 12.6%)にあります。これは、過去1年間の株価推移を振り返ると、安値圏に位置していることを意味します。
- 5日移動平均線270.00円、25日移動平均線272.80円、75日移動平均線289.88円、200日移動平均線317.03円をいずれも下回っており、短期的および中長期的な下降トレンドが継続している状況です。特に200日移動平均線を大きく下回っている点は、長期的な視点での弱気相場を示唆しており、株価の上昇にはこれらの移動平均線を上抜ける強い買い材料が必要となります。
過去1ヶ月のリターンは+3.56%とわずかにプラスですが、3ヶ月、6ヶ月、1年ではそれぞれ-12.67%、-22.83%、-51.21%と大幅なマイナスリターンとなっています。このことから、株価は長期的に下落トレンドにあり、直近のわずかな反発も長期トレンド転換には至っていないと見られます。
【市場比較】
日経平均株価やTOPIXといった主要市場指数との比較では、ブシロードの株価は長期的に市場を下回るパフォーマンスを示しています。
- 日経平均比: 過去1ヶ月では日経平均を9.20%ポイント上回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年ではそれぞれ17.66%ポイント、45.64%ポイント、95.90%ポイントと大幅に下回っています。
- TOPIX比: 同様に、過去1ヶ月ではTOPIXを7.60%ポイント上回っていますが、3ヶ月では18.09%ポイント下回っています。
これらのデータは、ブシロードの株価がここ1年間にわたり市場全体と比べて非常に弱い展開であったことを示しています。市場の回復トレンドに乗り遅れた形であり、相対的な魅力が低下していた可能性がありますが、直近1ヶ月では市場全体に対してアウトパフォームしている点は注目に値します。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が20.1倍と高水準です。これは、買い残が多く、将来的にこれらの買い残が解消される際に売り圧力となる可能性があるため、注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): 0.05
- 市場全体の動きに対する感応度を示す指標で、0.05という値は市場全体(日経平均やTOPIXなど)の動きに対して株価の変動が極めて小さいことを意味します。理論上は市場リスクの影響を受けにくいですが、個別企業のリスク要因が株価に大きく影響する可能性も示唆します。
- 年間ボラティリティ: 83.51%
- 株価の年間変動率の目安で、83.51%という非常に高い水準です。変動幅が大きいため、投資家は大きな利益を得る可能性がある一方で、損失も大きくなるリスクがあります。
- 仮に100万円投資した場合、年間で±83.5万円程度の変動が想定される極めてリスクの高い銘柄と言えます。
- シャープレシオ: 0.56
- リスク(ボラティリティ)に見合うリターンが得られているかを示す指標で、一般的に1.0以上が良好とされます。0.56という値は、過去のリスクに対して得られたリターンが相対的に低いことを示唆しており、リスク効率性は低いと評価できます。
- 最大ドローダウン: -50.86%
- 過去の計測期間における最高値から最低値への最大下落率を示します。これは、過去に株式を保有していた場合に最大で約50.86%の損失を経験する可能性があったことを意味します。この程度の下落が今後も起こりうるリスクがあることを認識しておく必要があります。
【事業リスク】
- 新作ゲームの市場受容性および競合激化: デジタルゲーム事業の強化はブシロードの成長戦略の柱の一つですが、市場競争は非常に激しく、新作ゲームが必ずしもヒットするとは限りません。開発費の回収や収益貢献が計画通り進まないリスクがあります。また、既存の有力IPゲームとの競合も常に存在します。
- 為替変動リスク: TCGの英語版展開や海外市場へのデジタルゲームリリースなど、海外事業を拡大しているため、為替レートの変動が現地での収益や日本円での換算損益に影響を与える可能性があります。特に円安はプラスに働くこともありますが、変動が大きい場合は計画に不確実性をもたらします。
- イベント集客の不確実性: ライブエンタメやプロレス興行などは、公衆衛生状況(パンデミックなど)、経済環境、天候など外部要因に大きく左右されます。イベントの中止や延期、集客の低迷は、売上高だけでなく、関連グッズの販売などにも連鎖的に影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が2,589,100株に対し、信用売残が129,000株であり、信用倍率は20.07倍と非常に高水準です。これは、将来的な買い方の手仕舞い売りによる需給悪化のリスクが存在することを示唆しており、株価の上値を抑える要因となる可能性があります。
主要株主構成では、三井住友信託銀行(信託口甲9号)が29.5%を保有する筆頭株主であり、中野坂上氏(13.4%)、代表取締役の木谷高明氏(5.62%)が続きます。上位株主による安定的な保有が見られる一方で、浮動株比率も考慮に入れる必要があります。
直近のニュース動向分析では、総合センチメントは「ポジティブ」と評価されています。特に、ワンダープラネットとの共同タイトル『ネンサバ』がApp Storeのセールスランキングでトップ10入りを果たすなど、新作ゲームの好調が業績への好影響として注目されています。これは、デジタルゲーム事業の成長戦略が市場から評価されつつある兆候と言えます。
8. 株主還元
ブシロードの株主還元策は、現状では配当に加えて自己株式消却も行っており、株主還元への意識が見られます。
- 配当利回り(会社予想): 0.95%
- 現在の株価262.0円に対して、年間配当予想2.50円に基づく利回りです。これは市場全体や同業他社と比較して高水準とは言えませんが、安定的な配当実施を重視する姿勢を示しています。
- 配当性向(会社予想): 9.1%
- 「利益の何%を配当に回しているか」を示す指標で、一般的な目安とされる30-50%と比べると低い水準です。これは、事業成長のための内部留保や投資余力を確保することを優先していると考えられます。
- 自社株買いの状況: 2025年12月23日に自己株式6,000,000株を消却(発行済株式総数の約4.19%)しています。これは一株当たりの価値向上に貢献する、直接的な株主還元策であり、積極的な資本政策の一環として評価できます。
SWOT分析
強み
- 強力なIP創出力と多角的なメディアミックス戦略: TCGを核に、アニメ、ゲーム、ライブ、プロレスといった幅広いエンタメ事業を展開し、IPの寿命を延ばし、収益機会を最大化できる点が強みです。
- 極めて健全な財務体質: Piotroski F-Scoreで8/9点(S評価)を獲得するほどの高い財務健全性、高いROEと安定したキャッシュフローは、事業拡大やリスク対応の基盤となります。
弱み
- デジタルゲーム事業の不確実性: 市場競争の激化により、新作ゲームのヒットが保証されず、開発投資の回収や収益貢献が計画通り進まないリスクが伴います。過去にはゲーム事業の不振が業績に大きく影響した時期もあります。
- 株価パフォーマンスの低迷と信用倍率の高さ: 長期的に市場を下回る株価パフォーマンスが続いており、信用買残が積み上がっている現状は、今後の上昇を妨げる潜在的な売り圧力となる可能性があります。
機会
- 海外市場でのIP展開拡大: TCGの英語版展開やデジタルゲームの世界同時リリース、GENDAとの提携を通じたグローバル展開は、新たな収益源とファン層獲得の大きな機会となります。
- 新規IP開発と既存IPの深掘り: 新しいIPの創出と既存IPの継続的な育成・コンテンツ化により、成長ドライバーを増やし、ファンエンゲージメントをさらに高めることが可能です。
脅威
- エンタテインメント市場の競争激化: ゲーム、アニメ、音楽、イベントなど各分野で競合他社との競争が激化しており、新規ユーザー獲得や既存ユーザー維持が挑戦となっています。
- 外部環境の変化による事業への影響: 為替変動、COVID-19のような感染症の再拡大、景気後退など、ライブイベントの開催や消費行動に影響を与える外部要因は、ブシロードの業績に直接的な脅威となります。
この銘柄が向いている投資家
- IP戦略とメディアミックスに魅力を感じる長期成長投資家: 強力なIPを多角的に活用し、国内外での成長を目指す同社の戦略に共感し、企業の成長を長期的に見守りたい投資家に向いています。
- 良好な財務基盤と高ROEを重視するバリュー投資家: 非常に健全な財務体質と高い株主資本利益率(ROE)を持ちながら、現在のバリュエーションが業界平均より割安感があるため、企業価値に基づいた投資を志向する投資家に適しています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 株価の変動性(ボラティリティ)の高さ: 年間ボラティリティが83.51%と非常に高く、短期的な株価の大きな変動に耐えられるリスク許容度が必要です。
- 信用倍率の動向と新作ゲームの進捗: 信用倍率の高さは将来の売り圧力につながる可能性があるため、今後の推移を注視する必要があります。また、第3四半期の業績軟化見込みと、その後の新作ゲームの市場受容性に関する情報開示も重要です。
今後ウォッチすべき指標
- デジタルゲーム事業の売上高と利益貢献: 特に「HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR」などの新作ゲームのセールスランキング推移や、決算におけるゲーム事業の具体的な進捗と貢献度。
- 海外事業の拡大状況: GENDA社との提携による具体的な成果や、TCGの海外売上高、海外イベントの開催状況など。
- 通期業績予想に対する第3四半期以降の進捗: 期初予想が据え置かれている背景にある費用増がどの程度影響するか、そして最終的な通期純利益が中間期の高い進捗率を考慮して上方修正されるか否か。
成長性:C
- 根拠: 直近12ヶ月の売上高成長率は3.75%、直近四半期の売上高成長率は4.6%と10%未満であり、かつQuarterly Earnings Growth (前年比) が-22.70%とマイナス成長です。また、2026年6月期の通期純利益予想は前年から減益となっており、短期的には成長の勢いがやや鈍化していると判断しました。第3四半期における一時的な費用増加の言及も、この評価を裏付けています。
収益性:A
- 根拠: 過去12ヶ月のROEは19.13%とS評価基準の「15%以上」を大きく満たしており、株主資本を非常に効率的に活用しています。営業利益率8.82%はS評価基準の15%以上には届きませんが、B評価基準の「5-10%」に該当し堅調です。ROEの非常に高い水準を重視し、全体として良好な収益性を有していると評価しました。
財務健全性:S
- 根拠: Piotroski F-Scoreで8/9点(S評価)という優れた結果であり、非常に高い財務品質を示しています。自己資本比率も47.7%(直近四半期では52.2%)と40%以上で良好、流動比率は2.43倍(243%)と200%以上で優良です。キャッシュフローも潤沢であり、財務面では極めて安定していると評価できます。
バリュエーション:A
- 根拠: PER(会社予想)13.17倍は業界平均16.8倍の約78%、PBR(実績)1.34倍は業界平均1.7倍の約78.8%であり、両指標ともに業界平均の80%を下回る割安な水準にあります。このことから、現在の株価は企業の実力に対して比較的低く評価されており、割安感がある良好なバリュエーションであると判断しました。
企業情報
| 銘柄コード | 7803 |
| 企業名 | ブシロード |
| URL | https://bushiroad.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 262円 |
| EPS(1株利益) | 19.90円 |
| 年間配当 | 0.95円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.8% | 15.1倍 | 743円 | 23.5% |
| 標準 | 15.2% | 13.2倍 | 532円 | 15.5% |
| 悲観 | 9.1% | 11.2倍 | 345円 | 6.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 262円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 268円 | ○ 2%割安 |
| 10% | 335円 | ○ 22%割安 |
| 5% | 423円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| バンダイナムコホールディングス | 7832 | 4,177 | 27,150 | 20.88 | 3.16 | 16.3 | 1.74 |
| 円谷フィールズホールディングス | 2767 | 1,453 | 950 | 7.42 | 1.46 | 25.0 | 3.44 |
| マーベラス | 7844 | 471 | 293 | 18.32 | 1.04 | 6.1 | 2.54 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
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